高齢出産

登録日:2012/02/15 Wed 10:36:18
更新日:2024/08/08 Thu 11:55:35
所要時間:約 3 分で読めます




高齢出産とは、現在の定義では35歳以上の女性が出産することである。

※ご自身の健康問題については、専門の医療機関に相談してください

【目次】


【概要】

戦後日本では晩婚化が目立つようになってきた。したがって、子供を出産する年齢もだんだんと高くなる。
(とはいえ、平安時代には元祖限界オタク女子こと菅原孝標女が30代後半になってからの結婚→2人出産、更に昔の古墳時代では4人目の子とはいえ皇極天皇が40代初めに天武天皇を出産しているなど、昔にもそういった記録が残っていないわけでもない)
これを読んでいる諸君の中にも親がそれなりのお歳な人もいるだろう。
そしてこれからも晩婚化の進行や団塊世代の駆け込み等により、高齢出産は増えていくだろうと思われる。
生命の誕生はたしかに喜ばしいことだ……が、決して手放しで喜べることばかりとは限らない。


【問題点】

決して高齢出産を否定するものではないが、高齢出産にはリスクが存在するのも事実である。
大きく分けて5つある。

1.妊娠し難い
卵子は加齢と共に老化する(精子もだが卵子ほどではない)ため、ある程度高齢だと自然懐妊が難しくなり不妊治療のお世話になるケースが多い。
というか生物学的な観点では人間の最も生殖に適した年齢は10代後半から20代までで、本来30代で寿命を迎えるものだが、現代社会における30代以上の高齢状態は生物として異常な状態であると主張する学者も居るほどなのだ。

2.出産し難い
妊婦の死亡率も高い。40代だと20代の実に20倍以上にのぼることも。
また早産・流産の危険も高く、第一子出産であればその危険性は最高に跳ね上がる。そのため受け入れてくれる病院も少なくなる。
さらに自然分娩が難しくなり母体への負担が大きくなる帝王切開の比率が増えるのも問題点の一つ。

3.染色体の異常
卵子(や精子)の老化により、子供がダウン症等のハンデを負って産まれてしまう確率が上がる。
そうなった場合母子共に苦しい療育の日々を送る事になる……
実際のところは出生前診断で見つかりやすい障害……言い方は悪いが「リセマラ」を行い次の子に望みをかけ、諦めて障害児を回避しやすいのは卵子由来、暫く育ってみないと分からない発達障害などは高齢の精子が由来になっていることが多いとされる。男性諸君も肝に銘じよう。

4.父母の高齢化
人間社会では子供は産まれたら終わり……ではなく、原則として両親が育てていく必要がある。
子供が成長する頃には、両親の体力が低下して一緒に遊んであげられなかったり、
今までの様に生活費を稼ぐことができないといった状況が起こりやすくなる。
子供を育てるには20年以上先のことも見据える必要があるのだ。

5.社会の無理解
……という上記の問題点を当事者や世間が認識していない(あるいはあえて目を向けようとしない、問題点など存在しないかのように美化に終始する)こともまた問題である。

高齢出産を感動的な話としてドラマ化したり、母親視点から超高齢出産が感動的なドキュメンタリー扱いで放送されたりしたが、
その医学的な危険性を正確に扱っている場はあまりにも少ないといえる。


【原因】

先に挙げた晩婚化がだいたいの原因だが、その背後には、

  • 女性の社会進出
  • 行政の支援不備
  • 将来への不安
  • 欲しいけどなかなか授からない
  • 恋愛・結婚に無関心な人の増加
  • 俺の嫁?もういるよ画面の中にな

等といった要因が複雑に絡まっているので一概に批判はできない。
それこそSFディストピア的発想では人間の遺伝子自体を弄って社会の体制に合わせ
「10代20代のモラトリアムないしは親の監督庇護下に置かれる世代は生殖に必要な第二次性徴のみ起きない様にし、出産適齢を家庭経営が可能になる30代以降にする様、肉体の成長過程自体を弄くる」みたいな過激な内容も出るくらい。

歌手の倖田來未がこの問題について「羊水が腐る」等と発言したところ、全方面からとてつもないバッシングが来たことがあった。
恐らく彼女に悪気はなく軽口を叩いたつもりだろうが(とはいえ酷いが)、デリケートな問題なので表現には気をつけよう。


【最後に】

適齢期に産んだ場合でも、未熟児や障害児が生まれてくる可能性が少なからずある事は御承知の通り。
上記で述べられているように、20代で結婚したとしても健康上の問題、不妊や仕事諸々を理由に、時期を逃し高齢出産に至らねばならない人もいるため、とても繊細な話であることを忘れないで欲しい
高齢出産でも複数人の子供を無事に授かり、頑張って育てているお母さんだって世の中には多いのだ。というか最近だと多数派である。


※この下には18歳未満の方の閲覧には相応しくない記述があります。





















【創作では】


言うまでもないが、二次元においては上記のような問題などない
ママンやお姉ちゃん、近所の未亡人は何歳になっても美熟女のままで元気な赤ちゃんを産んでくれるし、ファンタジー世界に至っては悠久の時を生きてきたロリババァといった存在と子作りしている。
ただし現実世界のインセストタブーに即して苦悩する姿がいいという逆説的な紳士も。

青少年うんたらかんたらのせいで体は子供、頭脳は大人な作品は規制の可能性もあるので、そういった嗜好の人達は行政の動向をある程度把握しておかないと


/ピンポーン\


になる可能性もある事を留意しておこう。


当たり前だが、現実と創作物の区別はきちんとつけておくように。



表現に配慮しつつ追記・修正お願いします。

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最終更新:2024年08月08日 11:55