2020-07-22

Twitterで公開されたSSを引用しています。
引用元:桜瀬彩香氏Twitter(@kusurinomamono https://twitter.com/kusurinomamono

前 2020-07-14 「お仕事」と「お風呂」
後 2020-08-05 時間がない!

契約


本日の更新はお休みとなります。
代わりにこちらで、薬の魔物のSSを書かせていただきますね。
本日のお題は「契約」となります!

(〜24時までの間でぱらぱらと書かせていただきます)
https://twitter.com/kusurinomamono/status/1285797474758619136

ウィリアム
「悪いが、ここから先は俺の司る終焉の領域だ。君と交わした契約とは別物になる。…ああ、泣かないでくれ。終焉は誰にでも平等に訪れるものだからな。君にだけを逃す訳にはいかないんだ」
「とか言いながら、簡単に死者の国に落としましたねぇ」
アンセルム、手が止まっているぞ?」

グレアム
「契約を望んだのは君だ。その願い事には対価が求められると話しただろう。それでもと願い続ける覚悟があるのなら、そのせいでと嘆かずに、最後まで対価を支払うしかない」
「ほぇ、何かやってる…」
ヨシュア、くれぐれも邪魔はしないでくれ」
「人間は馬鹿だね。いつも我が儘なんだよ」

ネア
「ふむ。この契約ですとパイに偏ってしまうので、もう一切れタルトを増やしましょうか。それが適正な配分と言うものです」
「なんでだよ。おい、勝手に書き足すな」
「ついでに、おやつゼリーを補充しても構いませんよ?」
「何で上からなんだ」
「ふふ、それが使い魔さんの楽しみですものね」

ダリル
「へぇ、こう出たかい。それならこっちも容赦なく毟り取れるってもんだ」
「ダ、ダリル…」
「馬鹿王子は、仕上げまで大人しくしてな。利権絡みのガーウィンの連中はいい夢を見ている間に屋敷の土台からおさらばだ」
「その、…あまり過激な事は控えてくれ」
「そもそも、連中は退場時だよ」

アイザック
「では、仕入れ先はこちらにいたしましょう。多少色が付きますが、この程度なら。契約違反となった宝石工房は、昨日より経営者を挿げ替えました。コルヘムの新規ラベルの仕入れについては、私が向かいましょう。ミンク?」
「い、いえ。手帳が三十冊目に入りましたので、つい感慨深く…」

ノア
「じゃあ、これから宜しくね。基本、僕は家族優先だからそれだけは譲れないかな。祝祭や夏休みは家族と過ごすものだからさ。…ありゃ、どうして泣いちゃうのかな。それ以外なら、僕は優しくて魅力的ないい恋人になるよ?ただし、約束事はなしにしよう。お互いに、飽きたらそこまでだからね」

ヒルド
「やれやれ、ブラッシングは構いませんが、ボールは置きなさい。それと、ネア様の室内履きが無くなったようですが、どこに隠しました?逃げようとしても、部屋の扉は閉まっておりますよ。契約違反がありましたので、今夜の散歩はなしですね」
ヒルド、散歩くらいは…」
エーダリア様?」

バンル
「久し振りに飲みに行こうぜ」
「勘弁してくれ。深酔いして泣き喚くお前を引き剥がすのに、聖女一人じゃ足らなくなる」
「お前の砂糖はその単位なんだな。実はエーダリア様が…」
「領域外だ。他所でやれ」
「いいのか?頼まれていた名前によく似た名前の迷い子が、ウィームに来たんだぞ?」

ジッタ
「今月の契約はこんなもんか。やはり、夏季は酸味のあるパンや、香草のパンが好まれるんだな」
「スープも軽い飲み口のものが売れるからな。ただ、今度店に置くスープには蜂蜜と胡桃のパンを頼みたい」
「ああ。用意しておこう。来月からでいいか?」
「雲の魔物から、いい魔術質が取れてな」

ナイン
「ほお、この件数で堂々と報告書を出してきたか。一介の人間の審問官よりも成果を得られていないと」
「はは、嫌だなぁ。こっちは教区の手入れもしてるんですよ。そもそも、件数契約じゃないでしょうに」
「であれば、例の妖精の件は刈り取って来い。おちおち交換日記を愛でてもいられん」

ジルク
「これで買い取り終了です。さぁご主人様、今日は何をしてくれるんですか?」
「ジルクなんて…」
「そうですね。私の伴侶が荒ぶるのですぐに帰すという技です」
「一欠片の愛着もないな!くそ、何でそれがいいんだ!中毒か!」
「うむ。大人しく帰るのですよ」
「せめて、撫でませんか?」

アレクシス
「では、スープの試飲と引き換えに、店での飲食が一度無料になるからな」
「は、はい!沢山飲みますね!」
「はは、助かるよ。早速だが、このスープは雲の魔術が使われているんだ」
「ふぁ。牛乳ベースですね」
「ああ、ネアは美味しそうに呼んでくれるな」
「ふぁぐ!」
「自慢の娘だ」

エーダリア
「こっそりですよ?」
「ああ。ここから出ればヒルドには見付からないのだな。それで、今夜の湖の妖精市には誰と行くのだ?」
ヒルドさんです!」
「まったく、あなたは…」
「っ、ネア!なぜヒルドを誘ってしまったのだ…。い、いや、お前に隠れて抜け出そうとした訳では…すまない」

ウィリアム
「ネア、もしもまた死者の国に落ちるような事があれば、すぐに俺を呼ぶんだぞ。守護を与えた今なら、終焉の規約も動かしてやれるからな」
「はい!あちらはご飯が…ふぎゅ」
「とは言え、完全に俺の領域だからな。何があっても必ず守るから安心していい。俺は、ネアの騎士なんだろう?」

ゼノーシュ
「あのね、グラストは僕の歌乞いなの。僕と契約しているから、他の誰にも渡さないんだよ。だから仕方ないよね。だって僕のグラストを取ろうとしたんだもん」
「僕が食べていい?」
「ううん、これは僕が対処する。僕からグラストを取ろうとした魔物だもの」
「美味しそうなのに」

ヨシュア
「この契約はそのまま継続しようか。でもこれは仕切り直すよ。イーザ、この妖精達は統括地の西に動かすよ」
「ええ。その方が良いでしょうね」
「ほぇ、やっと終わった。これだから領地調整は面倒なんだ。僕はとても偉大だから、早く労うといいよ」
「そうしていると、良い王なんですがね」

ちびふわ
「フキュフ!」
「こらっ!甘いお菓子はいけませんよ」
「フキュ…」
「は!目を離した隙に、こちらのちびふわが!」
「フキュフー!」
「そして、お菓子を取られたこちらのちびふわが、荒ぶり始めました。甘いものを食べさせないという契約でちびふわになったのに、なぜ自ら食べるのだ…」

ムグリスディノ
「キュ!」
「まぁ、お膝の上で伴侶を守ってくれるのです?」
「キュキュ!」
「では、むくむくの頼もしい伴侶に守って貰いますね。なお、この契約の成功報酬はお腹撫でです!」
「キュ!」
「わーお、それ何?」
「野生の動く靴紐なのですよ」
「キュ…」
「ありゃ、竜じゃない?」

ディノ
「おや、それはこちらで引き受けるべき物かい?」
「あー、やっぱりディノに見付かったかぁ。ネアちゃん向きなのに」
「あの子の領域外の物をこちらに回さないようにしておくれ。私は契約の魔物でもあるけれど、君達の管理する魔術の階位で縛るのは無理だろう」
「はは、以後気を付けるよ」

アルテア
「ジルク、あれが俺の契約者だと、理解していて手を出すつもりであれば相応の報復措置を取るが?」
「はは、嫌だなぁ。商売の領域では黙っていて下さいよ」
「言っておくが、その分野の商品をあいつに卸す必要はない。個人の商品ラインを持っているからな」
「…化粧品の?」
「そうだ」

ギード
「それはあんたの自由だ。けれど、俺はやらない方がいいと思う。俺の意見を聞く耳があれば、だがな」
「…いや、俺はこちらだな」
グレアムは頑固だな」
「うーん、俺はどちらでも」
ウィリアム、…あんたは少し飽きてきていないか?」
「シルハーンは、林檎も葡萄も食べられるからな…」

(?)
「先生、今の曲は?」
「イブメリアの祝祭の唱歌を、ピアノでなぞっただけだ。もう一度弾いてやろうか?」
「最後の、ぴしゃんと音が響くところも弾いて下さい!」
「それなら、賛歌の詠唱部分からだな。おかしな所に立つな。ここに座っていろいろ」
「鐘の音が歌うような、綺麗な曲ですね」

(?)
「キュ…」
「フキュフ!」
「フキュ…」
「キュキュ!!」
「…フキュフ」
「フキュ…」
「ありゃ、それでいいのかなぁ…」
「キュ!」
「フキュフ!?」
「ふふ、もふもふし放題です!」
「おや、お茶会ですか?」
「妖精用の小さな茶器を揃えたのだな」
「ぐるにゃん」
「え、今の何?!」

以上となります。
初めての試みですが、おやすみ前なのでSSをたっぷりと書かせていただきました。
最後までお付き合いいただき、有難うございます。


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最終更新:2022年05月07日 20:10