前言
Civファンのみんな、スパイ使ってるかい?いや分かっている。使っていないのだろう。天帝陛下のスパイ戦で諜報経済を紹介してから数ヶ月。いくつものプレイ動画とレポートが発表されたが、諜報経済を試したという報告はついぞ聞かない。せいぜい某国王が万里の長城を使っていた程度である。どうもある種の一発芸、あるいは縛りプレイとみなされて敬遠されている様だ。
今回のレポートで伝えたい事はただ一つ。諜報経済は最強である。諜報経済こそ次なる主流なのだ。それを以下に証明していくので、どうか最後までお付き合い頂きたい。
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本レポで使われている戦術一覧:
--Fanatics'抄訳/高難易度ガイド
--諜報プレイガイド
--Fanatics'抄訳/スパイ考察
--Fanatics'抄訳/AIの態度
--AIの隠れ態度補正
--技術取引の条件
--AIの好む技術
--軍事力評価(BtS)
--The Early Rush(未訳)
セーブデータはこちら。
http://wiki.rk3.jp/civ4/fileup/file/025.zip
開始条件
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バージョン:BtS3.13(E)
-難易度:天帝
-マップ:大と小
-サイズ:標準
-速度:通常
-編集をロック
-その他設定は全てデフォルト
-指導者:インカのワイナ・カパック(金融・勤労)
**登場指導者紹介 [#le873808]#ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (4000bc.jpg) -
枠の色は指導者の性格を表している。同じ色の指導者同士は仲が良く、違う色同士は悪くなる。プレイヤーはこの補正を受けない。(色弱の方へ:エリザベスとマンサが青、カパックが緑、それ以外の4人が赤で縁取られている)#ref error :ご指定のページがありません。ページ名を確認して再度指定してください。
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ワイナ・カパック
-インカ
-金融・勤労
-プレイヤーの担当文明。大陸中央にねじ込まれた様な配置である。#ref error :ご指定のページがありません。ページ名を確認して再度指定してください。 -
エリザベス一世
-イギリス
-金融・哲学
-優先技術分野:経済+5、文化+2
-ユニット生産率:20
-参戦要請受諾態度:友好(要請国)/警戒(対象国)
-技術先行を得意とする金融女王。東の隣人。#ref error :ご指定のページがありません。ページ名を確認して再度指定してください。 -
マンサ・ムサ
-マリ
-金融・宗教
-優先技術分野:経済+5、宗教+2
-ユニット生産率:25
-参戦態度:警戒/満足
-おなじみ技術大王。ジャングルを挟んで南に位置する。#ref error :ご指定のページがありません。ページ名を確認して再度指定してください。 -
ハンニバル
-カルタゴ
-金融・カリスマ
-優先技術分野:軍事+5、経済+2
-ユニット生産率:30
-参戦態度:満足/警戒
-ラグナルと並ぶ闘神。島嶼地域へのアクセスもあり拡張の余地は充分。#ref error :ご指定のページがありません。ページ名を確認して再度指定してください。 -
始皇帝
-中国
-勤労・防衛
-優先技術分野:生産+5、成長+2
-ユニット生産率:30
-参戦態度:満足/満足
-関係が「満足」の相手にも宣戦してくれる頼もしい御仁。西方の隣人。#ref error :ご指定のページがありません。ページ名を確認して再度指定してください。 -
コロスケ(パカル二世)
-マヤ
-金融・拡張
-優先技術分野:文化+5、成長+2
-ユニット生産率:25
-参戦態度:友好/満足
-遺産中毒の小僧。島嶼地域への入植が最も容易な位置。#ref error :ご指定のページがありません。ページ名を確認して再度指定してください。 -
チンギス・ハン
-モンゴル
-攻撃・帝国
-優先技術分野:軍事+10
-ユニット生産率:35
-参戦態度:警戒/満足
-暴れ馬。島スタートなのでどこへ攻め込むか予測不能。
7人中5人が金融志向の黄金惑星。展開は非常に速そうだ。
全ての始まり
スタート地点から少し東へ歩き、2ターン目に首都クスコ建設。象・米・豚に河まである好立地を得る。しかしこの首都、街中を象が闊歩しているのだが・・・。
南米である。初手は労働者と畜産を選択してターンを進める。程なくしてイギリスの斥候が東からやってくる。スタート地点が相当近い様だ。
5ターン目、イギリスは第2都市ヨークを建設。
10ターン目、イギリスは仏教を創始。
12ターン目、文化圏拡張。
ちょっと待て。
何という三連コンボ。これは明らかに重大な挑発、というか圧殺である。こうなってはケチュアラッシュを仕掛けるより他にあるまい。労働者完成後はケチュア連続生産に切り替え。最初に持っていた1体も首都に呼びもどす。研究は採鉱→青銅器で伐採を目指す。
全てのものを棍棒に
26ターン目の2960BC、インカはイギリスに宣戦布告。全戦力のケチュア3体がヨークに突撃する。仏教の聖都を守るは弓兵わずか1体。インカ軍は兵の過半を失いつつもこれを攻略する。
1都市を落とした程度で戦争は終わらない。クスコ・ヨーク両市をフル回転させてケチュア増産に励む。完成したものからイギリス領に逐次投入、地形改善を破壊して回る。イギリスは奴隷制を採用しているので、食糧を削ぐ事は兵力を削ぐ事と同義である。2280BC、ロンドン強襲。守備は弓兵3体。ケチュア10体の猛攻により激戦の末陥落。これでイギリスに残るは北方のノッティンガムのみとなった。
イギリス最後の都市へと驀進するケチュア軍団。だがこの都市は丘陵地に建てられた天然の要害。加えて守備兵自体もかなり多く、現有兵力での攻略は難しそうだ。インカ軍は包囲戦術を採用。地形改善を全て破壊し、ケチュア3体を都市周辺に配置。労働者が出てくれば即座に捕獲する構えである。
こうしてイギリスの動きを封じておき、他の兵士たちは周辺探索に向かわせる。イギリスへのとどめは後回しだ。
超拡張戦略
インカの南にはマリ、西には中国が控えている。大急ぎで土地を確保して国力を付けたいところだ。クスコとヨークは開拓者、ロンドンは労働者に生産を切り替え。まずは南に入植してマリの頭を抑え、然る後に残る土地を埋めてゆく作戦を採る。新都市は労働者から生産させる。
1800BC、首都真南にティワナク建設。
1640BC、南西にマチュピチュ。
1440BC、東南にオリャンタイタンボ。これで南部国境はほぼ確定した。
1320BC、首都北にマヤパン建設。
1160BC、東海岸にフアマンガ。空き地がほぼ埋まる。
この時点でインカは8都市所有。都市管理費は31ゴールド、公民維持費は14ゴールドに達する。加えてケチュア15体と労働者9体の維持費が15ゴールド。総商業力は49なので科学0%でも大赤字である。ロンドンが金山で頑張っているが焼け石に水。
しかし全く問題ない。青銅器の後の研究は車輪→陶器→狩猟→漁業と進めてあり、既に小屋スパムが可能な状態。川沿いの草原を中心に小屋を敷き詰めて経済に燃料を入れる。7ターン後には総商業力が68へと増加し、財政黒字を回復する。労働者を作り終わった都市はテラスを建設。これは穀物庫のUBで文化を+2産出するという優れものだ。なお穀物庫は労働者より後に作ると投資効率が良い。
かくして土地と経済力を手に入れたインカ。クスコとヨークに兵舎を建設、レベル2のケチュアを量産する。その間もノッティンガム包囲網は緩めず、脱出を試みた開拓者の捕獲に成功。さらには捕獲した労働者を囮に都市の弓兵を誘い出し、野戦に持ち込んで殲滅。敵の防衛力を着々と削いでゆく。そして400BC、ノッティンガム攻略戦。寄せるケチュア軍団は20体以上、守る弓兵は3体。防壁と丘の防御効果の前に屍の山を築くも、最後は衆が寡を圧倒した。イギリスの最後である。
ユダヤ連合
ここで国際情勢を確認しておこう。400BCの世界は「ユダヤ連合とそれ以外」の勢力に分かれている。ユダヤ連合の宗主はスコアトップのマリ。カルタゴと中国は自力で宗教を創始せず、マリの布教攻勢に流される形でユダヤ教を受け入れた。インカは仏教の聖都を擁しているが、周囲の状況に鑑みユダヤ教国として生きている。コロスケは自力創始した儒教を墨守。モンゴルにはヒンディー以外の宗教があまり伝わっていない様だ。
さて当然ながらユダヤ教徒同士は仲が良い。中でもハンニバルと始皇帝の間には性格補正があり、出会った瞬間からお互い態度+4というソウルフレンズである。今日も今日とて暇さえあればいちゃついている。
「ねえ始皇帝、馬が2つあるんだけど良かったら一緒に乗らない?」 「ありがとうハンニバル。俺の為にわざわざ放牧してくれたんだな」 「かっ勘違いしないでよねっ!たまたま育てすぎちゃっただけなんだからっ!(////)」 「あははっ、怒ったヒゲ面もかわいいよハニー」 「何よ、自分だってナマズ髭のくせに・・・」
技術はやはりマリが先行。ユダヤ教とキリスト教を創始して集金に励んでいる。世界遺産も10個中6個を所有。インカは美術を自力開発してアルファベット・数学・鉄器を入手したが、それでも最後進国に留まっている。インカのGNPは91で世界第5位。トップは314である。果たしてキャッチアップは可能なのか?
諜報経済始動
可能である。そしてその為に諜報経済がある。400BCにスパイ第1号がクスコを出発、マリの都市ガオへ向かう。科学スライダーは0に落とし、黒字分は全てマリへの諜報につぎ込む。マリを諜報対象に選んだ理由は3つ。1.隣なのでアクセスが容易。2.技術で先行している。3.平和主義者なので少々怒らせても構わない。
175BC、最初の技術窃盗。鋳金を約500諜報ポイントで盗み出す。普通に研究すると760ビーカーの技術である。同ターン中にカルタゴと中国へ流出させ、マリの技術交換機会を奪う。対価は通貨と騎乗であった。
その後もマリの最新技術をピンポイントで窃盗。即座に他国へと放流し、別の技術や態度ボーナスを得てゆく。ただし安い技術は受け取らない。外交で技術を1つ手に入れるごとに他の指導者からの警戒度が上がるからだ。技術取引の条件で詳しく解説してあるので併せてお読み頂きたい。
交易路があるだけの都市でもかなり安く窃盗できる。ビーカーコスト845の技術が諜報コスト456で入手可能だ。3.13パッチでAIが諜報にあまり商業を振らなくなったので、累計諜報ポイントによる割引も得やすい。
インカ全土が小屋で埋め尽くされ、商業は全て諜報へ。総力を結集した諜報作戦で徐々に技術差を縮めてゆく。自分の未来は自分で盗み出すものだ。
スパイ再び(2)へつづく
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要望などありましたらどうぞ。まったりペースで書いています。