両津流マンガ塾(アニメ版こち亀)

登録日:2016/11/01 (火) 02:15:12
更新日:2020/05/02 Sat 07:10:22
所要時間:約 10 分で読めます





貴方は覚えているだろうか…?
あの両さんが週刊サファイアで連載していた漫画、
ロボ刑事番長』の事を…!


アニメ版『こち亀』のエピソードのひとつ。
単行本第59巻「両さんの漫画修業の巻」、第74巻収録「人気漫画家を目指せ!の巻」、第94巻収録「彼女は少女漫画家の巻」をベースにしている。 第334話として2004年1月4日に放送された。
原作とは異なる『ロボ刑事番長』の打ち切りの経緯が描かれている。

週刊サファイアで連載していた『ロボ刑事番長』を打ち切られた両さんが、
倒産寸前の関根出版を立て直すのと、週刊サファイアを潰すことを目的に、自分の漫画を載せた漫画雑誌を出そうとする話である。


【内容】

ある日、本田両津に会いに派出所へやってきた。何でも、週刊サファイアの最新号を買ってきたのだという。
早速両津は、自身が描いている『ロボ刑事番長』が載っているかを確認するが…

「無いぞ!?ワシの『ロボ刑事番長』が!」

なんと、ロボ刑事番長が載っていないのだ。「原稿を送り忘れたんじゃないんですか?」と言う中川に対し、「しっかり先週送った」と言う両津。
その時、本田が雑誌の目次の欄で信じられないものを発見した。それは…。


「ロボ刑事番長は先週号にて終了致しました」


ロボ刑事番長が先週号にて打ち切られた旨だった。
これを知って両津は激怒。本田と共に、週刊サファイア編集部の竜千士の元へと抗議しに行く。

怒る両津に対し竜千士が出したのは、先週分の読者アンケートの結果だった。
本田の彼女でもある乙姫奈々の『メヌエット』が第1位だったが、
肝心のロボ刑事番長は100回連続で最下位…もとい一票も入っておらず、そのうえ、読者からの苦情のハガキが段ボール16箱分も届いていた。
その為、先週の編集会議にて、ロボ刑事番長の打ち切りが決まったのである。

それを知った両津は、「ここの所のロボ刑事番長はマンネリだと感じていたんで、この際潔くスパッと止めよう」と宣言した。そう聞いて一安心する竜千士。しかし両津は、「その代わり、新連載をスタートさせよう!」と言い出す。

そうこうして両津が5分で描き上げたのは、
港横浜を舞台に繰り広げる劇画ハードボイルドギャグアクション大作拳銃(ハジキ)が俺を呼んでるぜ』であった。

『ボー ヒューン ヒューン』
「これがヤクあるよ!」
「よし10億万円で買おう。お互い(ワル)だな むふふ。」
「ボスにはかなわんあるよ。」
「そうはイカの金太郎アメ!」
『ジャリ』
「だれだ?」
『ジャン』
「麻薬Gメンの屯田林丈だぜ!!2丁拳銃のジョーと呼んでくんな!」
「ぴょっこりぴょうたん島のダンディーじゃねえぜ!」
「ボスさんこれは大変あるよ。」
「うーむ やろうども ジョーをやっちまえ。」
「おーっ」
『ズギュン ズギュン』
「ジョーのみだれ撃ちをくらえ!」
「ぐわー」

…と、大体予想はついたと思うが、この漫画はロボ刑事番長とほぼ変わらないノリだった。
呆れる二人を尻目に、「特にラストが最高なんだぞ」と言う両津。そのラストを見ると…

「アジトをはかないとうつぜ!!」
「知らんあるよ!」
「屯田林刑事 これは麻薬ではなくうどん粉です。」
「なに!?」
『ガビーン』
「だからちがうと言ってたあるよ!」
「うどん粉を10憶万円で買っただけだぞ」
『たら…』
「屯田林くん どういう事だ!!」
「こらまた失礼しました~~!!」
『ス~イス~イス~ダラタッタスーイ』
~完~

両津は「どうだ、予想外のどんでん返し!一流作家でも思いつかないオチだろう?」と胸を張る。
すると竜千士は、「どうして犯人じゃない人達が機関銃を持っているのか」と問う。
両津は「たまたま港の倉庫に機関銃が落ちてたんだよ、それを拾った時に主人公が登場した」と説明する。
今度は本田が「主人公が相手を撃ち殺してる」と言い、両津は「相手は偶然防弾チョッキを着けてた」と返すが、
「みんな頭を撃たれてる」と指摘されると、「防弾かつらを着けてる」と弁解。

だが、「ただのうどん粉をこんな高い値で買うのも不自然」「わざわざ港まで行ってこんな真似するのか」「どうしてうどん粉を買ってると(ワル)なのか」
…と、竜千士と本田の指摘が飛び交い、両津は「ギャグ漫画なんだから細かいところはほっとけよな!」と逆ギレする。

しかし、どっちにしろ週刊サファイア向きの漫画じゃないとして、漫画は竜千士にボツにされてしまう。両津は「そこをなんとか」と頼み込むも叶わず、編集部から追い出されてしまった。

その帰り道、両津と本田は本が大量に捨てられているのを発見する。そこは関根出版の前だった。
捨てられていた本を調べると、どれもまだ新品だった。そこへ、関根出版の社長が暗い顔して表へ出てきた。
何でもその本は、全て返品されたものだという。倉庫の中も返本だらけだった。
どんな本を作ったのか調べると、『世界のペン先』『蛇口図鑑』『素晴らしきボルトとナットの世界』といったあからさまに売れない本ばかりだったので、社長に「こんな本が売れるわけないだろ!」と突っ込む両津。

社長は残念そうな顔で「ここらで売れる本を作らないと、うちは倒産する」と嘆いた。
それを聞いた両津は「漫画雑誌を作ればいい」と提案する。

「この出版不況の中、唯一売れているのがズバリ漫画だ!
漫画は若者を中心に、子供から大人まで幅広く読まれている。
それに値段も安く、いつでもどこでも読めて、とにかく中身が面白い!
漫画雑誌を出せば倒産の危機は乗り越えられる!!」

両津はそう力説し、社長も一度は同感するものの、「うちには漫画雑誌のノウハウなんてないし、漫画家の知り合いもいない」と諦めかける。
すると両津は「全部ワシに任せとけ」と胸を叩く。なんと、両津自身の漫画を載せるというのだ。
こうして4分で描き上げたのが、ロボ刑事番長の続編『ロボ刑事番長R』だった。

本田に「先輩以外の漫画家はどうするんです?」と尋ねられると、両津は「出版社に聞けばいい」と、
他の出版社の週刊ステップ編集部に電話を掛ける。両津が「お前んとこで一番人気の漫画家は誰だ?」と尋ねると、『星ひかる』という漫画家が一番人気があると聞かされ、自分の雑誌で描いて貰う為にその漫画家の電話番号を聞こうとするが、当然のごとく断られ電話を切られてしまう。
憤慨する両津に対し本田は、「出版社にとって人気漫画家は財産みたいなものです。人気漫画家の事はトップシークレットですよ」と窘める。

やっぱり止めようと弱音を吐く社長だったが、両津は閃いた。「絵の上手い奴に有名な漫画を真似たのを描いて貰って、それを雑誌に載せればいい」と。
それを聞いて渋る社長に、「絵画だってレプリカというのがあるだろ?漫画にだってあってもいいだろう」と説得する。
「絵画と漫画は違う気がする」と突っ込む本田と「もし本物が訴えてきたらどうする」と咎める社長に対し、両津は「向こうが真似したと言い負かす自信はある」と自信ありげに言うが、
社長は「どうやって絵の上手い人を集めるのか」と尋ねてきた。すると両津は「ワシに考えがある!」と笑いながら言った。

両津が考案したのは、「両津漫画スクール」なる漫画塾であった。生徒には課題として原稿を書いてもらい、それを雑誌に掲載するという。
しかも、漫画スクールの授業料や教材費を製本印刷代にまわせば、タダで本が作れるというのだ。
これを両津は「魔法の経営法」だと嘯いた。

ちゃんと生徒が集まるのか不安になる本田に、両津は特別講師も招いてあるとその名前を見せた。
その中には乙姫の名前(愛野神女)もあったが、実際は…

『愛野神女先生 の元カレ

と書かれており、自分の事だと知った本田は憤慨する。
そう、漫画家の名前で釣って生徒を集めるという作戦だったのだ。他の漫画家も、

『ジャッキーポンチ先生 の元家政婦』『ほろりかずよし先生 の守護霊

というように書かれていた。
そして見事に釣られてやってきた生徒たち。特別講師による講演が始まると聞いてテンションは上がっていた。
しかし出てきたのは、全員が期待していた愛野神女こと乙姫ではなく、本田だった。
本田は「愛野神女先生の本名は乙姫奈々」だとバラしたり、この前デートしてきた時の写真を生徒たちに見せたりしたのち、裏方に戻っていった。
そして入れ替わりで両津が「ジョン両津」と名乗って登場、紙や教材を生徒に高額で買わせたり(例として鉛筆1本1000円。他にも分度器やドライバーなど、漫画制作に関係なさそうなものもあった。因みにスクリーントーンだけは1枚100円と安かったが、サイズが切手並に小さい)、どう見ても藁人形にしか見えないデッサン人形を配ったり、少年漫画や少女漫画、青年、ファンタジー、推理漫画の描き方を説明したりして、授業を進めた。

そして授業の最後に両津は、「素人の君たちにはそう簡単にアイデアは出ないだろう」と、自分が用意した原作を生徒たちに渡す。
その原作はと言うと…



…といったもので、両津は各自その原作で漫画を描くことを今日の課題として、生徒たちに描かせるのだった。
こうして集まった原稿をもとに、雑誌の印刷をすることになるが、「1万部刷る」と言った社長に対し両津は、「少なすぎる」と一蹴。

「売れてる漫画雑誌は平気で100万部以上刷ってるんだぞ!
しかも、この雑誌にはワシの超人気漫画である『ロボ刑事番長R』まで載せてるんだぞ。300万…いいや500万部は売れる!」

そう意気込んだ両津は、週刊サファイアを潰すべく、自身の雑誌『コミック両津』の創刊号を500万部刊行したのだった。



…しかし、ただでさえ絵が酷いロボ刑事番長が巻頭カラーな上、パクリ作品ばかりを載せた『コミック両津』は全くと言っていいほど売れず、潰れたのはコミック両津と両津漫画スクール、そして関根出版の方だった。
「世の中見る目のない連中が多すぎる」と世間を恨む両津だったが、中川と麗子には「どう考えても売れなくて当たり前」だと呆れられる。

すると、関根社長と生徒たちが、両津の元へ抗議しにやってきた。
社長からは「両さんのせいでうちはとうとう倒産しちまったじゃないか!どうしてくれるんだ!!」と、
生徒たちからは「漫画スクールが廃校ってどういうことですか!?」「一年分の授業料払ったんですよ!どうしてくれるんですか!?」「それにこんな訳の分からない雑誌に勝手に俺の漫画を載せて!」「詐欺だ!」「訴えてやる!」と詰め寄られ、
耐えられなくなった両津は逃走。

両津「ひえ~っ!漫画雑誌はもうコリゴリだぁ~~~っ!!」


【余談】

  • 両津が生徒たちに描かせた漫画のタイトルの元ネタは以下の通りである。
『沈没の艦隊』→『沈黙の艦隊』
『ど純情ガエル』→『ど根性ガエル』
『漂着教室』→『漂流教室』
『美少女闘士ブレザームーン』→『美少女戦士セーラームーン』
  • 原作の『ロボ刑事番長』は、単行本第116巻「編集者・竜千士の苦悩の巻」にて、掲載誌の分裂騒動の中で終了させられており、両津は鋭光社への出入りを禁止された。
  • 作中で両津が描いた「拳銃が俺を呼んでるぜ」は元々、単行本第59巻「両さんの漫画修業の巻」において、両津が賞金目当てで漫画雑誌の漫画賞に送ろうとしていた作品である。


追記・修正は両津漫画スクールに入学してからお願いします。

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