怪童・両津奮戦す!!の巻(こち亀)

登録日:2019/11/16 Sat 11:17:01
更新日:2019/11/23 Sat 10:57:18
所要時間:約 8 分で読めます




こち亀のエピソードのひとつ。単行本第70巻に収録されている。



◆ストーリー


冒頭、各署対抗野球大会の女子リーグに向けて練習する、麗子と女子職員一同。しかし、女子職員がフライのキャッチミスをすると、「がははは! ダンスしてんのかよお前ら!」と嘲笑の声が。


両津「野球になってないよ全然」

鐘田「それじゃ一回戦も危ないぞ!」

否尾「今から出場放棄した方がいいんじゃないのか?」


麗子達を嘲笑ったのは、男子リーグの警察署メンバー。草野球のプロを自称する人外の力を持つ両さんと、ピッチャーで何度も甲子園に出場の経験のある鐘田、そして大学野球での優勝経験を持つ稲尾。自信を誇る両さんは「婦警チームなんか、わしら三人でも勝てるぞ」と豪語する。


両津「もし負けたらはだかで町内一周してやるよ!」

麗子「本当ね」

両津「そのかわり、わしらが勝ったら婦警全員レオタード姿で勤務してもらおう!」

麗子「えっ!?」


流石に困惑の色を隠せない麗子達婦警一同だったが、最終的にはその試合の受諾を決定。両さん達は「レオタードの出勤姿が見られるぞ!」「さすが両津!!」と勝ち気分でいた。






そして試合当日。


グラウンドで待ち構える両さん達三人の元へやってきたのは、一台のバス。


鐘田「警視庁の婦警の連合チームを作ってきたらしいぞ!」

両津「別にかまわんよ! 石はしょせんいくら集まっても石だ! ダイヤのわれわれとじゃ相手にならん!」

両津「こっちはピッチャー3人。一人3イニングシャットアウトすれば勝つ!」


一方、50人ほどの人海戦術でいく婦警チームも作戦を練っていた。


麗子「むこうは強くても3人だから9回まで体力がもつかどうかが勝負ね!」

麗子「後半がチャンスよ! ねばり強くいきましょう」




こうして、変則的な野球の試合が始まった。先攻は婦警チーム。
男性チームはキャッチャー・両津、ピッチャー・否尾、外野に鐘田。両さんが二、三塁のカバーに入ると宣言。

最初、一番の婦警相手には軽く三振を取るものの、二番手の麗子には外野まで打たれ、しかも油断からか外野守備の鐘田はボールをトンネルしてしまい、ツーベースを許す。これを危惧した両さんの指示で鐘田は三塁の守備へ。続く三番相手にまたも打たれるものの打球はピッチャーゴロ。しかしピッチャー否尾はいつものクセで誰もいない一塁ベースへボールを投げてしまった。

こうして油断とミスにより一回表は婦警チームに2点先行。しかし男性チームは「2点くらいすぐに返してやる」とまだ余裕を崩さない。


一番の鐘田はホームラン打つ気満々で打席に立つが…


チラッ  

鐘田(おっ!)


投球動作の際、ピッチャー麗子のショートパンツから見える生足チラリズムに興奮し、ど真ん中ストレートを逃す。ベンチからの両さんの叱咤をよそに(フルカウントまで見てよう)と下心満載の鐘田。フルカウントになってようやく「次は打つぞ!」と気合を入れるも…


チラッ

鐘田「ぐほっ!!」


よりにもよって今度はパンツそのものがチラリズムしてしまったために、興奮で鐘田は鼻血が吹き出しあえなくストライク三振。怒りで両さんがベンチで詰め寄っている間に、同じく色気にノックアウトされた否尾までもが三振を奪われる。


否尾「チラッと見えたもので…これも男女野球の役得だよ!」

両津「ふざけるな! 甲子園が泣くぞ! こら!」


軟弱なチームメイトに両さんは憤慨。色気には両さんも比較的弱いはずなのだが、この真剣勝負を前にしては両さんも本気で麗子を迎え撃つ。
麗子の投球もその人外なるパワーで勢いよくバットで打ち返す。低弾道でロケットのように飛ぶ両さんの打球を前に内野の婦警達は取るに取れない。


両津「さわったら手がくだけるぞ!! わはははは!」


しかしその低すぎる弾道が幸いし、地面から飛び出ている石に打球が激突して宙に高く上げられたフライとなる。そのフライボールが偶然にも一塁婦警のグローブに収まってしまい、運悪く両さんもアウトとなってしまった。


その後、四回表まで試合が進むが、その間にも外野と投手陣が油断と色気でエラーを重ねている間に婦警チームが更に1点追加。しかし男性チームは未だに1点も入れられず両さんを呆れさせる。鐘田と否尾は「次から本気だすよ」とようやく焦り始めた。

そして四回の裏になり…突如婦警チームがピッチャー交代を宣言した。


麗子「ピッチャー…マリア!」

両津「ちょっと待て!」


なんとここで婦警チームが投入してきたのは作中最強クラスの戦闘力を誇る女装婦警 麻里愛であった。
「やることがきたねえぞ!」と詰め寄る両さんだが、婦警として働いていることを理由にチーム入りを正当化される。麻里愛のことをしらない否尾は「あんなか細いピッチャーなんて心配ないよ」余裕そうにしていたが…



ビシュッ


ズ バ ン !
ビリビリ


否尾「」ペタン


球審「バッターアウト!」


空気を裂き、大音量でミットに飛び込む超豪速球を前に、否尾はバットを振るどころか腰が抜けて動けない。


否尾「160kmは出てるぞ…….プロでもあんな豪速球は見たことない…」

鐘田「……」ゾ~


ようやくマウンド上に立っているのが超人的存在だと理解できた男性チーム二人は戦意が大幅に喪失。そんな悪魔的な超豪速球を受けるキャッチャーも、両さんをして「ドカベンみたいな婦警だぞ。ただ者じゃない!」と言わしめるほどの傑物。もはや勝ちを確信したベンチの婦警達がティーパーティーをしているのを見て「前半、ちょっと遊びすぎたな…」と後悔する鐘田だが、時すでに遅し。


一気に勝ちの目が遠のき始めた男性チームだが、試合が続くと更なる不幸が襲ってくる。



ド ガ ッ

否尾「ぎええぐえ!!」

両津「否尾大丈夫か!? あばら骨がおれてる!」


麻里愛「ごめんなさい!」



なんとここでまさかのデッドボール。あの超豪速球をまともにくらった否尾は、とてもじゃないが野球ができる体ではなくなってしまい虚しく戦線離脱。

結局二人っきりになってしまい、ピッチャー鐘田、両さんキャッチャーのバッテリーだけの守備となる。両さんは自分が一・二・三塁全てのカバーに入るから、打たれたら死んでも取れと鐘田に下知する。

だが、いざ打席にマリアが立つと第三の悲劇が起きる。鐘田渾身の投球もマリアに打たれ、しかもよりにもよってその打球が…


両津「ピッチャー返しだ!」

鐘田「ぎええ!!」

ガ ン !


マリアの豪腕から放たれた打球をまともに顔面でくらってしまった鐘田はひとたまりもなく、無念にもKOされてしまったのだった。


両津「マリア!! うらみがあるのか! たった一人のピッチャー兼ショート兼外野なんだぞ!」

麻里愛「本当にごめんなさい!」


泣きながら詰めよる両さんだったが、マリア本人に悪気がない以上どうしようもない。こうして両さんはたった一人になってしまった…。


麗子「不幸だけど…これで試合は終わりね…」

ドカベン婦警「一人じゃもうできないわ! あなたの負けね!」





両津「あと3イニングのこってる! まだ勝負はついちゃいないぞ!」





なんと、世界一諦めの悪い両さんは前代未聞の一人野球を宣言。キャッチャーは布団を丸めたものを置き、たった一人、ピッチャーのみのチームとしてマウンドに立つ。両さんは「完封すりゃバックなどいらん! ぜったい打たせんぞ!」と意気込む。確かに間違ってはいないが、その代わり打たれた時がキツすぎるのだ。


両津「しまった!りきみすぎた!」ビュッ

カキーン

両津「うおっ! 万事休す!」


打たれたボールは外野へ。しかしそれを取る者はおらず、ピッチャー両さん一人で外野までボールを追いかける。
ランニングホームランを狙う婦警走者。投げても誰もいないため、これを止めるには外野から戻って両さん自らタッチしなければならない。

結局、グラウンドを往復する両さんとダイヤモンドを一周する婦警とのランニング勝負となり…


婦警「タッチ!」バッ


両津「ア ウ ト !」ズザザ


婦警「キャッ!」


あと一歩のところで両さんの足が勝利し、スライディングでなんとかアウトに持ち込んでランニングホームランを阻止。しかし投球に加えてグラウントを全速力で往復したことでさしもの両さんも汗だく疲労困憊で倒れ込んでいる。


両津「ひ…一人じゃあと3イニング体がもたん! この回の裏で最終回にしてくれ…。その回で三点返せなきゃ負けていいからさ…」


一人野球に体力の限界を感じた両さんだが、決して試合を諦めることはない。その折衷案として両さんが提案したのが試合の短縮であった。婦警チームも男性チームを負傷させた原因がこちらにある責任から、その提案を快諾する。








両津「体力をこの回に全て使い切る!」

実質最終回において、一人打席に立ってクリーンヒットを繰り出す両さん。しかし婦警チームの守備が相当に上手く、両さんの走りも一塁止まりとなる。「走者はどうするの?」と聞かれた両さんは…


両津「これをおいといてくれ!」

麻里愛「なんか変な感じね!」


なんと両さんが持ってきたのは佐藤製薬のマスコットキャラクター、サトちゃんの店頭用人形。ちゃんと許可を得て借りたのか、捨ててあったのか、それともパクってきたのか…
続く両さんの第二打の当たりによって、ツーベースヒットを繰り出す。



両津「代走! コルゲンだ!」

麗子「野球ゲームみたいになってきたわ!」



その後の両さんの三塁打によって、場面は満塁逆転のチャンスへと移る。



一塁走者:ケンタッキーフライドチキン創始者 カーネル・サンダース
二塁走者:コルゲンコーワマスコット ケロちゃん
三塁走者:佐藤製薬マスコット サトちゃん



麻里愛「なんか満塁でも緊張感がないわ!」

両津「つべこべいうな! ホームランで逆転だぞ!」



そして満を持しての一球。最後の力を振り絞った両さんの一打によって、ボールは内野の守備を抜けていく。
しかしホームランでない分、ここから更に地獄の走塁が待っている。



両津「こいつらは一人じゃ動けんからアウトにされちまう!」

両津「よいしょっとこれで二塁! 二塁ランナーをもってと!」



そう、この回だけで逆転をするためには、一人じゃ動けないランナー三人分を持ってランニングホームランをしなくてはならないのだ。ただでさえ疲労困憊なのに等身大人形を背負っての走塁は並大抵の苦労ではない。


外野婦警「バックホーム!」

両津「やばいボールが返ってきた! もっと軽い人形にすりゃよかった!」




しかし、勝つためにはこれで本塁帰還をしなくてはならない。

逆転ランニングホームランか…

それともトリプルプレーでゲームセットか…









両津「やった! セーフ!」ゴロッ


そう、キャッチャーのミットが捕球する直前に両さんがベースを踏んで帰還することに成功したのだ! これで両さん率いる男性チームの勝ち……だと思ったら…




ドカベン婦警「あとの走者はホームを踏んでないのでアウト! ゲームセット!」

両津「そんなバカな!」




そう、確かに両さんはベースを踏んでランニングホームランを達成した。ただし、踏んだのは両さん一人。両さんが背負っていたサトちゃんもケロちゃんもカーネルサンダースも塁を踏んでいない。その間にドカベン婦警が三人をタッチアウトにしてしまったため、スリーアウトからのゲームセットとなってしまった。

両さんは「ずるいぞ! ゾウとカエルとケンタッキーのおやじは自分で走れないんだぞ!」と抗議するが「元々3対9でやるといったのは両ちゃんよ」と麗子に論破される。もはや敗北が決定的となった両さんは最後の足掻きのために慈悲を乞う。


両津「わしが悪かった! はだかで走らせるのは勘弁してくれ! な!?」

麗子「どうする?」

婦警達「うーむ、どうしよう」


果たして両さん達は婦警達の慈悲を受けることはできるのか………?









鐘田「婦警さんはやさしいね。半分だけはだかでいいっていってくれて」

否尾「お前は上半身だからいいがオレは横半分だぞ!」

両津「ばかもの! わしが一番活躍したのになんで下半身なんだよ! きたねえぞ!」


その後の町内では、上半身裸横半身裸下半身裸変態警官トリオが目撃されたという……。




そのかわり、わしらが勝ったら婦警全員レオタード姿で追記・修正してもらおう!

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