E2連結 俺丸「ライバック」

登録日:2025/11/08 Sat 19:11:47
更新日:2025/11/08 Sat 20:08:17NEW!
所要時間:約 12 分で読めます





不敬の精神が、獅子と黄金のゼニスを生み出した。

*1


E2連結 俺丸「ライバック」》とは、TCGデュエル・マスターズ」のカード。
DM25-EX2「王道vs邪道 デュエキングWDreaM 2025」に収録されたクリーチャーである。レアリティはスーパーレア。

エピソード2を司る《黄金世代 鬼丸「爆」》と《「俺」の頂 ライオネル》を合体させた勢力のディスペクター
頂上ディスペクター魔縛ディスペクター等の特殊例を挟み、久々に登場した通常のディスペクターでもある。


解説

E2連結 俺「ライバック」 SR /文明 (9)
クリーチャー:ディスペクター/ゼニス/ハンター 13000
革命0:このクリーチャーを自分のシールドゾーンから手札に加えた時、自分のシールドが1つもなければ、このクリーチャーを手札からコストを支払わずに召喚してもよい。
EXライフ(このクリーチャーを出す時、自分の山札の上から1枚目をシールド化する。このクリーチャーが離れる時、かわりにそのシールドを墓地に置く)
スピードアタッカー
T・ブレイカー
このクリーチャーが召喚によって出た時、次の自分のターンのはじめまで、自分はゲームに負けない。

光と火の2色を有する連結ディスペクター。
コスト9となかなか重めのクリーチャーだが、革命0による召喚扱いでの踏み倒しが可能。
そしてゼニス特有の召喚時限定cipとして、ゲームに負けなくなる敗北回避能効果を発揮する。

この効果はライバックの召喚に成功した時点で発動し、次の自分のターンのはじめまで継続する。
自身のライブラリアウトを始めとする継続的な敗北条件は返しのターンに効果が切れた時点で負けてしまうものの、そうでない直接攻撃や一発限りの特殊勝利といった単発的な相手の勝利条件は全て無力化できる。

相手ターンに革命0で出せれば、EXライフのシールドと併せて負けない状況で立ちふさがる嫌らしい壁となって非常に厄介。
そして自身のターンに召喚できれば、2ターンもの間負けない状況を作り出しつつ、除去耐性を持ってSAで即座に殴れる頼もしい3打点となれる。
どちらのターンに召喚できても、何かしらの働きを見せてくれる能力となっている。



……そう、召喚できれば

このクリーチャーのコストは9
ゲームの速度が年々加速し続けるデュエマにおいて、これ程の高コストは積極的にマナ加速してもなかなか払えず、正規召喚が難しい。
流星のガイアッシュ・カイザー》がコスト軽減してくれる10にギリギリ届かない値であり、大半のサポートの圏外になってしまう何とも歯痒いコストとなっている。
ライバックの登場直前には《ARC REALITY COMPLEX》という丁度コスト9に踏み込める実用性の高いカードも登場したが、依然として触れづらい数値ではある。

かと言って踏み倒そうにも、ただ出しただけでは召喚時限定の敗北回避効果が発揮されず、少しパワーと打点が高くてEXライフが付いてるだけの準バニラと化す。
これでは同じディスペクターを筆頭により強力な踏み倒し候補がいくらでもおり、わざわざライバックを採用する意義が失われしまう。

となれば自前で持ってる革命0による召喚扱いの踏み倒しを狙いたいところだが、強力なライバルの存在からそれも厳しい。
ライバックと同じく革命0からの踏み倒し能力を持つ《閃光の精霊カンビアーレ》は、cipで相手クリーチャー全体をタップするので防御札として優れている上、光文明のブロッカーなので《ヘブンズ・ゲート》を筆頭に様々なカードから踏み倒せる。
相手のシールド破壊に対するカウンターとして出すならカンビアーレの方がサポートも含めて優秀であり、踏み倒すための頼みの綱が革命0一辺倒というのやはり苦しいものがある。


よってライバックを活かそうとするなら、カンビアーレ等との差別化を図りつつ個性となる敗北回避効果を発動するべく、相手ターンだけでなく自分のターンでも召喚扱いの踏み倒しを狙う事が求められる。
自身のシールドを自ら割る事で能動的にS・トリガーを発動させる、所謂暴発のコンボに組み込む事が望ましい。

幸いな事に、種族面ではゼニスやハンターにディスペクターとサポートに恵まれており、下述のように相性の良いカードも多い。
特定のデッキとコンボの中では確かな強さを発揮する1枚である。


総じて、決して使い道が無い訳ではないものの、召喚が難しいコスト帯かつ召喚前提の効果から汎用性が高いとは言えず、スーパーレアという高レアリティでの収録もあってハズレアの誹りを受ける事も少なくない。
ライバックの前年には《頂上電融 クライアッシュ“覇星” '22》やわずか一年で殿堂入りとなった《頂上混成 BAKUONSOOO8th》を始め、強力なスペックのディスペクターの新規収録が続いていた事も拍車を掛けている。
カードの公開当初は特に低評価の声が多かったものの、ある程度落ち着いた現在では「弱いと言うには強すぎるが、強いと言うには弱すぎる」といった評価に帰着している。


相性の良いカード

戦略の一つとしてまず挙げられるのが、暴発コンボの中でもゼニスの踏み倒しに特化した【暴発ゼニス】への参入である。

偽りの名(コードネーム) ダスニゼス R 闇/火文明 (9)
クリーチャー:アンノウン・セレス 4000
S・トリガー
このクリーチャーが出た時、自分の山札の上から3枚を見る。その中から、コスト18以下のゼニス・クリーチャーを1体、コストを支払わずに召喚してもよい。残りを好きな順序で山札の下に置く。自分のゼニス・クリーチャー1体と相手のクリーチャーを1体選ぶ。その2体をバトルさせる。その後、こうして出したクリーチャーを破壊する。
リーダー・水晶チャージャー R 光文明 (3)
呪文
自分の山札の上から1枚目を表向きにする。それがオラクル、アンノウン、またはゼニスなら、手札に加える。
水晶チャージャー(この呪文を唱えた後、墓地のかわりに、裏向きにしてマナゾーンに置く)

cipの疑似メクレイドによってコスト18以下のゼニスをノーコストで召喚できるS・トリガー獣《偽りの名 ダスニゼス》であれば、山札からライバックを召喚扱いで踏み倒せる。
この効果で踏み倒したゼニスはゼニス・クリーチャーと相手クリーチャー1体との強制バトル後に破壊されてしまうため、一般的なゼニスであればcipだけ発動してエターナル・Ωで手札に返る等するのだが、ことライバックの場合はEXライフの耐性で場に留まる事が可能
ダスニゼスから踏み倒すEXライフ持ちゼニスの有効性は《終末縫合王 ミカドレオ》《暗獅連結 グレイテスト・ネルザ》で既に実証されており、ライバックもゲームに負けない状態で直ぐ殴れる3打点として活躍できる。

暴発秘宝ベンゾ R 闇文明 (4)
クリーチャー:パンドラボックス 2000
このクリーチャーが出た時、自分のシールドを1つブレイクする。
星龍の暴発 R 光文明 (7)
呪文
S・トリガー
次の自分のターンのはじめまで、自分の手札に加えるシールドカードすべてに「S・トリガー」を与える。このターンが自分のターンなら、クリーチャー側を出す。

鬼面のコード デトロイト・テクノ R 無色 (7)
クリーチャー:アンノウン・セレス 7000
W・ブレイカー
このクリーチャーは、出たターン、相手プレイヤーを攻撃できる。
スマッシュ・バースト(このクリーチャーが攻撃する時、このカードの呪文側を、バトルゾーンに置いたままコストを支払わずに唱えてもよい)
「水晶よ、大地より我が配下を創れ!」 R 無色 (8)
呪文
S・トリガー
自分の山札をシャッフルし、その後、上から1枚目を表向きにする。それがアンノウン・クリーチャーまたはゼニス・クリーチャーならコストを支払わずに召喚してもよい。それ以外なら、裏向きにしてマナゾーンに置く。

このダスニゼスを初め、同じくゼニスの踏み倒しが狙えるS・トリガー呪文《星龍の暴発》《「水晶よ、大地より我が配下を創れ!」》を発動するべく《暴発秘宝ベンゾ》等を駆使して積極的に自身のシールドを割って行くのが【暴発ゼニス】の肝である。
自ら直接攻撃の危険性を高めていく暴発という戦略において、ライバックの敗北回避は少ないシールドから一気に畳みかけられて負ける展開を避けられるので理に叶っている。
また、運が良ければ暴発の終盤でライバック自身も最後のシールドから革命0による踏み倒しを狙える。
光・闇・火の三色で構成される事が多いこのデッキにおいて、二色のライバックは文明の観点でも好相性を築いている。
実際にライバック入りの暴発ゼニスが大会で予選を突破したとの報告も挙がっており、登場時点では最も相性が良いと言えるデッキである。


また、暴発から派生して《超銀河剣 THE FINAL》に代表される自身と相手のシールドを全て粉砕するG・ブレイカーとのコンボも挙げられる。
G・ブレイカーであれば全てのシールドを破壊するので、ブレイクの順番に寄らずシールドにさえライバックがあれば革命0から飛び出てこれるためである。

そのターン中に仕留めきれなければ相手に直接攻撃されて負ける跳ね上がるG・ブレイカー系のコンボだが、ライバックが革命0で出てくれれば敗北回避で返しのターンも凌げる。
除去耐性とSAを併せ持つライバックであれば直接攻撃の要員にもなれる。


他にも、革命0の発動条件はS・トリガーと異なり単純にシールドゾーンから手札に加わった場合も該当する。
そのため、自身のシールドをS・トリガーが使えない状態で全回収する《デビル・ドレーン》等と組み合わせても好相性。

鬼ヶ大王(おにがだいおう) ジャオウガ KGM 闇/火文明 (5)
クリーチャー:デモニオ/鬼札王国 7000
スピードアタッカー
W・ブレイカー
このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、自分のシールドをすべて手札に加えてもよい。ただし、その「S・トリガー」は使えない。

中でも《鬼ヶ大王 ジャオウガ》であればcipで全回収してくれる上に、SAかつ2打点なのでライバックと合わせて丁度相手のシールドを削り切る事ができる。
難点として、大王ジャオウガの主な出張先である《百鬼の邪王門》系統のデッキにおいてはライバックの光が浮く上に、EXライフによるシールド追加が鬼エンドの発動の妨げになってしまう事が挙げられる。


ハンターの踏み倒しでお馴染み《「必勝」の頂 カイザー「刃鬼」》では、残念ながら踏み倒しても召喚扱いにならず真価を発揮できない
…と思いきや

勝利(ビクトリー)」の頂 カイザー「刃鬼」 VIC 水/火/自然文明 (11)
クリーチャー:レッド・コマンド・ドラゴン/ジャイアント・ハンター/ゼニス 17000
シンパシー:ハンター・クリーチャー(自分のハンター・クリーチャー1体につき、このクリーチャーの召喚コストを1少なくする。ただしコストは0以下にはならない)
ジャストダイバー
T・ブレイカー
このクリーチャーが召喚によって出た時または攻撃する時、ハンター・W・メクレイド10する。(ハンター・W・メクレイド10:自分の山札の上から6枚を見る。その中から、コスト10以下のハンターを2枚まで、コストを支払わずに使う。残りを好きな順序で山札の下に置く)
相手のシールドが5つ以上あれば、このクリーチャーに「スピードアタッカー」を与える。

派生カードの《「勝利」の頂 カイザー「刃鬼」》ならばライバックにも対応している。
メクレイドによる踏み倒しならばあくまで召喚扱いなので、ハンターかつコスト10以下のライバックはもハンター・W・メクレイド10から出せる。


関連カード

黄金世代(ゴールデン・エイジ) 鬼丸「爆」 VIC 火文明 (6)
進化クリーチャー:ヒューマノイド/ハンター/エイリアン 13000
進化-自分のヒューマノイド1体の上に置く。
T・ブレイカー(このクリーチャーはシールドを3枚ブレイクする)
このクリーチャーが破壊される時、自分の山札の上から1枚目をすべてのプレイヤーに見せる。それがヒューマノイドであれば、このクリーチャーは墓地に置かれる代わりにバトルゾーンにとどまる。
このクリーチャーが破壊された時、このクリーチャーの下にあったクリーチャーをすべて、墓地からバトルゾーンに出してもよい。

「俺」の頂 ライオネル VIC  無色 (10)
クリーチャー:アンノウン/ゼニス 13000
ブロッカー
T・ブレイカー
このクリーチャーが召喚によってバトルゾーンに出した時、自分の山札の上から1枚目を裏向きのまま、新しいシールドとして自分のシールドゾーンに加える。その後、自分のシールドを1つ、相手に選ばせる。そのシールドを自分の手札に加えてもよい。
自分の手札に加えるシールドカードはすべてに「S・トリガー」を与える。
エターナル・Ω(このクリーチャーがバトルゾーンを離れる時、かわりに手札に戻す)

「俺」の頂 ライオネル GS P 無色 (10)
クリーチャー:アンノウン/ゼニス 13000
G・ストライク(このクリーチャーを自分のシールドゾーンから手札に加える時、相手に見せ、相手のクリーチャーを1体選んでもよい。このターン、そのクリーチャーは攻撃できない)
ブロッカー
T・ブレイカー
自分の手札に加えるシールドカードすべてに「S・トリガー」を与える。
エターナル・Ω(このクリーチャーが離れる時、かわりに手札に戻す)

ライバックの元ネタとなったカード。
両者共に「」を含んだネーミングとなっているが、連結された事で双方の名前がツギハギにされた。

文明は《黄金世代 鬼丸「爆」》の火文明に加え、《「俺」の頂 ライオネル》が後年において光文明で表されてきた頃を反映してか、光と火の二色になっている。
EXライフの除去耐性は、鬼丸の山札上のヒューマノイドを条件にした破壊耐性とライオネルのエターナル・Ωの双方が受け継がれた形と言える。
また、上述したゼニス特有の召喚時cipの他にも、S・トリガー付与が革命0によるシールドからの踏み倒しとして反映されており、ライオネルの割合が強い性能となった。

他にもディスペクターとしては珍しく、合体素材となった2体と基礎パワー及び打点が完全に一致するという特徴も持つ。


背景ストーリー

王来大戦にて超獣世界に襲い掛かった異形の存在・ディスペクター
だが、このディスペクターが誕生したのは龍頭星雲を挟んだ超獣世界の向こう側にして鏡写しの世界、デモニオが栄えた鬼の歴史においての出来事である。

超獣世界こと龍の歴史では、ディスペクターの黒幕《龍魂珠》によって《暗獅連結 グレイテスト・ネルザ》と《邪帝縫合王 ザ=デッドルナ》の二体が解体された後、「超獣王来烈伝」に刻まれている二人の王「獅子王」ライオネル「黒月王」ルナティック・ゴッドを改めて縫合、終末を招くディスペクター《終末縫合王 ミカドレオ》が合成された。
結果的に余った《暗黒皇グレイテスト・シーザー》と《龍覇 ザ=デッドマン》も、それぞれにとって因縁の相手である《《超聖竜シデン・ギャラクシー超戦龍覇 モルト NEXT》と合成して《戦国接続 ギャラクテスト・シデンシーザー》《DS電融 ザ=デッドNEXT》が誕生する、という展開が繰り広げられた。

一方、鬼の歴史では《鬼魂珠(ラウドラ・タン・ゲンド)》が黒幕として暗躍し、超獣王来烈伝の逆側にあたる「邪鬼王来烈伝」に刻まれし「暗黒王」と「邪悪王」の二人に着目していた。
そのため、こちらの歴史ではグレイテスト・ネルザとザ=デッドルナからそれぞれシーザーとデッドマンが引き剥がされた上で縫合され、ミカドレオと対を成す終末のディスペクター《終末縫合王 ザ=キラー・キーナリー》が合成させる事となった。

この際、キーナリーを合成させるにあたって余ったライオネルを利用し、因縁の相手である《黄金世代 鬼丸「爆」》と連結したディスペクターこそ《E2連結 俺「ライバック」》である。
片割れの神帝も宿敵の《ボルシャック・NEX》と連結させられ、《神化混成 ボルナティックス》が誕生している。


イラスト

ライオネルの全身をベースとして、各部に鬼丸のパーツが連結されたおぞましい見た目となっている。
元々ゼニスは肩や肘などの間接を三角錐か四角錘のトライストーンで繋ぎとめていたが、ことライバックの場合はそれらの部位が全て鬼丸の鎧に置き換わっている。

そして腹部から鬼丸の上半身のみが連結しており、人間に近い見た目のヒューマノイドの素材としたディスペクターの中でも一際グロテスクな姿に変貌した。
この特徴は何の因果か、ゼニスが一匹の蠅に支配されて鬼丸含むゴールデン・エイジも敗北した並行世界における、人影を依代としてゼニスが鎧のようになったゼニス・セレスの姿にも似ている。
鬼魂珠がそちらの歴史まで把握していたかは定かでないが、まさにエピソード2そのものをディスペクトしたデザインに仕上がっている。


余談

  • ゼニス・クリーチャーとしては初となるコスト9である。



追記・修正は暴発でライバックを引いてからお願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

最終更新:2025年11月08日 20:08

*1 画像出典:https://x.com/okome_di/status/1979546768238133519 イラストレーターDaisuke Izuka氏 @okome_di 2025年10月18日投稿 ©Wizards of the Coast/Shogakukan/Mitsui-Kids