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SCP-504

登録日：2017/01/27 Fri 08:01:00
更新日：2025/04/20 Sun 05:53:03
所要時間：約 5 分で読めます


SCP-504とは、怪異創作コミュニティサイト「SCP Foundation」に登場するオブジェクトの一つである。
オブジェクトクラスは「Safe」。

『批判的なトマト（Critical Tomatoes）』の項目名の通り、見た目は至って普通のトマト(野菜)である。
…繰り返す、トマトである。

また、品種改良も栽培もできるから、後述の異常性さえないなら趣味の園芸にも向く…かも知れないし、食卓にドンと置いてあっても全く違和感を覚えない。


――トマトのどこがSCPなんだ!!
そう、お思いになった方もおられたことだろう。

しかし、なんの意味もなく我らが財団が確保・収容・保護する訳がない。






このオブジェクトの持つ異常性は、成熟したトマトの近くで「くだらないジョーク」が発言された際、たとえ収穫後であろうが包丁で切られた後であろうがジョークを発言した対象めがけて最低でも時速100マイル*1で体当たりをかます。
だから、当然、突っ込まれた側は歯が折れたり眼球が潰れたりは当たり前、挙げ句の果てには頭蓋骨をへし折られて病院送りにされたりとタダでは済まない。

ケンタッキー州のとあるご家庭で食卓に出されたこのトマトがご主人の駄洒落に反応して撲殺。仰天した奥様が、地元警察に「助けて！夫がお昼ごはんに殺されたの！」と通報。その後財団が回収した。

当初はDクラスで体当たり実験していたが、録音でも大丈夫だと発覚したのちは録音装置を使うことを決定。

食べてしまえば無力化できるが、腐ったものや化学薬品に晒したものですら、10パーセント以下の確率で時速100マイル(=だいたい大谷翔平の平均球速)で飛ぶ。しかも「くだらないジョーク」なら漏れなく反応するので、世界中どのサイトへ持ち込んでもこのトマトは無効化できないので注意が必要だ。








…しかし、お昼ごはんのトマトに殺されたという文章の謎っぷり、警察もトマトったろう。●≡＝






トマトの審判

このトマトが反応するのはあくまで「つまらないジョーク」で、トマトが「面白い」と感じた場合は飛ばない。

以下の例は、どれくらいの「くだらなさ」までなら大丈夫なのかを調べる実験。
原文のジョークは英語の慣用句に引っ掛けたものが多く、日本語訳ではミスター・ほんやくの手によりアレンジされている。詳しい解説は日本語の訳注を参照。

"Three tomatoes are walking down the street- a poppa tomato, a momma tomato, and a little baby tomato.
Baby tomato starts lagging behind. Poppa tomato gets angry, goes over to the baby tomato, and smooshes him… and says, Catch up."
日本語訳：「３つのトマトが道を歩いていました―パパトマト、ママトマト、それにちいさな赤ちゃんトマトです。赤ちゃんトマトがちょっと遅れました。パパトマトは怒って、赤ちゃんトマトのところへいってつぶしてしまいました…そして言いました、”止まっとるんじゃない”」
※「止まっとるんじゃない(Catch up)」は「ケチャップ(ketchup)」をかけたもの。

結果：
時速264マイル(時速約424キロメートル)で衝突。実験に使われたDクラスは気絶した。……よく気絶で済んだな。


"So, I was going to bed, and my brother told me, 'Goodnight! Don't let the bedbugs stick their proboscis in your skin and suck your blood!'" *pause* "Good luck on a healthy dermis!"
日本語訳：「それで、俺は寝ようとしたんだけど、弟がこう言ったんだ。『おやすみ！ トコジラミの口吻を肌に突き刺されて、血液を吸い取られないようにしてね！』」（小休止）「健康な真皮が守られますように！」

結果：
2秒後にトマトは防音装置が破壊する衝撃が起こる[編集済み]を記録。
Dクラス「D-504-3」は死亡。下ネタは嫌いなようだ。


「"Bomb blows hole in Lenin statue.(爆弾がレーニン像に穴を開けた)」というニュースを踏まえたジョーク三連発。

①
"Ooh, that's gonna leave a Marx."(そうか、死傷者が 零人（れいにん）なら良いんだが)
結果：1番トマトは「ぴくぴく」反応するが移動はしなかった。セーフ。

②
"BBC is just Stalin the good news."(BBCより、ロシアにソビエトつ像についての朗報です)
結果：2番トマトは時速152マイル(時速約244キロメートル)を記録。アウト。

③
"That blows."(そりゃアナーキーなことだな)
結果：トマトは[編集済み]を記録。被験者は重度の頭蓋骨折で病院送りに。

これに対するブラスト博士のコメントがこちら。

わたしたちは生きた被験者の代わりに録音装置を配置すると決めたはずだと思うんだがな！
君らがどれくらいDクラス職員を嫌っているかはわかっているよ、特にD-504-012をね（かわいそうに、もうすぐ任期終了なのにその前に回復すらしていない）。だが、このようなテストを繰り返して検査するようなやつは誰であろうと激しく叱責されるだろうよ。他のスタッフに映像ログをわたすようなやつも同じ目にあうからな。　―ブラスト博士

  • 「ジョーク戦争」
"Wenn ist das Nunstück git und Slotermeyer? Ja! Beiherhund das Oder die Flipperwaldt gersput!"

イギリスのコントグループ『モンティ・パイソン』が1969年10月に放送した「ジョーク戦争」*2で、別名「世界一面白いジョーク」や「殺人ジョーク」。
ロンドン在住の売れない作家が編み出した起死回生のジョークで自分が笑い死にしたことを知った英国陸軍は、ドイツ語訳して対独戦線で読み上げることを思いつき…………ってSCiPじゃねえか。

結果：自爆した破片が時速137マイル(時速約220キロメートル)という恐ろしいスピードで体当たり。
トマトすら笑い死ぬ殺人ジョークとは…。
これが本当のジョークSCP、なんてねHAHAH● ≡＝ ｸﾞｼｬ


SCP-904「短い詩」を録音した機器

解説：曝露した対象に問答無用で韻を踏んだ喋り方を強制する認識災害ベクター。曝露回数が増えると発話が詩的かつ複雑となり、詩や芸術の素養を持つ人物の場合によっては極度の抑鬱傾向を発症した挙句自殺に至ってしまう。

結果：[データ削除済]
ジョークに反応=その手の「素養」があるSCP-504に幻覚・希死念慮が起きる904を曝露させたのであれば……。


余談

某動画サイトのSCP紹介動画を始め、SCPの雑談で誰かがジョークを言うと高確率でトマトが飛ぶ。動画サイト付随の百科事典サイトではトマトの飛ばし方を言及している。
当WIKIでも解説や（公式の）項目名で駄洒落が登場すると「トマトが飛ぶぞ」とこのページへリンクを張られたりする。

「なんとなく存在を知っている」せいで、SCPに触れたばかりの者にとっては「ギャグを言うと飛んでくるトマト」みたいに扱われがちだが、解説の通りこいつが反応するのは「つまらないジョーク」。

つまりうまければ的にされないってことなので、追記・修正はジョークのうまいの方にお願いします。

「えっと。『この記事に駄洒落を書き込んだ奴は、誰じゃー!?』…なんちゃって」
おいバカ止めろ、ぎゃー！？

🍅三　　　
CC BY-SA 3.0に基づく表示

SCP-504 - Critical Tomatoes
by BlastYoBoots
http://www.scp-wiki.net/scp-504
http://ja.scp-wiki.net/scp-504

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最終更新：2025年04月20日 05:53

*1 およそ時速160キロメートル=秒速45メートル

*2 ドイツ語風の単語をいい加減に並べたナンセンスなものであり、日本だと西田敏行氏の『シャンソン風与作』やタモリ氏の『ハナモゲラ語』に近いニュアンス