米津玄師/ハチ

登録日:2019/09/09 Mon 12:30:32
更新日:2025/10/07 Tue 01:17:09
所要時間:約 16 分で読めます




米津(よねづ)玄師(けんし)とは、日本の男性アーティスト。「こめづ」でもないし、「げんし」でもない。
主にシンガーソングライターとして活動しているが、イラストレーターや映像作家、はたまたダンサーとしても活動するなどマルチな才能の持ち主である。

この名前はれっきとした本名であるが、姓名ともにあまりにも珍しいためか、「読み方が分からない」なんてのは序の口で(本人もよく間違われるとネタにしている)、仏教僧や歴史上の偉人だと勘違いされたり、果ては名前を中途半端に勘違いしたまま覚えられてしまうなどネタには事欠かない。玄米法師じゃないっつってんだろ。



プロフィール

生誕:1991年3月10日
出身地:日本徳島県徳島市
身長:188cm
体重:非公開
最終学歴:美術系専門学校中退
所属:ソニー・ミュージックレコーズ
尊敬している人物:平沢進
好きなバンド:BUMP OF CHICKEN、RADWIMPS、ASIAN KUNG-FU GENERATION
好きなラジオ:SCHOOL OF LOCK
子供の頃の夢:漫画家


主な実績

  • iTunes BEST OF 2014 ベストアルバム
  • 第10回CDショップ大賞
  • 第60回日本レコード大賞 最優秀アルバム賞
  • Billboard JAPAN Streaming Songs of the Year 2018
  • 第32回日本ゴールドディスク大賞 ソング・オブ・ザ・イヤー・バイ・ダウンロード 邦楽部門
  • 第33回日本ゴールドディスク大賞 ソング・オブ・ザ・イヤー・バイ・ダウンロード 邦楽部門
  • SPACE SHOWER MUSIC AWARDS 2018 BEST COLLABORATION (灰色と青にて管田正輝と同時受賞)
  • SPACE SHOWER MUSIC AWARDS 2018 BEST MALE ARTIST
  • SPACE SHOWER MUSIC AWARDS 2019 BEST MALE ARTIST
  • 2020年 JASRAC賞 金賞(Lemon)
  • Youtubeで1億再生突破曲を10曲保持(日本人アーティストでは単独TOP)
 (orion、打上花火、LOSER、Lemon、アイネクライネ、Flamingo、灰色と青、ピースサイン、パプリカ、感電)
  • ニコニコ動画でミリオン再生突破曲数が22曲(アーティストでは単独TOP)


アマチュアバンド時代

小学五年生の時に見たFlashアニメーションで使用されていたBUMP OF CHICKENの楽曲に感銘を受け、中学三年生の時にMTR*1を使って作曲を始める。
高校生時代にはlate rabbit eddaというバンドを組んで活動をし、ニコニコ動画にも何曲か投稿していた(現在は削除されている)。
またこの時点で既にイラストの練習を始める、オリジナルの小説を小説投稿サイトに投稿するなど他の分野の才能も伸ばし始めていた。

高校を卒業した後は大阪の美術系専門学校に進学し、Ernst Eckmannというバンドでボーカルとベースを担当していた。
このころの曲は検索すれば何曲かヒットするので、聞きたい方は調べてみよう。

また、2009年からバンド活動と並行してVOCALOID初音ミクを使用した楽曲やPVの投稿を行うようになる。


ハチとしての活動

2009年
2009年5月に『お姫様は電子音で眠る』にてハチ名義でボカロPデビューを果たす。
その後、自分でPVまで作成をした『PersonaAlice』、『THE WORDLD END UMBRELLA』を発表。
この時点では「知っている人は知っているボカロP」程度の知名度であり、タグにも「期待の新人」や「もっと評価されるべき」などのタグが着いていた。

ボカロPとして一躍有名になったのは7月。
7月に和ホラー楽曲、『結ンデ開イテ羅刹ト骸』を投稿。投稿日および翌日のマイリストデイリーを連覇、3日目には殿堂入り(10万再生)し、
週刊ぼからん#93では巡音ルカの代表楽曲の1つであるDixieFlatlineの『JustBeFriends』の連覇を阻み、
週刊ぼからん#94ではGUMIの代表楽曲の1つであるsasakure.UKの『ぼくらの16bit戦争』を凌いで2連覇を達成した。
その後もコンスタントに伸び続け、2か月後の9月に自身初となる100万再生を達成した。

2025年1月現在はニコニコで700万、Youtubeでは1500万再生を突破している。

この楽曲も本人がなんと文字を含めPVを全てマウスで作成しており、その色使いと雰囲気が今でも高く評価されている。

その後も約1か月に1曲のペースで曲を投稿。
9月投稿の『Mrs.Pumpkinの滑稽な夢』、11月投稿の『clock lock works』はそれぞれ週刊ぼからん1位を記録した。(clockは2連覇)


2010年
2010年の最初の楽曲は 『WORLD'S END UMBRELLA』。PVは南方研究所が手掛けた。
初期の頃の曲である「THE WORLD END UMBRELLA」のアレンジとなっており、PVはアニメーションとなっている。

その後も月1ペースで曲を投稿し続けるもどれも去年の羅刹ほどの伸びを見せる事はなく、当時のボカロ界を牽引していた他の作曲者より一段階下がる評価に甘んじていた。
(その間の楽曲のうち、『ワンダーランドと羊の歌』『リンネ』『沙上の夢食い少女』の3曲はのちにミリオンを達成している。)

6月には名義を隠した状態で本人初のインディーズ曲となる『ニルギリ。』を投稿。(作曲のみ担当)

8月に投稿した『マトリョシカ』が2日で100万、半月ちょっとで200万を達成するメガヒットを飛ばす。
最終的にDECO*27の『モザイクロール』と競り合った末に2010年の再生数、コメント数、マイリスト数1位の3冠を達成。
その後もほぼ1年150万再生のペースで伸び続け、2017年の11月にボカロ史上4曲目となる1000万再生を達成。
Youtubeは現在も伸び続けており、2025年1月時点では7200万回の再生数を記録している。

12月に『Christmas Morgue』を投稿。

また、この頃からwowaka(現実逃避P)をライバル視し始め、同時に交友関係ができる。


2011年
2011年は2月に投稿した『パンダヒーロー』が大ヒット。
しかし、それ以降に楽曲は一切投稿される事がなく、さらにCDも出なかった。
当時はまだ本人がTwitterを開設していなかったこともあり、一部では引退説や失踪説が囁かれていた。


2013年
米津玄師として正式にメジャーデビュー。もうボカロ曲は作らないと思われていたが、11月に『ドーナツホール』を発表。
スタートダッシュこそ昔ほど勢いはなかったが、2019年6月の現在までニコニコ動画のVOCALOIDカテゴリーのデイリーランキングで一度も100以内から落ちることがない超ロングヒットを記録し、2019年に700万再生を達成した。


2017年
2017年のマジカルミライの表題曲として『砂の惑星』を発表。動画は南方研究所が担当した。
公開初日に10万再生を達成後、投稿6日後というボカロ曲では歴代最速のスピードで100万再生を突破。

2019年の6月時点でニコニコ動画で650万、Youtubeでは4200万再生を突破した。

本人がボカロPとして精力的に活動していたころの本人の楽曲含め様々な楽曲が想起されるフレーズがラップパートに入っている。
歌詞が当時のボカロ界への風刺ともとれる内容だったため、当時のボカロ界を牽引していた和田たけあき(くらげP)やナユタン星人がTwitterで苦言を呈するツイートをするなど一部で物議を醸した。
一方で、若手クリエイターへの激励とも言える内容ともとれ、他のボカロPによるアンサーソングも数多く投稿されている。

『砂の惑星』を最後に、ハチとしての楽曲制作は行っていないが、2024年にはGODIVAとのコラボで『ドーナツホール』の新MVが投稿された。


米津玄師としての活動

2012年
2012年2月にニコニコ動画に米津玄師名義で『ゴーゴー幽霊船』が投稿される。
投稿された当時は本人はハチであると明言しておらず、PVの絵柄や曲調でハチ=米津玄師じゃないかと囁かれる程度であったが、4月に『恋と病熱』を発表後、自らハチ=米津玄師と認めた。
その後、米津玄師名義では初となるアルバム『diorama』を発売。当時は全国メディアの露出がないにも関わらず、週刊6位のスマッシュヒットを記録した。
しかし、この年はVOCALOIDでの楽曲は発表されず、ライブも共演者がいないという理由で行われなかった。


2013年
5月にユニバーサルシグマからシングル『サンタマリア』を発売。メジャーソロデビューを果たす。

10月には両A面シングル『MAD HEAD LOVE/ポッピンアパシー』を発売。
MAD HEAD LOVEはYoutubeにPVが投稿されており、本人の楽曲としては初の実写PVとなった。


2014年
3月に『リビングデッド・ユース』『アイネクライネ』のMVをニコニコ動画とYoutube両方に投稿。
『アイネクライネ』は2014年度の東京メトロのCMにタイアップ曲であり、シングルチャートでの連続ランクインやカラオケの月間ランキングにも登場し始めるなど、長らくの間本人の代表曲となった。

4月には初のメジャーアルバムとなる『YANKEE』を発売。週間オリコンで2位を記録。2014年のItunesのベストアルバムにも選出された。

12月には初となるツアーLIVEを決行し、東京、大阪、福岡の3都市で「LIVE 帰りの会/続編」を開催した。


2015年
1月に3枚目のシングル『Flowerwall』をリリース。表題曲である『Flowerwall』はニコンのD550のCMに起用された。
また、このシングルは週間3位にランクインし、本人初となるシングルでのオリコンTOP10入りを果たした。

4月には札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、福岡、広島の7都市10会場でのワンマンツアー『米津玄師ライブツアー2015/花ゆり落ちる』を決行し、5会場では満席の大成功。

8月は複数の夏フェスイベントに出演。9月に4枚目のシングル『アンビリーバーズ』を発売。この曲はMIZUNOのCMに起用された。

そして10月、満を持して3枚目のアルバム『Bremen』を発売。ジャケットや収録曲などが「YANKEE」と比べて大衆を意識して制作したことが功をなし、ビルボードやItunes等の主要オリコンチャート全てで1位を獲得し、日本レコード大賞でも優秀賞を獲得した。

11月には憧れであるRADWINPSに指名され、Zepp東京で対バンを行った。


2016年
1月から2月にかけ、「米津玄師 2016 TOUR / 音楽隊」ワンマンツアーを開催。
会場は昨年より3都市4会場増えた10都市14会場での開催となった。

4月にユニバーサル・スタジオ・ジャパンの15周年として企画された「やり過ぎコラボ」にクリエイターとして参加。
米津味の溢れるスヌーピーのイラストやグッズが期間限定で販売されていた。

9月には所属を現在のソニー・ミュージックレコーズに移し、約1年ぶりとなる5枚目のシングル『LOSER/ナンバーナイン』を発売し、自身としては当時最高の週間オリコン2位を達成。
ナンバーナイン』はルーヴル美術館特別展の漫画映画のイメージソングとしての書下ろしであり、『LOSER』は2018年にHONDA「JADE」のCMに起用されることとなった。
また、その影響で『LOSER』はリバイバルヒットを起こし、2018年の7月に1億再生を突破した。

10月に公開された映画「何者」のOP『NANIMONO (feat. 米津玄師)』に作詞・ゲストボーカルとして参加。作曲者は中田ヤスタカである。

12月には「かいじゅうずかん」の単行本が発売。特典として新曲である「Love」が封入された。


2017年
昨年の『LOSER』等のヒットにより一般的な知名度が増加し、この年からはアニメや大手企業のCMのタイアップが積極的に行われるようになる。

2月に6枚目のシングル『orion』を発売。表題曲は「3月のライオン」の二期EDに起用され、米津がアニメの主題歌を担当するのは初めてとなった。

6月に7枚目のシングル『ピースサイン』を発売。
この曲はジャンプの看板漫画である「僕のヒーローアカデミア」のOPとしてオファーされたものであり、米津自身も愛読者であったことから快諾。
実は2016年時点でピースサインの原型となる音楽は完成しており、このオファーを受け再構築をする運びとなり、第二期1クール目のOPとして起用された。

劇場アニメ「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」で、DAOKOが歌う主題歌『打上花火』の作詞・作曲・プロデュース・ゲストボーカルを務める。
この楽曲は公開された当初から人気を博し、公開半年で1億再生を突破。さらに翌年まで通すロングヒットを起こし、年間ビルボードランキングで2017年に3位、2018年に4位を記録した。
2018年のNHK紅白歌合戦でこの曲が歌われたが、DAOKO本人の歌唱はあったものの、残念ながら本人はゲストボーカルを務めることはなかった。

11月に2年ぶりとなるアルバム『BOOTLEG』を発売。初動売上は16万枚を記録し2位以下に大差をつけて1位に。
アルバム中に収録されている菅田将輝とのデュエット曲である『灰色と青』は単独でダウンロード1位を獲得。
その他のアルバム収録曲も順位を上げ、11月2週目のレコチョクダウンロードランキングでは、アルバム曲を含め11曲がTOP100以内に単独ランクインを果たした。


2018年
1月に2017年ライブツアーの追加公演として本人の夢の一つであった武道館でのライブが2日間に渡り開催され、両日ほぼ満席の大盛況を見せた。

3月にドラマ「アンナチュラル」の主題歌として『Lemon』をリリース。
公開初日から物凄い伸びを見せ、13時間で100万再生、6日で1000万再生、3か月で1億再生を突破する。
Itunesやレコチョクでも配信初日からDA PUMPの『U.S.A』が登場するまで1位をキープし続けるなどの大ヒットを起こし、配信のみで200万セールスを突破した。
フィジカルも本人初となる初週10万枚を売り上げ、年間出荷数は41万枚を突破し、2018年のビルボードで単独首位を記録した。
カラオケでも収録月から1位をマークし続けており、JOYSOUNDとコラボを行ったり、DAMではライブ映像を配信している。

「Lemon」は歌詞の内容から勘違いされやすいが、失恋の曲ではなく鎮魂歌である。そのため、当初の楽曲タイトルは「Memento」の予定だった。
しかし、タイトルが直接過ぎることを指摘され「Lemon」に変更した。本人は、このタイトルが芽生えた理由として「梶井基次郎の『檸檬』や(高村光太郎の)『レモン哀歌』が頭の片隅にあったからかもしれない」と述べている。
また、作曲当初はドラマのプロデューサーから「悲しんだ人を包み込むような優しい曲」というオファーをうけて曲を作っていたが、作曲中に祖父が逝去し、米津の「人の死」に対する価値観が一変したため、曲の作りが変更されている。
本人は出来上がった曲に対して、(プロデューサーの要望通りではなく)「あなたが死んで悲しいです」という曲になったような気がする、とインタビューで述べている。

7月にはNHKの2020年応援プロジェクトソングに参加し、小学生5人組ユニット「Foorin」に『パプリカ』を提供。
作詞・作曲・プロデュースを担当し、最後のサビは本人がコーラスを入れている。

10月はついに幕張メッセでLIVEを決行。この公演では『Lemon』や発売前先出しとして『Flamingo』などを歌った。
ライブ後に9枚目のシングル『Flamingo/TEENAGE RIOT』を発売。初週で22万枚を売り上げ週間初登場1位を記録した。
PVは本人のダンスPVであり、その動きや振付がSNS上で話題になった。
『Flamingo』はSONYのCMソング、『TEENAGE RIOT』のテーマソングとしての書下ろしである。

12月には第69回NHK紅白歌合戦に初出場。最初のメンバー発表の時点では出演が決まっていなかったが、12月26日に出場が発表された。
テレビ初出演が生中継、しかもその番組は紅白歌合戦というすごい事態に。
当日は都内の会場ではなく、祖父が暮らしていた故郷でもある徳島県は大塚国際美術館システィーナホールにおいて生中継で歌唱。
蝋燭やステンドガラスを使った非常に凝った演出で視聴者を魅了し、ダンサーの暴れぶり情熱的なダンスと共に話題になり、Twitterのトレンド1位を記録した。
紅白では『打上花火』と『パプリカ』も披露されたため、本人が作詞作曲に携わった曲が3曲も歌われる形となった。

この年は『打上花火』『灰色と青』『BOOLTAGE』『Lemon』の3曲と1アルバムで合わせて17つの賞を受賞。


2019年
1月から3月にかけて自身初となるアリーナツアー「米津玄師 2019 TOUR / 脊椎がオパールになる頃」を決行。
徳島、神奈川、千葉、北海道、福岡、福井、大阪、宮城の6都1道1府と中国と台湾の2か国の計10会場18公演で行われた。

4月、戦友のwowakaが急逝。「他に何も手がつかない」などとコメントする。

5月には菅田将輝の5枚目のシングル「まちがいさがし」の表題曲である『まちがいさがし』の作詞・作曲・プロデュースを担当。

6月に公開されたアニメ映画「海獣の子供」の主題歌として『海の幽霊』を提供。劇場アニメに本人が歌唱する形で楽曲を提供するのは初めてとなった。元々米津が原作ファンで作者とも交流があった事からこの話に繋がったとか。

15日にはLemonの再生数が4億を突破し、日本人アーティスト初となる動画による4億再生を記録した。

7月にドラマ「ノーサイド・ゲーム」の主題歌として『馬と鹿』を提供。

8月に『パプリカ』の本人カバーを投稿した。

12月には、第70回NHK紅白歌合戦ではFoorinが『パプリカ』、菅田将暉が『まちがいさがし』を披露した。
また、米津が提供した『カイト』が大トリを務める嵐により初披露となる。
楽曲披露前に米津が楽曲提供に対してコメントを述べる形での出演となった。


2020年
2月から4月に渡り和歌山、福井、横浜、広島、宮城、三重、大阪、埼玉、福岡、北海道の10県で合計20公演が開催されたが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で大阪公演以降の全公演が中止になる。

7月にはドラマ『MIU404』の主題歌『感電』をリリース。

8月にはバトロワ系TPS『FORTNITE』とコラボし、「パーティーロイヤル」という特別なモードにてバーチャルライブを実施。
『迷える羊』『感電』『Lemon』『パプリカ(本人歌唱Ver)』『砂の惑星(本人歌唱Ver)』をゲーム内で歌い上げるという今までに無いライブを披露。
これは昨今のコロナウイルスのパンデミック、及びそれに伴う様々なイベントの自粛や中止に対する一つのアンサーで、ゲーム内という仮想空間でライブを楽しんで欲しいという意向で行われたイベントであった。


2022年
2月にはPlayStationとのタイアップ楽曲として『POP SONG』をリリース。古代ローマ風の帝国に突如として現れた道化師姿の米津玄師が兵士たちを翻弄しながら様々な遊びを振りまくという、文字通りのポップなMVが印象的な楽曲となっている。

5月に映画『シン・ウルトラマン』の主題歌『M八七』をリリース。かつてヒーローの曲を担当した彼が、再びヒーローの為の曲を書き上げる事となった。
M78じゃないの?と思う人もいるかもしれないが、実は元々ウルトラマンの生まれの星はM87という名前だったが誤植だかボツ設定だかで変わったという都市伝説があり、それにちなんだネーミングとなっている。

10月にアニメ『チェンソーマン』のOPテーマ『KICK BACK』をリリース。宇宙の果てから飛んで来たヒーローの次は、ゴミ溜めから這い出たダークヒーローのテーマ曲を担当。
こちらの楽曲はKing Gnuの常田大希とのコラボ曲で、米津玄師が延々と筋トレしたり腕だけマッチョになったりトラックでひき逃げされた後常田に一瞥だけされてスルーされたりとシュールながらも疾走感あふれるPVで話題となった。
そしてネット界隈では「米津玄師交通事故シリーズ」なる妙なMAD動画も流行った。あとPVの途中から先頭を猛ダッシュする白人のマッチョは某お嬢様仮面ライダーSPを演じている人だったりもする。


2023年
6月にゲーム『FINAL FANTASY XVI』の主題歌『月を見ていた』をリリース。

7月にはジブリ映画『君たちはどう生きるか』の主題歌『地球儀』を映画公開と同時にリリース。
宮崎駿監督がラジオで『パプリカ』を聞いたことがきっかけで白羽の矢が立ったという。
出来上がった曲を持ち込む際は死刑台に登るような気分だったとのことだが、落涙する宮崎監督を目にして「その光景を宝物のように抱えながら、これから先の人生を生きていくんだろう」と思ったことを語っている。


2024年
4月に連続テレビ小説『虎に翼』の主題歌『さよーならまたいつか!』をリリース。

8月には映画『ラストマイル』の主題歌『がらくた』を収録した6thアルバム『LOST CORNER』をリリース。

12月には、第75回NHK紅白歌合戦に録画映像ではあるが6年ぶりに出場。
スピンオフドラマから始まり、伊藤沙莉から「よねさん」と呼びかけられて登場すると、大階段でキャスト達のダンスをバックに『さよーならまたいつか!』を披露した。


2025年
1月にアニメ『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』の劇場先行公開版の主題歌並びにTV版のOPテーマ『Plazma』、アニメ『メダリスト』のOPテーマ『BOW AND ARROW』を立て続けに配信リリース。
2作とも米津にとって思い入れがあり、前者は本人がガンダムファンなのもあり二つ返事で仕事を受け、後者に至っては製作側に逆オファーを掛けている。
ちなみに好きな機体はケンプファーらしい。

9月にアニメ『劇場版チェンソーマン レゼ篇』の主題歌として『IRIS OUT』、エンディング・テーマとして宇多田ヒカルとのコラボ曲『JANE DOE』をリリース。
両曲とも多数のチャートでランキングを独占し、歴代最高記録を樹立するなど大ヒットを見せる。

その最中、2022年にリリースした『KICK BACK』がアメリカレコード協会(RIAA)より日本語詞としては初となるプラチナ認定を受ける。


イラストレーターとしてのエピソード・活動

美術の教員資格を持っていた母親の影響で幼少期の頃から絵を書いており、音楽家になる前は漫画家を志望していた。
そのため漫画が好きであり、音楽性にも多数影響を受けていると語っている。(例えば、『飛燕』は「風の谷のナウシカ」、『ごめんね』は「Undertale」をモチーフとした楽曲である。)
ピースサインのジャケットも米津自身が「僕のヒーローアカデミア」の主人公である緑谷出久を描いており、3月のライオンのアニメの25話のエンドカードも担当した。
Moonlight』の歌詞には「夜通し読んだハンターハンター」というフレーズが存在する。

ハチとしてデビュー後の2曲目『PersonaAlice』から7曲目『雨降る街にて風船は悪魔と踊る』までは本人が全てPVをマウスによるイラストで作成しており、
『結ンデ開イテ羅刹ト骸』のようなマウス絵だからこそのおどろおどろしい表現もあれば、『Mrs.Pumpkinの滑稽な夢』のようなマウスで塗ったとは思えないポップホラーな雰囲気まで表現できる技術を持っている。
米津の名前でデビューした後も『ゴーゴー幽霊船』、『ViVi』、『アイネクライネ』、『メトロノーム』の4曲は本人が全て手描きでPVを作成している。
また、CDのジャケットもほぼすべてが本人によるものであり、本人がジャケットを手掛ける主な理由としてはBUMPOFCHIKENの4枚目のアルバム『ユグドラシル』の表紙に感動し影響を受けたからと語っている(ユグドラシルはBUMPのボーカルである藤原が描いている)。

2013年の6月には「ROCKINON JAPAN」にて「かいじゅうずかん」を連載開始する。
かいじゅうずかんの内容は、米津が考えたかいじゅうを
解説付きで掲載するというものであり、2015年12月まで連載されていた。


追記・修正は、米津玄師に負けないくらいレアな名前の人にお願いします。

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最終更新:2025年10月07日 01:17

*1 マルチ・トラック・レコーダー。マイクやケーブルを接続し、各パートを個別に録音しつつ、それをステレオ音声にまとめ上げて出力する事の出来る機械で、録音できるトラック数などは発売された年代や値段によって違う。アマチュア用のものはカセットテープを使うものが定番だったが、現在はデジタル媒体を使ったものが販売されている。