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平松(ゴルゴ13)

登録日:2015/04/20 (月) 22:16:39
更新日:2026/07/12 Sun 07:29:47
所要時間:約 4 分で読めます






これから子供の力だけで、生きてくのですものね……




平松とは、ゴルゴ13の154巻に収録されたエピソード「荒んだ大地」に登場するゲストキャラクター。

概要

軍閥の激突によって国全体が混乱状態にあるアフガニスタンにおいて、孤児を相手にボランティアを行っていた中年の日本人女性。
善意と慈愛に満ちた人物だったが、女性が顔を出しているだけで軽蔑される国でもあるアフガニスタンでの生活に苦労している。
しかも活動に励む村の近くには軍閥の山砦があり、定期的に物資を半ば強引に摂取されていた。
その横暴な行動に抗議をした医者は軍閥の兵士に殺されており、平松のいたの村が無医村になっているのも、それが原因だという風にも推測できる。

本人曰く自分がボランティアをしている理由は「自分がどこまで出来るか・行けるか」を知りたいらしい。
その理由を「利己的な理由」「子供への慈愛に満ちているわけでは無い」と、どこか複雑な表情で語っている。
そしてアフガニスタンという国家を『人間の醜さがつけた大きな傷そのもの』と称していた。

自身の元にNPO団体”戦争孤児と難民援助の会”から派遣されたと自称する『東郷』と呼ばれる男が訪ねる。
当然正体はゴルゴであり、とてもボランティアをやるような容姿では無いからか『ボランティアには珍しいタイプ』という感想を抱いたり、拍手を求めた際には軽く避けられるなど怪しさを見せつけられていた。
それでもアフガニスタンで必要な言語を全て取得している東郷と女性軽視のアフガニスタンにおいて男手が出来たことは大きく、感謝の念で一緒にボランティア活動に励むこととなる。

実は作中の描写をよく見ると、ゴルゴの背後にいたどころかそこからいきなり触れたのに殴られることがなかった珍しい人物である。
平松の優しい人間性にはゴルゴの無意識な防衛反応すら抑え付けてしまったらしい…。

劇中の活躍

ボランティア活動自体は真剣に取り組んでいたゴルゴと共に充実した活動を送っていたが、村を苦しめていたパシュトゥーン部族の軍閥の長「セディック将軍」がマラリアの高熱に苦しんでいた。
そこでやってきた兵士に村の医療品を奪われそうになる平松だったが、マラリアの危険性を説明し始めたゴルゴが特別に医療をさせるために連れていかれてしまう。

平松は連れていかれるゴルゴに不安を覚えていたが、ゴルゴの正体は暗殺者かつ今回の標的がセディック将軍だったのだ。
一か月前のパキスタン・イスラマバード内のホテルにてパキスタン情報統合局を名乗る男性・ラジーフから、アフガニスタンと共通の敵インドを叩くためには西の国境での不安はあってはならないしてパキスタン軍とアフガニスタンの国境地帯の部族の自治州と激突を繰り返している原因となっているパシュトゥーン部族の軍閥の長であるセディックの殺害を依頼されていた。
ゴルゴが平松の元にボランティアとして潜入したのは依頼遂行のための行動だったのである。

軍閥の山砦に向かう男たちとゴルゴはベットで大量の汗を垂らしながら苦しんでいるセディック将軍と対面して事情を説明した男に銃で脅されながら早く治療するように促されるが、本性を現したゴルゴは次々と男達を銃殺していく。
焦る将軍を殺し、騒ぎに駆け付けた増援部隊もゴルゴによって瞬殺していき殲滅に取り掛かるゴルゴ。

ところが運悪く山砦に向かってくる大型トラックがあり、平松は正体を把握していないゴルゴの身を心配して、わざわざ危険な場所に向かってきたのだ。
ところが山砦では大量に横たわる死骸とそれを眺めるゴルゴの姿を見てしまい、最初からゴルゴの目的がこれだったことに気づく。
そして、自分が見てはいけないものを見てしまったことも同時に察した。そして、ゴルゴ側も己のルールは、自身ですら曲げられない

ところが平松は末期癌で元々、二~三か月しか命が残っていなかったことからどちらにせよ死ぬ運命に合ったことを告白。
苦しんで死ぬ姿を子供たちに見せるくらいならこの形で死んだ方が良いかもしれないと語るが、その姿を見たゴルゴは、銃口を向けながらもこのように問いかける。

……出来ることはあるか……?

その台詞を聞いた平松は、ゴルゴにありがとうと述べる。
そして、子供たちにさよならを伝えると同時に勇気づけてくれたら嬉しいと語った。

これから子供の力だけで、生きてくのですものね……

黒煙のなか、太陽が輝く空に銃声が響いたのだった………*1

◇平松の死後

一か月後のアフガニスタンの国連難民弁務官事務所(UNHCR)では、凄い金額の寄付があったことが所長に報告される。
イギリスの信託銀行から『匿名で3000万ポンドの基金を元に、運用収益の全てをアフガニスタンの戦争孤児救済NPOに寄付すべし』という指示があった。

所長は『政府機関では無く、NPOに』という指示について感謝し、政府機関を通すと予算の九割は組織の援助費、つまり援助する側の人件費で消えてしまう事情をよく承知しているんだろうと所長は語った。
本当にありがたい寄付と歓喜に沸く事務所だったが、当然寄付の主はゴルゴであり、平松は己の命と引き換えにゴルゴから支援金を引き出す結果になったのである。

余談

  • 平松が最期に触れていた自身の元にいた子供達が平松の死後にどうなったのかは触れられていない。
    推測するならば少なくともゴルゴが何かしらの説明をしたとは思われるが。




追記・修正は、孤児たちに寄付を行ってからお願いします。

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最終更新:2026年07月12日 07:29

*1 実際の所、ゴルゴは平松の姿を見ても即座に殺そうとはせず、話終えるまでずっと黙り込んでいる事から、純粋に自分を案じて助けに来た平松を殺す事は躊躇われた模様。そもそもゴルゴは第三者が自分の殺しの現場を目撃しても「絶対に口外しない」と主張すれば見逃してくれることがあるので、どちらかというと平松の介錯のために殺害したというのが正しいのかもしれない。