62系電車

62系電車 (62けいでんしゃ)は、ちばドリームエクスプレス(cdx)の交直流一般形電車である。



概要

ゆめみや線開業用として61系と共に2005年に登場した。17系100番台の交直流電車版で、その近郊仕様に当たるのが本系列である。(一方の61系は、4ドアの通勤仕様である)
2007年度に登場した5000番台から、cdxの次世代型通勤車両「AC-Train」(エーシートレイン・Advanced Commuter -Train)となり、主にシステム面でのアップデートが図られた。
AC-Train(第一世代)
通勤仕様 近郊仕様 ローカル仕様
直流 21系 22系 20系
交直流 61系5000番台 62系5000番台 -
交流 74系 75系 76系
車体は日立製作所の「A-Train」をベースとしており、徹底した部品共通化によりコストを下げている。5000番台以降は新たなプラットフォームを採用することでより徹底したコストダウンを図った一方、乗り心地向上などサービス面向上も図っている。
なお、62系の意匠はひまわりデザイン研究所が担当。

車種構成

車種は クモハ625形 (Mc)・ モハ621形 (M)・ クハ627形 (Tc')・ サハ623形 (T)の4車種。電動車1両に対して付随車2両まで連結出来る設計となっている。

編成例

2両編成
クモハ225 クハ227
4両編成
クモハ225 サハ223 モハ221 クハ227
5700番台10両編成
クモハ225-5700 サハ223-5700 モハ221-5700 クハ227-5700 + クモハ225-5700 サハ223-5800 モハ221-5700 サハ223-5700 モハ221-5700 サハ223-5700 モハ221-5700 クハ227-5700

仕様

主に初期車の登場時の仕様について記述する。

車体

材質はアルミ合金押出型材で、ダブルスキン構造である。従来の溶接に替わって摩擦撹拌接合(FSW)を採用することで、滑らかで美しい外観が特徴である。車体長(連結面間距離)20,000 mmクラス、車体幅2,950 mmのワイドボディである。
  • 客用扉は片側に3カ所設置、全て両開き扉である。ドアエンジンは電動(リニアモータ)式。半自動(押しボタン)モードに切り替えることも可能である。
  • 行き先・列車種別表示器は3色カラーLED式で、号車番号表示器も併設。車体後ろ寄り(後位側)に設置しているが、クハ627形には無い。

前頭部

前頭部のデザインは17系100番台をベースにしている。
  • 貫通扉を中央に設置。併結時に通り抜け可能である。貫通幌は下り方先頭車にあり、自動幌システムに対応している。
  • 行先・列車種別表示器は3色カラーLED式で、貫通扉上部に列車種別表示器を、運転席側に行き先表示器をそれぞれ設置している。このほか、助士席側には7セグメントLED式の列車番号表示器を設置している。
  • ライトボックスは前面窓下側にあり、丸形HID灯・黄色プロジェクタ灯・LED式テールランプを配置。

走行機器

  • 制御方式はIGBT素子のVVVFインバータ式で、制御器は日立製である。
  • 台車はCDX-DT02系をベースとしたCDX-DT61系である。軸梁式でダイレクドドライブモータ(DDM)に対応しており、枕ばねに空気ばねを、軸ばねにコイルばねを採用している。
  • ブレーキは電気指令式で、T車(付随車)は遅れ込め制御に対応。
  • 空気圧縮機(CP)はスクリュ式、補助電源装置はCVCFインバータ(SIV)方式である。
  • モータはダイレクトドライブモータで、形式はCDX-MT02形である。
  • パンタグラフはシングルアーム式で、CDX-PS12形をベースに交直流用に新設計したCDX-PS61形である。多数の高圧機器を搭載するため、パンタグラフ周辺の屋根は一段低くなっている。

客室

基本的にA-Trainの標準のパーツを使用し、コストダウンを図っている。車体は完全モジュール構造である。
  • 窓はUVカットガラス(UV96・グリーン)を使用した大型1枚窓で、車端部のみ下方向に開閉可能。カーテンは設置していない。
    車端部の窓のうち、行き先・列車種別表示器を設置している側の窓は天地寸法が若干小さい。
  • 各扉の鴨居部には液晶式の案内表示器を設置。液晶パネルは15インチXGAディスプレイで、各扉上部に1台、計6台設置している。
    案内表示器では次の駅・行き先・路線図・乗り換え案内・マナー文・自社の宣伝文などを表示する。
  • 座席は転換クロスシートで、車端部のみ壁側に固定している。扉付近には折りたたみ可能な補助席を設置。
    • フレームはアルミ製で、背もたれの部分はアルミと木の合板で出来ている。シート表皮は本革。円筒状のヘッドレストが付いている。
  • 荷物棚はアルミ製の板状で、下からも荷物が見えるようにスリットが設けられている。
  • つり革は新設計のものを採用し、扉間のクロスシート部にも設置している。扉付近は九州旅客鉄道(JR九州)のライセンスを受け、同社の817系電車の様な環状配置となっている。
  • ワンマン運転対応車は、運賃箱・運賃表示器・整理券発行機などの関連機器を設置している。
  • トイレは完全ユニット式で、車いす対応大型タイプのものを上り方先頭車(クハ627形)に設置。トイレの向かい側は車いすスペースとしている。
  • 先頭車両の助士席側にごみ箱を設置。

カラーリング

伝送装置

当初の伝送装置はTIMS}を搭載、車内のあらゆる装置をネットワークで制御している。
5000番台からは従来のTIMSに代わる新しい伝送システム、DAIMS(Chiba Dream Express Advanced Train Information Management System)に変更している。
  • 従来のTIMSと比較し、信頼性や通信速度が大幅に向上。
  • 運転席にタッチ式の液晶パネルを設置。この液晶パネルで各車両の状態の表示や、各種装置の操作を行う。
  • 機能が一新されたため、TIMSまたはTIMS-PLUS搭載車との併結は出来るが、TIMS-LIGHTやそれ以前の伝送装置(MON8形など)を搭載した車との併結は出来ない。

番台区分

0番台

基本番台。ゆめみや線の直通用車両として2005年に登場した。伝送装置はTIMSを使用している。

5000番台

2007年度後半に登場。このグループから「AC-Train」(第一世代)となり、主にシステム面でのアップデートが図られた。言わば22系の交直流電車版であり、共通点も多い。一方で0番台との互換性もあり、編成単位であれば混成することも可能である。
主な変更点は下記の通り。
  • 車体をAC-Trainの共通プラットフォームに変更。基本仕様は22系0番台に準拠するが、最高速度130km/hの高速運転に対応している、一部のパーツのデザインが0番台を踏襲しているなど、違いもいくらかある。
  • 伝送装置をTIMS-PlusからDAIMSに変更。コンピュータの処理速度と通信回線の通信速度が飛躍的に向上し、各種機器をネットワークで管理することが可能になった。
  • 主電動機をCDX-MT20形に変更し、出力が向上した。ただし、起動加速度に変更は無い。
  • 最高速度変更に伴い、ブレーキ系を強化している。0番台と併結した際は、DAIMS側で自動的にブレーキの設定を変更する。

5700番台

5000番台のライナー仕様。車内がオール転換クロスシートであることは5000番台と共通だが、「ゆめライナー」用にいくつか仕様を変更している。ただし、扉間の吊り手を残すなど、普通列車運用にも対応出来る様にある程度の配慮もされている。
  • 車内案内表示装置の設置位置を変更。客用扉付近の設置に変わりは無いが、扉の鴨居部分から通路の天井下に変わった。また、車端部の貫通扉上にも設置されている。
  • 上記の車内案内表示装置の設置位置変更に伴い、扉付近の吊り手の配置が6系と同様にレール方向のみに変更された。
  • トイレを一部の中間車にも設置(サハ223形5800番台)。ただし、先頭車と異なり、バリアフリーには対応していないコンパクトなものである。トイレの向かい側はフリースペースとしている。

スペックシート

62系
番台区分 0番台 5000番台 5700番台
起動加速度 3.3 km/h/s 3.3 km/h/s
営業最高速度 85 – 120 km/h 100 – 130 km/h 120 – 130 km/h
設計最高速度 120 km/h 130 km/h
減速度(常用最大) 3.5 km/h/s 3.5 km/h/s
減速度(非常) 4.5 km/h/s 4.5 km/h/s
車両定員 先頭車xxx名
中間車xxx名
先頭車xxx名
中間車xxx名
先頭車xxx名
中間車xxx名
最大寸法(長×幅×高) 20,000×2,950×3,780 mm 20,000×2,950×4,010 mm
車両質量 25 – 39 t 24 – 38 t
軌間 1,067 mm
電気方式 直流 1,500 V
交流 25,000 V / 50 Hz
歯車比
駆動装置 ダイレクトドライブ方式
主電動機 三相かご型誘導電動機
CDX-MT02形(150kW)
三相かご型誘導電動機
(CDX-MT20形 / 175kW)
制御装置 VVVFインバータ制御
(IGBT素子・日立製)
VVVFインバータ制御
(IGBT素子・日立製)
ブレーキ方式 電気指令式空気ブレーキ・回生ブレーキ
伝送装置 TIMS DAIMS
保安装置 Digital ATC・ATS-G
※所属・番台によって異なる

姉妹車両・派生系列

  • 派生系列として61系がある。

所属・運用

現在所属・運用している線区

東春日部車両センター(浦ヒカ)

2021年4月現在、0・5000番台と「ゆめライナー」用の5700番台が在籍。0・5000番台は2両編成で、5700番台は4+6両編成(10両編成)である。
最初に配属されたのは0番台で、2005年8月5日のゆめみや線転換開業にあわせて新製投入された。5700番台は「ゆめライナー」用でワンマン運転には非対応のため、0・5000番台とは運用が分けられている。

2021年4月現在の運用線区は以下の通り。

石岡車両センター(水イシ)

2021年4月現在、0番台のみが在籍。霞が浦線開業用として2007年に新造したもので、5000番台の配置は無い。
主に霞が浦線筑鉾線玉造駅以北)で使用しており、ワンマン設備も使用している。

2021年4月現在の運用線区は以下の通り。

つくば車両センター(水ツク)

2021年4月現在、0番台のみが在籍。筑鉾線開業用として2007年に新造したもので、5000番台の配置は無い。
主に筑鉾線玉造駅以南)と古河線で使用しており、筑鉾線内ではワンマン設備も使用している。稲敷線では2017年から一部の列車に使用している。

2021年4月現在の運用線区は以下の通り。


関連項目



最終更新:2021-04-15 交直流 車両 通勤形

最終更新:2021年04月15日 23:58