FN FNC

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FN FNC - (2014/03/10 (月) 14:35:39) のソース

&font(#6495ED){登録日}: 2012/03/30(金) 16:53:06
&font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s)
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諸元
全長:995mm(775m)
重量:4kg
口径:5.56mm×45NATO弾
装弾数:20/30
発射形式:S/F/&font(#ff0000){3}
製造:FN社(ベルギー)
 
自由の国アメリカの自由奔放で身勝手な行いで小口径小銃へと変わりつつあった流れを受け、FN社は名作[[FAL>FN FAL]]をスケールダウン(というかFAL本来の開発思想)し、更に安価を目指したCALを開発する。
しかし、プレス加工も多用し3500gという軽さが仇となり、耐久性不足で選考で事故を起こし製造中止に。
その後、改良・生産性向上を目指した突撃銃の設計に着手し、1976年に専用弾SS109と共にデビューするのだった。
  
 

○具体的にどんなの?
アッパーレシーバーはスチールプレス、ロアレシーバーはアルミ合金の削り出しで製造されており軽量化に成功している。
折り畳み式[[ストック>ストック(銃器)]]が標準装備されており室内や車内といった狭い場所での取り回しがよくなっている。
 
影が薄くなりがちだが、時代に先駆けて3点[[バースト射撃]]を取り入れた銃で、重量バランスのおかげもあり、連射時のコントロール性が高く、命中精度も良好で尚且つ頑丈。
完成されつくした技術と堅実な性能が売りの優良な突撃銃である。
  
 

○そんなにいい銃ならきっと!!!
しかし、世の中そんなに甘くはなった。結果から言ってしまえば制式採用はベルギーの以外にはスウェーデンとインドネシアだけであり、他にはイタリアなどで少数が配備されただけである。
 
・[[ストック>ストック(銃器)]]が金属製でクッションも無く、射撃の反動で肩が痛くなる
・軽量化されたがそれでも4kgと突撃銃としては重い
・工法がアルミ合金の削り出しの為、手間とお金がかかる
(↑鉄よりアルミは加工が難しいそうだ)
が欠点としてあげられるが、不採用の直接的な原因とは言い難い。
ならばいったい何が…
  
 


○理由は何?
よく&font(#ff0000){登場が遅かった}と言われる。
 
&font(#ff0000){CAL}:1966年
AR70/223(伊):1970年
(.223仕様で5.56mm仕様は90年) 
ガリル(イスラエル):1972年
&font(#ff0000){FNC}:1976年
[[FA-MAS]](仏):1977年
[[AUG>シュタイアーAUG]](墺):1977年
 
遅いように見えるが、イギリスは1985年に[[L85A1]]、日本は1989年に[[89式>豊和工業89式5.56mm小銃]]、G11が頓挫したドイツに至っては1996年にやっと[[G36>H&K G36]]へ更新が始まっている。(ドイツの遅れは旧敵国のベルギーからFALのライセンス生産を許可されず、自力開発していたから)]]
 
そう、比較的後発とはいえ致命的とは言い難いのだ。
 

逆に、M16系の採用国は(現在では)非常に多いが、その内訳はアメリカから影響を強く受ける国(カナダ等)が多い。
とどのつまり、当時も今も性能は勿論、メーカーや製造国の営業力が採用か否かを大きく左右するのである。([[XM8>H&K XM8]]がいい例か…)
  
 
当時の軍用ライフルは普遍堅実よりも革新性や自国開発・自国生産を重要視していた。
その流行りを見誤ったFNCは、アメリカのごり押しによる弾薬変更という外圧を乗り越えたFALとは違い大ヒットすることなくひっそりと時代の流れを眺めていくのだった。
 
CALの完成時期はベストだが、FNC完成の頃には各国の制式銃が完成する目処が既にたっていたのが痛手だったか……
  
 



○バリエーション
FNCのグリップと固定式ストックを使用したM2とその改良型のM3があった。
空挺部隊用のカービンモデルに該当するFNC-Para、安定性を重視した固定式ストックモデル、警察向けのセミオート限定モデルが販売されていた。
 
スウェーデン軍は凍結防止の為、ハンドガードの滑り止めの模様と機関部の表面処理を変更した「AK5」、インドネシア軍はハンドガードの形状変更と銃身の延長を施した「&font(#ff0000){PINDAD SS1-V1}」をそれぞれライセンス生産しており、なお現役である。
 


 
 



○現在
気付いた人は多いかもしれないが
 
「~が販売されていた」
 
「改良型のM3があった」
 

過去形である
 
そう、経営不振に陥ったコルト社からM16A4の製造権を買い取った為、1990年代以降FNCは製造されていない。
 

製造されていないのである
 
(お陰でM16系が生命線のコルト社と国内軍需産業が大事なアメリカは必死になったが)
 
FNCの普遍堅実な設計技術が持て囃されるようになるころには、構成素材は金属からポリマーへと世代交代されていたのだった。
 
当時の第一級の実力を持ちながら残念な結果だが、専用弾「SS109」はM16の.223レミントン弾より性能がよく、[[5.56mmNATO弾]]として採用され、世界各国で使用されている。
FNC自体は満足のいく結果ではないが、A3以降のM16/M4やその他各突撃銃の制式弾として一矢報いた形になったか。
 


後継には[[SCAR>FN SCAR]]シリーズがある。
  
 


○余談と活躍
日本ではマイナー銃と言えるので、よく89式と間違われる
FNC好きな奴はそれに対して笑うか、少し腹を立てる
 
・[[うぽって!!]]…作者の愛が深きゆえに、擬人化され主人公としてTバックで頑張っている。(一番上の画像はこの子)
・[[ヨルムンガンド]]…部隊の銃が[[MASADA>マグプル MASADA]]に統一されるまで主人公、ヨナの相棒を務めた。
・ヒート…アル・パチーノ扮する刑事がセミオートオンリー、ショートバレルのFNCを使用している
 



追記修正よろしくお願いします。
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- 映画「トリプルX」ではヴィン・ディーゼルがCマグ装着で撃ちまくってた。  -- 名無しさん  (2013-09-27 12:13:23)
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