ざつ旅

登録日:2025/06/21 Sat 00:02:49
更新日:2025/07/07 Mon 12:36:10
所要時間:約 4 分で読めます




出典「ざつ旅」第1話 『はじめの1225段』より
2025年4月~6月/makaria/©石坂ケンタ/KADOKAWA/「ざつ旅」製作委員会

今しかできない、旅がある

ざつ旅-That‘s Journey-』は石坂ケンタによる漫画作品である。
電撃マオウ(KADOKAWA)にて2019年より連載されている。


【概要】

ネームを全ボツにされた新人漫画家が心の癒しを求めるべく、SNSのアンケートやちょっとした話題をきっかけに日本各地を気の向くままに旅をして、心の成長を描くハートフルな作品である。
なお、この展開は賞を受賞しながらもなかなか連載を勝ち取れなかった作者自身の経験も反映されている(師である水上悟志氏もこの事について言及している)。
作者としては「完璧じゃなくていい、踏みだすことに意味がある」という思いで描いている。
完璧なスケジュールじゃない、行き当たりばったりな雑な旅路でも、1歩踏み出して旅をしてみれば新しい発見が得られ、次につなげられることが出来るという思いが込められているのかもしれない。
自由に感性の赴くままの旅の魅了を描いている作品と言えるだろう。

旅先の建造物・観光名所・鉄道・食事関連に関する描写も丁寧に描かれている。
後述のアニメ版でも顕著で、旅先には様々な関係各所による協力がなされている。しかし最初の旅路に出るきっかけのトレースが1箇所だけ実質無認可

実際の旅の行先は 主人公である鈴ヶ森ちかのXのアカウント でのアンケート結果等を元に選出されている。

スピンオフ作品では、メインキャラの1人である蓮沼暦を主人公にした『ざつ旅-Another Side View― 蓮沼暦の日常―』が電撃マオウより連載されている他、
主人公である鈴ヶ森ちかによる初連載『あしたのあした』も同じ掲載雑誌により連載されている。

メディアミックスとしてはテレビアニメ版が2025年4月より放送中。


【あらすじ】

漫画志望家志望の大学生・鈴ヶ森ちかは新人賞を受賞したものの連載をとれず悩んでいた。
そんななか、
「旅に出たい」
と思い立ち、軽い気持ちでSNSで旅先候補のアンケートをとってみたら、
思いもよらぬ投票数に後に引けなくなる。
地理も歴史も詳しくないちかだったが、
無計画でざつな旅だからこその思いがけない出会いがあり・・・!?
(単行本第1巻のあらすじより引用)

【キャラクター】

  • 鈴ヶ森ちか
CV:月城日花
「旅にでたいいいっ!」
本作の主人公。
漫画家志望の女子大生。
新人賞を受賞するものの、それ以降は何本かネームを描き下ろしても担当編集からボツを食らいまくっている。
失意の中でたまたま目の前に映った「サイコロの旅」の企画をヒントにSNSで度の行き先をアンケートで採ったところ、思いのほか投票数が集まり*1、腹をくくって投票にあった「上の方」へ旅に出ることになる。
ちなみにその時の行き先は福島県会津若松市になった*2
何も計画を立てずに行き当たりばったりの旅であったが、本人の中でかなりハマった&アクシデントが無いと却って満足できなくなったようで、それ以降、ソロだったり、親友・後輩・漫画家仲間(後述)とだったり、で旅に出て楽しんでいる。

ちなみに飲酒の出来る大人と旅をすることもあるが、本人はまだ18歳のため、一緒に飲むことが出来ない。
牡蠣が苦手(宇宙人みたいな見た目で苦手という)だが、宮城県松島の旅で克服した。
またバスをはじめ車関係の乗り物に弱かったが、旅を重ねる事により克服した。
大学卒業後は晴れて漫画家として独り立ちする。

  • 蓮沼暦
CV:鈴代紗弓
「一緒に海をぶらつくことなら、いつでもつき合える」
ちかの高校時代からの親友。
明るく元気なムードメーカーで、いわゆる陽キャ。
アウトドア派ということで、ちかの旅々にも難なくつき合える。
新潟県の粟島の旅ではを羽織って、ちかと一緒に炎天下の中、島を踏破したこともある。
ちかの行き当たりばったりな旅で、時に予定が狂うこともあるが、そんな時でも持ち前の明るさで跳ね返してしまうくらいに陽気な性格。

一方で繊細なところがあり、旅を通じて心身ともに成長していくちかを見て、まだ将来の夢含めて進む道を見出だせない自分に対して焦りを感じることもある。そして、親友の苦悩を察したちかから誘われた岩手県の花巻市や平泉町への旅を通して自分の目指したい夢を見つけられたのだが、その進路は意外な…でも彼女らしいものであった。
前述の通り-Another Side View―では大人になった彼女を主役としている。

  • 鵜木ゆい
CV:平塚紗依
「私も旅に連れて行ってください!」
ちかと暦の高校生時代の後輩。
現在3年生で大学進学に向けて受験勉強中。(ただ作中はサザエさん時空ではないので途中で彼女も進学する。)
ちかの事を大分慕っており、暦がちかと仲良くしている光景を見ると嫉妬する。
歴史が好き。例えばちかと一緒に高松城へ行った際は、その建築の歴史や造形について嬉々として語ることもある。
大学卒業後は大学院に進み、歴史の研究を続けている。

  • 糀谷冬音
CV:佐藤聡美
「ん~なんか湧いてくるね~」
ゲームで知り合ったちかをアシスタントとして雇ったのが縁で、ちかが「師匠」として慕っている先輩漫画家である。水上さん…
普段はやや天然気味なおっとりぽやぽやした性格で、ちかのお悩み相談をよく聞いている面倒見のいい性格。
面倒見の良さや行き当たりばったりな部分があったりと芯がちかと似通っており、りりからは「空想しているときの顔が冬音そっくり」と言われた。*3
酒を飲み酔っ払うと誰が相手でも 敬語で話し出す という変な酔い方をする。
ちなみにこの酔い方をした次の日は酒を飲んだ時の記憶は奇麗さっぱり消えている模様。

通称「ふゆねぇ」。ぼさぼさっとした髪型が特徴的*4
なにかインスピレーションが沸くものを見つけるとその髪をかき回し、連載漫画のヒントをつかみ取ってしまうらしい。
ぼさぼさになった髪をよくりりに梳いてもらっている。*5
漫画家としては天才肌の感覚派で、一度思いついたネタは忘れる事が無いという特技がある。
よく(><)って顔になる。特にりり絡みだと。

  • 天空橋りり
CV:日笠陽子
「日本酒の温泉が湧く宿にしよう」
冬音の友達の漫画家仲間で、天空橋の名前は長いので知り合った人には名前の「りり」で呼ばせてている。
ちなみに少女漫画の雑誌で連載を持っている。
クールな雰囲気を漂わせる大人の女性だが軽度の人見知り。
調べてるのか知識としてあるのかは謎だが、ちか・冬音と違い旅先の知識を最初から得て訪れている。
結構ロマンチストで指摘されると照れる。
ちかにも様々アドバイスを送る頼りになる存在ではあるのだが・・・、無類の酒好きで、旅の道中においても所有している場合が多い。*6
どこぞの飲酒キャラを彷彿とさせる。
初めて飲んだときはアルコールに耐え切れずむせてしまったようだ。それが悔しくて今では立派な酒豪になった模様。
なお、ちかが初めて旅をした会津の旅行でも会っていた。

  • 吉本さん
CV:小林ゆう
「大丈夫、全部深夜バスの名に恥じぬ長距離移動だから」
ちかの担当編集者。
ちかのネームをいつもチェックしているが毎回物足りなさを感じている様子だ。
そんなちかに対して旅が好きだということを知っていたこともあり、新たな刺激を求めさせようと深夜バスの旅を薦めてきた。
(某サイコロの旅を知っているチカは深夜バスに対して嫌なイメージを抱いていただけに戸惑っていた)

【テレビアニメ版】

2025年4月~6月の期間でテレビアニメが放送中。アニメーション制作は、同時期放送の一瞬で治療していたのに役立たずと追放された天才治癒師、闇ヒーラーとして楽しく生きると同じく、マカリア。
なお、映像化に際しては旅先の数多くの名所や店・観光案内所が本作品に協賛しており、タイアップが充実している。結果、背景描写や食事の描写はリアリティ迫るものになっている。
ナレーションは数多くのテレビ番組でナレーターを担当している窪田等氏が担当している。

時期の違いもあって、厳島神社などの原作では訪れることができなかった場所にいけたり逆に行けなかったりする場所もある他、敢えて東京都と言った主人公のホームグラウンドを旅するオリジナル回もあった。
同時期にmono日々飯と言った共通点の多いアニメも放映されており話題となった。でもそれらと比較して、こっちは旅した場所で放送してるぞ…。
3つ全部見ている視聴者も多く色々と比較されることが多かった。日々飯より飯食ってるとかmonoのほうが雑な旅してるとか。

OP:「旅しよ?don’t you」harmoe(はるもえ)*7によるオープニングテーマ。
ED:「bookmarks」Sizuk(シズク)*8によるエンディングテーマ。



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最終更新:2025年07月07日 12:36
添付ファイル

*1 ちかの“師匠”がアンケートのツイートをリツイートしたことも影響している

*2 駅のチラシをランダムに引き当てて選んだ模様

*3 スケッチしてる時はりりそっくりと冬音に言いかえされたが

*4 右目は前髪で隠れていることが多いが、その状態でも何故か透けている。

*5 アニメでは京都で買った櫛が冬音専用になってるとの事

*6 一応ちか(未成年)との二人旅や、運転前には当然だが飲酒はしない

*7 声優ユニット:岩田陽葵&小泉萌香

*8 俊龍プロデュースの音楽プロジェクト。当曲ボーカルは歌い手の春茶。