ラッキーナンバーズ(ボードゲーム)

登録日：2025/06/05 (木) 13:38:00
更新日：2025/06/06 Fri 09:38:35
所要時間：約 9 分で読めます

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2012年クローバーゲームボードゲームラッキーナンバーズ数字

▼目次

【概要】

『ラッキーナンバーズ』は2012年に販売されたゲームで、2021年にケンビル社より日本語版が発売されている。
また、2024年には同社よりデラックス＆アクセス版が販売されている。
こちらはルールはそのままで最大5人まで対応した事とボードやタイルが大型化した事、ボードにタイルを置くための窪みがつけられた事、数字タイルに点字等が追加されて手に持った時に分かりやすくなったのが特徴。
作者はミヒャエル・シャハト。

4x4マスのボードに、ルールに従って数字を配置していくゲームで、最初にボードを完成させたプレイヤーが勝利する。
最大4人、10分程度で遊べる手軽なゲームで、運任せに見えて思考の余地も大きいのもポイント。

【ルール】

このゲームには4x4マスのボードと、1～20の数字が書かれたタイルが4セット合計80枚が含まれている。
この数字タイルを1枚引き、ボード全体のいずれの行・列でも数字が「左＜右、かつ上＜下」の順になるよう配置する。
※同じ数字は、同じ行・列内には存在できないが、ナナメの位置ならセーフ。

例えば下のような盤面の時に10を引いた場合、

2
	4	8
7		10
			16

1番目（最上段）の列
- 左2番目、3番目：左が2で10より小さいが、下が4、8と10より小さいため配置不能
- 左4番目：左が2で10より小さく、下が16と10より大きいため配置可能
2番目の列
- 左1番目：右が4と10より小さいため配置不能
- 左4番目：左が8で10より小さく、下が16と10より大きいため配置可能
3番目の列
- 左2番目：左が7で10より小さく、上が4で10より小さいが、右が10と同じ数字なため配置不能
- 左4番目：左が10と同じ数字なため配置不能
4番目（最下段）の列
- 左1番目、2番目：右が16と10より大きく、上が7、4とどれも10より小さいため配置可能
- 左4番目：上が10と同じ数字のため配置不能

配置可能／不可能なマスを塗り分けるとこのようになる。

2
	4	8
7		10
			16

配置可能な場所であればどこに置いても良い。
また、既に配置されているタイルと置き換えることもOK。
その場合、入れ替えた後の数字タイルはプレイヤー間で共有しているタイル置き場に公開で配置する。
既存タイルと置き換える場合でもルールに従う必要はあり、上記の例だと4の数字タイルは右の8が10より小さい為、置き換える事は出来ない。

基本ルールはこれだけ。
ちなみに各プレイヤーのボードの進捗状況は他のプレイヤーにも公開される。

【ゲーム進行】

手番が来たプレイヤーは以下の2つの行動のうちどちらかを行う事が出来る。

１：山札から数字を引く
数字タイルの山から1枚引き、引いたタイルをボードに並べる。
もし引いたタイルが配置できない、あるいは配置したくない数字だった場合、引いたタイルをタイル置き場に公開で配置する。
引いたタイルをボードへ設置、既存のタイルと切れ替え、タイル置き場へ配置のどれかを行ったら手番は終了となる。

２．共有テーブルからタイルを取得
山札からタイルを引く代わりに、タイル置き場にあるタイルを取得する事が出来る。
このタイルもルールに沿って配置する、あるいは既存のタイルと置き換える事が出来る。

取得したタイルをボードへ設置、既存のタイルと切れ替え、タイル置き場へ配置のどれかを行ったら手番は終了となる。

これをすべてのプレイヤー間で繰り返し、最初にすべてのマスにタイルを配置できたプレイヤーが勝利となる。
ちなみに数字タイルには緑、紫、黄、ピンクの4色があるが、色はゲームの勝敗には関係がない。
それでも一列以上が同じ色で揃った時は謎の達成感があり、つい狙ってしまうプレイヤーもいるかもしれない。

【ヴァリアントルール】

基本のルールとゲームの進め方は以上だが、オプションとして「ブルーノのヴァリアント」ルールが制定されている。*1

これは数字タイルを配置した際、斜め方向で同じ数字が連続する配置になった場合、プレイヤーはもう一度手番を行えるというもの。
例えば下のような盤面の時に12を引いた、あるいはタイル置き場から取得した場合、


10
	12
		16

一番下の列の左2番目に


10
	12
12		16

このように配置すれば条件は成立。
この場合、もう一度山札から数字タイルを引くか、(もしあれば)タイル置き場の数字タイルを取るかを選択する事になる。

勿論最初に12を引いた時に


10
	12
		16

10と12を入れ替えて


12
	12
		16

このように配置しても条件は成立。
この場合、プレイヤーは先ほど入れ替えた10の数字タイルを持った状態でもう一度手番を行う事になり、10の数字タイルをどこかに配置するか、タイル置き場に置くかを選択する事になる。

このルールによる連続行動は連鎖するので、場合によっては一度に3手番位行えたりする事もある。
それによって遅れていたプレイヤーの手が一気に伸びたり、あと1つ数字が出れば勝利状態のプレイヤーが再行動を続けて粘ったりする事も可能になっている。

その為、通常よりも共有テーブルに数字タイルを置いてよいかどうかの判断が重要になり、読み合いがより白熱する。
半面、一方的過ぎる展開になり、場が荒れる可能性もある。さっくり終わるゲームなので「気を取り直して次のゲーム」あるいは「次からは通常ルールで」と出来ればよいが。

【戦略】

◆基本的な進め方

「ボード全体のいずれの行・列でも数字が「左＜右、かつ上＜下」の順になるよう配置する」というルール上、ボードに配置可能な数字の範囲は最小値が一番左上、最大値は一番右下のマスの数字になる事に注意が必要。
一番左上のマスの数字が5であった場合、1～4の数字は設置できなくなるし、一番右下のマスの数字が17であれば18～20の数字は設置できなくなるからだ。

それで勝利できなくなる訳ではないが、設置できる数字が限られる事、設置できない数字が出た場合無条件でタイル置き場に置かなければならず、他のプレイヤーを援護してしまうケースが増えてしまう為、ゲームが難しくなる。
と言って、一番左上を1、一番右下を20にしようと過度に拘るのも手が進まなくなる。左上なら2や3、右下なら18,19程度で問題ない事が多い。

また、あるマスの数字が斜め方向のマスの数字と連番になっていないかも注意が必要。
こういった状況である。


13
	14
		19

ルール上この場合、13の下と右には13と14の間の数字を設置しなければならないがそのような数字タイルはない為、なにも設置できない。
もしこのような状態になっている箇所があれば、別の数字に入れ替える必要がある。

◆不要タイルの処理

一見すれば欲しい数字タイルを引けるかどうかだけに依存する完全な運ゲーのように見える。
が、不要な数字タイルをタイル置き場に置く事が出来る事、全プレイヤーのボード状況が公開されている事から、一定の思考の余地が出てくる。

「自分にとって不要な数字タイルだが、これをタイル置き場に置くと他のプレイヤーを助けてしまわないか？」
「自分の手番が来るまでタイル置き場の数字タイルが残っているだろうか？」
「他のプレイヤーの状況を見るに、自分の欲しい数字はいずれタイル置き場に出てくる…だろう」
「タイル置き場にある数字タイルの内どちらを取った方が相手プレイヤーに対する牽制になるだろう？」

この辺りの思考がなかなか熱く楽しい。
一例を挙げよう。

ヴァリアントルールを採用していないゲームで、上が自分、下が相手プレイヤーの状況でタイル置き場には何もなし。
この状態で自分の手番に17を引いたとする。

<自分>

2	5	8	10
3	6	10	11
7		16	17
11	12	19	20

<相手>

1	3	6	7
2	6	14
4	10	16	18
8	14	17	19

引いた17は自分のボードの空きマスに設置できず、かといって相手が設置できる数字、いわゆる待ちは15～17である為、17をタイル置き場に置くと相手がそれを拾って設置して勝利してしまう。
オウンゴール必至の状況だが、引いた17を12と入れ替えて12をタイル置き場に置く事でそれを回避できる。
同時にこの入れ替えで自分の待ちの範囲は8～11だったのが8～15の間に広がる結果になり、その分勝利に近付いたと言える。*2
しかも、相手がこの12を拾わなかった場合は次の手番で自分が12を拾いなおして勝利、または相手が12を8、10、14と入れ替えた場合も同様に勝利する事も可能になる。

数字タイルを引いた段階では敗北が頭を過る状況だったが、相手の状態と照らし合わせる事で状況を打開しつつ更に相手に王手を掛けるような展開になった。
この辺り、麻雀で相手の当たり牌を読むような感覚に似ていると思う。

【プレイ環境】

各種ボードゲーム販売店で購入するか、ゲームカフェ等であればおそらく大抵あるのではないだろうか。
また、BGA(BoardGameArena)でもプレイ可能。何時の時間帯でも結構プレイヤーが集まるので、本命ゲームの合間に楽しむのも悪くない。
ただ無料会員では新規に卓は立てられないので注意。

追記・修正は、ボード一面を同じ色の数字タイルで埋め尽くした方にお願いします。

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最終更新：2025年06月06日 09:38

*1 ボードゲームデザイナーであるブルーノ・カタラ氏考案による

*2 17と19を入れ替えても良いが、その場合待ちの範囲は変わらない為少々もったいない

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