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「ハブVSマングース」(2024/08/31 (土) 14:50:52) の最新版変更点
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&font(#6495ED){登録日}：2011/07/22(金) 19:28:04
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&font(#6495ED){所要時間}：約 6 分で読めます
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#center(){{{{右は強き敗者
左は弱き敗者
勝者ただ、人間のみ
&b(){ハブVSマングース}}}}}
それは動物同士の生死を賭けた戦い。
しかし、自然界では滅多に起こらない。基本的に人間が意図して楽しむ為に行われる見世物、沖縄のショーと言えば大抵の方は容易に想像がつくだろう。
*【マングースについて】
主にショーに出ているのはネズミやハブ駆除のため持ち込まれた&b(){「ジャワマングース」}という種類。
動物界脊索動物門哺乳綱ネコ目(食肉目)マングース科エジプトマングース属に分類される食肉類の動物。
1910年に沖縄島、1979年頃に奄美大島に移入された。
体長は29～39cm。
体重は0.5～0.9kg。
動物学者の渡瀬庄三郎の勧めにより、ハブ駆除の目的で沖縄本島の那覇市および名護市周辺、渡名喜島に移入された。
…のだが、ジャワマングースは昼行性、後述のハブは夜行性のため、&b(){&font(#ff0000){本来の目的であるハブ駆除にはなんの成果も出さなかった。}}
それどころか。天然記念物であるヤンバルクイナやアマミノクロウサギを捕食。
更には養鶏農家の卵やひなを襲い人に伝染するレプトスピラ菌の保菌率が高く((人がレプトスピラ菌に感染すると腎臓が侵されて最悪の場合、死に至る場合がもある))、
狂犬病を媒介する可能性もあると言われる厄介者の帰化生物になってしまった。
しかし、彼らは人間の都合で連れて来られ、これまた人間の都合で駆除される一番の被害者でもある。
2024年に奄美大島のマングースは根絶宣言が出され、沖縄については根絶にはほど遠いが個体数の減少が続いている。
奄美ほど大きなエリアでの根絶事例はそれまでになく、これはこれで有害生物の根絶事例としては珍しいケースなのだとか。
ちなみに、日本に移入される&bold(){前}にも西インド諸島やハワイ、フィジーなど世界各地に移入の試みがなされているが、いずれも&bold(){わが国と同様の被害が報告されていて、この奄美大島の前にも世界では10件近くマングースの根絶事例がある。}
つまりは日本以外にもマングースを放って後悔したケースが10件以上発生しているということだ。
日本の学者たちもそれを知っていたハズなのだが。
*【ハブについて】
南西諸島に広く棲息する、クサリヘビ科ハブ属に属する毒蛇・&b(){ホンハブ}の別名。
日本本土では最大であり、もっとも危険な毒蛇である。
全長は100～150cm程だが、最大225cmの個体も発見されている。
毒性は激痛を伴う出血毒で毒の回りは遅く、じわじわと組織を破壊しながらゆっくりと全身に回っていくため苦しむ時間が長く続く。
今は血清があるので噛まれても命は助かるが、血清を打つまでの時間制限があるため、人里離れた場所で噛まれた場合は覚悟を決めたほうがいい。
特に携帯の電波の入らない場所は無理ゲー。ご愁傷さまです。
救助要請が出ると救急車ではなく自衛隊なり消防なりが来ることがわりとある。
鞭のように俊敏な動きで、その攻撃は現地の人から「ハブに打たれる」と称されている。ただし寄生虫学者の佐々学氏((wikipediaで「小説のようで読みごたえがある」と大好評な寄生虫関連の項目の元ネタ本を書いた人。))によれば、この「打たれる」というのは鞭のような動きではなく、噛みつかれた時の痛みが「噛まれた」なんてもんじゃないほどに酷いことを表現したものだという。
ネズミ、トカゲ、カエル、ハトや[[ウサギ]]を主に捕食、ネコの捕食も確認されている。農業面で害獣となるネズミを特に好んで捕食するため、沖縄・奄美の農家にとっては益獣としての側面もある。
あの憎っくき[[黒いG>ゴキブリ]]を退治なさってくれる[[アシダカ様>アシダカグモ]]の様な存在なのだが、ネズミを追って人家に侵入することもあり、諸刃の剣というべき生物でもある。
「毒さえなければこんなに有益な生き物もいない」とまで言われるのだが、とにかく&bold(){この毒による害が看過できない}。しかもやたら攻撃的なので人間にとって極めて危険な生き物。
書物やまとめサイトなどではえてして「益獣」という表現が好まれるが、これは単に読者（＝素人）を楽しませる言葉遊びにすぎないことには留意するべきである。そもそも&bold(){&color(#FF0000){人間が我慢できる範囲の益獣だったら駆除の話なんて持ち上がってない}}のだ。
薩摩藩の時代からハブの駆除に褒賞が出された話が残っているほどの厄介者。その危険性は「habu」と言えば在日米軍にも通じる程であり、極めて危険な生き物である。
先述の通り夜行性なので、マングースとは全くと言っていいほど出会わない。
*【対決について】
以上の通り、マングースによるハブ駆逐は見事に失敗に終わったわけだが、見世物としてはウケが良かったらしい。
主に沖縄県各地のテーマパークなどで良く見られ、昭和の頃に沖縄を旅行した者のほとんどはこのショーを見かけた事があるだろう。
だが、ここで一つの疑惑が浮上する。
それは、
#center(){&b(){八百長疑惑}}
である。
先述の通りハブは夜行性でショーが行われる昼はただでさえ苦手なのに、一部では薬を使って予め弱らせておくらしい。
なので対決はマングースがハブを仕留めるところで大体は幕を閉じる(たまにハブが生き残る事もある)。
八百長の発覚。
更に最近になっての動物愛護主義の台頭、法律の強化、子供達への悪影響などの理由により、現在この見世物を日本で生で見るのは不可能と考えてよい。
体験者が言うには、やはり血が飛び散ったりして気分が悪くなるようだ。
それまでのテンションがた落ちで、その後の気まずい空気で旅行だいなしなど、見ない方が良かったとの事。
そもそも日本のテレビでは屠殺や狩猟ですら「刺激的な映像」扱いになってしまう。日本人自体がこういう動物バトルショーを好まなくなってきているのだ。
一方は、勝手に連れて来られ役に立たないからと、
もう一方は危険で強そうだからと闘わせられる。
そして、必ずどちらかは命を落とす………
*【なぜ「ハブとマングース」なのか？】
もしも自然界で両者が出会ったら対決するのか？…というとそんなことはなく、&b(){互いに避けるような間柄で対決には至らない。}
それ以前に&u(){行動する時間帯が違うのでまず出会わない。}
つまり両者は天敵同士ではないのだ。
さらに言うとハブは非常に危ない生き物であり、マングースにとってもそれは変わらない。
あなたがもしマングースだったとして、めちゃくちゃ危なくて攻撃的なハブと、割と楽に食べられる他の餌、どちらを選ぶだろうか？
つまりマングースとハブが仮に出会っても「やっべ、ハブ先輩じゃん。関わりたくねぇなぁ」と別の餌を探す。狩りとは動物にとって疲れるし危ないし、なるべくやりたくない行動なのである((この理屈は水族館の水槽でサメと他の魚を共泳させる際にも使われている。食欲がわかないほどにサメを満腹にさせておけば他の魚に襲い掛からないのだ。))。
それでは何故、ハブとマングースは天敵と思われたのか？
あくまで予測ではあるが、マングースは毒耐性こそないがハブに対抗できるだけの能力があり、他の国では毒蛇やネズミの駆除のためにマングースを利用していた事。
血清ができるまで沖縄ではハブの存在はまさに脅威であり、駆除のためにイタチを放してみたら逆にハブに全滅させられたという。
悩んでいた時に入ってきた「毒蛇をも殺すマングースという動物がいる」という情報。
両者を戦わせた結果、見事に勝利をおさめたマングースの勇姿。
当時の人達がそれをどれほどの驚愕と感動をもって迎えたのか、我々には想像するに余りある。
ハブをも倒すマングースという驚きの感情が一部の人間((見世物小屋の経営者だけでなく政治絡みでも。実は外来種問題も最近はパフォーマンスや政治利用の側面が暴露されるようになってきている。))の金儲けに使われ、現在の形になったと思われる。
また、マングースが導入された時期はいわゆる「天敵による野生生物の駆除(生物的防除)」の成功例がセンセーショナルなものだと思われていた時期でもあった。
なにせ天敵となる動物を放てば、あとは彼らが食事をするだけで人間にとって有害な生き物を滅ぼしてくれるのだ。こんなにコスパのいい話もない。
この成功例として有名なのが、イセリアカイガラムシ((柑橘類の害虫。当時の人間の技術では駆除が非常に難しかった))絶対殺すマンことベダリアテントウである。
さらにハブは現地の人にとって極めて悩みの種であり、佐々学氏が見たところによれば、道端のところどころに棒が置いてあり、ハブを見かけたら&bold(){村人がすさまじい形相でその棒を掲げてハブの頭を潰しにかかった}というほど。
憎い憎いハブを殺してくれる動物がいる、なんて話を聞いたら飛びついてしまうのも無理はないのである((似たような話で現在研究が進められている生き物に「ブタクサハムシ」という生き物がいる。秋口の花粉症の原因となるブタクサ・オオブタクサを枯死させるまで食害する葉虫であり、さらに類似の植物を食べるもののヒマワリ以外では子孫を残せなくなってしまうというブタクサ絶対殺すマンで、ブタクサ花粉症の人にとってはあんな何の役にも立たない草を駆除してくれる救世主、さっさと放ってほしい生き物である。しかしヒマワリに対する害に懸念があるせいで子細な研究が進められている。ここで早合点をすればどうなるかは、外来種の害の歴史が証明してくれている。))。
そもそも本当にハブの害が洒落にならないレベルで大変なものであり、現地の人々は切実な思いでマングースにすがったことも忘れてはいけない。それくらいハブという生き物は、人間にとって危険極まりなかったのである。
ここまで動物が可哀相と述べてきたが、この思想は行き過ぎると、「シー・シェパード」の様な過激派団体の仲間入りになる。
一番大事なのは本を読んだり経験者の話を聞くことで、自分の立ち位置を強固にしていくことだろう。中立的な思想と意見がないことは違うものだ。
追記・修正は適度な動物愛護の精神でお願いします。
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- 沖縄県民だが最近ほどんどやってねーぞ。動物保護の観点でだいぶ前から水泳体験になってる。 -- 名無しさん (2014-01-02 23:37:31)
- ↑トリビアかなんかでやってたね -- 名無しさん (2014-01-02 23:40:55)
- マングースは蛇の天敵みたいに言われてるがマングースはニシキヘビには食われる -- 名無しさん (2014-02-07 17:02:05)
- 一度粘着タイプのネズミ取りに蛇が引っ掛かったことがあるのだが、あれってもしかしてハブだった…？ -- 名無しさん (2014-02-07 17:43:43)
- ↑本州・四国・九州なら違うぞ。奄美とか沖縄ならハブかもしれんが -- 名無しさん (2014-02-07 18:19:18)
- ↑沖縄だ。家の入り口に置いたのに引っ掛かったせいで出ることも出来なかったので駆除出来る人に連絡して来てもらったらその前に逃げてしまったんで結局わからなかったんだが -- 名無しさん (2014-02-07 18:27:43)
- ↑特徴もうちょい詳しく教えてくれればわかるかもしれん -- 名無しさん (2014-02-07 18:49:50)
- ブッシュマスターという毒蛇はマングースと闘ってもほとんど勝つ -- 名無しさん (2014-04-12 13:38:50)
- 沖縄県職員がインドだかに旅行に行ったら コブラＶＳマングースの見世物やっていて コブラ倒せるならハブも倒せるんじゃね？と沖縄に持ち込んだとか -- 名無しさん (2014-04-12 14:23:58)
- ちびまるこちゃんであったな、これ。まるこは結局、見なかったんだけど(後でTVでやってるのは見た)生で見た何人かはしばらく飯が食えない状態になってた。 -- 名無しさん (2015-01-11 00:06:40)
- バブネーク対ザングース！！！！！！！！！ -- 名無しさん (2015-01-11 08:28:53)
- 確かアンビリーバボーでやってたが、ハブの駆逐を期待してマングースをのに放ったら本文の通り全く戦わず、寧ろ島の生態系をメチャクチャにしたらしいね -- 名無しさん (2015-01-11 09:24:46)
- ハブって英語でボスロップスとかいわなかったっけ -- 名無しさん (2015-01-11 09:46:39)
- 雷魚もそうだよね。諸々の理由で連れてこられたけど見た目から嫌われることも多く、自然環境に悪影響を及ぼすと言われながら彼ら自身が悪化した日本の環境のせいで数を減らし、あげく一部の地域には元々生息してましたー！という踏んだり蹴ったりなやつら。 -- 名無しさん (2015-01-11 14:34:14)
- 昔は蛇よけに枕元にマングースを置いといたって話を聞いた -- 名無しさん (2015-01-11 14:45:18)
- ポケモンでもこれネタの奴が出てたよな -- 名無しさん (2015-01-12 18:55:48)
- 千葉はハブなら成田はマングースだ！ -- 名無しさん (2015-01-12 19:03:14)
- ザングースとハブネークの事だな。 -- 名無しさん (2015-04-04 19:25:46)
- ハブも２ｍ級の奴なら負けないと思うけどね・・大体コレに使われる個体って小さい奴ばっかだし -- 名無しさん (2015-05-04 08:05:39)
- 人間の勝手な都合で連れて来られ、害獣と呼ばれる。真に害獣なのは・・・ -- 名無しさん (2016-02-19 23:31:05)
- 沖縄で対決？見たけど開始前からハブが全力で逃げ出して試合成立しなかったぞ -- 名無しさん (2016-09-28 10:14:23)
- ↑×6もしそっちにも実は対立しないというのを取り入れたらどうなるのだろうか？ツイッターで同じ話をした時は「タイプなどのステータス面で変化が起こる」的なの言われた事あるけど・・・？ -- 名無しさん (2016-09-28 12:03:00)
- どっかで聞いた話だけどキングコブラの導入も計画してたって聞いたことがある。けど爬虫類を食いつくす可能性があるのとそもそも希少種だからというので没になったとか -- 名無しさん (2017-10-19 03:45:11)
- 見世物なんてゴミがすること -- 名無しさん (2018-05-21 11:58:54)
- ↑3 現実の方でも「戦えばいい勝負になる」っていうのは変わらないから、「出現場所が近いけど明確に住み分けられてる」「場所は同じだけど出現時間が違う」とかがリアル路線かなぁ -- 名無しさん (2018-05-21 12:19:26)
- ↑後者辺りが無難か。 -- 名無しさん (2018-05-21 16:27:20)
- ↑事実初登場のRSでは出現場所は同じだがバージョンで出現率が逆(どっちかが出やすいverではもう片方が出にくい)タイプのひとつじゃなかったっけ？ -- 名無しさん (2018-05-21 17:57:16)
- ハブのページはないのか。とりあえず頭が三角で役所に持っていけば金になる -- 名無しさん (2018-05-21 18:38:55)
- ハブが弱き呼ばわりはないだろ… -- 名無しさん (2019-10-11 23:59:22)
- そういえば -- 名無しさん (2019-10-12 00:24:40)
- 荒らしコメントを削除しました -- 名無しさん (2019-10-22 19:01:29)
- ちなみに渡瀬はウシガエル（食用として）とアメリカザリガニ（ウシガエルのエサ用）を持ち込んだ奴でもある。ゆえに多くの自然愛好家や自治体の公園担当等からバカチン扱いされることも多いとか。 -- (2019-11-24 17:16:54)
- ハブでも20%ぐらいのか -- セイ (2022-03-16 23:50:53)
- すまん。20%ぐらいの確率でマングースに勝てるらしい。 -- セイ (2022-03-16 23:52:26)
- 冒頭のセリフ、王ドロボウJINGの仮面舞踏会編にも似たようなセリフあったけどあれが元ネタ？それとも共通の元ネタが他にあるの？ -- 名無しさん (2022-07-26 00:23:01)
- このままなら今年中にマングース根絶宣言が出るらしい、よかったね〜供養塔くらいは建ててあげたいが -- 名無しさん (2024-06-12 03:59:42)
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左は弱き敗者
勝者ただ、人間のみ
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それは動物同士の生死を賭けた戦い。
しかし、自然界では滅多に起こらない。基本的に人間が意図して楽しむ為に行われる見世物、沖縄のショーと言えば大抵の方は容易に想像がつくだろう。
*【マングースについて】
主にショーに出ているのはネズミやハブ駆除のため持ち込まれた&b(){「ジャワマングース」}という種類。
動物界脊索動物門哺乳綱ネコ目(食肉目)マングース科エジプトマングース属に分類される食肉類の動物。
1910年に沖縄島、1979年頃に奄美大島に移入された。
体長は29～39cm。
体重は0.5～0.9kg。
動物学者の渡瀬庄三郎の勧めにより、ハブ駆除の目的で沖縄本島の那覇市および名護市周辺、渡名喜島に移入された。
…のだが、ジャワマングースは昼行性、後述のハブは夜行性のため、&b(){&font(#ff0000){本来の目的であるハブ駆除にはなんの成果も出さなかった。}}
それどころか。天然記念物であるヤンバルクイナやアマミノクロウサギを捕食。
更には養鶏農家の卵やひなを襲い人に伝染するレプトスピラ菌の保菌率が高く((人がレプトスピラ菌に感染すると腎臓が侵されて最悪の場合、死に至る場合がもある))、
[[狂犬病]]を媒介する可能性もあると言われる厄介者の帰化生物になってしまった。
しかし、彼らは人間の都合で連れて来られ、これまた人間の都合で駆除される一番の被害者でもある。
2024年に奄美大島のマングースは根絶宣言が出され、沖縄については根絶にはほど遠いが個体数の減少が続いている。
奄美ほど大きなエリアでの根絶事例はそれまでになく、これはこれで有害生物の根絶事例としては珍しいケースなのだとか。
ちなみに、日本に移入される&bold(){前}にも西インド諸島やハワイ、フィジーなど世界各地に移入の試みがなされているが、いずれも&bold(){わが国と同様の被害が報告されていて、この奄美大島の前にも世界では10件近くマングースの根絶事例がある。}
つまりは日本以外にもマングースを放って後悔したケースが10件以上発生しているということだ。
日本の学者たちもそれを知っていたハズなのだが。
*【ハブについて】
南西諸島に広く棲息する、クサリヘビ科ハブ属に属する毒蛇・&b(){ホンハブ}の別名。
日本本土では最大であり、もっとも危険な毒蛇である。
全長は100～150cm程だが、最大225cmの個体も発見されている。
毒性は激痛を伴う出血毒で毒の回りは遅く、じわじわと組織を破壊しながらゆっくりと全身に回っていくため苦しむ時間が長く続く。
今は血清があるので噛まれても命は助かるが、血清を打つまでの時間制限があるため、人里離れた場所で噛まれた場合は覚悟を決めたほうがいい。
特に携帯の電波の入らない場所は無理ゲー。ご愁傷さまです。
救助要請が出ると救急車ではなく[[自衛隊]]なり消防なりが来ることがわりとある。
鞭のように俊敏な動きで、その攻撃は現地の人から「ハブに打たれる」と称されている。ただし寄生虫学者の佐々学氏((wikipediaで「小説のようで読みごたえがある」と大好評な寄生虫関連の項目の元ネタ本を書いた人。))によれば、この「打たれる」というのは鞭のような動きではなく、噛みつかれた時の痛みが「噛まれた」なんてもんじゃないほどに酷いことを表現したものだという。
[[ネズミ]]、トカゲ、カエル、ハトや[[ウサギ]]を主に捕食、ネコの捕食も確認されている。農業面で害獣となるネズミを特に好んで捕食するため、沖縄・奄美の農家にとっては益獣としての側面もある。
あの憎っくき[[黒いG>ゴキブリ]]を退治なさってくれる[[アシダカ様>アシダカグモ]]の様な存在なのだが、ネズミを追って人家に侵入することもあり、諸刃の剣というべき生物でもある。
「毒さえなければこんなに有益な生き物もいない」とまで言われるのだが、とにかく&bold(){この毒による害が看過できない}。しかもやたら攻撃的なので人間にとって極めて危険な生き物。
書物やまとめサイトなどではえてして「益獣」という表現が好まれるが、これは単に読者（＝素人）を楽しませる言葉遊びにすぎないことには留意するべきである。そもそも&bold(){&color(#FF0000){人間が我慢できる範囲の益獣だったら駆除の話なんて持ち上がってない}}のだ。
薩摩藩の時代からハブの駆除に褒賞が出された話が残っているほどの厄介者。その危険性は「habu」と言えば在日米軍にも通じる程であり、極めて危険な生き物である。
先述の通り夜行性なので、マングースとは全くと言っていいほど出会わない。
*【対決について】
以上の通り、マングースによるハブ駆逐は見事に失敗に終わったわけだが、見世物としてはウケが良かったらしい。
主に[[沖縄県]]各地のテーマパークなどで良く見られ、昭和の頃に沖縄を旅行した者のほとんどはこのショーを見かけた事があるだろう。
だが、ここで一つの疑惑が浮上する。
それは、
#center(){&b(){八百長疑惑}}
である。
先述の通りハブは夜行性でショーが行われる昼はただでさえ苦手なのに、一部では薬を使って予め弱らせておくらしい。
なので対決はマングースがハブを仕留めるところで大体は幕を閉じる(たまにハブが生き残る事もある)。
八百長の発覚。
更に最近になっての動物愛護主義の台頭、法律の強化、子供達への悪影響などの理由により、現在この見世物を日本で生で見るのは不可能と考えてよい。
体験者が言うには、やはり血が飛び散ったりして気分が悪くなるようだ。
それまでのテンションがた落ちで、その後の気まずい空気で旅行だいなしなど、見ない方が良かったとの事。
そもそも日本のテレビでは屠殺や狩猟ですら「刺激的な映像」扱いになってしまう。日本人自体がこういう動物バトルショーを好まなくなってきているのだ。
一方は、勝手に連れて来られ役に立たないからと、
もう一方は危険で強そうだからと闘わせられる。
そして、必ずどちらかは命を落とす………
*【なぜ「ハブとマングース」なのか？】
もしも自然界で両者が出会ったら対決するのか？…というとそんなことはなく、&b(){互いに避けるような間柄で対決には至らない。}
それ以前に&u(){行動する時間帯が違うのでまず出会わない。}
つまり両者は天敵同士ではないのだ。
さらに言うとハブは非常に危ない生き物であり、マングースにとってもそれは変わらない。
あなたがもしマングースだったとして、めちゃくちゃ危なくて攻撃的なハブと、割と楽に食べられる他の餌、どちらを選ぶだろうか？
つまりマングースとハブが仮に出会っても「やっべ、ハブ先輩じゃん。関わりたくねぇなぁ」と別の餌を探す。狩りとは動物にとって疲れるし危ないし、なるべくやりたくない行動なのである((この理屈は水族館の水槽でサメと他の魚を共泳させる際にも使われている。食欲がわかないほどにサメを満腹にさせておけば他の魚に襲い掛からないのだ。))。
それでは何故、ハブとマングースは天敵と思われたのか？
あくまで予測ではあるが、マングースは毒耐性こそないがハブに対抗できるだけの能力があり、他の国では毒蛇やネズミの駆除のためにマングースを利用していた事。
血清ができるまで沖縄ではハブの存在はまさに脅威であり、駆除のためにイタチを放してみたら逆にハブに全滅させられたという。
悩んでいた時に入ってきた「毒蛇をも殺すマングースという動物がいる」という情報。
両者を戦わせた結果、見事に勝利をおさめたマングースの勇姿。
当時の人達がそれをどれほどの驚愕と感動をもって迎えたのか、我々には想像するに余りある。
ハブをも倒すマングースという驚きの感情が一部の人間((見世物小屋の経営者だけでなく政治絡みでも。実は外来種問題も最近はパフォーマンスや政治利用の側面が暴露されるようになってきている。))の金儲けに使われ、現在の形になったと思われる。
また、マングースが導入された時期はいわゆる「天敵による野生生物の駆除(生物的防除)」の成功例がセンセーショナルなものだと思われていた時期でもあった。
なにせ天敵となる動物を放てば、あとは彼らが食事をするだけで人間にとって有害な生き物を滅ぼしてくれるのだ。こんなにコスパのいい話もない。
この成功例として有名なのが、イセリアカイガラムシ((柑橘類の害虫。当時の人間の技術では駆除が非常に難しかった))絶対殺すマンことベダリアテントウである。
さらにハブは現地の人にとって極めて悩みの種であり、佐々学氏が見たところによれば、道端のところどころに棒が置いてあり、ハブを見かけたら&bold(){村人がすさまじい形相でその棒を掲げてハブの頭を潰しにかかった}というほど。
憎い憎いハブを殺してくれる動物がいる、なんて話を聞いたら飛びついてしまうのも無理はないのである((似たような話で現在研究が進められている生き物に「ブタクサハムシ」という生き物がいる。秋口の[[花粉症]]の原因となるブタクサ・オオブタクサを枯死させるまで食害する葉虫であり、さらに類似の植物を食べるもののヒマワリ以外では子孫を残せなくなってしまうというブタクサ絶対殺すマンで、ブタクサ花粉症の人にとってはあんな何の役にも立たない草を駆除してくれる救世主、さっさと放ってほしい生き物である。しかしヒマワリに対する害に懸念があるせいで子細な研究が進められている。ここで早合点をすればどうなるかは、外来種の害の歴史が証明してくれている。))。
そもそも本当にハブの害が洒落にならないレベルで大変なものであり、現地の人々は切実な思いでマングースにすがったことも忘れてはいけない。それくらいハブという生き物は、人間にとって危険極まりなかったのである。
ここまで動物が可哀相と述べてきたが、この思想は行き過ぎると、「シー・シェパード」の様な過激派団体の仲間入りになる。
一番大事なのは本を読んだり経験者の話を聞くことで、自分の立ち位置を強固にしていくことだろう。中立的な思想と意見がないことは違うものだ。
追記・修正は適度な動物愛護の精神でお願いします。
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#areaedit()
- 沖縄県民だが最近ほどんどやってねーぞ。動物保護の観点でだいぶ前から水泳体験になってる。 -- 名無しさん (2014-01-02 23:37:31)
- ↑トリビアかなんかでやってたね -- 名無しさん (2014-01-02 23:40:55)
- マングースは蛇の天敵みたいに言われてるがマングースはニシキヘビには食われる -- 名無しさん (2014-02-07 17:02:05)
- 一度粘着タイプのネズミ取りに蛇が引っ掛かったことがあるのだが、あれってもしかしてハブだった…？ -- 名無しさん (2014-02-07 17:43:43)
- ↑本州・四国・九州なら違うぞ。奄美とか沖縄ならハブかもしれんが -- 名無しさん (2014-02-07 18:19:18)
- ↑沖縄だ。家の入り口に置いたのに引っ掛かったせいで出ることも出来なかったので駆除出来る人に連絡して来てもらったらその前に逃げてしまったんで結局わからなかったんだが -- 名無しさん (2014-02-07 18:27:43)
- ↑特徴もうちょい詳しく教えてくれればわかるかもしれん -- 名無しさん (2014-02-07 18:49:50)
- ブッシュマスターという毒蛇はマングースと闘ってもほとんど勝つ -- 名無しさん (2014-04-12 13:38:50)
- 沖縄県職員がインドだかに旅行に行ったら コブラＶＳマングースの見世物やっていて コブラ倒せるならハブも倒せるんじゃね？と沖縄に持ち込んだとか -- 名無しさん (2014-04-12 14:23:58)
- ちびまるこちゃんであったな、これ。まるこは結局、見なかったんだけど(後でTVでやってるのは見た)生で見た何人かはしばらく飯が食えない状態になってた。 -- 名無しさん (2015-01-11 00:06:40)
- バブネーク対ザングース！！！！！！！！！ -- 名無しさん (2015-01-11 08:28:53)
- 確かアンビリーバボーでやってたが、ハブの駆逐を期待してマングースをのに放ったら本文の通り全く戦わず、寧ろ島の生態系をメチャクチャにしたらしいね -- 名無しさん (2015-01-11 09:24:46)
- ハブって英語でボスロップスとかいわなかったっけ -- 名無しさん (2015-01-11 09:46:39)
- 雷魚もそうだよね。諸々の理由で連れてこられたけど見た目から嫌われることも多く、自然環境に悪影響を及ぼすと言われながら彼ら自身が悪化した日本の環境のせいで数を減らし、あげく一部の地域には元々生息してましたー！という踏んだり蹴ったりなやつら。 -- 名無しさん (2015-01-11 14:34:14)
- 昔は蛇よけに枕元にマングースを置いといたって話を聞いた -- 名無しさん (2015-01-11 14:45:18)
- ポケモンでもこれネタの奴が出てたよな -- 名無しさん (2015-01-12 18:55:48)
- 千葉はハブなら成田はマングースだ！ -- 名無しさん (2015-01-12 19:03:14)
- ザングースとハブネークの事だな。 -- 名無しさん (2015-04-04 19:25:46)
- ハブも２ｍ級の奴なら負けないと思うけどね・・大体コレに使われる個体って小さい奴ばっかだし -- 名無しさん (2015-05-04 08:05:39)
- 人間の勝手な都合で連れて来られ、害獣と呼ばれる。真に害獣なのは・・・ -- 名無しさん (2016-02-19 23:31:05)
- 沖縄で対決？見たけど開始前からハブが全力で逃げ出して試合成立しなかったぞ -- 名無しさん (2016-09-28 10:14:23)
- ↑×6もしそっちにも実は対立しないというのを取り入れたらどうなるのだろうか？ツイッターで同じ話をした時は「タイプなどのステータス面で変化が起こる」的なの言われた事あるけど・・・？ -- 名無しさん (2016-09-28 12:03:00)
- どっかで聞いた話だけどキングコブラの導入も計画してたって聞いたことがある。けど爬虫類を食いつくす可能性があるのとそもそも希少種だからというので没になったとか -- 名無しさん (2017-10-19 03:45:11)
- 見世物なんてゴミがすること -- 名無しさん (2018-05-21 11:58:54)
- ↑3 現実の方でも「戦えばいい勝負になる」っていうのは変わらないから、「出現場所が近いけど明確に住み分けられてる」「場所は同じだけど出現時間が違う」とかがリアル路線かなぁ -- 名無しさん (2018-05-21 12:19:26)
- ↑後者辺りが無難か。 -- 名無しさん (2018-05-21 16:27:20)
- ↑事実初登場のRSでは出現場所は同じだがバージョンで出現率が逆(どっちかが出やすいverではもう片方が出にくい)タイプのひとつじゃなかったっけ？ -- 名無しさん (2018-05-21 17:57:16)
- ハブのページはないのか。とりあえず頭が三角で役所に持っていけば金になる -- 名無しさん (2018-05-21 18:38:55)
- ハブが弱き呼ばわりはないだろ… -- 名無しさん (2019-10-11 23:59:22)
- そういえば -- 名無しさん (2019-10-12 00:24:40)
- 荒らしコメントを削除しました -- 名無しさん (2019-10-22 19:01:29)
- ちなみに渡瀬はウシガエル（食用として）とアメリカザリガニ（ウシガエルのエサ用）を持ち込んだ奴でもある。ゆえに多くの自然愛好家や自治体の公園担当等からバカチン扱いされることも多いとか。 -- (2019-11-24 17:16:54)
- ハブでも20%ぐらいのか -- セイ (2022-03-16 23:50:53)
- すまん。20%ぐらいの確率でマングースに勝てるらしい。 -- セイ (2022-03-16 23:52:26)
- 冒頭のセリフ、王ドロボウJINGの仮面舞踏会編にも似たようなセリフあったけどあれが元ネタ？それとも共通の元ネタが他にあるの？ -- 名無しさん (2022-07-26 00:23:01)
- このままなら今年中にマングース根絶宣言が出るらしい、よかったね〜供養塔くらいは建ててあげたいが -- 名無しさん (2024-06-12 03:59:42)
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