春花四姓
かつての姫巫女の血を引く氏族の中でも特に格が高い桜氏、梅氏、桃氏、李氏の四姓をまとめた言葉。肥邑の戦い以前に栄えた氏族であり、現在でもその流れをくむものは非常に多い。しかし、時代の流れによってこれらの本家は現在一つとして残っていない。
桜氏
春花四姓の一つにして二番目に古参。種族は人族。武家の出身であり、軍勢の指揮に優れた者が多かった。そのため多くの部下を抱えた領主が他四姓に比べて多く、肥邑の戦いではそれなりの数の一族が戦後の為に後方に回されたため、結果として生き残りが多かった。現在では小桜氏、葉桜氏や夜桜氏などを始めとした有力武家にその名が残っている。
梅氏
春花四姓の一つにして最古参。種族は鼠の獣人。本来は武家であったが古いが故に様々なところに血が分散しており、肥邑の戦いの時点で既に公武に限らぬ姓となっていた。肥邑の戦いでいくつかの有力な家門が断絶したが、血がかなり広がっていたためさしたる問題はなく存続した。現在四姓の中では最も広まっており、公武工商様々なところで見られる姓となっている。
桃氏
春花四姓の一つにして三番目に古参。種族は狐獣人。四姓の中では唯一始まりが公家。その性質上戦場には基本出ず、大半が宮仕えであったため肥邑の戦いでも大した損害を受けなかった。現在では内桃氏や砂桃氏などをはじめとした有力公家にその名が残っている。
李氏
春花四姓の一つにして一番の新参。種族はオニ。妖刀にて名を馳せた武家であり、個人武勇に長けた者が多かった。肥邑の戦いでもその武勇を活かしてエルニア相手に奮戦したが、前線に立つものが多かったため多くの家門が断絶した。更に人材の減少によって所蔵の妖刀がいくつか暴走してしまい、新参故に勢力が小さかったのも相まって四姓の一角とは思えないほどに弱体化する。いくつかの不運も重なり、現在李の名を持つ家門は残っていないが、民衆の間では大陸に渡った一族が今でも妖怪相手に激しく戦っているなどの与太話が度々語られている。