SCP-1833

「SCP-1833」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

SCP-1833 - (2020/02/01 (土) 23:55:51) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2019/01/04 (金) 19:07:56
更新日:2024/04/07 Sun 21:31:26
所要時間:約 37 分で読めます




序曲の為に立ち上がってください。


SCP-1833はシェアード・ワールド「SCP Foundation」において登場するオブジェクトである。オブジェクトクラスはSafe。



初めに

本オブジェクトは同名シリーズハブ『class of '76』の序章を構成するオブジェクトである。
class-of-76には様々な学校、オブジェクト、要注意団体が絡んでおり、それを読み解くにはかなりの時間を要する。
先にclass of '76に関連すると考えられるオブジェクトを挙げておく。

シリーズタグ『class-of-76』のついているもの
  • SCP-332 - 1976年度カーク・ロンウッド高校マーチング・バンド
  • SCP-814 - 純音
  • SCP-1423 - 76年,夏
  • SCP-1833 - 76年度同窓生
  • SCP-1976 - 私を決して知りえないであろう息子へ
  • SCP-2316 - 校外学習
  • SCP-3776 - キャンプ・ニムロッド
それ以外の関係するであろうオブジェクト・Tale
  • SCP-001/Kalininの提言) - 過去と未来
  • SCP-026 - 終わらない放課後
  • SCP-2747 - 下の如く、上も然り
  • SCP-2798) - この死にゆく世界
  • SCP-3005 - 死んだ光
  • SCP-3935 - これこそが静かな狂気が作りし物

  • SCP-[NELL] - アパラチアの傷痕


思い出


「思い出」とは、「リー」を主人公とした、カーク・ロンウッド高校での出来事を描いたハブである。SCP-1833を読む上で読んでおきたいTale群でもあるので、先に述べておこう。
パート毎に話が別れているので、順を追って説明していく。








さて...最初から最後まで意味が分からなかったが、「思い出」には関連資料が付いている。SCP-1833もそれに該当する。

76年度のクラス

さて、『76年度のクラス』を選択すると、SCP-1833の報告書に飛ぶ。ってわけでやっと本題。
メタタイトルは76年度同窓生
オブジェクトクラスはSafe。
特別収容プロトコルによりこいつはサイト77のSafe SCP棟の標準封じ込めロッカーに保管されることになっている。
クラスD以外の人員はSCP-1833を取り扱うことを認められていない。

概要だが、SCP-1833は███████高校年鑑の1976年版のコピーである。その外観は他のコピーとほぼ一致しており、
同年代のものと同程度の摩擦が見られる。年間は"76年の回想"と題されている。こいつはハードカバー製で、丁度50ページである。本は5つのセクションからなる:学生写真、年度中の写真、クラブ写真、競技大会の写真、肉筆欄。
...あれ?なーんかどっかで見たような聞いたような...
SCP-1833を高校卒業済みの人が読んだとき、奇妙な効果が現れる。SCP-1833を読んだ人(以下"対象"と称する)は、高校在学中に社会的に結びついた人から残されているメッセージが含まれている、彼ら自身の高校年鑑だと認める。最初に、写真やメッセージによってポジティブな気分になる。欄外に書かれた励ましのメッセージやイベントへの言及も、対象にポジティブな気分を呼び起こす。

しかしながら、およそ10ページも読むうちに、メッセージはネガティブな調子を見せ始める。初めに、対象が当惑や後悔を覚える高校在学中の出来事について、詳らかに述べていく。次第に対象が高校卒業後に体験した出来事にも言及し始め、対象への個人攻撃にまで及ぶ。加えて、本の中の写真もネガティブなものになり、しばしば写真内の顔がひどく醜く変形していく。

その後、不定ながらも20-30ページほど読まれた後、対象の写真が現れ始める。初めの写真は、対象が高校在学中に起こった決まりが悪い出来事を見せてくる。しかしながら、対象が本を読み進めていくと写真はより不穏なものになっていく。対象が犯罪を犯したり、対象が手足を切断されたり、そしてSCP-1833の中で最も報告が多いのが対象が他者から傷害を受けるというものである。

やはり、先程出てきた顔の損傷した人の画像というのは、この年鑑の画像のようだ。

SCP-1833の中で描かれたイメージの例
  • 3ページ
SCP-1833の最初のコンテンツであり、数人の学生(対象を含む)が年間のスナップ写真という形で描かれる。写真の中の人たちは微笑んでいて、魅力的な学生たちのグループと対象が交流しているさまが描かれる。

  • 10ページ
クラスの中で対象が何かプレゼンテーションしているさまが描かれる。テーマは対象毎に異なるが、聞いている生徒たちは皆興味を引かれているようだ。

  • 16ページ
最初のネガティブな描写である。対象が何人かの生徒たちの上にランチトレーを溢してしまうシーンが現れる。

  • 20ページ
対象はゴールキーパーのユニフォームを着ており、相手チームにゴールを奪われる様が描かれる。背後にマーチングバンドが見える。

  • 29ページ
最初の暴力的な描写で、対象は保健室にいて、顔と首にいくつかの擦り傷があるように見える。

  • 36ページ
対象が音楽クラブに現れるが、クラブの他のメンバーは向こう側に集まっており、対象を嘲り笑って軽蔑の目を向けているように見える。

  • 39ページ
対象が寝室で眠っており、年鑑に現れた人々がそれを取り囲んでいる。これらの人は顔の造形を酷く損傷しており、SCP-1833の閲覧者を直視している。

これに関しては完全に「終曲」で出てきた画像と同じだ。

  • 背面
手書きのメッセージで"私達は最高の一年を過ごしました!同窓会が待ち遠しいなんて言わないで、私たちはすぐに会えるって信じてる!親愛なる友人たちに、多大なる愛を"

最初の一文は幕問1で隣に座っていた女の子のフレーズと同じである。因みに「私たちはすぐに会えるって信じてる!」のところは、SCP-2316の記事にリンクされている。

SCP-1833の報告書の内容は以上である。「予鈴」で出てきた画像や罵りや、「終曲」の画像は、この年鑑の性質だったことが分かる。

関連オブジェクト

ここでは直接「思い出」のなかで関連文書扱いされているオブジェクトを解説する。

SCP-332 - 1976年度カーク・ロンウッド高校マーチングバンド


オブジェクトクラスはEuclidからKeterに格上げされた模様。
特別収容プロトコルによると、SCP-332の観測・研究のために55-B観測所が建てられたようで、以前のSCP-332の固定効果範囲を含むように設計されたフェンスは破壊され、非活性状態のSCP-332を観察する事に専念した研究所に置換されたようだ。SCP-332の発現を特定・対応する為に、財団エージェントが主要な人口密集地域や観光地に配備されている。地元の財団エージェントが収容を確立出来ない場合、最寄りの出動可能な機動部隊が動員されるようだ。
SCP-332が活性状態に入った時、観測所の全人員は防音処理のされた観測エリアから、SCP-332により発生する音の強度と長さをその状況が終了するまでモニターすることになっている。影響を受けた民間人は、感染症のアウトブレイクを装い無期限に拘束するようだ。
何故か、何らかの改変があった場合に備え、先程紹介したSCP-1833が一定の監視下に置かれている。

概要だが、SCP-332はカーク・ロンウッド高校の1976年度のマーチング・バンドの生徒達である。バンドはSCP-332-1から-30として知られる30体のヒューマノイドより構成されている。30の事例全てにおいてヒューマノイドは1976年度のバンドのユニフォームを身に着け、1976年以前に製造された楽器を演奏している。"失神交響楽"という言葉が全ての楽器に刻まれている。

どうやらこのヒューマノイドや楽器達は、"失神交響楽"のもののようだ。


活動的でない期間は、SCP-332は通常の人間が見せるようないかなる行動も見せることは無く、最後に出現した場所の中央で気をつけの姿勢を取り続けている。時折、SCP-332の構成員たちは彼らの通常の持ち場に戻る前に、突然不可視の力でもみ合う事が知られている。この行動の理由は現在のところ不明である。SCP-332が財団の職員にコミュニケーションを取ろうとした事例は存在しない。SCP-332が空腹、苦痛を示したり、あるいは風雨に曝されることによる害を被った事例も存在せず、30年以上苦しむこともなく同じ地点に位置し続けている。

...つまりこのヒューマノイドは30年以上ずっと同じ場所に立ち続けているようだ。ただし、後述するが、今は同じ場所に長い間いることは無い。


48時間毎に一度、SCP-332は活性状態に入る。全構成員が消失し、別の人口密集地域に即座に再出現する。 SCP-332はマーチングバンドを頻繁に開催する主な観光スポットやイベント施設を好んでいるものと思われる。排除区域内で人の立ち入り、もしくは15〜80,000Hzの音が起きた時、SCP-332も音を発生させる。活性状態のSCP-332は出現場所周辺を15〜45分間行進する。続いてSCP-332は最も近いヒト被験者の下に進み、楽曲を演奏する。SCP-332により演奏される楽曲は多様だが、主には1967〜1973年のポップスの交響楽アレンジから構成されている。SCP-332から発せられる音は活動エリア内では変わらぬボリュームを維持し、エリア外では急速に減衰する。

どうやらヒューマノイド達は即座に瞬間移動をし、行進をするようだ。

もし被験者がSCP-332により演奏される音楽を聴きとれた場合、手近なところから楽器を手に入れようとし、そしてSCP-332の演奏に加わる。被験者(以後SCP-332-Bと呼称)はSCP-332の影響下に入ってから10分以内に楽器を得られなかった場合、強い不安を報告する。10分以内にSCP-332に加われなかった場合、彼らはエア演奏をしながらバンドと共に行進し、SCP-332の発する音の口真似を試みる。SCP-332に加わったSCP-332-Bは極度の疲労と空腹により気絶するまで行進を続け、倒れた後は他のSCP-332とSCP-332-Bにより踏みにじられる。SCP-332-Bが10人、SCP-332に加わる毎に、SCP-332が影響を及ぼす領域は300m増加する。この影響が及ぶ範囲は全てのSCP-332-Bが処理もしくは無力化されるまで拡大し続ける。この段階でSCP-332の活性状態は即座に終結する。

ええ...(困惑)
どうやら332の演奏を聴いたらそれに加わり、どんどん影響を及ぼす範囲が拡大されるようだ。

SCP-332が初めて始動した間に発生したSCP-332-A事件後、SCP-332は沈静化していた。始動から財団のエージェントにより無力化されるまでの間、SCP-332-A事件はカーク・ロンウッド高校の生徒・職員の40%を死に至らしめた。高校は火災に偽装して閉鎖され、生徒、地域住人、生存者はクラスB記憶処理がなされた。成功裡に終わったSCP-332の収容は1976年7月19日にアーカイブされ、Euclidに分類されました。

どうやらSCP-332-A事件ということがあったようだ。Euclidに分類されたと書いているが、後述する事案により、Keterに再分類された。


SCP-332-B 補遺は、SCP-332-A事件の写しのようだ。
SCP-332収容後の初回の清掃作業時、カーク・ロンウッド高校の最初の縦窓であったであろう野外より16mmカメラが発見された。このビデオの写しはひどく破損しているが、332-A事件の唯一の記録である。
これがその記録である。

<0:00-0:10>
高校のフロントのものと思しき大きな窓越しにSCP-332のメンバーの内の数人が校庭で
楽器の準備をしている様子が見られる。無音。
<0:10-1:34>
カメラが身元不明の女性#1に向けられる。おそらくカメラマンが女性に話しかけようと
しているものと思われる。一切の音は聞かれず。SCP-332のクラリネット奏者の一人が
背景を歩く様子が見られる。
<1:34-4:55>
この部分はテープが損傷しており識別可能な情報は無し。
<4:55-5:00>
一時的に音声・映像がクリアーになる。バンドの構成員の内の一人の服装が通常とは
異なるようだ、と言う身元不明の女性#1のものと思しき声。何がどう通常と異なるの
かについては不明。
<5:00-6:02>
静止画
<6:02-8:04>
カメラマンと身元不明の女性#1がお喋りをしているシーンで映像・音声は飛躍的にそ
の質を向上させて復活。7:09、フレーム外の身元不明の女性#2が"失神交響楽"とし
て知られるバンドの備品のサプライヤーを引用し、彼女に提供された情報からはその
サプライヤーを見つけ出すことができなかったと言っているのが聞かれる。背景に居
る身元不明の男性#1が、次は私が調べようと主張している。
<8:04-16:22>
再び音声が途切れる。カメラはSCP-332が演奏を始めようとしている校庭を指し示
す。11:00、観衆の内の数人が苦悩の様子を見せ始める。11:30、カメラはフロア
ーから乱暴に動かされ落下。カメラマンと身元不明の女性#2を含む数名が苦痛を浮
かべながらオフィスをぐるぐる回る様子が映される。11:45、SCP-332は活動状態
に入る。身元不明の女性#1がオフィスを出て外に向かう様子が16:00に映される。
<16:22-18:45>
静止画
<18:45-19:00>
カメラが拾い上げられ室内を動き回る。当初のカメラマンを含む数名の死者がフレー
ム内に認められる。カメラは窓越しにSCP-332が演奏している様子をしばらく映す。テ
ープは19:00で終了。


SCP-1423 - 76年,夏

オブジェクトクラスはSafe。正体不明のティーンエイジャーが写ったポラロイド写真。
写真の裏には棒炭で”私達は最高の一年を過ごしました!”と書かれている。

この写真を見ると、不自然なほど正確に高校時代の思い出を思い出し、その思い出の場所を再訪しようとする。しかし再訪すると「あれ、こんなとこだっけ、来るんじゃなかった」と後悔してしまう。

この写真の影響を受ければ受けるほど過去の思い出にどっぷりはまりこんでいき、夢日記をつけだしたりする。

追記・修正お願いします

この項目が面白かったなら……\ポチッと/