ルッツ&ガッタ

登録日:2012/11/07(水) 16:31:25
更新日:2025/04/18 Fri 08:27:05
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ファイナルファンタジーXに登場する二人組のサブキャラ。ルッツの声優は石野竜三。ガッタは神谷浩史


概要

スピラのビサイド村を拠点に活動する「シン」を倒す為に結成された討伐隊の一員。
「○ッ○」となる名前からわかるように二人ともビサイド島の出身。

白めの肌で赤髪で長身の青年がルッツ。褐色肌で黒髪やや小柄の青年がガッタ
ルッツの方は年上ゆえに落ち着いた性格だが、ガッタの方はまだ討伐隊に入りたて且つ「シン」を倒すために張り切って活動するお調子者。
二人ともワッカとも顔見知り。


本編での登場自体は割と早く、序盤ティーダがワッカに連れられてビサイド村へ向かう際に初登場。
ビサイド村の宿舎において何も知らないティーダにスピラのことやお祈りのこと、そして「シン」や討伐隊のことなど様々な用語を教えてくれる。



以降もティーダ一行の行く先々で出会うので、プレイヤーにもそれなりに印象に残る存在。
だが本作最大のトラウマイベント「ミヘン・セッション」に参加したことで彼らの運命は大きく変わってしまう…。

運命の分かれ道

ミヘン・セッション開始前にガッタはルッツに司令部守備…つまり前線から後方の部隊に回されたことに不満をぶつけている。
その後、戦いを前にもう話せないかもしれないからとルッツはワッカに隠していたことを打ち明ける。
実はワッカの弟チャップを討伐隊に誘ったのはルッツだった。
そのことをワッカに謝罪し、ワッカに殴られるルッツ。
島を発つ前にはチャップの恋人だったルールーにも打ち明けており、彼女にもその時殴られたようだ。
ただし、ワッカもチャップの死は最終的には本人の意思でありルッツの責任は一部でしかないと割り切れてはおり、
追い打ちをティーダに制止されてからは落ち着きを取り戻し、ルッツと別れる際には「殴り足りないから」としつつも「死ぬなよ」と声をかけている。


その後、本陣前でティーダ達の前をガッタが苛ついた様子で通り過ぎていく。
ガッタはどうやら戦いで前線に出させてもらえないことに苛ついている様子。
これに対しアーロンが「今自分に出来ることだけを真剣にやればいい」とアドバイスと忠告をする。
そのイベントが終了後、通り過ぎるガッタに話し掛けることができ、この時「黙って働いても誰も認めてくれない」「ちょっとくらいルール違反しても目立たない」とごちるガッタへの返答次第で今後の展開が若干変化するのだが……

具体的には2回「その通り!」と返答するか、それ以外か。




以下ネタバレ注意







エボンの教えで禁じられているアルベドの機械を使ってまで行った討伐隊の作戦、「ミヘン・セッション」は案の定大失敗し、多くの犠牲者を出すだけの結果となる。
この時、プレイヤーの脳裏にはあの二人、ルッツとガッタの姿がよぎった人もいるだろう…。


1.2回「その通り!」と返答していなかった場合
目が覚めたティーダは辺りを歩いていると隅っこで何とか一命を取り留めてうずくまっているガッタの姿。
余りの凄惨さに「どうなってるんだよぉ!?」と慟哭することしかできないガッタ。

2.2回「その通り!」と返答していた場合
ガッタがいるのは同じだが彼はぐったりしている。
おそるおそるティーダが「ガッタ……おまえなに寝てんだよ……」と声をかけると、ガッタは何も言わず、力なく倒れて横たわる。



ティーダはただ一言…



おまえ なんなんだよ!!



とシンに向けて叫ぶことしかできなかった…

そう…上記の選択肢次第でルッツとガッタ、どちらかが必ず命を落としてしまうのである
ガッタ死亡ルートの場合は、プレイヤーに賛同され調子に乗ったガッタは手柄を上げるためにこっそり前線に出てそのまま死んでしまったということなのだろう。

どちらが死んだ場合でもガッタの姿は見ることができるが、ルッツは死んだ場合影も形もなく*1、ガッタから死んでしまったことを語られるのみ。彼の遺体は体が半分になってしまっていたらしい*2
ワッカも「死ぬなよ」と言ったのはやはり本心だったらしく、その死を知ってやり場のない怒りに駆られている。

逆にガッタが死亡した場合は、ジョゼ寺院にて無事のルッツからガッタが死んでしまったことを告げられる。
最初は「奴は運がなかった」と割り切っていたように見えたルッツだが、実際はガッタが前線に行くのを止められなかった自身への怒りに満ちており、狂乱してすさまじい勢いで壁を殴りだしてしまう。
ワッカに制止されると怒りのまま「うるせえっ! おまえにオレのくやしさがわかるか!」と言い放つが、「わからねえわけないだろうが」と静かに返され、愚かな問いをしてしまったことに気がつき我に返る。

また、ミヘン・セッション後のイベントで、このとき二人のうち死亡したほうが同時に死亡した討伐隊にまぎれてシンの中に囚われているのがわかる。

ガッタ死亡ルートは「任意会話のガッタに対して」「いかにもガッタが死にそうな選択肢を」「2回選ぶ」ことが必要であるため、何も知らないとルッツが死亡してしまうことの方が多いだろう。
ルッツは前線に赴く前にユウナに必死で止められており、ユウナはアーロンに「この男の覚悟はおまえの覚悟と同じだから止めるな」とたしなめられている。
究極召喚の真実や出陣前に心残りをなくそうとワッカにチャップの件を打ち明けるといったことから、ルッツは「この戦いで自分は死ぬ」と覚悟していたのだろう。普通にプレイしているとルッツが死んでしまうのはこのためと思われる。


その後…

1.ルッツ死亡の場合
ルッツの死体を見つけてしまったガッタは意気消沈。ジョゼ寺院で震えている。
少し落ち着いた後もルッツの死を引きずりながら、ビサイドに戻ると話している。

飛空艇入手後にビサイドに戻ると討伐隊の指揮をしているガッタがいる。
本当は心細いがそれでも後輩の手前、頑張っていたのである。
きっとルッツも心細かったというティーダの言葉を肯定しつつも、お互いに励ましの言葉を贈りあうのだった。

2.ガッタ死亡の場合
錯乱しきったルッツはワッカにビサイドに戻りしっかり休むようたしなめられる。
全ては寺院の教えに背いた罰と考え、エボンの教えに帰依するようになっていく。

飛空艇入手後にビサイド島に戻ると討伐隊の仕事に復帰したルッツの姿を見る事が出来る。
ただし、吹っ切れた印象を与えるガッタと異なり、一人丘でたたずんでいる。
ティーダの姿を見ると、作戦の前に祈っていくように催促する*3などかなり価値観が変わったことがうかがえる。
一方、そういうジンクスを変えたいので祈らないというティーダの言葉にも反論していない。

比べて見ると
  • 死を乗り越え、自分なりに未来に進もうとするガッタ
  • 死への救いを宗教に求め、未来へ進む者たちを傍観しかできないルッツ
という構図はFFⅩのテーマを体現しているともいえる。

なお、プレイヤーによって展開が異なるためか続編のFFⅩ-2ではどちらも出てこない。



お前の項目の余談の余談のところを追記・修正したのは…オレだ。
すまん。


ワッカ!落ち着けワッカ!

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最終更新:2025年04月18日 08:27

*1 ただし、この後ジョゼ寺院の宿屋にルッツに似たような人が寝かされている事が確認できる。

*2 とはいえシンの攻撃で分子レベルで分解された犠牲者が大半なことを考えると、半分でも残っていただけある意味幸運である。

*3 チャップやガッタは祈らずに作戦に参加し戦死したため