ザリチェード(黒白のアヴェスター)

登録日:2020/04/18 Sat 20:59:26
更新日:2021/08/08 Sun 18:57:43
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し、しまった。や、やっぱり、遅れたみたい。

と、途中で、道草したのがいけなかったかな。で、でも仕方ない。そういう戒律。

出会った奴は殺さなきゃ、殺さなきゃ。




黒白のアヴェスター』の登場人物。

名前の由来はゾロアスター教の悪魔(ダエーワ)ザリチュ



プロフィール

種族:人間(?)
性別:女性
身長:164cm
体重:48kg
二つ名:暴窮飛蝗
魔将位階:特級
所在地:暴窮飛蝗アエーシュマ

戒律1:『殲くし滅ぼす無尽の暴窮(ハザフ・ルマ)
戒律2:『殲くし直進する渇望の槍(ザリチェ・アストウィーザート)



概要

善なる義者(アシャワン)と敵対する悪なる不義者(ドルグワント)の上位個体『魔将(ダエーワ)』。
善の殿堂『聖王領(ワフマン・ヤシュト)』による位階は準魔王級の特級。現在特級魔将は宇宙に4人存在するとされている。


伸び放題の髪に隈に囲まれた開き気味のギョロ目、赤揃えの鎧と巨大な槍を備えた吃音で話すコミュ障っぽい女性。
飛蝗内での愛称は「ザリチェ」。


人物

タルヴィードとは対照的に根暗で人当りが悪く、『悪は煌びやか』という型に嵌まらない槍使い。
それは戦うこと以外の要素を極限まで削ぎ落とした結果であり、ある種の求道者ともいえる脳筋(バカ)の類。

「自分こそが宇宙最強」と言って憚らないのが飛蝗であり、その点では相方よりも渇望が深いとも言える。
一方で女性的な魅力に無頓着というわけでもなく、自分こそが最も美しい女と考えた上で自分以外の女を醜女(ブス)と言い切り見下している。
そのプライドからロクサーヌに挑発された際は「私のほうが綺麗(つよい)ィィ!」と激高した。
曰く「バフラヴァーンもタルヴィードも私にメロメロ」とのこと。
矢印の全部が『殺したい』の相関図。
この世の終わりみてえなトライアングル。


経歴

五百年前に現在は空葬圏と呼ばれている星系で大暴れし、住民たちの必死の抵抗で宇宙に追放された問題児の片割れ。
その後、宇宙を放浪している際に魔王バフラヴァーンと遭遇。敗北こそしたもののかろうじて生き延びる。

が、何を間違ったのかバフラヴァーンの『宇宙すべての生き物を殺し尽くし、天上天下に自分こそが最強だと知らしめる』という生き様に共感
魔王の戒律を自身にも課し、同じように宇宙の星々を流離いながら出会った者を手当たり次第に殺して回る惑星破壊サークル修羅の一人となった。


戦闘能力

戦闘においてはその槍を以て、直線起動での刺突であらゆるモノを貫く。
これは後述の戒律による縛りなのだが、矛盾する多重戒律のため普段は劣化した状態になっている。
それでもたった一撃で数百万の義者を殺戮するだけの力を有している。


戒律1:『殲くし滅ぼす無尽の暴窮(ハザフ・ルマ)

◎出会った者とは誰であろうと全力で戦わねばならない。
→体力の消耗がない永久機関になる。

暴窮飛蝗に所属する者たちが共有する戒律。
オリジナルを持つ魔王バフラヴァーンが二千年近い年月に渡り活動してきたため、その内容は聖王領にも把握されている。

互いを認識した相手とは虫や草花に至るまで全力で戦わなければならないという重い縛りに対して、戦闘に必ず付きまとうスタミナ切れが起きなくなる=常時全力を発揮できるという恩恵を得られる。
そのため飛蝗を相手に戦う場合、持久戦は下策中の下策となる。

この縛りは必ず相手を殺す必要はなく、現にザリチェードとタルヴィードはバフラヴァーンと一度戦い生き延びている。
加えて同時に認識している相手が複数いるなら中断して標的を変えることも可能。


ただし欠点が複数あり、まず自分を認識していない相手には一切の殺傷が不可能になる。
厳密に言えば、攻撃できないのではなく攻撃した場合は破戒となるため、我力によって非攻撃対象に影響を及ぼさないよう配慮する必要がある。

これはバフラヴァーンの『不意打ちで勝っては自分が相手より本当に強かったのかわからなくなる』という信念に由来しており、どんな弱者が相手であれ尋常に勝負することで自身の強さを証明する必要があるため。
作中では聖王スィリオスが自身の戒律で聖王領の義者たちを強制的に眠らせることで飛蝗の殺戮を回避している。

これに付随して、『自分を意図的に意識から外している相手』にも攻撃できない。
カイホスルーはナダレやフレデリカ相手に暴れているバフラヴァーンを『意味のない背景』と意識的に認識の視界から外すことで無意味な戦闘を回避している。

そしてある意味最大の欠点として『多重戒律と矛盾する可能性が極めて高い』という点がある。
戒律とは己に枷を嵌めることで恩恵を受けるという法則であるため、『全力を出す』と『縛りを設ける』で前提からして致命的に相性が悪い。

特にザリチェードとタルヴィードはどちらも無差別殺傷を目的とした戒律を持っていたところに後付けで『殲くし滅ぼす無尽の暴窮』を追加したため、我力で抑え込んでも片方の発動中はもう片方が著しく劣化するというペナルティを受けている。
ただし破戒は本来であれば死やそれ以上の罰を受けるため、これでも相当に甘い方である。



戒律2:『殲くし直進する渇望の槍(ザリチェ・アストウィーザート)

◎自身が行うすべての挙動を直線軌道でしか成さない。
→それ(直線軌道)による攻防すべての威力や精度が跳ね上がる。

ザリチェード自身が持つ固有戒律であり真の切り札。
行動の全てが真っ直ぐである必要がある代わりに威力・精度が高まるという飾り気のない戒律。
他人との付き合いが極端に苦手で遊びが少ないザリチェードの性分には合致している。
精神的な縛りは少ないがその分我力による補正を上乗せしやすいという長所があり、軌道上にあるすべてを破壊してどこまでも突き進み、貫いたモノには回復を阻害する毒として纏わりつく。

ただしこの戒律は空葬圏にいた頃、つまりバフラヴァーンと出会う以前に己に課した無差別殺戮に特化した戒律であるため、相互認識をトリガーとする『殲くし滅ぼす無尽の暴窮』とは矛盾が生じている。
そのため我力で抑え付けて両立している現在でも、『相互認識した者には限界以上の威力を発揮するが、それ以外の者には効果が落ちる』という変質を起こしている。

特にザリチェードの場合はタルヴィードよりもバフラヴァーンへの畏敬の念が強いため、外野には文字通り足を掬われるレベルで接触できないほどに劣化している。



余談

名前の元ネタの悪魔ザリチュは渇きを司る女悪魔であり、聖霊アムルタートと敵対する。
ザリチェードの“渇き”というコンセプトはそこに由来している。


戒律名のアストウィーザートの元ネタは同じくゾロアスター教の悪魔アストー・ウィーザートゥ。
生物の死を司る比類なき悪魔であり、事故死などはこの悪魔によるものだとされる。


正田卿曰く『強い奴ほどキラキラしてる不義者の中の異端』『ぎょろぎょろおめめと吃音喋りが彼女なりの愛嬌(キラキラ要素)






「お、おまえも強いぞタルヴィード。けど知るがいい、私の項目のほうが面白い!」

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最終更新:2021年08月08日 18:57