神骸騎ディ・カダーベルTRPG

シナリオフック

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◆シナリオフック



「なー、オリサ様。その仮面の下ってどーなってんの?」

「仮面をしている訳はわかるな、ペッカ。ボクはボク、私は私だ。私は過去を捨てたのだよ」

              ――――少年と仮面の騎士、昼下がりの練兵場にて―――




 ここに書いてあるものは、シナリオやキャラクター設定の助けとなる、世界観の一部です。
 プレイヤーやGMはこれらを用いて、自由に物語を作っていってください。






○失われた皇帝騎

 イクタリ帝国崩壊後、操手を失い散逸した〈神骸騎〉は数多いですが、わけても有名なのが皇帝の搭乗した皇帝騎です。
 初代皇帝が駆り、代々の皇帝に受け継がれたこの〈神骸騎〉の強さは、まさしく神そのもの、絶対的なものだったとされます。
 しかし帝都ヤコミの位置すら忘れ去られた今、その皇帝騎もまた失われてしまい、何処に存在するのかわかりません。
 ですがその伝説は未だに語り継がれ、列強国の〈神骸騎〉には、皇帝騎の装備を掲げている機体が幾柱か存在しています。
 剣、槍、弓、砲、盾など種類は様々で、真偽は定かでありませんが、実際に凄まじい威力を持っている事だけは確かです。
 装備だけでこれなのですから、もし真実、本物の皇帝騎が未だ現存しているとすれば、その強さはいかほどでしょうか。
 いえ、性能だけではありません。皇帝騎の〈魂魄〉となる事は、イクタリ帝国の正当なる後継者である事を意味しているのです。
 そのためイクタリ帝国再興、大陸統一を目指す諸国は、血眼になって皇帝騎を探しています。
 もし皇帝騎が発見されれば、それは間違いなく、新たな戦乱の火種となる事でしょう。

○白い野装騎

 いつの頃かイクタリ大陸のあちこちで噂される、奇妙な〈神骸騎〉が存在します。
 それは純白の装甲をもった〈神骸騎〉で、突如戦場に現れては、〈神骸騎〉を撃破して立ち去るというのです。
 さらに奇妙なことに、この〈神骸騎〉は操手――つまり〈魂魄〉も〈御者〉も無しに動いているらしいとか。
 本当かどうかはわかりませんが、少なくともその白い野装騎が圧倒的な性能を持っているのは確かです。
 この機体こそが失われた皇帝騎だという者もいれば、名のある〈神骸騎〉の成れ果てだという者もいます。
 いずれにせよ、この奇妙な白い野装騎を探し求め、追いかけている酔狂な者もいないわけではありません。
 なにしろイクタリ大陸では、戦争が日常として巻き起こっています。
 いつどこにこの〈神骸騎〉が現れてもおかしくはないのです。
 それはあるいは明日、あなたの目の前かもしれません。

○〈神骸騎〉の谷

 基本的に、〈神骸騎〉は国家の決戦兵器として、極めて希少な存在となっています。
 極稀に遺跡や戦場跡で忘れ去られた〈神骸騎〉も発見されますが、見つかるとしても一柱だけ。
 ですがイクタリ大陸の何処かには、何十何百という〈神骸騎〉が眠りについている場所があるというのです。
 「〈神骸騎〉の谷」として語り継がれているその場所は、イクタリ帝国の初代皇帝の墓所だと言われています。
 皇帝騎無き初代皇帝の遺骸を守るため、当時イクタリ帝国にあった多くの〈神骸騎〉がこの谷に納められたのです。
 そのため、もしこの墓を見つけ出す事ができれば、その者は恐るべき軍勢を手に入れる事になるでしょう。
 ですがその一方、皇帝の墓所を暴いた者には災いが降りかかり、遠からず破滅するとも伝えられます。
 にもかかわらずこの谷を求める者が跡を絶たないというのが、イクタリ大陸の現状ではあるのですが。

○ビケザの野望

 イクタリ帝国千年の夢破れ、いまやその天下は麻の如く乱れています。
 しかしその天下を統一し、帝国再びと破竹の勢いで勢力を拡大し続ける一人の覇王が現れました。
 ビケザ・ダオ。
 もとは一介の鉱山奴隷であったというこの男は、やがてさる列強国家の家臣として身を立てました。
 そして巧妙な人心掌握術と卓越した政治手腕で味方を増やすと、反乱を起こして王位を簒奪。
 ビケザは自身の〈神骸騎〉を持たずして下剋上を成し遂げ、一国の王となりおおせたのです。
 もはやかつてそこにあった国の名前は忘れ去られ、ここにダオ帝国が誕生しました。
 以来ビケザは多くの〈魂魄〉、〈御者〉を家臣として従え、イクタリ大陸統一の野望に向けて侵略を続けています。
 しかしビケザには神の血が流れておらず、〈魂魄〉を嫁にとって産ませた一人娘にも、神の血は受け継がれませんでした。
 その第一王女である姫君は“小覇王”の異名を取る軍略の天才ですが、しかしこのイクタリでそれが何となるでしょう。
 〈神骸騎〉を持たぬ身ゆえの怨念か、ビケザの野望は留まるところを知らないでいます。

○〈まれびと(ウェクトル)

 イクタリ大陸の外洋は激しい嵐と潮流に阻まれ、その外との往来は不可能であるのが現状です。
 ですが極稀に、イクタリ大陸の外から現れたとしか思えぬ〈まれびと(ウェクトル)〉が現れます。
 彼ら彼女らはイクタリ大陸の常識では考えられぬ存在で、そしてイクタリ大陸の常識を何も知りません。
 黒い瞳に黒い髪で異様に鋭い騎兵刀を携えていたり、異常なまでに身綺麗で仕立ての良い衣服を着ていたり……。
 海辺に流れ着いた者もいれば、突如として光と共に現れた者、あるいは遺跡の中で〈神骸騎〉と共に眠りについていた者。
 そうした〈まれびと〉は、多くの場合、知識や技術、その力によって、大いなる変革をもたらします。
 また〈まれびと〉は〈魂魄〉や〈御者〉の素質を持つ事が多く、そうした意味でも各国は〈まれびと〉を珍重しています。
 ですがつまり、〈まれびと〉の訪れは、戦火が強まる事を意味してもいます。
 〈まれびと〉は何者で、どうしてイクタリ大陸に現れるのか。あるいはそれこそが、死した神々の意思なのかもしれません。

○リアピオン大祭

 幾つかのイクタリ帝国の継承国家群が協定を結び、四年に一度開催する盛大な奉納武闘会です。
 各国の〈魂魄〉、〈御者〉、そして〈神骸騎〉がリアピオン闘技場に集まり、その武を競い合うのです。
 〈御者〉同士の武術試合など種目は様々ですが、一番の目玉は〈神骸騎〉の一騎討ちによるトーナメントでしょう。
 これをせめて一目見ようと、大陸中から王侯貴族はもとより平民、蛮族さえもリアピオン闘技場に押しかけます。
 奉納であることから殺生は禁じられ、また大会期間はエケテイリアと呼ばれる三ヶ月の休戦期間が定められています。
 しかしリアピオン大祭での勝利は、〈神骸騎〉の優劣という意味で、戦争以上の影響力と栄光を約束する重要なものです。
 そのため神の死から二三〇〇年の今年開かれるリアピオン大祭でも、各国家の様々な思惑が蠢いています。
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