登録日：2017/09/23 Sat 07:28:15
更新日：2025/03/01 Sat 13:07:50
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ノンステップバスとは出入口付近の段差（ステップ）をなくし、乗降性を高めた
バスのこと。なおノンステップバスは和製英語であり、英語圏では
low-floor busなどと呼ばれる。
床面高さは地上から350mm程度とされ、足腰の悪い高齢者や障害者などが乗降がしやすいよう考慮されている。中ドアにスロープ板を取り付けることで車椅子でも楽に乗降出来る。
ノンステップバスの歴史
黎明期
日本最初のノンステップバスは意外にも1963年に登場している。日本初の2階建てバスであるビスタコーチから2階部分を取っ払い、前輪と後輪の間をノンステップ構造としたもの。ワンマン運転に対応できないなどの問題があり、後に続くことはなかった。
その後1985年に三菱自動車工業が初のワンマン運転対応の本格的なノンステップバスを試作。大型路線バスのエアロスターをベースに前中ドア間の床面高さを350mmに下げたもので、現在普及しているノンステップバスに近いものとなっている。ただし高価だったのであまり売れなかった。
フルノンステップバスの登場
1997年、
三菱ふそうトラック・バスと日産ディーゼル工業が本格的な量産大型ノンステップバスを開発、販売を開始した。
三菱はニューエアロスターをベースにエンジンとデファレンシャルギアを運転席側へオフセットさせ、後部までフルフラット構造を実現。3ドア構造や前後ドア構造にも対応できるが、前後ドアとした場合車椅子の乗り降りが難しい。
一方日産ディーゼルは富士重工業7Eボディを架装するUA系をベースに、ドイツのZF社から車軸とトルクコンバータATを輸入し、車体最後部にエンジンを直立横置きに配置して後部までノンステップ構造を実現した。
1998年には
日野自動車と
いすゞ自動車も日産ディーゼルに近い構造のノンステップバスを開発。両社ともATはドイツZF製だが、リア車軸はいすゞがハンガリーのラーバから輸入したのに対し、日野は国産品を採用した。
これらフルノンステップバスはホイールハウスの張り出しやエンジンなどのデッドスペースが多く、従来の車両に比べて収容力に劣る上、走行面でもロードクリアランスが小さく悪路や山岳路線で使いづらい、車両価格が高価、ZF製のトルコンATの整備の難しさなどの問題点があった。
前中ノンステップバスの登場
1999年に西日本車体工業が開発し、日産ディーゼルUA系に架装する形で販売を開始。フルノンステップバスと異なり、前ドアから中ドアまでをノンステップ構造として従来のバスのコンポーネントをある程度流用し、収容力のアップと高出力エンジンの搭載、MTの採用などが可能になりノンステップバスが爆発的に普及するきっかけを作った。
前中ノンステが普及したことで、高価で整備しづらいフルノンを買う理由も無くなり2005年にフルノンステップバスはラインナップから姿を消した。
中型・小型ノンステップバス
中型・小型バスは元々動力系などがコンパクトなこともあり、デッドスペースを最小限に抑えられる。
中型ノンステは1999年より登場し、ノンステエリアを広く確保した三菱・エアロミディMJなどが登場した。
小型ノンステは1997年に西日本車体工業がパジェロをベースにした改造車が登場したが、試作車1台限りとなり本格普及はヨーロッパから商用車をベースにしたクセニッツやルノー、オムニノーバ・マルチライダーなどが輸入され、販売された。しかし日本の気候と合わないためにマイナートラブルが多発し、日野自動車がフランスPSAプジョーシトロエンからシャーシだけを輸入して日本独自の車体を架装したが、やはりマイナートラブルの根絶には至らず、自社で独自に小型ノンステを開発した。
変わり種
岐阜県の東濃鉄道には前ドアだけの中型ノンステップバスが存在する。
このような特殊なノンステップバスは基本特注対応となるが、
いすゞ・エルガはメーカー標準で前ドアだけのノンステップバスが用意されている。
現在発売中のノンステップバス
エアロスター
三菱ふそうの大型車。当初は車高が低かったが、PKG-MP35U改以降はワンステップバスとほとんど変わらない。ただし車高が高い分車内も天井が高くなっている。
エルガ
いすゞの大型車。日野へブルーリボンとして供給。
ブルーリボン
日野の大型車。いすゞのエルガの名前違い。
追記・修正お願いします。
- ノンストップバス -- 名無しさん (2017-09-24 09:27:57)
最終更新：2025年03月01日 13:07
