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マゴットキン・オヴ・ナーグル(ウォーハンマーAoS)

登録日:2026/02/01 (Sun) 20:13:50
更新日:2026/03/07 Sat 09:36:45
所要時間:約 30 分で読めます




全ての命が住まう定命の諸領域。善神によって守られた宇宙を睥睨する混沌(ケイオス)の神、その1人がナーグル神である。

ナーグルとは、疫病と腐敗をもたらす神だ。絶望、停滞、衰退、死。ナーグルはこれら避けがたいものを司り、愛情をもって命あるものへ贈るのである。
彼が手ずから作り上げた疫病が物質界へ解き放たれれば、溢れる悲嘆に彼は喜んで耳を貸す。病んだ体はさらに腐り変貌し、不可逆の果てに
「望みがない」
という究極の安寧を与えるのだ。これは生ける者全てが到達できる真実であり、救いである。ナーグル信徒は心からそう考え、敬愛を込めて「尊父」と呼ぶ。

自己欺瞞ではない。尊父ナーグルは心から生命を愛している。産声を上げる赤子から、死体にうごめく蛆まで、全て等しく慈しむべきと考えている。他の混沌神が武勇や知謀を要求するなら、ナーグル神はただ生き延びたいと願うだけでいい。
かつてありし世界では、混沌を信仰する者は「ナーグ(Nurgh)」という言葉に「生きようとする意志」の意味を当てはめた。これが偽りではないことは、尊父の忠実なる信徒たちを見ればわかる。膿んで腐った巨体に腐敗ガスをいっぱいに詰め、象のような足を引き摺り歩いている。ある者は高らかに歌い、ある者はひたすら数を数え続ける。砂嵐のようにたかる蠅の中で、誰もが自分の在り方に満たされているのだ。

なお、マゴットキンとは蛆(maggot)の眷族(kin)を意味する。デーモンも人間も、尊父は等しく受け入れ、居場所を用意してくれる。正気を捧げての永遠の奉仕と引き換えなのは言うまでもない。


歴史
かつてありし世界では、北方は混沌の領域と繋がっており、混沌神はそこからあらゆる悪徳を送りこんでいたという。
しかし、新たに再建された定命の領域は、混沌の領域とは完全に切り離されていた。このため生者はいっとき儚い栄華の夢を見ることができたが、ナーグル神は人の世に澱の溜まっていくのをじっと見守っていたのだ。
そして来るべき時が来た。人々は動乱のなか次第に神へ助けを求め、それに混沌の神が応じたのである。現実の帳が開き、その奥からデーモンと呼ばれる混沌の従僕が湧き出した。
ナーグル神は緑豊かな豊穣の地、グューランに侵攻する。

混沌の領域におけるナーグル神のテリトリーは、禍々しい植物が咲き誇る庭園である。
ここは忠実なデーモンが隣の混沌神と陣地を争う戦場であり、ナーグル神が病の材料を求めて散歩する私道なのだ。名うての庭師が仕立てる花壇に、ここだけでしか生きられない無数の異形が這い回る。
ナーグル神はその想像力で、実に多くの命を作り上げるのだ。

そういったわけで、ナーグル神とその従僕がグューランを、生命の女神アラリエールの治める「翡翠の王国」を敵視するのも無理はない。
彼らの繁栄は美しいが真実味がない。生物がいずれ到達すべき腐敗が欠けているのだ。グューランにしがみつく者が「邪悪な生命のパロディ」と見做す尊父の植物で彼の地を埋め尽くすことこそ最大の恩寵として、戦争は始まった。
幾つもの季節を経て、グューランに今に続く腐敗はもたらせたものの、善神シグマーの遣わせたストームキャストの助けもあって、戦う決意を固めたアラリエールとその軍にナーグルの従僕は敗退させられてしまった。さしもの尊父もしばらく塞ぎ込んでいたが、やがて明るさを取り戻してこう思い直した。ナーグルの恵みを求めているのは、グューランに限らないと。そしてその従僕たちも、勝利の喜びもやがて大きな絶望の呼び水となると信じていた。グューランを巡る争いは今も続いている。

噂によれば、この地では"群緑の貴婦人"で知られた名士が、都市を内部より尊父の教義で腐らせているという。
神の恩寵を知る者は、彼女を"腐敗の壁の淑女"と呼ぶ。心ある者はナーグルに誓い、絶望を尊び希望をくじく蠅の騎士団の一員となる。
かのナガッシュに対抗した名高きウォルガスをはじめ、多くの勇士が台頭しては散って行った。しかしその教えは今も語り継がれ、ロットブリンガーから名高きチャンピオンまでも、蠅の騎士たらんと心身を高めているという。


宿敵たち
魂は腐り循環し、生命のサイクルに従うものとは、ナーグルの庭をうろつくデーモンダニでさえ知っていることだ。その道理がわからぬ死の王ナガッシュは、ナーグルとイデオロギーで対立する怨敵の1人である。
つまり、命には自立性がある。ナガッシュのように問答無用で魂を抜き去り、死者という名の奴隷にしてはいけない。ナーグルの従僕は違う。世をはかなみ、理不尽に屈し、そしてナーグル神という希望に縋った。
ナーグル神は決して嘘はつかない。見せかけも誤魔化しもない。その命が到達できる真実、漏斗に転がす球のように落ちていく安らぎに迎えるだけである。

「荒廃をもたらす鼠」スケイヴンのうち、疫病そのものを追求するペスティレン氏族も、ナーグル神にとっては好ましい存在ではない。時にロットブリンガーが同盟を結び、一時の同志として振る舞う場合もある。しかし、ペスティレン氏族にとっての病は全てを息絶えさせる破壊兵器なのだ。与えて繁栄させる恵みではない。それに、ペスティレン氏族もまた狡猾な鼠族。同盟は長く続かず、いつ背後から不意打ちされるかもわからない。ナーグル神は彼らの性質を見抜いた上で利用してやる腹積りだという。

混沌の神ティーンチは、まさにナーグル神とは正反対の存在である。希望をもたらす変化を謳い、嘘を吐かれ過ぎて狂気に堕ちたのが「運命の構築者」の従僕だ。
陽気なナーグルのデーモンでさえ、その姿を見ればシリアスに口を閉じる。しかし両者は相反しながら助け合っている。希望を幻視しなければ絶望は無く、停滞への恐怖が無ければ狂気のひらめきも浮かばないからだ。


ナーグルのデーモンたち
定命の者が初めて悲嘆に暮れて以来、ナーグル神は絶望を喰らい続けてきた。
その力から産まれたデーモンもまた、存在の無益さから逃れようともがく性質を受け継いでいる。
ただし彼らは追い立てられる状況に絶望しているのではなく、底の底にたどり着いたからこそ急くのだ。それは強迫観念と呼ばれる執念である。
時にナーグル神の写し身として崇拝される存在、グレイト・アンクリーン・ワンを筆頭に、肥え太るものの多くは陽気で寛大、その配下であるプレーグベアラーを筆頭に痩せこけた者のほとんどは陰鬱で気難し屋だ。志向は違えど、そこに矮小なる劣等感などつけ入る隙はない。皆が尊父より愛と使命を賜っているからである。


グレイト・アンクリーン・ワン(Great Uncrean Ones)
混沌の領域、そして邪悪に堕ちた地にそびえる"偉大なる不浄"グレイト・アンクリーン・ワンは、ナーグル神とほぼ同じ姿を持つと言われる。
形容出来ない不浄さからデーモンのダニがゴボゴボと溢れて笑うさまに、信徒達は尊父ナーグルの御姿を見る。
姿形だけではない。その威容からは想像もつかない社交性。
信徒達を「かわいい坊や」と呼んで愛しむ精神性まで、彼らは神の性質を受け継いでいる。
残酷と悲痛を振り撒く致死性のユーモアを持ちながら、彼らは不心得者への怒りを抑えることができない。時に大木のような剣で軍隊を引き潰す。またあるときは、魔術を用いて疫病を振り撒き、即座にステージを進行させる。

それぞれが博学で兵の機知に長けた彼等は、その功績から長く名を残す者も居る。
大魔術師ロッティガスを筆頭に、清廉な川を行水によって堕落させたプパ・グロテッセ。尊父の大窯から病を飲み干して以来、疫病学に血道を上げるクガースなどが有名だ。
彼は現在後継者を育てているようで、今もスロムボルホクスなる弟子が、最高位の軍勢を率いている。品行方正で実力も高い"与える者"。彼もまた野放図な熱に突き動かされているという。
その気になれば人間とも子を成せると言う噂がある。


ロッティガス(Rotigus)
慈雨の父、生命の泉などの異名を持つ彼は、グレイト・アンクリーン・ワンの中でも特に名高い大魔術師である。
丸ごと一本の木を杖として持ち歩き、定名の諸領域を旅する。釘で打ちつけた頭巾の下からは絶えず哀歌が囁かれ、ゆく後には雨が降る。
救いを求める人々があれば、豊穣をもたらす神として、分け隔てなく恵みを与える。
乾いた土地は汚濁の雨に押し流され、痩せた家畜は奇形を産んで地を埋め尽くす。腐りきった土の上で犠牲者は神の正体を知るという。
彼は一般的なグレイト・アンクリーン・ワンと比べてやや陰気だが、心は使命に燃えており、己の行いが小さき衆生を救うと本気で信じている。
彼はナガッシュの縄張りに踏み込んだ時、矢ぶすまの前に倒れ伏す最後の瞬間まで死に迷う魂を掬い上げようとしていたのだ。


エピデミウス(Epidemius)
デーモンの中でも特別に目をかけられている彼は、ナーグル神のもたらす病を事細かに記録する"計数者"の任を負っている。
パランキンと呼ぶ駕籠に乗り、戦場において戦況と病を同時に見極める彼は必要最低限しか喋らず、彼の従者であるナーグリングさえ陰気に黙り込んでいるという。
愛想無しのエピデミウスを、尊父は父親のような誇りを持って見守る。彼の書き留めた病状が、進行速度が、めでたき変貌が悪疫の父にひらめきを与える。その報いに、エピデミウスとその部下は病を広める栄誉と力を与えられる。
彼の仕事には終わりがないが、決して徒労ではないと言える。
かつての世界での戦争の際、彼が鉛の大玉を撃ち込まれた時、彼は消え去る前に負傷者の欄へ1をカウントしたという。


プレーグベアラー(Plaguebearers)
ナーグルの腐れ病という疫病がある。患者はあらゆる苦痛の相を得ながら、その肉体を痩せて腐った疫病運びのように変質させるのだ。
目は一つになり、ツノが固まる。どんなに手を尽くそうと癒されることはない。苦しみ抜いた先には一個のデーモンの死体があり、その魂はナーグルの園でプレーグベアラー、疫病運びとして生まれ変わる。
かの大軍の全てが生きた人間の成れの果てだとしたら、これ程胸の悪い事もない。一つ目に膿と涙を浮かべ、はらわたを引きずって歩く彼らは、定命の世界に忘れた肉体そのままの姿で逞しく徘徊する。

彼らの握る腐れた剣が、定命の者の肉体を汚損するなら、その性質は精神を蝕む。彼らのひしめく戦場には陰鬱なハーモニーが生まれる……さまざまな抑揚をつけて、彼らはずっと数を数えているのだ。
蔓延る疫病、生者と死者、飛び出したナーグリングの数。もちろん全てを数え終わることはあり得ず、満たされる時も来ない。これがプレーグベアラーの使命であり執着なのだ。
ある研究者は、「物事を良い方向に変えるより、ひたすらに悪い方へ突き進む方が今の在り方に納得出来る」という、踏み外した人間の思考をデーモン流に再現しているのだと考える。
定命の者が徒労に理由を求める限り、彼らの労苦は終わる時がない。


ポクスブリンガー(Poxbringers)
数を数えるプレーグベアラーの熱意が認められた時、彼らは誰もが神々しいと認める冠を戴く。
剣技に魔法をも身につけた、ポクスブリンガーへと昇格するのだ。新たにグレイト・アンクリーン・ワンの副官となり、壮大に何かが腐るような副名を頂戴するという。
そういった経緯もあり、ポクスブリンガーが定命の諸領域に恵みを広める熱意は凄まじい。ナーグル信者が発したかすかな声でも聴き分け、物質界に参入するなら骨を惜しまない。
尊父ナーグルはその振る舞いに感心し、長くポクスブリンガーという手練れを信頼している。その最たる者は、未知の生き物に対する病の影響を観察し、尊父にじかに報告するという。
長く数を数え続けた忍耐力と洞察力が、こうして花開いたのである。


スロッピティ・パイルバイパー(Sloppity Bilepipers)
誇らしい角を頭巾で隠したデーモンの道化師。
手には干からびた生首の杖、脇にはふざけた音の鳴る吹奏楽器を抱え、楽士の真似事をしてナーグルの従属達を活気づける。
彼の陽気さは生来のものではない。〈高笑いの疫病〉なる伝染病に罹れば、どんなに陰気なプレーグベアラーでも、体は踊り出し、口は冗談を止められなくなってしまうのだ。
グレイト・アンクリーン・ワンにナーグリングは笑い、陰気なプレーグベアラーは共感性羞恥を振り払うように働く。近づけば敵でさえも笑い死ぬ彼は、まさに戦場の中心となるように騒ぎ立てる。

文字通り脇腹が裂けるほど笑ったあとで、スロッピティ・パイルバイパーは急激にその熱烈なおふざけから遠ざかってしまう。
ウィットが失われ、ステップが止まると、はしゃぎ屋のビースト・オブ・ナーグルでさえ大人しくなってしまうのだ。
そして終わりが来る。もはや用をなさなくなった道化師は、罰か呪いか頭から柄が伸びて杖となり、腸はそのまま吹奏楽器と変貌する。
〈高笑いの疫病〉に感染したばかりの新たなスロッピティ・パイルバイパーが拾って手荒く扱えば、聴衆は再びドッと笑い出す。
彼が杖に向かって歌いかけると、かさかさの唇がわずかに震えるという。


スポイルポックス・スクリヴナー(Spoilpox Scriveners)
明確な悪意をもってプレーグベアラーを指揮するナーグルの帳簿係。閻魔帳よろしく怠け者の名を記帳する。
記された者はもっとも恐ろしく恥ずかしい罰として、〈高笑いの疫病〉に感染させられてしまうのだ。
もちろん、記録の出来によっては書記官自身も道化師にさせられる危険がある。
そのため、スポイルポックス・スクリヴナーはますます苛立ち、見え過ぎる3つの目で部下に睨みをきかせている。

不機嫌な彼は、物質界の全てにアレルギーを感じ、常にくしゃみをしているという。さらに悪いことに、彼の長く伸びる鼻は大きな口に繋がっている。
彼がくしゃみと怒号を交互に発すれば、ナーグル由来の汚濁が辺りにこってり降り注ぐ。それでも職務をこなすのは、単に罰が怖いだけではない。彼にもナーグルの従属特有の使命感があるのだ。
全てを正確に記録したいという強迫観念。尊父の庭においてそれが結実するかどうかは、足元のナーグリングが知っている。彼は長い巻物を端から腹に収めている。そしてスポイルポックス・スクリヴナーでさえ、腸で結んで腹に収めている。
彼はそこが1番安全な隠し場所だと確信しているのだ。


ホーティキュラス・スライマックス(Horticulus Slimux)
プレーグベアラーのように痩せ細り、カタツムリじみた生き物に乗ったこのデーモンは、最も古い尊父のしもべと言われている。
グレイト・アンクリーン・ワンでさえ、彼のいないナーグルの庭を覚えていないという。ユーモアが皆無で、日に晒された腐ったリンゴのようであっても、ナーグル神は庭師たる彼を愛し、誇りに思っている。
彼は尊父の力が染み込んだ植物達を美しく育てながら、定命の諸領域を耕し、それをもたらす。
孤独を愛し、誰にも不機嫌を隠さない彼だが、彼と同じくらい不機嫌な軟体獣マルチとビースト・オヴ・ナーグルだけはその粗相を許し、そばに居る事を許している。

「お前の魂が死の国へ行き着けば…いや、どうにか辿り着けたなら。
ナガッシュに伝えてくれ、老いぼれ庭師にゃまだ務めが残ってるってな」
——「The Paradise of Worms」より


ナーグリング(Nurglings)
ナーグルの従属達について回る、ひざ下サイズのデーモンのダニ。
グレイト・アンクリーン・ワンを小さくしたような外観は、またナーグル神とそっくりという事なので、一部の陰気な奴等を除き、広く信徒から愛されている。
少しは恩を覚える彼らは、気に入った相手の周りでいつでもケタケタと笑い、飛び跳ねて放屁する。
ナーグリングは、グレイト・アンクリーン・ワンの腐った腑の間から際限なく這い出してくる。また定命の領域では、デーモンの溢した膿を踏んだ不運な人間の体内で育ち、口や尻から生まれ出るという。

いたずら者だが社交性を持ち、群れでの行動を好む。大勢で敵に飛び掛かり、小さな咬傷に不潔な唾液をたっぷりまぶす。その毒性には巨大な獣でさえ倒れ伏すという。
好奇心たっぷりでおしゃべりな彼らを、信徒は肩に乗せたり、垂れ下がった腸を齧らせてやる。惜しみなく与える事はナーグルの教条でもある。よって彼らの前でナーグリングを害することは、神の冒涜と宣戦布告を同時に行う事になる。
1匹潰したところでナーグリングは群れであり、不心得者はただ寛大な実りの前に屈する他ない。


ビースト・オヴ・ナーグル(Beast of Nurgle)
ナーグリングが可愛い盛りの子供なら、ビースト・オヴ・ナーグルはまさに好奇心いっぱいの子犬である。
尻尾の振りで骨を砕き、酸性の涎を垂らして遊び相手へ突撃する。戦場に解き放たれた彼らは、見たこともない姿形の友達に興奮しながら前線を打ち崩していく。
抱きしめられた正気の者は息をするだけで腐り、もがいても目の前の異形を愉快にさせるだけである。そこに悪意はなく、触れ合いたいという純粋な好意だけがある。一途な衝動こそナーグル神の本質の一部。
尊父から作られた存在にふさわしいデフォルメがなされている。

しかし、浮かれたビースト・オヴ・ナーグルもまた、衰退の理を避けられない。友達はやがて遊び疲れて動かなくなってしまう。彼の心が喪失を覚えようとしたその時、彼の濁った瞳が新たな友達をとらえる。
ぐずぐずの友達を放り捨てて、彼はまた飛び跳ねて行く。


ロットフライ(Rot Fly)
そんなビースト・オヴ・ナーグルも、武器でもって遊びを断られてしまう事もある。
デーモンは命を落とす代わりに混沌の庭へ突き返されるが、そうして何度も拒まれてしまうと、陽気な彼の心は悲しみに染まり、無気力に倒れ込んでしまう。
その小山に蝿が群がり繭を形成したなら、子犬が成長する時が来たのだ。
自らを拒んだ者へ復讐を誓う翼、ロットフライの誕生である。


プレーグドローン(Plague Drones)
ロットフライを乗りこなすのは、ナーグル神直々に紋章を授かったというエリート集団、物憂き守り手(The Droning Guard)達である。
彼らにも輝かしい地位の為に恨みを買うなど色々あるようだが、そんなものはロットフライの知る事ではない。彼は復讐しか望んでいない。あの時の友達ではない者を見つけたなら、その太い口吻で頭から丸呑みにする。
そして人1人やっと入れる程の腹の中で、少しずつ溜まる消化液と共に自分の行いを死ぬまで悔やませるのだという。


ロットブリンガーたち
ナーグルの慈悲を受け、試練を超えて愛に応えた定命の者は、ロットブリンガーとして伝染軍(コンタギウム)に加わることが出来る。
ただ血を流すだけではいけない。尊父好みの苦痛が長引き、さらに広まるような所業をしてこそ、名のある勇士となれるのだ。
彼らの身体は病んだまま膨れ上がり、内から湧き出るものをとどめ置けずに垂れ流している。それでも絶望しきった魂は痛みを感じない自分の有様を受け入れる。ある者は底なしに陽気で、ある者は陰鬱。
しかし誰もがナーグルとその所業を信じ、教えに従い強迫的に突き進んでいるのだ。


グロットキン(glottkin)
かつて領域がひとつだった時代、二つ目の月が疫病の涎を垂らしていた頃、グロットキンは尊父を讃える3の数字を負って誕生したと言われている。
今は名高きオットー、エスラック、ガルク。この3つ子はナーグルのしもべとなるために産まれたと信徒は噂する。

オットー・グロット(Otto glott)
他の兄弟より7秒早く産まれた長男。自家製の鎌で怒れるコーンの剣奴、荒ぶる巨人、その他恐るべき獲物を収穫してきた戦士である。
性格は陽気でやかましいが、本人は魅力的な貴人として振る舞っている。
どんな非道も口笛を吹いてやり遂げるが、楽天的であることはそれを意識にも上らせない。

「そうだとも!イエスイエスイエス、もう一丁イエスだ!」
「応とも!上出来だ。グルクよ、鬨の声を!思い切りかましてやれ。ドローンにナーグリング、マゴスと獣も寄越せ!
全員駆け足、全軍突撃!!」
——「War in the hidden vale」より


エスラック・グロット(Ethrac Glott)
おそらく2番目に産まれた次男。尊父から躁病を授かったのか、彼の機嫌は常に極端だ。
卑劣な策謀に夢中になったかと思えば、些細な出来事や妄想について大声で嘆き悲しむ。
長く研鑽を積んだ魔法と病理の知識が無ければ、兄弟は意地の悪い彼をそばには置かないかもしれない。
かつての世界で言われたことに、彼の背負った燭台には、戦争によって亡くなった両親の遺体が燻っていたという。
そうしてエスラックは、己の魔法を暗く陰惨なものに変えた世界への復讐を思い起こしていた。


グルク・グロット(Ghurk Glott)
働き者の長男、次男とは違い、この三男は怠け者であった。
隣村まで噂になるような美男ぶりを鼻にかけ、家業もせず喧嘩に遊びにほっつき歩いていた彼は、特別にナーグル神に愛されたおかげで、まるで腐敗した汚物の山に変わり果てた。
兄弟を背中に乗せて奔るほど大きく、強く、大砲でさえ彼を止められないが、彼は敵兵、時に味方すら喰らって飢えを凌ぐことしか考えられない間抜けになってしまった。
それでもエスラックに足で小突かれ、頭上のオットーの威張り声を聞く日々には満足しているという。


マゴスロードたち(The Maggoth loads)
創造力に溢れる尊父は、気晴らしにちょっとした生き物を作り出した。
膨れ上がった従者でさえ飲み込む口、あらゆる暴力に適した屈強な四肢、そして勇士を乗せるのに相応しい広い背中を持つポクスマゴスである。
これらを手なづけられるのは以下の3名のみ。3はナーグルのシンボル、三重の横痃(おうげん)を模している。

オルグホツ・ディーモンスピュー(Orghotts Daemonspew)
栄えある1人目のマゴスロード。
世間にはデーモンプリンスと呼ばれる、混沌の神に悪魔へと召し上げられた栄誉ある者がいる。オルグホツは産まれながらに悪魔の因子を持っていた。
つまり、グレイト・アンクリーン・ワンと人間の魔女のハーフなのである。
それがどうやって為されたのかはさておき、彼にとっては強酸性の血も長命も、完全なデーモンでなれば惨めなだけであった。
彼は人の肉体を捨て去るためにナーグルの腐れ病に罹ろうとしたが、その血が許すことは無く、頭に大きな角が生えるにとどまった。

オルグホツは戦士として尊父に尽くす事で、かの庭に迎えられようとしている。以前人間として拒まれたそこで見つけた二対の斧が、彼の栄光を約束しているのだと、彼は信じている。
その斧に絡みついていた木の枝の幹が、不相応な夢を見た人間の成れの果てだとしても。
せっかちだが目上への礼儀を弁えており、言動を見るに常識人である。
ディーモンスピューは苗字か、はたまた"デーモン吐きの"という二つ名なのかは定かではないが、かつて彼は密かに極北の雑種王と呼ばれていた。
昔も今も、それを彼の前で言える者はいない。


"腐れの子"ブローブ(Bloab Rotspawned)
栄えある2人目のマゴスロード。
ブローブは混沌に仕える北方の村に産まれ、誰もが認める戦士として成長したが、その裏で秘密の悪癖にふけっていた。
彼は幼少期から今まで、虫や小動物を虐め殺すことに夢中になっていたのだ。ナーグル神は激怒した。ひとかどの戦士が、他神の強者に挑むよりも儚い命をもて遊ぶことを楽しむのが許せなかったのだ。

それは頑健なドワーフよりも柔らかい人間で遊ぶ事を好むナーグル神にも言えるかもしれないがともかく、尊父は彼に罰を与えた。
二つ目の月の満ちる夜、ひとしきり虫を虐めて満たされて眠る彼の口にデーモンハエを投入したのだ。ハエは群れになり、ブローブの中身を食い荒らした。そして隙間に卵を産み、ウジが孵るとさらに勢いは激しくなった。
ブローブの体からおびただしい量のハエが飛び立つと、そこには空っぽの皮だけが残されていた。しかし、彼には意識があった。ナーグル神によって生かされていたのだ。見渡せばハエの群れが、育ての親のように集ってくるではないか。
硬い皮を親愛を込めてそっと齧るハエ達を見て、ブローブは今までの行いを悔いたという。
そしてブローブは魔術師となった。空っぽの身体をハエで満たし、ナーグル神の慈愛を世に広めながら、かつての罪を償っている。
寡黙で目立った主張はしないが、自分を一度殺したあるストームキャストに復讐を誓っているなど、苛烈なものを胸に秘めているようだ。


"二度生まれし"モービデックス(Morbidex Twicebone)
栄えある3人目のマゴスロード。彼は北方の村に産まれ、生後すぐに襲撃によって酷いやけどを負った。
逞しい戦士として成長した彼は突然、混沌へ赴き火を司るティーンチ神に復讐すると言い出した。
彼の火傷は変化の神がもたらしたと言うのだ。
仲間やシャーマン達はあまりの突飛さに恐怖したが、モービデックスは省みることなく単身で北方へと乗り込んだ。

混沌と現世のあわいでナーグリングの雪崩に見舞われた彼は、なぞなぞを持ちかけられた。答えられたら脱出を手伝うが、間違えたなら体の一部をナーグリングに変えるというのだ。
ナーグルのダニと汚物の沼から脱出する為、遊びに乗った彼は、淵に辿り着く頃には相当な割合がナーグリングになっていた。
最後のナーグリングと対峙し、これに答えられたら晴れて脱出と言うところで、モービデックスは叫び、小鬼の頭を両手で握り潰してしまった。
爆発的な笑いが起こり、汚い飛沫を浴びた彼の顔は、完全にナーグリングのものとなっていたという。
そんな訳で、モービディクはナーグリングの兄貴分をしながら、族長として部隊を率いている。明るく親しげな彼だが、何世紀も経った今でさえティーンチ神への恨みは消えていない。
彼を慕うナーグリングもまた、主人の顔を焼いた変化の神を憎んでいるという。


チャンピオンたち
"波しぶき"ガットロット(Gutrot Spume)
潮の香りをまぶした腐臭漂うガットロットは、疫病艦隊を率いる"触手の王"と呼ばれている。
ナーグル流に豊かになった身体の半分が、クラーケンの腕となって四方八方に伸びている。敵は恐ろしい戦斧と醜怪な触手の両方を恐れなければいけない。
彼の性格は傲慢で自信に満ちている一方、大胆で残忍である。メンツを汚す者はデーモンであろうと手を下し、強大なグレイト・アンクリーン・ワンの挑戦さえ受ける。

かつての世界には、神に武勲を捧げる為、海の魔物に挑戦した無謀な男がいた。返り討ちにあった彼を、慈悲深きナーグルは最後まで見守った上で新たな腕を授けたという。
残念賞としてもがれた腕に獲物の触手を当てこまれた訳だが、それがクラーケンに果敢に挑んだ褒美として触手を賜り、定命の諸領域で活躍する現在のガットロットと同一人物なのかは明らかでない。
彼の敗北を知る人間はすでに定命の諸領域から去ったであろうし、傲慢なガットロットから真実が語られる事はないだろう。


"蛭の王"フェスタス(Festus the Leechlord)
かつての世界には、心優しく熱心な医者がいた。名声と人望を得ながら驕らず、力及ばない時は激しく嘆き悲しんだという。
その声は遠く混沌の庭へ届き、慈悲深きナーグル神をも怒らせた。まもなく未知の病が流行り、フェスタスの努力も虚しく彼は嘆き続けることとなった。ついに生者のいなくなった病室で、フェスタスは神の声を聞く。
そなたの魂さえ捧げれば、あらゆる病に関する知恵を授けよう。
人々を救う為ならばと、彼はなんのためらいも無く同意した。

かくして彼の全存在を押し流すようにあらゆる病、薬、医療術の全てが叩き込まれ、慈悲深い医師フェスタスは消え去ってしまったという。
ナーグル神は悪意から彼の魂を打ち砕いたが、結果として彼のくびきを解き放ち、生者の中で並ぶもののない科学者として成長させた。
すっかり陽気になった彼は、今も死すべき領域の地下深くに居を構え、鼻歌を歌いながら実験を繰り返している。
あらゆる病を操り、はびこらせ、この世と混沌の境目すら支配しようとした彼は、いよいよデーモン・プリンスに上り詰めようとしている。


ロード・オヴ・プレーグ(Loads of Plagues)
常に戦いを求め、先陣を切って立つ疫病の王。彼らの命題は生きた肉を耕し、ナーグルの恵みを育む肥料をもたらす事にある。
彼ら自身もまた病のすみかとして、腐敗と再生のサイクルに組み込まれる覚悟でいる。その為に、穢れた体液がいくら溢れようと歩みを止めることは無い。例え疫病の王を倒そうと、その英雄は病んで倒れ伏す運命にある。

疫病の王のそれぞれが、戦闘における独自の儀礼を持っている。必要以上に遺体を損ねる者、延々と詠唱を繰り返す者。また7人目の捕虜を逃がして悲嘆を広める者と様々だ。部下たちは、その仕草を敬意を込めて模倣するという。


ロード・オヴ・ブライト(Lords of Blights)
ブライトキングの指導者であり、チャンピオンと呼ばれるに値する強者。手にした鉄槌は、ただ敵を殴り倒すだけの物ではない。
特に丈夫で優れた戦士を選別し、あとの仕事をより洗練される為のものでもある。彼は下拵えとして、見込みある者へ印を残して行くのだ。

戦の後に残ったおびただしい耕土と溢れる疫病から、ロード・オヴ・ブライトはナーグル流の果樹園を作り出す。
絞首台の木が先程の選ばれし犠牲者へ手を伸ばし吊り下げる。その頭蓋へ、グレイト・アンクリーン・ワンから絞り出した膿を注ぎ、血と蝋で蓋をする。
首から下が熟して地に落ちたなら、素晴らしい投擲武器が完成する。3度熟成させた物が至高だが、彼は部下などに1度ものや2度ものを気前よく渡してやるという。その際には、使い所を見極めるよう言い聞かす事も忘れない。


ロード・オヴ・アフリクション(Lord of Afflictions)
疫病に染めた三叉の槍を掲げる、デーモン蠅"ロットフライ"の騎士。
病の流布を任務としているが、彼らの野望はそれに留まらず、恩寵の為に立ち止まる事を許さない。
献身を表す呪物にはインキュバッチがある。
病んだ死体に冒涜的な魔術をかけて生成されるおぞましきものは、ロード・オヴ・アフリクションの魂でさえ貶める。
その犠牲を振り払うように、彼らはより堕落した行いに身を捧げるのだ。
彼らの見下ろす地上で尊父の御業が花開く時、彼の黒ずんだ魂さえ綻ぶという。


パスゴイル・ブライトロード(Pusgoyle Blightlords)
ロード・オヴ・アフリクションと共に現れるロットフライの騎士。彼らは皆、過酷な儀式を超えてデーモン蠅と絆を結んだ烈士である。
自らつけた傷に特別な蛆を埋め、それが肉体を食い尽くす前に、蛆の呪いを偽神の崇拝者77人にもたらすスレイザーマゴットの儀式。
失敗すれば魂まで追放されるが、成功すればブライトキングを超える頑健さと、忠実なるロットフライとの契約が得られるという。

達成者の雄叫びに答え、混沌の庭からロットフライが遣わされる。
彼は虐げられてきた生き物を生涯をかけて守ると誓い、ロットフライは混沌の園から現実へ留まるための縁を結ぶ為、これを受け入れる。よってパスゴイル・ブライトロードは鞍上を滅多に離れる事はない。
彼がロットフライにつけた巨大な鐘は、遠心力によって打ちのめす槌であると同時に、その音色で敵対者の正気さえも蝕むという。


ハービンジャー・オブ・デイケイ(HARBINGER OF DECAY)
古き伝説によれば、虐げられし部族が7ヶ月と7日の赤子を神に捧げる時、ハービンジャー・オヴ・デイケイが置き去られた生贄を迎えに来るという。
また伝え聞くには、赤子がハービンジャー・オブ・デイケイとなり、尊父の元へ行くのだとも。
伝承でさえその正体を明らかにしない彼を、ロットブリンガーは「抜け殻の存在」と呼んで恐れている。

それでも、ハービンジャー・オブ・デイケイのキチン質が擦れるような虚ろな声を、ロットブリンガーは拝聴せずにはいられない。
彼の助言を無視した者には恐ろしい運命が降りかかるからだ。
そして尊父ナーグルが彼を通して自身を見ているとあれば、ロットブリンガーでさえ恐怖を思い出してしまう。
彼に鞍上から剣先を向けられた者は、感情ごと倦み病まされ、エントロピーに屈するように希望を手放すという。


ピュートリッド・ブライトキング(Putrid Blightkings)
ナーグル信徒がまず初めに目指す戦士。
ナーグル神に仕えるには、他の神のように剣奴として自らを高める必要もない。彼のお眼鏡にかなうには、ただひたむきに病を広め、物質界を支配する絶望に殉ずるだけでよい。
悩める医者や農民、哲学者も、今や何をも恐れず、分からず屋どもの武器を笑って受け止めている。
ナーグルジョークを交わし、悪疫賛美の詩を披露する彼らは、いずれも疫病神の残酷な愛によって腐り落ちた者たちである。


蛆竜の吐き戻し(The wurmspat)
妖術師フェキュラは煮える大釜の煙にヴィジョンを見た。死者の体は腐らず、円環に取り込まれぬまま魂を弄ばれる呪い。それを振り撒く邪悪を。
彼女はナーグル神に、大釜の病をもって助けを求めた。すると、地中から巨大な蛆竜が飛び出し、彼女とその護衛2人を釜ごと飲み込んでしまったのだ。
蛆竜の腹の中でどれだけ経ったか知らないが、突然吐き出された一行はビーストグレイヴと呼ばれる山へ到達している事に気が付いた。彼女らは蛆竜の吐き戻しと名乗り、この異変を調査し始めたが……

フェキュラ・フライブロウン(Fecula Flyblown)
先祖代々に伝わる術を操る、由緒正しき魔女。騎士の背後に隠れると思わせて、計画立案、狙撃、支援、時に鍔迫り合いもこなす女傑。黒のローブで膿み爛れた肉体を包んでいる。連れている使い魔の名はクロチルド。


疫病誓約者セプシムス(Sepsimus, Plaguesworn)
女主人を護る騎士の1人。槍使い。口調は落ち着いており冷静である。全身鎧と見せかけて、腿にはなんの守りもない。前垂れから背後に回れば、触手状に伸びた尻の先から穴ボコを覗かせている。
グルゴッグより賢く身軽だが、正常な戦士ほど素早い訳ではない。


"肉斬り"グルゴッグ(Ghulgoch the Butcher)
女主人を護る騎士の1人。斧使い。粗野で態度も良くないが、セプシムスと同じくらい忠実。病的に(これは褒め言葉に当たる)膨らんだ身体はもはや鎧を身につけることはできないが、隠すべき所は隠している。
大きな怪我を鼻水で止血する事ができる。
「大いなる輪廻がまた巡って来たら会おうぜ」
——「大いなる輪廻」より


旧世界の勇者たち
Tamurkhan the Maggot Lord
かつての世界に栄えたクルガンの王、その息子と囁かれるTamurkhanは、忌まわしい大遠征よりも昔から、腐敗と死をもたらす伝説的な存在であった。
遠い昔にクルガン王から神に捧げられた息子が、ナーグルの旗印を掲げて蘇ったと言われているが、その正体は赤ん坊大の蛆虫である。外形は操られた死体に過ぎず、危機に際して飛び出し、油断していた敵に潜り込んで我が物としてしまうのだ。
ただし死体は傷み続ける上、戦闘能力や性質も宿主によって変わってしまう。彼はスラーネシュのチャンピオンを乗っ取った時は美しい声とカリスマ性を手に入れ、今ではオーガの酋長を乗っ取り、恐るべき力と湧き上がる破壊衝動を手にした。
彼の悲願は上天してデーモンの力を手に入れる事にある。ナーグルに最も愛された息子として、Tamurkhanは帝都アルトドルフに進軍した。

彼がクルガンの息子か、真偽は分かるはずもないが、ナーグルは色々あった彼の魂を尊父の庭に植え込み、新たな世界において復活させた。
その活躍は非常に限られた場所でしか見られないが、副官kayzkと共に居場所を与えられた事はTamurkhanにとっての栄誉であり、尊父の愛情を裏付ける出来事と言える。


Kayzk the Befouled
腐獣騎士団を率いるTamurkhanの右腕。ナーグル軍においては光速とも言えるクルガンの騎兵である。無法者で膨れ上がった軍の中では、おそらく彼が主君の次か同じ位にナーグル神に傾倒している。
病んで腐る事も待てずに主神へ肉体を捧げた彼は、ナーグルから連想されるあらゆる悪徳の培養槽に成り果てたからだ。
その信仰心を讃え、信徒たちは敬意を込めて彼を「穢れしもの」と呼ぶ。
そんな周りの声をよそに、Kayzkは黙々と神とその息子へ尽くし続ける。彼の魂はとうの昔に装身具として捧げられており、声もまた痰の泡立つ音と引き換えられた。
主君がこれ以上無いほどの愚策にはまり込んでも、彼は不平ひとつ漏らさなかったという。



"蔑むべき"トルグラッグ(Torglug the Despised)
公平に言えば2度裏切ったナーグルのチャンピオン。
アラリエールに忠誠を誓う定命の戦士トルヌスは、ナーグルの従属に冒涜的な呪いに満ちた穴へ突き落とされた。
暖かく柔らかい穴の底で76日間耐えた彼は、77日目に這い上がり、トルグラッグとして尊父のものとなったのだ。
トルグラッグはかつて敬愛したアラリエールが加護を与えた地を汚し、ナーグル神を大いに喜ばせたが、彼が高名なるセレスタント・プライムと対峙した時、不思議な事が起こった。
トルグラッグの脳天をシグマー神のハンマーが殴打した時、腐り切った肉体から飛び出した魂が高貴な輝きを示したのだ。
すかさず金の天使は魂を回収、天の鍛冶場で打ち直された魂は“贖える者”トルヌス(Tornus the Redeemed)として清浄な肉体とともに蘇ったという。

"腐れの子"ブローブをはじめ多くの従属を打倒してきたトルヌス。怒れるロットブリンガーから恩知らず、愚か者、蕩尽野郎、金色やつしと考えうる全ての貶し言葉を賜った。
当然ナーグル神も怒っている。しかし、これ程に腐らせ甲斐ある存在が居るだろうか?尊父はこれを神と信仰の無力を思い知らせる良い機会とも考えている。最高の功績として、ナーグルの従属はトルヌスを生捕りにする機会を伺っている。
奴が恩寵をまた受け入れたとして、もちろん以前ほどには優しくされないであろうが……。


穢らわしき洞樹(Fecurent Gnarlmaw)
ナーグル神の庭園で産まれる植物のうち、物質界へ植る事のできる品種のひとつ。
大庭師ホーティキュラス・スライマックスをはじめとする偉大なデーモンや、稀なるロットブリンガーは満を持してこの怪樹を物質界へと招き入れる。
それ自体が尊父の恵みで出来ているような穢らわしき洞樹は、あらゆる疫病を運び込むのだ。ナーグルの従属は皆この名品を尊び、拝み、信仰する。

密集した疱瘡がひとつまたひとつと弾ける度に、定命の諸領域に尊父の愛がもたらされる。
この樹の背後に現実の帳が上がり、芳しい匂いと共に寛大なる群れがやってくる。
これを喜べるようになれば、一人前のナーグル信徒である。



追記・修正は鐘を七度打った後でお願いします。


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最終更新:2026年03月07日 09:36