バフラヴァーン(黒白のアヴェスター)

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バフラヴァーン(黒白のアヴェスター) - (2020/09/25 (金) 22:19:13) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2020/05/29 Fri 23:10:00
更新日:2024/04/03 Wed 20:07:54
所要時間:約 5 分で読めます








本気を出せよ。この程度で俺を殺せると思っているのか

俺は最初から本気だぞ。更なる上を見せてくれ

いいぞ、おまえは素晴らしい よくそこまで練り上げた。おまえのような者がいるからこそ、この遊びは面白い


さあ、やろうか。俺とおまえのどちらが強い?



黒白のアヴェスター』の登場人物。


プロフィール

種族:不明
性別:男性
身長:228cm
体重:200kg
二つ名:暴窮飛蝗(ぼうきゅうひこう)
魔王序列:三位
所在地:不明


戒律1:『殲くし滅ぼす無尽の暴窮(ハザフ・ルマ)
戒律2:『終わりなき群生する暴窮(マルヤ・アエーシュマ)


概要

善なる義者(アシャワン)と敵対する悪なる不義者(ドルグワント)の頂点に君臨する絶対悪、『七大魔王』の一角。
善の殿堂『聖王領(ワフマン・ヤシュト)』による序列は三位。与えられた異名は『暴窮飛蝗』
司る悪性は『暴性』。


二メートルを超えた筋骨隆々の体躯の、緋色の瞳に灼炎のごとき烈しい髪を持つ大男。
出会う者全てを倒して、星を幾つも滅ぼす天災を巻き起こしているため序列三位と認定された。


人物像

「この世のすべてと戦い、倒し、最後に残った者が最強である」という子供じみた狂気の野望を掲げて宇宙を渡り歩き、破壊と殺戮を繰り返して自分以外の全てを絶滅させんとする傍迷惑極まりない宇宙最悪の脳筋(バカ)

その思想の前には老若男女も不義者も義者も関係ない。
出会い、目が合い、俺とおまえはここにいると、謳いあげたからには不倶戴天。
「この世に己以外の生命など認めない」という思考回路により、バフラヴァーンとの相互認識を行なってしまえば最後、例え無力な赤子や草木、昆虫であろうとバフラヴァーンの全力の一撃によって滅殺される。
勇者ワルフラーンといった例外を除けばバフラヴァーン以後の七大魔王の交代は、バフラヴァーンに殺害されてしまったケースが約9割を占めるらしい。


超が付くほどの度し難い戦闘狂だが同時に「最強」を目指す戦闘者にして求道者としての顔を持つ。
脳筋なのは間違っていないが、同時に自身の戒律には忠実かつ真摯であり、自身の知覚圏外にいる者に対しては手出しするようなことは一切しない。
中々戦う相手がいない場合や戦おうと思っていた相手を横取りされた場合は拗ねたり寂しがる子供っぽい一面もある。
また見方によっては臆病とも取れる配下2人の付かず離れずの修行内容についても「彼らの再戦における必勝を期した決意表明」と考え許容。
彼ら2人を対等なライバルと捉えた上で放任し、さながらチャンピオンの如く泰然と構えて2人が再び挑んでくる瞬間を楽しみに待つ度量の深さも垣間見せる。


負けん気も非常に強く、彼の前では「戦う相手がいない」という暇や退屈といった概念すらも等しく「挑み乗り越えるべき相手」でしかない。

無駄だと?ならば俺は、無駄(ソレ)に勝たねばならん

退屈(ソレ)に勝つ。何が相手でも俺は負けん

という無茶苦茶にして荒唐無稽極まりない宣言が彼の狂気と破綻ぶりを表していると言っても過言ではない。

ここまで書くと一周回って気持ちのいいバカ快男児のようにすら思えるが、そこはやはり不義者の頂点に君臨する「魔王」の1柱。
強敵と判断した相手には義者であろうと最大限の敬意を払い、強敵の記憶は胸に留める真摯な一面を持つ一方で、あくまで殺した相手の存在は自分の勲章(=踏み台) の一つとしか考えていない。
「振り返らず、立ち止まらず、前だけを見据えていくのが自分の道」と考える前向きでポジティブながらも残酷な男。
おまけに戦いが激化し興が乗ってくると「俺が満足するまでまだ死ぬな!俺が満足するまで限界を越えて奮い立ってそれから死ね!(意訳)」という身勝手極まりない主張を相手に押し付けてくる。
結局彼にとって他人は等しく自分の自尊心を満足させ、自分の強さを彩る為の引き立て役でしかなく、そう考えるのも「俺の方が強いから」というあまりにも薄っぺらい単純な理屈によるもの。


単純バカの戦闘狂であるが、一方で「自身こそが最強である」という自負を掲げていながら関わらず「他者に戦いを挑んで強さを競おうとする」というどこかチグハグな言動を繰り返しているが…


経歴

1800年前に生まれた時から現在までその信念をもとに殺戮を続け、やがて1000年以上もの期間魔王の地位についている怪物。
七百年前にはクワルナフとも戦っており、決着が着かずに今に至っている。
また、数百年前にはザリチェードタルヴィードと対戦し、両者を破っているが殺し切れなかったりと出会えば即殺害とまでは至っていない。


戦闘能力

戦闘経験は魔王の中でも抜きん出ており、誕生したその時から一瞬たりとも休まず戦闘力が増し続けている。
規格外の我力の使い手で単純な物理的な攻撃力、つまり殴っただけで相手を原子レベルにまで分解し、拳を固めれば星すら潰す握力が込められる。
バフラヴァーンの内部には中性子星を超えるエネルギーが渦巻いており、聖王領を始めとする人類が居住可能な星に比べ表面重力は数千億倍という環境下でも耐えられる。
超新星の星霊スプンタ・マンユの余波で恒星が生涯で生むエネルギー量を上回り、数万光年先にある星すら壊滅させて、瞬間的にブラックホールすら踏み砕く全力の突進を受けても原型を保ち、一撃でその身に恒星級の質量を有しているスプンタ・マンユを倒している。

しかし真の恐ろしさは「現状において全生物の頂点」と言わしめる精神力から生まれる常軌を逸した成長速度。
敗色濃厚な戦況は覚醒を促す起爆剤にしかならず、自身の戒律の効果も合わさり持久戦は悪手中の悪手。
少し前までは有利になり得えた戦法ですら僅かな短時間の間に克服し、それを上回る強さを得て天井知らずに強くなる
攻略手段で有効なのは成長・進化される前に一撃で確実に仕留めることだが至難を極める行為である。


神座という大きな歴史の流れとしては、生まれるのが早過ぎた男。
彼の思念の域は実質的に神格、つまりDies iraeにおける流出位階に達しているが、彼の渇望は覇道ではなく求道の渇望であったことが不味かった。
メルクリウスこと水銀の蛇がその特異な流出により多元宇宙が生まれたのは第四神座以降なのだが、単一宇宙であるこの時代では動く人型の単一宇宙である求道神が生まれる土壌が存在せず、多元宇宙となる第四神座以降に生まれていれば確実に求道神になれていた逸材である。


保有戒律は2種類。
『殲くし滅ぼす無尽の暴窮』だけでも凶悪な代物なのだが、この戒律は遵守して当然の大前提であり、バフラヴァーンにとっては2つ目の戒律が本領となる。


戒律1:『殲くし滅ぼす無尽の暴窮(ハザフ・ルマ)

◎出会った者とは誰であろうと全力で戦わねばならない。
→体力の消耗がない永久機関になる。

バフラヴァーンを筆頭に暴窮飛蝗に所属する者たちが共有する戒律。そのオリジナル。
二千年近い年月に渡り活動してきたため、その内容は聖王領にも把握されている。

互いを認識した相手とは虫や草花に至るまで例外なく、全力で戦わなければならないという重い縛りに対して、戦闘に必ず付きまとうスタミナ切れが起きなくなる=常時全力を発揮できるという恩恵を得られる。
そのため飛蝗を相手に戦う場合、持久戦は下策中の下策となる。
この縛りは必ず相手を殺す必要はなく、現にザリチェードとタルヴィードはバフラヴァーンと一度戦い生き延びている。
加えて同時に認識している相手が複数いるなら中断して標的を変えることも可能。


ただし欠点が複数あり、まず自分を認識していない相手には一切の殺傷が不可能になる。
厳密に言えば、攻撃できないのではなく攻撃した場合は破戒となるため、我力によって非攻撃対象に影響を及ぼさないよう配慮する必要がある。
これは『不意打ちで勝っては自分が相手より本当に強かったのかわからなくなる』という信念に由来しており、どんな弱者が相手であれ尋常に勝負することで自身の強さを証明する必要があるため。
作中では聖王スィリオスが自身の戒律で聖王領の義者たちを強制的に眠らせることで飛蝗の殺戮を回避している。

これに付随して、『自分を意図的に意識から外している相手』にも攻撃できない。
カイホスルーはナダレやフレデリカ相手に暴れているバフラヴァーンを『意味のない背景』と意識的に認識の視界から外すことで無意味な戦闘を回避している。


戒律2:『終わりなき群生する暴窮(マルヤ・アエーシュマ)


「どうした、おまえはそんなものか!」
「違うだろう、俺の想像を超えてみろ!」
「その上でなお打ち砕く!」
「さらに強くなる俺に尽せ!」
「俺が」「俺が」「俺が」「俺こそが――」

「「「「最強の座を掴むと知れェッ!」」」」

◎孤独を恐れず戦い続ける
→己と寸分たがわぬ分身を生み出す

「俺は最後に残った俺とも戦う。断じて孤独など恐れはしない」というバフラヴァーンが産まれた瞬間に抱いた原初の祈りから生まれた真の戒律。
宇宙最強の存在として一人になったとき、そこにあるのは無限の退屈ではないのか。ならば最強とは、非常に虚無的で無意味な概念ではないのか。
「頂点を目指す者」にとって必ず付きまとう命題と、自身の原初の祈りに対する自分なりの答えである『自分自身と戦い続け、超え続ける』の体現。


その効果は同じ強度・性質・力量・成長速度を持った分身「群生相」を無数に具現化する能力。
端的に言えば分身の術。
群生相は思考回路と性格も含めて一切の差異がない正真正銘の本物であり、結果起こるのは無数に増えたバフラヴァーン同士によるバトルロイヤル。
結果相手は宇宙最強の座を求めて自分同士で殺し合うバフラヴァーン達の全力の殺し合いの真っ只中に巻き込まれ、増殖したバフラヴァーン達に袋叩きにされてしまう傍迷惑極まりない荒唐無稽な戒律である。

ただし発動条件も厳しく、その条件は非常に伯仲した実力の持ち主か、近い性質の者と戦う場合。即ち「自身と同種の存在と戦った時」に発動する。具体的には
実力や精神面で“自分に近い”と認めた敵と戦う状況になったとバフラヴァーンが認識

「宇宙にバフラヴァーンしかいない状況」というシミュレーションの条件が成立

自動で戒律が発動。バフラヴァーンの自己増殖開始
という理屈である。
クワルナフやナダレと戦ったときですら分身体が完全に視認できるほどの具現化には至っていないが、劇中ではマグサリオンとの激闘の中で発生。
合計4体のバフラヴァーンが顕現するに至ったが、あくまで4体が具現化しただけであり群生相の数に限度はない。

なおこの戒律はバフラヴァーン自身も全く認識していない無意識の戒律であり、微塵も使いこなしていない。
バフラヴァーンは分身したことに全く気がついていないどころか、
バフラヴァーン達は同じ群生相の存在すら知覚していないので、彼自身はあくまでも己一人で戦っているとしか思っていない。
原因は、
「攻めの手数がなぜか増えるし不可解なダメージを受ける。しかし楽しい。今自分は、間違いなく夢への道を邁進しているので考えるのは後だ。いいや、考える必要などない。己の道に疑問を抱くのは弱者の迷いで、俺には関係ないのだから」
としか認知していないため。
また極度の興奮と昂揚が群生相を生むトリガーなので、戒律発動中のバフラヴァーンは一種のトランス状態となるのも分身を知覚できていない理由の1つ。
分身と本体に違いがまったくないため、自分が増えたという事実を感覚的に理解できず、未だ夢半ばにあるバフラヴァーンは、宇宙殲滅を果たすまで真実に気付けない。

それ故に『殲くし滅ぼす無尽の暴窮』の破戒にはならず、2つの戒律は全力で併用可能。
全てに於いてあまりにトンチキすぎる戒律だった為クワルナフやナダレでさえ、この戒律を正確に把握することはできなかった。


暴窮飛蝗(ぼうきゅうひこう)アエーシュマ

バフラヴァーンが率いる勢力……というか勢力と呼ぶことすら憚られる超少数精鋭集団。
その数、首魁のバフラヴァーンを含めてたった3名。本拠地と呼べる領域すら存在しない。
昔は多くの構成員がいたようだが、方針上共食いが常態化しているため一種の蠱毒に等しく、現在の構成員達は特級魔将2人のみという質の極限を体現している。

内情はバフラヴァーンとの戦闘から生存するも血迷ったのかその生き様と目的に共感し、同じく「宇宙最強」の座を目指し絶滅の荒野を行く戦闘狂の集団。
分かりやすく言えば「タチの悪すぎる脳筋の集まり」

全員が戒律『殲くし滅ぼす無尽の暴窮(ハザフ・ルマ)』を共通して定めているのが最大の特徴。
それ故に組織の基本方針は「『天上天下に我こそ最強』を実証するため、目が合った者を例外なく皆殺しにする」こと以外存在しない。
その性質から出逢ってしまえば身内であっても平然と殺しあいを始めることになる為仲間意識もなければ実際仲間と呼ぶような関係にもない。
その一方で同じ意思と目標を共有しているため、一心同体と言って差し支えない奇妙な信頼を有している歪な関係を作っている。
関係を例えるならば「競争相手」と呼ぶのが最も適切。


現在の構成員2人の最終目標は「バフラヴァーンの打倒と全生物抹殺による最強の証明」
バフラヴァーン以外の構成員達はその過程として、バフラヴァーンの戒律の対象とならないギリギリのラインまで彼を追い続けつつ、バフラヴァーンの力量を観察しながら星を狩ることで修練という名の大規模殺戮を重ね、宇宙を虱潰しに進撃している。


ファンからの愛称は「惑星破壊サークル」



余談

正田卿曰く『「俺は宇宙最強の男!」とかほざくウルトラ馬鹿』『重い過去?ないよ 謎?ないよ』『信念はあるけど切なくないしむしろ馬鹿』『他と明らかにノリが違うゴーイングマイウェイ』



追記・修正よろしくお願いします。

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