遥かなる想い(銀河鉄道物語)

登録日:2018/04/29 (日) 14:20:15
更新日:2018/04/29 Sun 14:21:36
所要時間:約 10 分で読めます



無限に広がる大宇宙。それは、命の連鎖が織りなす奇跡と永遠の大叙事詩である。
無数の銀河に満ち溢れる命だが、その一つ一つは永遠ではない。生きとし生けるものその全てにおいて、それは一つしか無い。如何に生きたか、そして、誰に、想いを託したか。

戦闘宙域後方1000宇宙キロに巨大な空間歪を確認!ディメンションホールです!

人は、かけがえの無い者の想いを受け継ぎ、かけがえの無い命を、かける。

「遥かなる想い」とは『銀河鉄道物語』第26話のエピソード。
第1シリーズの最終回、アルフォート軍の超巨大戦艦との最後の戦いが幕を開ける。

【あらすじ】

敵艦隊に辛勝したシリウス小隊。敵勢力を退けたと思われたその時、さらに巨大な空間歪が発生し、さらなる大艦隊と巨大戦艦が姿を現した。
強大すぎる敵の前にビッグワンは一時退くことになる。退きながらも相手の弱点を探るが、あまりにも大きすぎる敵の前にビッグワンはなすすべを失う。
SDF本部も全システムを投入し弱点を探るが、あと一歩のところで索敵を妨害されてしまう。弱点が不確かなまま敵巨大戦艦へ向かうビッグワン。ビッグワンはこの強襲揚陸作戦にすべてをかける…

【今回のゲストキャラクター】

  • フォレシス
アルフォート軍の総大将。彼女もまたアルフォート人であり、絶命すると青白い炎で燃え上がる。

【メカニック】

  • 超巨大戦艦
アルフォート艦隊の旗艦。通常クラスの戦艦が豆粒ぐらいの大きさ見えるほど巨大で、火力も非常に高い。
SDFの全システムを投入してようやく解析出来るほど。

【ストーリー】

デステニー最終防衛ラインで敵艦隊を退けたビッグワン。急場しのぎの改装に主砲のバイパスが飛び、一時斉射不能となる。
その時、戦闘宙域の後方で巨大な空間ひずみが発生。そこから現れたのは今までの戦艦よりも遥かに巨大な超巨大戦艦であった。超巨大戦艦の他、新たに200の敵艦が出現。
あまりの規模に言葉を失うシリウス小隊。その時、全ての通信回線へアルフォート軍から強制割り込み通信が入る。
我が名はフォレシス。今一度告げる。惑星デステニーを完全放棄。並びに、銀河鉄道始発駅を速やかに明け渡せ。繰り返すことはしない。これが最後通告である

この通信はビッグワンにも入っていた。通信を聞いたバルジは自身以外の隊員、整備チームを下車させ特攻を決意する。だが隊員たちは易易と特攻を許すはずがなく
「隊長、俺、ビッグワンを降りたりしませんよ!」
デイビッド「隊長、水臭いっすよ。そんなことしたら、俺たちはベガ小隊の連中に顔向けできません」
全員の想いを知ったバルジは列車に乗るメンバーへ放送を入れる。
みんな聞いてくれ。我々は空間鉄道警備隊だ。銀河鉄道を侵略者の手に渡すことは断じて出来ない。我々はビッグワンと共に、この危機を全力で打破し、銀河鉄道を守る!私に命を預けてくれ。以上だ

アルフォート艦隊超巨大戦艦ではトゥリルがフォレシスへ進撃の中止を進言していた。しかしフォレシスは
虫けらのような貴様たち兄妹には失望した。思考など無用
の一言を告げ、トゥリルを精神改造へ回してしまった。戦艦は速度を上げ、デステニーへと向かってゆく。

学は撤退を隊長へ進言する。あれだけ巨大だと闇雲に撃っても撃沈することは不可能。時間を稼いでウィークポイントをピンポイントで狙撃し、進撃が止まった敵艦に乗り込んで和平交渉を行おうというのが学の案であった。
学の提案を受け入れたバルジはユキに索敵を、デイビッドへ転進を命じ、ビッグワンはデステニーへ向けて転進を始める。
女性オペレータ「ビッグワン、転進しました…」

アルフォート軍に囚われていたルイは巨大戦艦の中枢の場所を調べていた。その時モニターに転進するビッグワンの様子が映る。


転進したビッグワン。だが転進の判断は正解で、主砲が射撃できなくなっていた。
助かったぜ学。実はちょいと面倒なことになってな。急場しのぎの、バイパス装置がさっきの総攻撃で飛んじまった。
通信中、整備班リーダーの暁が倒れてしまう。学はすぐに主砲車両へ向かい、暁の指示で主砲の整備作業に取り掛かる。

フォレシスはデステニーに向けて進行するビッグワンへの攻撃を命じ、射撃準備が整う。

藤堂指令は管理局の全システムを投入し、巨大戦艦のウィークポイントと弾道の算出を急ぐよう命じる。その時、司令室に現れたのは
私達の、出番みたいね
ジュリア隊長以下スピカ小隊の面々であった。

索敵開始直後、ビッグワンに向けて巨大戦艦からの攻撃が始まる。デイビッドの華麗なる操縦により、多くの直撃は避けたものの、一発が最後尾の展望車に直撃。展望デッキ部分が吹き飛んでしまう。

デステニーで索敵を行っていたスピカ小隊の手により、メイン動力源、予備システム、推進装置、狙撃対象外居住区などの情報が明らかとなる。判明したデータをビッグワンへ転送し、指揮中枢の位置を調べようとした時、索敵がこれ以上されなくなるようシールドが張られてしまう。だがビッグワンにとってこの情報量は十分であった。
直後、主砲の応急修理が完了する。措置はあくまで応急的なもので、撃てるのはわずか1発のみ。
敵の攻撃が続く中、ビッグワンは再び巨大戦艦へと向かう。
「撃沈か、侵略されるか…」
デイビッドが重くつぶやく。その時、巨大戦艦から指揮・動力中枢と弾道計算データが届く。モニターに映し出されたデータの送り主は死亡したはずのルイであった。
「1人ではここまでが限界です。何とかこちらに乗り込んで直接交渉にあたれないでしょうか?」
ルイはバルジとモニター越しに報告を行い、バルジはそれを労う。直後、倒れた暁を医療車両に搬送し終えた学が作戦車両に戻ってくる。
ルイが生きていたことに驚き、モニター越しの再開を喜ぶ学。ルイもまた学と再び会えた事を喜んでいた。しかし、怪しい気配を感じ取ったアルフォート軍の兵士が背後からルイを狙撃。通信が途絶してしまう。

変わらず続く敵戦艦からの攻撃。小型機も多数接近してくる。バルジはついに最終作戦の決行を決断。BGMとして主題歌「銀河鉄道は遥かなり」のフルサイズ・オフボーカルアレンジが流れる中
これより銀河鉄道最終防衛作戦を開始する。スペースイーグル発進準備、迎撃用意!
デイビッド・学が車両搭載機搭乗の準備に取り掛かる。
ルイはアルフォート兵にジリジリと接近され、撃たれそうに。銃弾が放たれる寸前、トゥリルが兵を狙撃し、ルイの危機は一旦は去る。
ルイ「何故こんなにみんなが血を流さなければいけないの!?あなたの同胞だって沢山死んだ!リフルだって!あなたが胸を痛めていないはずはないわトゥリル。だってあなたは、リフルのお姉さんなんだもの!」
ルイの言葉に感銘を受けたトゥリル。ルイの肩を抱いて安全な場所へと移動を開始する。
BGM車両搭載機の発進準備が整い、デイビッド・学が搭乗する機体を含め、全搭載機がビッグワンの護衛につく。ここから銀河鉄道は遥かなりがオンボーカルとなり、ささきいさお御大の歌声をバックに、最終決戦に向かう雰囲気を一層盛り上げる。
バルジ「ビッグワンはこれより大型戦艦へ向かいます。指令、スピカ小隊、情報感謝します。」
管理局への通信を終え、いよいよ敵戦艦との一騎打ちが始まる。
マトリクスエネルギー最大値へ!
迎撃開始!
シリンダー回転限界位まで加圧!圧縮機インジェクター作動値2800、加減弁半開放!
エネルギー出力最大、主砲回頭、敵艦に固定!撃てーっ!
ビッグワンから放たれた一撃は護衛の艦を撃沈し、巨大戦艦のウィークポイントを的確に破壊した。直後、ついに限界を超えた主砲が爆散。主砲を介して連結されていた後部客車が編成から外れ、アルフォート軍の攻撃により破壊される。
コスモバルカン以外の攻撃手段を失ったビッグワン。敵小型機からの攻撃は相変わらず続くため、搭載機による護衛が本格化。しかし敵も諦めず搭載機5機中3機を撃墜。辛うじてデイビッド機、学機が生き残り、ビッグワンと共に中枢へと乗り込む。
バルジ「ビッグワンは俺が守る。デイビッド、学、行け!」
バルジの命令に、デイビッドと学はビッグワンに先行して戦艦内部へと進む。戦艦内部の構造物に衝突しながらも停車したビッグワンは機関車、医療車など5両が残るのみだった。
護衛兵と銃撃戦になり、搭載機を盾にして応戦する学。デイビッドは負傷しており、すぐに動くことが出来ない。心配する学に檄を飛ばし、学はルイの捜索に向かう。
我は、絶対なる支配者である。無用なるものを排除せよ
フォレシスの命令に従った兵士がビッグワンに向けて近づく。
応戦用意!
バルジの命令により、乗車していた整備チームまでもが銃を構え、攻撃態勢に入る。

ルイを探していた学はついにルイを発見。久々の再開の喜びを二人で分かち合う。この光景を見たトゥリルは今までアルフォートで受けた人類が邪悪な民であるという教育が間違っていることに気づく。

巨大戦艦にビッグワンが与えたダメージは大きく爆発が相次ぐ。ついに学・ルイ・トゥリルの3人がフォレシスの前へと現れる。
話を聞いてくれ、フォレシス!
学はフォレシスを前に、和平交渉を開始。しかしフォレシスは学の言葉に耳を傾けず、自身の腕で学を拘束。フォレシスに止めるよう進言したトゥリルを感応波で突き飛ばしてしまう。
ここでアルフォート軍が何故銀河鉄道に対して大規模な破壊行動を行ったかが語られる。
お前たちが宇宙に張り巡らせてきた銀河鉄道網。神経線維のように果てしなく発達した空間軌道。それが、いたる所で我々の宇宙に干渉を始めている。
排除すべきは銀河鉄道!それが主君の下した宇宙の均衡を保つための唯一の道!
これがアルフォート軍が銀河鉄道を壊滅に追い込んだ理由であった。学は銀河鉄道がそのようなものではないと説得を試みるもフォレシスは聴く気を持たず、学に触手を突き刺し、殺害しようとする。
学の意識が遠のく中、ブルースの姿が。
言ったろ、誰も、奪わせやしないって
倒れた学に駆け寄るルイ。死んだかに思われた学だが、重症を負いながらも生きており、フォレシスへ向けて銃を構える。
皆で、守ってきた。父さん、護兄さん、ブルース、仲間たち、皆で、守ってきたんだ…!もし、別の宇宙があるとしたら、銀河鉄道は、人の心を、想いを、永遠に繋いでゆく、宇宙の全てをつなぎ続ける、無限の絆なんだ…!
直後、学は再び倒れ込んでしまう。
運命の守護者、我が主君こそがすべてを司る!私は運命の使者なのだ!
学はフォレシスの言葉に反論するもとどめを刺すべく再び触手が迫る。しかし、フォレシスの触手が届く前にトゥリルがフォレシスにとどめを刺し、フォレシスは絶命。青白い炎を上げて燃え上がった。

崩壊が進む巨大戦艦。生存兵が脱出艇に乗り、脱出を続ける中トゥリルもこの宇宙に残ることをルイが提案するも、トゥリルはアルフォート宇宙に帰ることとした。
ルイと学はビッグワンに向かって内部を歩き続ける。しかし崩れた残骸が通路を破壊し、学が転落しかける。ルイが手を離さなかったため、転落は免れたものの、このままではルイも一緒に落ちるのも時間の問題。
君だけでも、生きろ!
という学の言葉をルイは断固拒否。
あなたの居ない未来ならいらない!
ルイの言葉に感銘を受け、学が目に薄く涙を浮かべた時、デイビッドが到着し今にも落ちそうな学ぶの手を掴んだ。
賭けは俺の勝ちだな。行こうぜ、みんなで!
ビッグワンのそばにはバルジ隊長以下整備班、クルーが敬礼して皆の帰りを待っていた。ビッグワンを前にして安心したのか、学は眠ってしまう。
長い戦いが終わりを告げ、ビッグワンはシリウス小隊の面々を乗せてデステニーへと帰還。平和な日々が再び戻ってきたのであった。

学は夢を見た。デステニー駅が見える丘の上、そこには
  • ベガ小隊の面々
  • ホイットマン
  • ヨハンソン隊長
  • ブルース
  • 護兄さん
そして父である有紀渉の姿があった。
「大きくなったな、学」
父親の問いに学は一言、父さんとだけ答え敬礼した。
起きると一人の少年が学の前に立っていた。何故学が泣いていたのか問う少年に学は「会えたんだ。もう一度、会いたかった人達に」と答え、学がSDFの隊員だと知った少年は、SDFに入りたいと夢を語る。そんな少年に学は野球ボールを渡して去っていった。

銀河鉄道、それは少年の日の憧れ。広大な宇宙を無限の可能性を求め、旅立つ若者たちの果てしない夢とともに走る列車。悲しみに打ちひしがれた時、空を仰げばきっと見えるだろう。
永遠の命と絶えることのない鼓動を受け継ぎ、遥かな場所へと走る銀河鉄道の光が、それぞれの旅路を征く若者たちの万感の想いを乗せて…

余談

  • 何故並行宇宙のアルフォート宇宙と銀河鉄道の運行する宇宙が干渉し合ったのか、それは2期「永遠への分岐点」で明らかとなる。

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