微塵嵐

けれど微塵嵐様が通り過ぎれば、何もなくなる。


ヤマガ大漠で神様として信仰されている異常天候。
何の前兆もなく突如発生し、跡形もなく消える自然災害。
とてつもない量の砂塵が何もかもを削り取り、粉微塵にしてしまう超常の砂嵐。
通過する全てを死に巻き込み、荒廃のみを残す破滅そのもの。

本来はヤマガ大漠特有の気象のはずであるが、突如として黄都方面へ移動を開始する。
_____経路上の全ての形あるもの、地形でさえも粉微塵に均しながら……。



+ どう、と風が吹いた。姿なき風の向こう側から声が響いた。(ネタバレ有り)
微塵嵐、アトラゼク

「哀れだ」
「さあ。貴様らも微塵になるのだろう?」

それはあらゆる間隙に侵入し抉る、防ぎ得ぬ粒子の攻撃を纏う。
それは一切の脆弱を持ち合わせぬ、攻め得ぬ粒子の防御を纏う。
それは神の如き権能を、無限に尽きることなく行使できる。
破滅の帳そのものを正体と化した、生命を凌駕する災害の具現である。

略歴

  • 読み:みじんあらしアトラゼク
  • 種族:蛇竜(ワーム)
  • クラス:力術士(ルーラー)

CV - 鳥海浩輔
意志持つ災厄、微塵嵐の正体。
百六十年という昔から存在する、突然変異じみて強大な力を備えた旧き蛇竜(ワーム)

人物

その性格は傲慢にして悪辣そのもの。
正しく災害として生まれついた者でありながら、その力で生命が死に、狂っていく様を楽しむことができる悪虐の精神を持つ。
異修羅世界の中でも指折りの外道である。

外見

その場の全てを睥睨する巨影、規格外の巨体と表現され、蛇竜(ワーム)としての強靭な巨躯を持つ。

能力

地形そのものの移動に匹敵する莫大量の砂礫、「微塵嵐」。
その砂の一粒一粒までをも自在に操る力術を、常時行使するという、常軌を逸した詞術を使う。
その「微塵嵐」は“彼方”も含めた世界のあらゆる防御を凌駕する粒子層であり、
外からの物理的攻撃を逆方向の指向性で押しとどめる反応装甲として機能する。
さらに、蛇竜(ワーム)特有の骨伝導による詞術伝達は、この怪物的規模の力術を行使し続けることを可能としている。
たとえこの「微塵嵐」を突破したとしても、城壁の如き鱗と巨体に付随する膂力だけでも地上生物を圧倒している。

+ とはいえ…(以下ネタバレ)
英雄のなかの英雄たる修羅には、やはり勝てない。
実際に描写された範囲では:
地平咆、メレ:純粋な、射撃の運動エネルギーによる突破
窮知の箱のメステルエクシル:電磁波兵器による砂塵層を貫通しての攻撃
おぞましきトロア:ムスハインの風の魔剣による嵐への干渉(他にも有効な魔剣を所持)
戒心のクウロ:天眼の真の力を解放し、逃走ルートを観測
黒曜、リナリス:贄を通じた感染支配
逆理のヒロト:意志持つ生物だと看破され、上手いことトロアとメステルエクシル両者が対峙するように調整させられる
絶対なるロスクレイ:上手いことメレが動かざるを得ない状況に情報操作される
などなど、強敵ぷりと同時にその限界が示されている。……何で裏で糸を引く三名全員に手の平でくるくるさせられてるんや……。

十六修羅の中にも相性・条件次第では 圧倒的有利に立てる相手 も存在するにはするのだが……なんやかやされて負けそうでもある*1
彼自身は登場人物中でも 最強格の力術士なのだが……

さらには、一問一答(2023.11.13)にて、キアナスティークツーウハクルクノカメステルエクシルの面々は微塵嵐を余裕で耐えられるため 勝 ち 筋 が 無 いとまで断言されてしまった…。

+ おまけに――
おまけに、アニメ版では尺の都合からか構文がカットされるという不遇っぷりである。

災害すらも滅ぼしうる力を持つ修羅達の前に、身も心もフルボッコにされた彼に対し多少同情の声が見受けられるが、それ以上にこれまでの非道な行いを考えてみれば、自業自得この上ないのであった。



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最終更新:2023年11月14日 22:22

*1 と、厳しい評価になるのは、劇中で彼が何かしらの有効打を受けた際、まともに対応できていなかった点が大きい。スペック自体は修羅に匹敵するくらいあるはずなのだが…。