ざつ旅

登録日:2025/06/21 Sat 00:02:49
更新日:2025/06/21 Sat 02:10:59NEW!
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出典「ざつ旅」第1話 『はじめの1225段』より
2025年4月~6月/makaria/©石坂ケンタ/KADOKAWA/「ざつ旅」製作委員会

今しかできない、旅がある

ざつ旅-That‘s Journey-』は石坂ケンタによる漫画作品である。
電撃マオウ(KADOKAWA)にて2019年より連載されている。


【概要】

ネームを全ボツにされた新人漫画家が心の癒しを求めるべく、SNSのアンケートやちょっとした話題をきっかけに日本各地を気の向くままに旅をして、心の成長を描くハートフルな作品である。
なおこの展開は作者自身、賞を受賞しながらもなかなか連載を勝ち取れないかった作者の気持ちも反映されている。
作者としては「完璧じゃなくていい、踏みだすことに意味がある」という思いで描いている。
完璧なスケジュールじゃない、行き当たりばったりな雑な旅路でも、1歩踏み出して旅をしてみれば新しい発見が得られ、次につなげられることが出来るという思いが込められているのかもしれない。
自由に感性の赴くままの旅の魅了を描いている作品と言えるだろう。

旅先の建造物・観光名所・鉄道・食事関連に関する描写も丁寧に描かれている。
後述のアニメ版でも顕著で、旅先には様々な関係各所による協力がなされている。

なお、実際の旅の行先は主人公である鈴ヶ森ちかのXのアカウントが存在しており、そこでのアンケート等の結果を元に選出されている。

スピンオフ作品では、メインキャラの1人である蓮沼暦を主人公にした『ざつ旅-Another Side View― 蓮沼暦の日常―』が電撃マオウより連載されている他、
主人公である鈴ヶ森ちかによる初連載『あしたのあした』も同じ掲載雑誌により連載されている。

メディアミックスとしてはテレビアニメ版が2025年4月より放送中。

【あらすじ】

漫画志望家志望の大学生・鈴ヶ森ちかは新人賞を受賞したものの連載をとれず悩んでいた。
そんななか、
「旅に出たい」
と思い立ち、軽い気持ちでSNSで旅先候補のアンケートをとってみたら、
思いもよらぬ投票数に後に引けなくなる。
地理も歴史も詳しくないちかだったが、
無計画でざつな旅だからこその思いがけない出会いがあり・・・!?
(単行本第1巻のあらすじより引用)

【キャラクター】

・鈴ヶ森ちか
CV:月白日花
「旅にでたいいいっ!」
本作の主人公。
漫画家志望の女子大生。
新人賞を受賞するものの、それ以降は何本かネームを描き下ろしても担当編集からボツを食らいまくっている。
失意の中でたまたま目の前に映った「サイコロの旅」の企画をヒントにSNSで度の行き先をアンケートで採ったところ、思いのほか投票数が集まり*1、腹をくくって投票にあった「上の方」へ旅に出ることになる。
ちなみにその時の行き先は福島県会津若松市になった*2
何も計画を立てずに行き当たりばったりの旅であったが、本人の中でかなりハマったようで、それ以降、ソロだったり、親友・後輩・漫画家仲間とだったり、で旅に出て楽しんでいる。

ちなみに飲酒の出来る大人と旅をすることもあるが、本人はまだ18歳のため、一緒に飲むことが出来ない。
牡蠣が苦手(宇宙人みたいな見た目で苦手という)だが、松島の旅で克服した。

・蓮沼暦
CV:鈴代紗弓
「一緒に海をぶらつくことなら、いつでもつき合える」
ちかの高校時代からの親友。
明るく元気なムードメーカーな少女。
アウトドア派ということで、ちかの度にも難なくつき合える。
新潟県の粟島の旅では甚平を羽織って、ちかと一緒に炎天下の中、島を踏破したこともある。
ちかの行き当たりばったりな旅で、時に予定が狂うこともあるが、そんな時でも持ち前の明るさで跳ね返してしまうくらいに陽気な性格。
一方で繊細なところがあり、旅を通じて心身ともに成長していくちかを見て、まだ将来の夢含めて進む道を見出だせない自分に対して焦りを感じることもある。

・鵜木ゆい
CV:平塚紗依
「私も旅に連れて行ってください!」
ちかと暦の高校生時代の後輩である。現在3年生で大学進学に向けて受験勉強中。
ちかの事が好きで、暦と一緒にいるちかを見ると嫉妬することもある。
歴史が好き。例えばちかと一緒に高松城へ行った際は、その建築の歴史や造形について嬉々として語ることもある。

・糀谷冬音
CV:佐藤聡美
「ん~なんか湧いてくるね~」
ちかが「師匠」として慕っている先輩漫画家である。
通称「ふゆねぇ」。ぼさぼさっとした髪型が特徴的。
なにかインスピレーションが沸くものを見つけるとその髪をかき回し、連載漫画のヒントをつかみ取ってしまうらしい。
妄想力は豊かである。
感覚派で天然なところがあるが、ちかに対して面倒見は良い性格である。

・天空橋りり
CV:日笠陽子
「日本酒の温泉が湧く宿にしよう」
冬音の友達の漫画家仲間。
天空橋の名前は長いので名前の「りり」で呼ぶようにしている。
クールな雰囲気を漂わせる大人の女性。ちかにも様々アドバイスを送る頼りになる存在ではあるのだが・・・、無類の酒好きで、旅の道中においても所有している場合が多い。
どこぞの飲酒キャラを彷彿とさせる。
なお、初めて飲んだときはアルコールに耐え切れずむせてしまったようだ。それが悔しくて今では立派な酒豪になった模様。
なお、ちかが初めて旅をした会津の旅行でも会っていた。

・吉本さん
CV:小林ゆう
「大丈夫、全部深夜バスの名に恥じぬ長距離移動だから」
ちかの担当編集者。
ちかのネームをいつもチェックしているが毎回物足りなさを感じている様子だ。
そんなちかに対して旅が好きだということを知っていたこともあり、新たな刺激を求めさせようと深夜バスの旅を進めてきた。
(某サイコロの旅を知っているチカは嫌なイメージを抱いていただけに戸惑っていた)

【テレビアニメ版】

2025年4月~6月の期間でテレビアニメが放送中。
なお、映像化に際しては旅先の数多くの名所や店・観光案内所が本作品に協賛しており、タイアップが充実している。結果、背景描写や食事の描写はリアリティ迫るものになっている。
ナレーションは数多くのテレビ番組でナレーターを担当している窪田等氏が担当している。

OP:「旅しよ?don’t you」harmoeによるオープニングテーマ。
ED:「bookmarks」Sizukによるエンディングテーマ。

追記・修正は旅に出たくなった時,お願いします。

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最終更新:2025年06月21日 02:10
添付ファイル

*1 ちかの“師匠”がアンケートのツイートをリツイートしたことも影響している

*2 駅のチラシをランダムに引き当てて選んだ模様