MIU404(ドラマ)

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MIU404(ドラマ) - (2020/09/19 (土) 05:53:26) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2020/09/14 Mon15:42:53
更新日:2024/04/12 Fri 08:32:18
所要時間:約 ? 分で読めます





タイムリミットは24時間

誰よりも早く犯人にたどり着け


概要


『MIU404』とは、2020年6月~9月にTBS系列で金曜夜10時に放送されていた連続テレビドラマ。
事件発生から24時間以内の初動対応を行うMIU(Mobile Investigative Unit=機動捜査隊)の活躍を描く刑事ドラマである。

脚本はドラマ『アンナチュラル』『逃げるは恥だが役に立つ』の野木亜紀子で、『アンナチュラル』と本作品は姉妹作の関係にあり、お馴染みのUDIのメンバーもちょっとだけ登場する。

本作においては、犯人と機捜隊員の攻防がシリアスに描かれる一方、不幸な偶然や運命のいたずらから犯罪を犯してしまう人間の弱さ、救おうとする側の同じく弱い人間の心の葛藤と闘いが描かれる。
また、実力派ゲストによる圧巻の演技や、社会問題に鋭く切り込む野木氏の脚本も魅力。

主題歌は米津玄師の「感電」。
主人公の伊吹と志摩のテーマとも言える歌詞で印象的な曲である。

当初の予定では2020年4月開始、東京五輪開会前に全14話で終了する予定だった。しかし、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により撮影が停滞したことから、6月末から9月初めまでの全11話構成に変更された。
加えて、東京五輪も延期されたことから、脚本も最新の社会情勢に合わせて変更されている。

ストーリー

働き方改革により増設されることになった機動捜査隊第4部隊、通称4機捜。
そこに元上司の桔梗ゆづるにより招聘された元捜査一課の志摩一未。
しかし人事上の急な変更により、悪名高いトラブルメーカーで、暴力事件(というよりほぼ殺人未遂)で奥多摩の交番に飛ばされていた伊吹藍を相棒として押し付けられてしまう。

聞き込みすらまともに出来ず、バカ丸出しの言動を繰返し、犯人に暴力を振るおうとする狂暴な伊吹にうんざりする志摩だったが、伊吹の秘められた能力と性根の優しさに次第に気づいていく。

水と油の関係から次第に深い絆で結ばれていく二人だったが、二人を待っていたのは人を操り犯罪に向かわせる謎の男、久住との苛酷な闘いだった。



登場人物


4機捜 コールサイン404


伊吹と志摩のバディ。第1話でいきなり覆面パトカーを破壊してしまい、第2話以降はメロンパンの販売車を覆面パトカーにしている。
勘違いした一般人からメロンパンの販売を求められることが多く、客の中にはパワハラ上司に電話で怒鳴られているムーミンを抱いたUDI職員も。


  • 伊吹(いぶき)(あい)
演:綾野剛
奥多摩の交番から4機捜にやってきた野生のバカ。階級は巡査部長。

人数あわせのために連れてこられ、志摩の相棒となる。
外見はどうみてもヤンキーそのもので、しゃべり方も刑事とは思えないほどチャラく、切れると見境なく暴力に走ろうとする。
語彙も貧困で、付き合いの浅い人間には理解不能な言動を繰返し、今まで配属された部署ではことごとく爪弾きにされてきた。
しかし、実は超人的な身体能力(特に脚力)と野性動物なみの五感の持ち主で、走る車を足で追跡し、麻薬所持者を匂いでかぎ分けるなど機捜においてはその能力を大いに発揮する。
また外道相手には容赦ない暴力で臨むが、仲間や弱者にはとことん情が深く優しい性格で、他者に対する共感性が高い。
他者を救いたいという前向きな意思を持ち、その存在は実際に志摩を初め多くの人を救うことになる。
志摩の影響で後半では搦め手を使う狡猾さも身に付けていく。

恵まれない家庭環境から荒んでいたところを蒲郡刑事に救われ、刑事を志す。蒲郡とは疑似親子のような関係だったが、後半では彼との間にある事件が降りかかる。

機捜は誰かが最悪の事態になる前に止めるのが仕事だという信念を持っており、この信念が物語のテーマである。
名前の藍は虚数のiから。


  • 志摩(しま)一未(かずみ)
演:星野源
本作のもう一人の主人公。階級は巡査部長。
捜査一課の敏腕刑事だったが、ある事件をきっかけに捜査一課を追われ、旧知の桔梗の引きで4機捜に入る。

冷静で狡猾な切れ者であり、法の守護者としての確固たる信念を持つ。過去の事件のトラウマに苛まれており、時に自らの死を希求するかのような不可解な行動をとることも。
第一話では過激な運転で覆面パトカーをおしゃかにするなど危険な行動も多く、本質的には伊吹と同じ穴のムジナ。
伊吹の能力を見抜き相棒として認めるが、トラウマからくる人間不信ゆえに当初は冷淡に接していた。
しかしトラウマの元凶である事件を伊吹に掘り返されて以降は打ち解け、一緒に悪ふざけまでするように。
語尾にニャーを付けるとか。
伊吹の飼い主でツッコミ役で兄貴役といったところで、なんだかんだで伊吹にはかなり甘い。

桔梗に惚れているが、気の毒なほど相手にされていないため、伊吹にからかわれている。
伊吹相手に逆ギレして言った「キャッキャもうふふもしてねえよ!」は迷言。
名前の一未は文字通り一未満から。




4機捜 コールサイン401


陣馬と九重のバディ。404と協力して事件を追う。
404に比べると若干良識的で、バカ二人(九重曰く)に振り回されることも。


  • 陣馬(じんば)耕平(こうへい)
演:橋本じゅん
勤続35年のベテラン刑事。桔梗や志摩の師でもある。階級は警部補。
典型的な体育会系の熱血漢で、おおらかで豪快。401と404のお父さん的存在。うどんが大好物であり、401と404の夜食にうどんをよく作るが、第1話で茹で汁を窓から捨てて4機捜が本部から追い出されるきっかけを作ってしまった。
仕事一筋のため、家族から若干邪険にされており、息子の婚約者に会いにいく際に指名手配犯を見かけて追跡しようとし、呆れた家族から車の外に投げ捨てられたりと不憫な扱いを受けている。酔うと泣きながら絡む性格。


  • 九重(ここのえ)世人(よひと)
演:岡田健史
4機捜に配属された新人キャリアで、警察庁の高官を父親に持つエリート。愛称キューちゃん。階級は警部補。
当初は高慢で鼻持ちならない所があり、陣馬を最悪の相棒だと思い、伊吹を馬鹿にしていた。
しかし伊吹に容易く言いくるめられたりと実はポンコツ気味で、404のバカ二人に振り回されるうちすっかり染まってしまった。
実は地は博多弁。博多うどんを侮辱されると切れる。
後半では陣馬を尊敬するようになり、スーツを見立ててあげる等すっかり仲良くなった。




警察関係者


  • 桔梗(ききょう)ゆづる
演:麻生久美子
4機捜の頼れるボス。階級は警視。
男社会において実力でのし上がってきた強さと、人間としての優しさをあわせ持つ理想の上司。
ハムちゃん、亡き夫との間の息子と三人暮らし。
志摩の好意に全く気づいていないのか、自宅に志摩が泊まった際には、いいムードになるどころか泥酔した挙げ句亡き夫の遺影を志摩に突き付けて挨拶を強要しながらクダを巻くという所業に出た。


  • 糸巻(いとまき)貴志(たかし)
演:金井勇太
桔梗が1機捜内に設立した、SNSのリアルタイム監視などを担う「スパイダー班」の班長。
愛称イトマキマキ。人のいい性格で、伊吹に盗聴に協力させられたりと、404に振り回されることも。


  • 我孫子(あびこ)豆治(とうじ)
演:生瀬勝久
刑事部長。基本的に小心者の日和見主義者であり、組織内政治を優先させるタイプ。
桔梗とは仲が悪く、マメジと呼ばれている。九重から目の前でマメジ呼ばわりされたことも。九重の父親に媚びている。
最終回ではちょっとだけ格好いいところも見せる。




その他


  • 羽野(はの)(むぎ)
演:黒川智花
桔梗の家の居候。愛称ハムちゃん。
幼稚園の先生だったが、アルバイトでヤクザの店に関わってしまい、ヤクザの元締めであるエトリを告発したことから追われる身に。桔梗に保護されている。
愛くるしくも賢い女性で伊吹から好意を寄せられている。


  • 蒲郡(がまごおり)慈生(しげお)
演:小日向文世
茨城県警を退職した元刑事。荒れていた時代の伊吹を救ってくれた恩人で、伊吹に対しては今も父親のように愛情を注ぎ、心配している。妻と二人暮らしでボランティアをしながら生活している。名前の通り、慈愛の化身のような人物だったが…。


  • 児島(こじま)弓快(ゆかい)
演:渡邊圭祐
特派員RECを名乗る底辺ナウチューバー。
興味を持ったネタを大した裏付けもなしに、面白おかしく動画で喧伝する迷惑極まりない男。
序盤からたびたび4機捜がらみのフェイクニュースを発信してきたが、正体を隠して接触してきた久住に利用された挙げ句に使い捨てられる。
終盤では久住と刺し違える覚悟を固めて単独行動に走った志摩と一時的にタッグを組む。


  • 成川(なりかわ)(がく)
演:鈴鹿央士
私立バシリカ高校三年。
陸上部所属だったが、ドーナツE P がらみのスキャンダルで陸上部が廃止になり、憂さ晴らしにマネージャーに虚偽通報をさせては駆けつけた警官を元部員がリレーで撒くという悪質ないたずらをしていた。
4機捜相手のいたずらの最中、マネージャーが変質者に拐われ、伊吹の呼び掛けで他の部員は投降しマネージャー救出に向かったが、九重に追われていた彼のみが何も知らないまま逃亡、そのまま失踪した。
その後は久住に拾われ手駒としてドラッグの売買に関わり、金ほしさに児島と組んでハムちゃんの情報を集めエトリに売るなど転落の一途をたどる。
彼を取り逃がしたことが、九重の悔恨となり、成長を促すことになった。


  • 久住(くずみ)
演:菅田将暉
本作のラスボス。ドラッグの製造、販売を行う悪党。
享楽的な性格で、「ドーナツEP」というドラッグをばらまき*1、SNSを使って人を陥れ、ドローン爆弾によるテロを仄めかすなど悪行の限りをつくす。
他人が破滅する様を高みの見物で嘲笑う趣味があり、楽しみのためだけに犯罪を犯すクズ。

本人曰く「“久住”はクズを見捨てる」の略で、五味やトラッシュなど偽名を使い分ける。ハムちゃんの一件にもからんでおり、終盤では4機捜と全面衝突する。

ちなみに、中の人は2019年に日本テレビ系列で放送された日曜ドラマ、「3年A組ー今から皆さんは、人質ですー」で、「SNSによる根拠のない誹謗中傷によって教え子が自殺に追い込まれ、そのことがきっかけでSNSの危険性や、自殺に追い込んだネット民たちに自分たちのしたことを告発するために立て籠もり事件を起こした教師」、柊一颯を熱演。
久住が「自らの快楽のため、自身は安全圏から高みの見物で、間接的に人々を犯罪行為に走らせる正体不明の悪党」、柊が「自殺した教え子やSNSの危険性を広めるため、自身の命が危ぶまれることを承知で、自ら犯罪を犯した教師」と、同じSNSを利用した人物ながらも、全くの正反対な役柄となっている。




追記、修正はうどんの茹で汁を警視庁の3階窓から捨ててからでお願いします。

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