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追放された転生重騎士はゲーム知識で無双する

登録日:2026/04/09 Wed 22:52:00
更新日:2026/08/22 Sat 03:00:03NEW!
所要時間:約 13 分で読めます




重騎士だと!?どういうことだ!〈ステータス〉が軒並み低い上に、ロクな攻撃スキルも覚えぬ、ただの木偶人形……まごうことなき外れクラスではないか!




概要

追放された転生重騎士はゲーム知識で無双する』はKラノベブックスから発売されている猫子によるライトノベル作品である。
原作は「小説家になろう」「カクヨム」で2021年4月から連載している『大ハズレだと追放された転生重騎士はゲーム知識で無双する』なのだが、小説家になろう版を除く各種メディアミックスでは『追放された~』でタイトルが統一されている。
2022年2月11日よりヤンマガWebにてコミカライズ版が連載開始。
2024年9月9日より週刊ヤングマガジンにて2024年41号より移籍連載。作画担当は武六甲理衣、キャラクターデザインはじゃいあん。

2026年7月から連続2クールのTVアニメが放送予定。制作はGoHands。



「役立たずだと思って追放した主人公が、使い方が悪かっただけで実は超有能でした」というおなじみの「追放もの」カテゴリだが、内容的には能力チートではなく知識チート・経験チート方向。
何なら格上相手に仲間との連携込みでギリギリ勝ちを拾うバトルばかりなので、金策や装備・スキルビルディングは超効率で行うもののあんまり無双してなかったりする。

タイトルだけ聞くと、主人公がタンク役として仲間を守りながら冒険する話を想像するかもしれないが、本作における「重騎士」の真価は、エルマの変態ぶりによって色々と斜め上な代物(後述)となってしまっている。

あらすじ

「役立たずめ……剣聖の息子でありながら、こんな大ハズレを引こうとは!」
15歳の〈加護の儀〉。剣聖の血筋であるエルマは、典型的なハズレクラスである重騎士を発現し、次期当主の座を奪われて追放されてしまう。重騎士は偏ったステータスに、使い所のないスキル。挙げ句に臆病で怠惰な者が得るクラスだとまでいわれていた。
だが、エルマは知っていた。この世界は彼が遊び尽くしたゲームの世界であり──重騎士こそが、最強のクラスであることを。エルマは生前の知識をフル活用し、この世界の効率的な攻略を始めるのだった。



登場人物

◆エルマ一行

○エルマ・エドヴァン

エドヴァン伯爵家の一人息子。
貴族の嫡子として生まれ育つも15歳の「加護の儀」にて突如VR対応オンラインゲーム〈マジックワールド〉のヘビープレイヤーだった前世の記憶を思い出す。
しかし加護の儀で「重騎士」のクラスが発現したために父から大きな失望を買い、“エドヴァン家の恥”として僅かな路銀を持たされ実家を放逐されてしまった。

だが前世を思い出したエルマとしては割と願ったりの展開であり、かつて愛用していた重騎士を使いこなし、この世界を再び遊び尽くすために冒険者として新たな人生を歩み始める。
歩く〈マジックワールド〉wikiとでも呼ぶべき凄まじい知識量を誇り、重騎士や他のクラスの特性は勿論、どのクラスはいくら数字を振れば何のスキルを覚えられるか、あのダンジョンにはどんな魔物が出てどんな技を使うか、倒すと何が手に入るか、ランダム生成されるダンジョンマップのパターンからダメージ・ドロップ率などの細かい数値まで網羅している。
その知識を使い尋常ではない効率で冒険者として成り上がっていくものの、毎度アクシデントでその時点で戦うべきでない強敵とかち合いギリギリの戦闘を繰り広げる羽目になる不運なんだか引きが強いんだかわからない男。

「重騎士」は守りに特化し、味方の盾となるタンク役。HPと防御力が高い代わりに攻撃力と素早さが低い。
この世界では外れクラスの誹りを受けているものの、工夫とビルド次第で〈マジックワールド〉最強のバランスブレイカーに変貌する壊れクラス。
前世のエルマはかつて外れクラスとされている重騎士の性能検証を徹底的に行う解析チームの一員であり、その隠されたポテンシャルを解明した実績から重騎士に対して並々ならぬ思い入れがある。
詳細は下記の重騎士の項を参照だが、読者の間では「重騎士じゃなくてエルマが強いだけでは?」と言われるほどピーキーな取り扱いを強制する上級者向けクラスである。

○ルーチェ・ルービス

F級の新人冒険者。クラスは道化師。
当初はアイテムドロップ目的でクラインとリースという2人の冒険者とパーティーを組んでいたが、思ったほどの成果が出なかったことからパーティーに切り捨てられてしまう。
だが3人の会話を傍で聞いていたエルマにスカウトされ、新しくパーティーを結成する。余談だが漫画版の描写でハアハア息を切らせながら初対面の女の子の手を掴み仲間になってくれと必死に迫るエルマはだいぶ不審者。
その時のエルマは〈燻り狂う牙〉入手のための金策に仲間探しを考えていた最中だったが、この出会いはルーチェにとっても得難い幸運であり、2人はこれから数々の冒険を繰り広げていくことになる。

道化師、特に〈豪運〉のスキルツリーを持つ道化師*1は戦力としてよりもアイテムドロップ率の向上を見込んでパーティーに入るクラスである。
〈豪運〉を成長させることでプレイヤーに確認できない隠しパラメーターである幸運力が底上げされ、戦闘時の自分のクリティカル率、アイテムドロップ率、レアな魔物の出現率、レアイベントの発生率が向上する。
そしてパーティーで行動していた場合、アイテムドロップ率は最も幸運力の高い人間のステータスに準拠されるため、ダンジョンで得た成果の取り分は道化師8:他2が妥当であるらしい。

◆都市ロンダルム

○アイザス・エドヴァン

ロンダルムを含めた一帯を治めるエドヴァン伯爵家の現当主。クラスは「剣聖」。
自分と同じ「剣聖」クラスになると期待していたエルマが重騎士クラスを発現した事で怒り狂い、その日のうちに即日放逐を言い渡す。
そして今までまるで気にかけていなかった分家のマリスであっても、「剣聖」でさえあればすぐさま本家に引き取り次期当主に据えるなど凝り固まった価値観の持ち主。

○マリス・エドヴァン

エドヴァン家の分家の娘で、エルマと同い年の従妹。共に臨んだ「加護の儀」にてエドヴァン家の宿願である「剣聖」クラスを発現させ、エルマに代わって本家に次期当主として迎えられる。
愛しているものを自分の手で台無しにしたくなるという歪んだ性質を秘めており、エルマに対して強い執着を抱いている。

「剣聖」は防御力が低い代わりに攻撃力と素早さが桁外れに高く、習得できるスキルも戦闘向けに分かりやすく強力なものが揃う。
攻撃力と素早さは同レベル帯の重騎士と比べるとステータスにして2倍の差ができるほどであり、両者が正面から戦えば普通なら勝負にすらならない。
欠点として、分かりやすい強さに特化しているため他のクラスと比べてキャラビルドの自由度が低く、プレイヤーが工夫を凝らす余地が少ない点が挙げられる。



◆用語

○〈マジックワールド〉

エルマが前世でやり込んでいたVR対応オンラインゲーム。
この世界における文化・NPC・各種クラス・ステータス・戦闘システム・成長システム・モンスター・ダンジョンなどほとんど〈マジックワールド〉そのままであり、エルマの持つ膨大なゲーム知識が攻略に活かされている。
大きな差異としてはゲームと違って死ねば終わりなので、クラスの解析と検証が充分に進んでいない。そのため素人目にもわかりやすい強クラスが持て囃され、晩成型やテクニカルなクラスの評価が低くなっている。

更に言うと、冒険者達は同業者でありライバルでもあるので、よほど信頼し合った仲でもない限り、お互いのスキル構成すら知らない状態が当たり前という有様。
スキル構成を知られることは自分の手札を晒しているも同然なので、「ああっそういう手もあるのか!」という発想の飛躍に繋がりにくい。
特に狩人の斥候スキルや道化師の豪運など、便利な能力であればあるほど「手の内を見せたら一生こき使われる」という考えが浸透しているくらいなので、余計に情報の独占が必要になる悪循環なのである。

○冒険者

冒険者ギルドに所属し、依頼を受注して生計を立てる職業。クラスさえあれば無条件で登録可能。
この世界では満15歳となった次の年始まりの日に〈加護の儀〉を受けられ、魔法剣士や黒魔術師といった固有のクラスを授けられる。
ちなみに〈マジックワールド〉では、キャラメイク時にこの世界の神より20ほどの質問を受け、その結果に応じたクラスでキャラが生成されるのだが、この世界では15歳までの生き様によって決定される。
クラスの発現に伴って、基礎的な身体能力の強化に加えて、3つのスキルツリーを得られる。
冒険者は下からF級、E級、D級、C級、B級、A級、S級の7段階のランクに振り分けられ、上のランクほど強い権限を持つようになる。
また冒険者ランクによってスキルツリーへ振れるポイントに制限があるため、強くなるには決して無視できない。

○スキル

冒険者の使うスキルはそれぞれスキルツリーに一定のポイントを割り振ることで解放されていく。スキルツリーを成長させるスキルポイントは初期ボーナスが5ポイント、それから1レベル上がる度に1ポイントずつ累積する。
内訳は能動的に使える「通常スキル」と常時発動している「特性スキル」の2種類。
3つのスキルツリーはクラス固定のものが1つと、キャラメイク時にランダムで手に入るものが2つ。
〈スキルブック〉を入手すれば新しいスキルツリーを得られるが、1人の冒険者が保有できるツリーは3つまでなので、クラス固定のものを除く既存のツリーのいずれかを捨てる事になる。
なお捨てたツリーに注ぎ込んだポイントは帰ってこない。

○重騎士

守りに特化し、味方の盾となるタンク役。専用スキルツリーは〈重鎧の誓い〉。
HP・防御力こそ高いものの、タンクなのに敵のヘイトを自分に集めるスキルを持ってないという小回りの利かなさに、攻撃能力が低すぎて単独でのレベル上げにすら難儀するという“欠陥”クラスとして、初期の〈マジックワールド〉でもネタ扱いされていたが、サービス開始から5年を経て能力の全容が解明されたという超晩成型。
その真の姿は全クラス最強の火力を誇るダメージディーラーである

○貴族

王家から領土を預かりその発展を任された特権階級。
物語の主な舞台となるのは「ノルスン王国」の北方地域であり、ハウルロッド侯爵家、エドヴァン伯爵家、ヒーツ伯爵家、ヴィルス伯爵家が現在北方で特に力のある有力貴族となっている。
特色としてハウルロッド侯爵家は政治力に富み勢力として抜きん出ており、ヒーツ伯爵家は歴史は浅いものの資金力に富み、ヴィルス伯爵家は優秀な騎士団を備え、エドヴァン伯爵家は当主が一騎当千の武功を持つ。
動員できる兵力という意味ではエドヴァン伯爵家は三家に後れを取っている。

夢の穴(ダンジョン)

冒険ファンタジーではお馴染みの、魔物が溢れレアアイテムが隠された探索空間。
この世界の魔物は全て無数にある〈夢の穴〉から生まれ出るため、被害が大きくなる前にボスモンスターである〈夢の主(マスター)〉を倒して〈夢の穴〉を消し去るクエストは需要が高く、冒険者からしても実入りのいい仕事である。
〈夢の主〉を倒す力量のない低ランクの冒険者でも低階層でレベル上げやアイテムドロップに勤しむことは珍しくない。各ダンジョンの推奨レベルは高めに設定されているが、あくまで"攻略"推奨レベルである。
ただし〈夢の穴〉へ入るにはパーティー内にE級以上の冒険者が1人は必要と最低限の足切りラインはある。

ゲームの世界観としては、〈夢の穴〉とは眠れる神アルザロスの見る悪夢である。
元々アルザロスは、想像を現実のものにする創造の神であった。
人間には到底理解できないような長い年月を掛けて、無の世界に神々を生み出し、世界を造った。
だが、永遠にも等しい時間の中で、絶対の神であったアルザロスは正気を失い、自身の生み出した神々によって封印されることになったのだ。
しかし、今なおアルザロスの悪夢は現実へと影響を及ぼす。アルザロスの悪夢は、異形の化け物……魔物を生み出す門を現実世界に造り出している。

存在進化
追い詰められた魔物が窮地を脱するために自身の潜在能力を発揮させ、別の種族へと変異するランダムイベント。
存在進化する魔物の種類や固有の条件は決まっているが、プレイヤーからすれば魔物をわざわざ存在進化させる旨味はほとんどないため、〈マジックワールド〉でも正確な全ての魔物の存在進化条件は明らかになっていなかった。
細かい差異はあるが、大凡は戦闘経験値が累積した魔物が長期戦で追い詰められた際に発生する。

夢壊
夢の主(マスター)〉にのみ搭載された二段目の存在進化。
正確には、〈夢の主〉が二度の存在進化を経た時、〈夢の穴〉が崩壊し中の魔物が外界に溢れ返る大災害を指す。
条件が難しく自然に満たされることはまずあり得ないため、劇中でも未だ発生していないが…





追記・修正は加護の儀で重騎士と発現されてからお願いします

この項目が面白かったなら……\重騎士こそ最強/

最終更新:2026年08月22日 03:00

*1 〈豪運〉は道化師や商人などの一部のクラスが稀に初期から持っているスキルツリー

*2 重騎士のステータス傾向は攻撃力が防御力の半分程度になるため、単純に攻撃力100・防御力200であれば100+200×2=600、つまり効果時間中は攻撃力600・防御力0となる