・概要
魔法使いや魔女をはじめ、偏に魔法を使役する者たちが使う術にして基本戦術でもある。「
魔術」とも。
あまねく魔術のエネルギーにして万物を生成する精気そのものとされる。
混沌世界の文明を支える基幹エネルギーである『
エーテル』(魔法を使う者たちの間では、このエーテルを「
魔素」(
マナ)と呼んでいる)を
その身に宿し、あるいは引き寄せ、身体と精神を兼ねた心身エネルギーをもって魔力を錬成し、
これを特定の詠唱を行い魔力を解放することで初めて発動する。
術のレベルによって魔力を練る調合比率も変化し、上手く術を発動するには適切な量の魔力の錬成と制御が必要不可欠となる。
鍛錬を積むことで"詠唱破棄"による即時発動も可能だが効力維持が難しく、また高レベルの魔術になるほど難易度も上がる。
様々な魔術が存在するように発動方法も詠唱だけに留まらず多種多様であり、
意思や念などで発動、対象にマーキングを施することで発動するものもある。
・属性について
混沌世界における魔法には15の属性変化が存在し、それぞれに優劣や相性がある。
たとえば、火炎魔法は氷結と森林、そして鋼鉄に強く、水泡と疾風に弱い…
というように、それぞれに得意・苦手とする属性がある。
魔法同士の衝突の際、相性の悪さにより自身の魔法が相殺・無効化されることもあるが、
下記に挙げる階級(レベル)や術者自身の魔力によってその常識が覆されることもあるが、
明確な上下強弱の相性が曖昧なのも魔法らしい在り方といえる。
中には相性に左右されず一定の魔力で発動できる「特殊系魔法」も存在し、召喚魔法もこれに該当する。
魔法の属性には、先天的なものとして術者により適合の良し悪しがあり、どの属性が適合するかは実演によって見定める必要がある。
修行次第では異なる属性の魔法もある程度扱うことができるようになり、
上位クラスともなると更に幅広い属性を司る魔法を会得することとなる。
属性ごとに強みとなる性質も異なり、例えば神聖魔法は回復、念動魔法は拘束・封印、幻影魔法は催眠・精神負荷などに特化している。
さらに高度な魔術として、重複詠唱などによって互いに属性の異なる魔法を組み合わせることで
より強大な魔法を編み出す「混沌魔法」と呼ばれるものも存在する。
属性魔法についての詳細についてはページ下部「魔法一覧」の項を参照。
・レベル
魔法のレベルには「初級」「中級」「上級」「最上級」の四段階が存在し、
最上級魔法を編み出すには土台となるその下の三段階を踏むことで初めて実現する。
召喚魔法に関しては契約した召喚獣の強さの指標として、
「ノービス」「ホープ」「エース」「レジェンド」の四段階の呼称に差し替えられる。
だがすべての属性魔法には更に最上級を上回る「禁断級」という高次元の領域が存在し、
召喚魔法においては「ディアティ」という手に負えない程の強大な力を持つ召喚獣もいる。
更には属性魔法とは異を成す「禁術魔法」なるものも世界の何処かで密かに実在している。
禁断級の魔法やディアティクラスの召喚獣、そして禁術魔法といった高次元に該当するこれらの魔法は、
神界や世界政府、国際魔導連盟などにおいてその存在を揉み消され、それらに関する魔書はすべて焚書の対象となっている。
連盟から特別な許可もなく違法的に記された魔書およびその魔法の存在が発覚した場合、
早急な排除対象に指定され、政府および連盟から最悪の場合粛清される可能性が極めて高い。
・会得
魔法の会得は基本的に先駆者からの教えを乞うことや、魔書(グリモワール)などから独学して得るものから、
呪詛などによる外的要因の干渉を受けてその身に備わるなど、術者により様々である。
一般的には「
アルカノス魔法学校」をはじめとする魔法学校で教わることが多い。
上述したようにレベルが存在する魔術は初級から順当に会得を繰り返しはじめて最上級クラスの魔術の習得に繋がる。
これは魔術の流れに"繋がり"があるという一説から来ており、
最上級魔法を繰り出す際に発動準備段階で初級魔法の術式が組み込まれており、
飛び級的に最上級魔法のみを習得することは事実上不可能という要因となっている。
たとえば、高レベルの魔法に対し、その該当魔法を模倣する、あるいは反射する魔術を発動する際、
発動術者の魔力レベルによって失敗するケースがある。
このことから
格上レベルの魔術への対策は、同等レベルの魔術で行うのがセオリーとなっている。
・魔具
魔力が込められ魔術的な効果を齎す道具。魔導具、マジックアイテムとも呼ぶ。
普通魔法は術者の魔力やエーテルで発動するが、魔具はその動力源が物理的なものであり、
術者自身の魔素容量を越えた魔力を蓄える際に重宝する。
一般的な魔具は使い切りの消耗品が多いが、ごく稀に有限に左右されない魔力を秘めた特別なものも実在する。
魔法の箒や空飛ぶ絨毯、スペルカードにアミュレット(お守り)、透明マントなどその種類は多岐に渡る。
・階級
魔法を会得する者には、その技量や保有魔力などの総合評価により連盟からクラス付けで呼称される。
一般的に多く実在する「魔法使い」にフォーカスすれば中級クラスからはじめて男性と女性で呼び名が異なるが、
中級・上級クラスから派生した先のジョブチェンジによって異性や上下関係による制限が解除されるものとなっている。
クラス名 |
男性 |
女性 |
初級クラス |
マジシャン |
マジシャン |
中級クラス |
メイガス |
メイジ |
上級クラス |
ソーサラー |
ソーサレス |
禁断クラス |
魔王 |
魔女 |
なお禁断クラスとは、連盟や世界政府などにより固く禁じられている禁断級や禁術魔法を会得している術者を指し、
男性女性問わず「魔女狩り」という忌み名で指名手配される傾向にある。
混沌世界で現在確認が取れている「魔法使い」および彼・彼女たちの階級についてはこちらの一覧表を参照。
(※編集追記自由)
※1:16歳時にはソーサレスに昇格
※2:幼少期に死去した為、成人時にはソーサレスに昇格
上述したように、一般的に「魔法使い」と総称される者たちは
自身の魔法の性質や特異性を意識し、中級・上級クラス以降はジョブチェンジを行うことで、更に派生した分野や職業に就く傾向にある。
世間一般的にほとんどの魔法使いは更に自身の魔法を追求し続ける思考から、
高等魔術師にして魔法学校の教員資格でもある「魔導士」(ウィザード)のジョブに昇格する者が多い傾向にある。
下記に挙げるのは有名な派生先であるが、当然世界では認知されていない稀有な職業も実在する。
また例外的に
マイテイ人における魔術型や特化型のように生まれついての種族柄によるものもある。
(※編集追記自由)
魔法一覧
 |
属 性 魔 法 |
・属性魔法
前述の項目「属性について」でも触れたとおり、15種もある属性魔法にはそれぞれ相性関係があるが、
神聖魔法には「祈祷」、世俗魔法には「呪詛」と呼ばれる固有性能があり、互いに相性関係がある。
このように、すべての属性魔法には必ず強みと弱みがあり、
たとえ属性相性の無い「特殊系魔法」でも同じ属性同士で相殺し合うことができる。
自分がどの属性質に適しているのかは先天的なものであり、
自分が持つ属性質に合致した魔術を使うのが良いとされる。
自身の魔素がどの属性に適するのかは検知タイプの魔具などを使用するのが一般的である。
修行次第では異なる属性質の魔法もある程度は扱うことができるようになるが、
自身の属性質と不適合な場合その魔術を会得できないなどのケースもある。
詳細な魔術の種類については各属性の一覧ページにて参照できるが、
同じ効果でも、学校での習得や独学によって術者ごとに呼称表現が異なるケースが多い。
火炎魔法(属性・火)
高熱の炎で対象を焼き尽くす火属性の魔術。
氷結・
森林・
鋼鉄魔法に強く、
水泡・
疾風魔法に弱い。
火炎魔法一覧を参照。
水泡魔法(属性・水)
流水によってあらゆるものを押し流す水属性の魔術。
火炎・
大地魔法に強く、
氷結・
雷電・
森林魔法に弱い。
水泡魔法一覧を参照。
雷電魔法(属性・雷)
稲妻を呼びだし対象を感電させる雷属性の魔術。
水泡魔法に強く、
大地魔法に弱い。
雷電魔法一覧を参照。
疾風魔法(属性・風)
風を呼び起こして対象を吹き飛ばす風属性の魔術。
火炎・
森林魔法に強く、
大地・
鋼鉄魔法に弱い。
疾風魔法一覧を参照。
氷結魔法(属性・氷)
冷気を操り対象を凍て付かせる氷属性の魔術。
水泡魔法に強く、
火炎魔法に弱い。
氷結魔法一覧を参照。
大地魔法(属性・土 / 岩 / 砂)
大地を震撼させ岩石や砂塵を流動させる土属性の魔術。
雷電・
疾風・
毒牙魔法に強く、
水泡・
森林魔法に弱い。
大地魔法一覧を参照。
森林魔法(属性・木)
草木を操り大自然を味方につける木属性の魔術。
水泡・
大地魔法に強く、
火炎・
疾風・
毒牙・
鋼鉄魔法に弱い。
森林魔法一覧を参照。
毒牙魔法(属性・毒)
多くの物質を溶解する毒属性の魔術。
森林・
鋼鉄魔法に強く、
大地魔法に弱い。
毒牙魔法一覧を参照。
鋼鉄魔法(属性・鋼)
頑丈な鉄壁で守り抜く鋼属性の魔術。
疾風・
森林魔法に強く、
火炎・
毒牙魔法に弱い。
鋼鉄魔法一覧を参照。
神聖魔法(属性・光)
傷つき壊れたものを癒し、直す力を持つ光属性の魔術。
補助や回復系の効力を持つ魔術が非常に多く、
世俗魔法の"呪い"を解く力を持つ。
固有性能「
祈祷」により、世俗魔法の"呪い"を払拭できるが、術者の生命力・精神力が削られる。
神聖魔法一覧を参照。
世俗魔法(属性・闇)
対象者に"呪い"をかけることができる闇属性の魔術。
呪いを解く方法は術者を倒すか
神聖魔法を施すしかないことから防衛手段が限られ厄介な魔術とされる。
固有性能「
呪詛」により、対象者に"呪い"をかけられるが、術者自身に不都合な代償が齎される。
世俗魔法一覧を参照。
音響魔法(属性・音)
物理的な障壁を貫通する音波を放つ音属性の魔術。
特殊系魔法の一つで属性相性は無し。
物体を貫通する音波を防ぐには、同じ
音響魔法で音を掻き消す手段が効果的とされる。
音響魔法一覧を参照。
念動魔法(属性・念)
対象の身動きを封じ、意のままに操る念属性の魔術。
特殊系魔法の一つで属性相性は無し。
空間を捻じ曲げる念力には、その力を反転させるために
より強力な念力が求められる。
念動魔法一覧を参照。
時空魔法(属性・時)
時空間に干渉し時間の流れを操作する時属性の魔術。
特殊系魔法の一つで属性相性は無し。
この魔術により制御された時空間には、同じ
時空魔法でのみ干渉し対抗できる。
時空魔法一覧を参照。
幻影魔法(属性・幻)
対象者の感覚を惑わす幻属性の魔術。
精神的なダメージに特化している。
特殊系魔法の一つで属性相性は無し。
幻覚から逃れるには、
新たな幻覚で上書き、もしくは初期化する必要がある。
幻影魔法一覧を参照。
混沌魔法(属性・混)
2種以上の異なる属性魔法を組み合わせることで生み出される強大な魔法。
二重詠唱(もしくはそれ以上)を必要とするかなり高度な魔術であり、並大抵以上の魔法使いでも使いこなすのは至難の業とされている。
2種属性を組み合わせる場合、土台となる「
先行属性」と、それに付随する「
後続属性」に別れる。
例えば
火炎魔法と
鋼鉄魔法を組み合わせる場合、先行を
火炎魔法にすることで「
火で形成された壁」を作り出すが、
これを逆に
鋼鉄魔法を先行にすると「
高熱度に達した鉄壁」を作り出すため、効果に違いが発生する。
このことから先行と後続の組み合わせ方によって大きく差が出ることがあため、状況に応じて瞬時な判断が求められる。
3種以上の属性の場合は先行・後続の関係性はなく、対象へ等しく属性付与を齎す。
なお、同じ属性同士を掛け合わせたものでも混沌魔法に該当する。
混沌魔法一覧を参照。
召喚魔法(属性・無)
召喚した術者を守護する「
召喚獣」(「
使い魔」とも)を呼び出す事ができる魔術。
特殊系魔法の一つで属性相性は無し(ただし召喚獣の技によっては属性が付与されることもある)。
世界に遍在する様々な生物と
"契約"を交わし、成立することで術者の召喚獣として使役することができる。
この契約に必要なのは契約者自身の魔力もしくは体内に循環しているエーテルであり、
召喚獣は契約者から生命の源となるそれらを継続して得ることで生き永らえようとしている。
契約で得た召喚獣には強さの指標があり、
「ノービス」「ホープ」「エース」「レジェンド」の四段階に別れる。
自然環境を壊滅しかねいない程の凶暴な召喚獣は
「ディアティ」と呼ばれ、これらの生物との契約は禁忌とされている。
基本的に召喚獣はそれぞれが縄張りとしている生息地、もしくは契約者が構築した異空間などに潜み、
契約者が召喚の儀を行うことで魔方陣(ポータル)を介して遠隔地から瞬時に呼び出すことができる。
召喚獣に限定されるものではなく単純に道具や武器などの無機物を手元に召喚する用途でも使用される。
契約者自身を対象のもとに召喚する、または召喚獣が契約者を逆に召喚するを「
逆召喚」も事実上可能。
契約者の代わりに戦い、あるいは支援することでとても心強いが、
属性魔法よりも求められる消費魔力が高いことから複数に及ぶ召喚獣との契約は推奨されておらず、また実現も非常に困難とされている。
ただし、召喚獣はあくまで契約によって隷属化に置かれた生物であるため、
傷つき倒れた際は早急な回復をしなければ当然死亡してしまい、
契約者もしくは召喚獣のどちからの死別によって契約は破棄されてしまう。
また同様に、万が一契約者の魔力やエーテルが完全に枯渇してしまうことでも契約が無効となってしまう。
その為、契約者は常に召喚獣のケアと自身の魔力管理を徹底して維持に努める必要がある(複数契約していれば尚のこと管理が困難に陥る)。
契約者は「
声」と呼ばれる一種のテレパシーを使えるようになり、
遠隔に離れた召喚獣といつでもどこでも意思疎通を図ることができる。
なお、人間は召喚獣としての契約対象にはならないため、人間相手を呼び出す際は上記の属性魔法のいずれかで行う必要がある。
召喚魔法一覧を参照。
派生一覧
上記で紹介した魔法以外にも、世界には術式や型が異なる魔法や、
エーテルを利用した魔法と類似する術などが確認されている。
(※編集追記自由)
錬気術(属性・無)
身体エネルギーと
エーテルを術者の体内で「練り上げる」事で、身体や武具を強化する独自体系の技術。
練り上げられたエネルギーを「気」と呼称する事からも、既存の魔術とは全く異なる理論が用いられている。
魔法の適性に優れない者でも扱うことが出来るという利点を持つが、
基本的に属性を持たない事、そして単純な身体能力・道具の強度の強化以外に適さない事から、
あくまでもエーテルを利用した技術・武術という趣が強く、多くの流派が存在する。
一説には、数百年前に戦場で敵に包囲された際、使い果たした魔力を生命力で補い、
無手で包囲を突破したとある極東の魔法使いによって広められたとされる。
 |
禁 術 魔 法 |
神界の焚書指令により世間から抹消された、文字通り「禁断の魔法」。
現在する魔法とは次元が異なるほどに強大であり、それ故に現代の魔法使いでは会得が非常に困難(もはや不可能に近い)とされている。
従来の魔法とは術式構造が全く異なるため発動方法が違い、使用すれば術者の身に多大な影響が及ぼされることから、
場合によれば世俗魔法以上に危険とされ、神界により強く禁止されている。
禁術の会得自体が大罪と定められているため、余程でもない限り誰も望んで会得しようと臨むことはない。
四段階級や属性が存在するものもあるが、禁術はあくまで別物として定められている。
(※編集追記自由)
太古魔法(属性・万)
属性魔法の大元となったとされる古の魔術。
遥か大昔に編み出されたものであることから現在確認されている魔法とは術式が根本的に異なっており、
膨大な魔力の消費や術者の寿命が縮まる危険性があるなどコストパフォーマンスが非常に悪いが、
破壊力や殺傷力に一部特化した魔術を発動できる。
しかしそれでも現在確立されている魔法と比較すれば全体的な総評から
圧倒的に脆く劣ることから既に滅んだ魔術とされている。
ウララーのみがこの魔術に固執し、その解読に成功して使用している。
蘇生魔法(属性・死)
禁術の中で最も恐れられた最厄の魔術。
もともとは神聖魔法と世俗魔法を併せた理想の進化形魔法として神界で誕生したが、業深い輪廻を理由に抹消された。
一言でいえば「死」を司る魔術であり、死者をこの世に蘇らせることを基に生み出された。
世俗魔法とは異なり属性はないが、四段階級が存在する。
カメザードのみがこの魔術の体得に成功し、使用している。
法星魔法(属性・界)
星、ひいては宇宙における『紀元』を司る『魔法』。
太古魔法に類似する点が多い一方『妖精言語』とされる人による発音が困難を極める特異な言語で構成されている。
下に記す二つの術式しか存在せず、式を介して術者の『想念』を体現する。
創造、夢想、実数、生、未来・過去の要素を司る『黎明』と、
破滅、実存、虚数、死、現在・静止の要素を司る『終焉』の二つの術式が存在する。
世界政府によって秘密裏に抹消された区画、『泉の国 -ルゼリア-』が唯一、この術式を保有していた。
最終更新:2025年09月17日 10:03