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第四話 データの番人、光の仮面
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浮遊書架がゆっくりと軋む音を立てる。
その中央、白銀の仮面をつけた“記録守護者”が、静かに両腕を広げた。
その中央、白銀の仮面をつけた“記録守護者”が、静かに両腕を広げた。
「アクセス・プロトコル、破棄を確認──制限処置を実行」
周囲に拡がる空間が、ガラリと色を変える。
地面は崩れ、重力すら歪むように傾き、“空間そのもの”が敵の攻撃範囲となった。
地面は崩れ、重力すら歪むように傾き、“空間そのもの”が敵の攻撃範囲となった。
「空間操作型か……戦いにくいタイプだな」
ナダが舌打ちしつつ、ドローンを展開。
「セラ、支援に回れ!」
「了解。周囲のログを遮断する──」
セラの指が空をなぞり、無数のホログラムが干渉ノイズをキャンセルするように周囲に拡がる。
その瞬間、記録守護者の仮面が輝いた。
──“検閲開始”
「!? 視界が……!」
あおいの目の前に、無数の“検閲線”が走った。
仮想空間であるにもかかわらず、見えていたはずの風景や敵の位置が次々と“マスク処理”されていく。
仮想空間であるにもかかわらず、見えていたはずの風景や敵の位置が次々と“マスク処理”されていく。
「視界妨害エリア……空間情報が削られてる! 認識領域を塗り替えてきてる!」
セラの叫びに、ナダが動く。
「なら関係ない! 敵のコアは仮面の奥だ──!」
ドローンが一斉に射出され、仮面に狙いを定める。
だが、守護者は空中に指を走らせた。文字列のようなエフェクトが描かれ、即座にドローンの挙動を“巻き戻す”。
だが、守護者は空中に指を走らせた。文字列のようなエフェクトが描かれ、即座にドローンの挙動を“巻き戻す”。
「リワインド処理だと……っ、コードを操作して……!」
「なら、コードごと切る!」
あおいが動いた。
視界が崩れていようと、彼女の剣には“感覚”で捉えた位置がある。
足元を滑るように踏み込み、蒼いブレードを一閃。
足元を滑るように踏み込み、蒼いブレードを一閃。
──ガッ
仮面にヒビが入る。
守護者の挙動が一瞬止まり、周囲の空間が元に戻り始める。
「……“演算遅延”。一時的に弱体化してる、今がチャンスだよ!」
セラが指を振ると、ホログラムが一気に戦術表示に切り替わる。
「仮面内部の“記録構造”が反応してる。彼は“この空間そのものと同期”してる……つまり!」
ナダが理解する。
「この空間に攻撃できれば、ダメージが通るってことか!」
「まさかの地形破壊推奨か……!」
「やってやろうじゃん。あおい、いけるか?」
「……問題ない」
あおいが剣を構え、重ねるようにデータを収束。
「プロトコル展開──ホワイトアウト・エリア」
剣を振り抜いた瞬間、氷の粒子が空間ごと凍らせていく。
周囲の記録構造が凍結し、守護者の挙動が再び止まった。
周囲の記録構造が凍結し、守護者の挙動が再び止まった。
「今だ、ナダ!」
「了解ッ!」
炸裂するような銃声。
仮面が砕け、内部の“記録核”が露出する。
仮面が砕け、内部の“記録核”が露出する。
「──ッ、解析開始!」
セラが駆け込み、浮かび上がったログを捕捉した瞬間、
守護者は動きを止め、崩れたように“書架の一部”へと還っていった。
守護者は動きを止め、崩れたように“書架の一部”へと還っていった。
──戦闘、終了。
蒼く揺れるログの中に、文字が一つ。
【コード:E-N0M-0T0_0034】
あおいはその記録を見つめながら、静かに言った。
「……ミヤコ。やはり、貴女はこの奥にいたんだね」