概要
沼印本線(現:
大柏・
成田の一部と
船沼本線)の輸送力増強と旧型車(103系)置き換えを目的として2000年に登場した。
東日本旅客鉄道(JR東日本)E231系(近郊タイプ)をベースとしており、E231系の共通点も多い。尚、同じ年に柏本線(現:
大柏本線の一部)向け車両として
12系が登場している。
基本構成
先述の通り、JR東日本E231系(近郊タイプ)をベースとしているが、他の編成と併結する時に車両間の通り抜けが出来る様、正面に貫通扉が設置された。
走行システムもE231系(近郊タイプ)のものを踏襲しており、同(通勤タイプ)を基本とした
12系とは機器構成が異なる。
- 車種は
モハ131形
(M)・
モハ132形
(M')・
クハ130形
(Tc)・
クハ137形
(Tc')・
サハ133形
(T)の5車種である。
←浜金谷 |
クハ130(Tc) - モハ131(M) - モハ132(M') - サハ133(T) - クハ137(Tc') |
新千葉→ |
仕様
特にことわりの無い限り、登場時の仕様を記述する。
車体
- 車体は軽量ステンレス製で、前頭部はFRP製である。車体長(連結面間距離)20,000mm、幅2,950mmのワイドボディである。
- 客用扉は片側に4カ所ずつ設置、全て両開き扉である。ドアエンジンは電動(リニアモータ)式である。ドアチャイムはcdx標準の1打点タイプを使用。
- 側面表示器は各車両の幕板中央部に設置。号車番号表示器・列車種別表示器・行き先表示器の順に設置している。種別表示器・行き先表示器は幕式で、号車番号表示器は7セグメントLED式(黄色)である。
- 第1編成は試験的に列車種別・行き先表示器にLCD式が採用された。しかし、当時の技術では視認性に問題があり、すぐに幕式に交換された。
- 車体は無塗装で、製造当初は前頭部と扉に沼印本線のラインカラーであるサンフラワーオレンジに塗装され、随所にレタリングが多用された。
前面
前面は貫通扉を設置しているため、
12系やベースとなったE231系(近郊タイプ)とは印象が異なる。
- 中央に両開き式の貫通扉を設置。幌は収納式で、下り方先頭車(クハ130形)に収納している。
- この構造はcdxの通勤形車両では初めて採用され、後に17系の初期車にも採用された。
- この構造により、貫通型でありながら外観はすっきりとしているが、その分乗務員室が非常に窮屈となっている。
- 前面窓の上部に各種表示器を設置している。正面から見て左側に列車番号表示器、同じく右側に列車種別・行き先表示器を設置している。列車種別・行き先表示器は幕式で、列車番号表示器は7セグメントLED式(黄色)となっている。
- 第1編成は試験的に列車種別・行き先表示器にLCD式が採用された。しかし、当時の技術では視認性に問題があり、すぐに幕式に交換された。
- ヘッドライトは丸形HID灯と黄色プロジェクタ灯の組み合わせで、その隣にLED式テールランプを設置している。ライトボックスは下側に設置している。
走行機器
- 制御方式はVVVFインバータ式(IGBT・日立製)で、E231系(近郊タイプ)と同等品である。
- 台車は軸梁式のCDX-DT12系で、12系と同等品。
- ブレーキは電気指令式で、T車(付随車)は遅れ込め制御に対応。
- 空気圧縮機(CP)はスクリュ式である。
- 補助電源装置はCVCFインバータ式である。
- パンタグラフは新設計のCDX-PS12形でシングルアーム式である。これをモハ131形に搭載している。
客室
乗務員室を少しでも拡げるため、客室の雰囲気は
12系よりもE231系(近郊タイプ)に近い。
- 客室窓は一部を除いて一段下降窓を採用し、2/3ほど開閉可能である。窓ガラスは色の濃いUVカット(UV96)ガラスである。
- 車内案内表示器を客用扉の鴨居部に計8カ所設置。3色LEDドットマトリクス式(1段)である。
- 自動放送装置を搭載している。自社線内だけでなく、乗り入れ先のJR常磐線・成田線内でも放送を行う。JR区間では同線で使われているE231系電車と放送内容を合わせている。
- 座席はフルバケット式のロングシートで、クッションは従来車(4系や8系)よりも柔らかくなった。中間部は7人掛け(先頭車最前部が4人掛け)、車端部は3人掛けである。中間部の座席には3:4に分割するスタンションポールが設けられている。
- 荷物棚はステンレスパイプ製で、E231系と同等品。
- 貫通扉は後位側車端部に設置。但し、クハ137形(T'c)には設置されていない。
- 車いすスペースは各車両の車端部に設置。
カラーリング
-
車体
:ステンレス地で前頭部と客用扉のみサンフラワーオレンジとした派手なカラーパターンである。車体の至る所に各レタリングが散りばめられている。
-
客室
:銀色を基調とし、アクセントとして貫通扉・客用扉および乗務員室仕切り壁をサンフラワーオレンジに塗装。連結面はダークグレーである。
- 床の色はブルーグレーの濃淡で、四角(■)のドット模様となっている。
- 座席は黒地にオレンジの四角いドット模様である。
伝送装置
本系列にはE231系で採用されたTIMSを搭載している。
- 制御装置の制御、ブレーキ制御をはじめ、空調機、行き先表示器、車内案内表示器などのサービス機器の制御も行う。
- 運転席にタッチパネル式の液晶パネルを設置。この液晶パネルで各車両の状態や各種装置の操作を乗務員が行う。
- cdxの車両に搭載されているTIMSは、2000年問題のために交換されたTIMS-LIGHTと互換性がある。TIMS-LIGHT搭載車と併結した場合、一部の機能が使えなくなる。
スペックシート
13系 |
起動加速度 |
3.5km/h/s |
営業最高速度 |
120km/h |
設計最高速度 |
120km/h |
減速度(通常) |
3.5km/h/s |
減速度(非常) |
4.0km/h/s |
車両定員 |
先頭車143名・中間車162名 |
最大寸法(長×幅×高) |
20,000 X 2,950 X 3,980mm |
車両質量 |
25〜30t |
軌間 |
1,067 mm |
電気方式 |
直流1,500V |
歯車比 |
1:7.07 |
駆動装置 |
TD継手平行カルダン駆動方式 |
電動機 |
CDX-MT12形(175kW) |
制御装置 |
VVVFインバータ制御(IGBT素子・日立製) |
ブレーキ方式 |
電気指令式空気ブレーキ・回生ブレーキ・発電ブレーキ |
保安装置 |
ATS-G・ATS-P (Digital-ATC・ATS-SN) |
製造メーカ |
川崎重工 東急車輌製造 |
姉妹車・派生系列
- 姉妹系列として同時期に製造された12系がある。こちらはJR東日本E231系(通勤タイプ)をベースとしている。
所属・運用
現在所属・運用している線区
2013年6月現在の運用線区は以下の通り。
かつて所属・運用していた線区
全車(5両編成12本)が所属し主に
船沼本線で使用していたが、先述の通り2011年11月までに全編成が
木更津車両センター(千キサ)に転属した。
末期の運用線区は、以下の通り。
かつては
大横本線や木成線の一部(現:
あさひ線)のほか、JR東日本総武本線(快速)・常磐線・成田線にも乗り入れていた。
今後の計画
2015年度から順次リニューアル工事を行う予定である。
関連項目
最終更新:2013年06月15日 08:52