「猫助!」
「剣子の!」
「「なぜなに未踏破、はっじまっるよ~~!!」」
猫助・剣子の なぜなに未踏破地域!
「という訳で今回は半ば突発的に、暗黒の未踏破地域にスポットを・・・ってオイ」
「はい、どうしました? 剣子先生ですよ? Install × Dreamですよ?」
「剣子先生なんでそんなに小さいんだ」
「先生知ってますよ? ふっふっふー。 最近は15cmくらいのメカニカルな女の子がアニメになっちゃうくらい大人気なんですよね! 時価2万円前後的な意味で」
「よしわかった、毛玉ゴー」
「ちょぉっと待って貰えますかね猫助助手・・・よいしょっと、ふぅ」
「やっと元に戻ったか。 そいじゃ改めて。 今日は暗黒の世界、未踏破地域にスポットを当てて紹介していくぞ」
「夢とロマンと冒険に溢れた、フロンティアスピリッツ全開な場所ですね!」
「・・・よし行こか」
「助手の反応がドライですよ!? これは・・・過去に何かありましたね」
「そいじゃ始めていくぞー」
Q:そもそも「未踏破地域」ってどういう所なの?
「『未踏破地域』という設定は、よくスレに貼られていて
地理ページにもある<こちら側>全土地図に、土壌のカラーリングがなく灰色一色のエリアがあることに目を付けたレスがはじまりなんだ」
「確かに地図を見ると、東大陸の大半、西大陸の北西部、延の南の3か所にグレー一色の場所がありますね」
「で、この場所がどういった場所かという話がメインの話題として語られるようになる前に、
【未来王、新天地に逝く】の〆及び
【未来王、豪雪地に往く】により、西大陸のグレーゾーンに『氷壁牢獄《ゲウル・ディ・シエタ》』という地域名が付けられて話が展開したことで」
「ことで?」
「『過酷な環境だけでなく土着生物がヤバすぎるから余人の立ち入りが出来ない』超サバイバルゾーン、という認識が確立したわけだ」
「最先発のSS設定がそのまま定着したパターンですね」
「まぁ、恥ずかしながらそういう事になるのかな。 続いて、『東大陸の三国が東征しない理由は、グレーゾーンがとんでもないことになってるから』や『
世界樹はもしかしたら1本ではないかも知れない』というスレネタから
【帰還不可能の森と創生の樹】が生まれて、東の未踏破に『帰還不能大森林《ケンバリ・ヴォイマーツ》』という名称と、東征出来ないのは世界樹の枝分かれである創生樹《クレウェボル》が生み出す土着生物の深緑獣《モルグロン》と樹龍《ナガス》が強すぎて無理ゲーだから、という理由が付くことになったわけだ」
「では最後、延国の南にある第三の未踏破地域は?」
「その地域に『南蛮』という名称が与えられたのはスレネタだ。 延国のモデルになった中国が古代に南蛮(今でいう東南アジア地域)や北夷(今でいう中ロ国境線付近)からの突き上げに苦しめられていたという話から、『延国の南国境には万里の長城みたいなのが築かれてて、南部未踏破の南蛮人による侵攻に対する要衝になっているのでは?』という話に発展。 それを基に名作
【塞王】が綴られたことで、塞王を隔てての延国VS南蛮という図式が確立したわけだ。 さらに、なぜ南蛮人は北を目指すのか?という理由付けに『南蛮人すら恐れる暴威が南に存在するから』というものが挙げられ、そこに『第三の世界樹が無茶してるのかも知れん』『六合霊王の南進政策へのカウンターがあった?』などの話が盛られた結果、終焉樹《デュロコダマー》がヤバすぎる生命体=破滅獣《フィ・シャウ》を創造しまくって生活圏を脅かすせいで南蛮人は生き残るために北上せざるを得ない、という話が加わったんだ」
「ほうほう、それで?」
「それにより、終焉樹が生み出した破滅獣が生活圏拡大のために北上、破滅獣の脅威的な北上に直面した南蛮人は生きるために塞王を破壊して北上したい、延としては暴虐の使徒たる南蛮人は許せないので塞王で徹底抗戦、という南洋大島南部に関する現在の図式が完成したんだ」
「なるほど、ベースになった<向こう側>の国の歴史で良く似た話が作れそう、という着眼点から設定が発展していったんですね」
「そんでもって、既知11か国の国境線とグレーゾーンの間や西大陸の南西側なんかは、頻繁にではないけど人の出入りがあっておおよその土地や生活が分かっているという範囲、あるいは人跡が記録として確認されている地域って扱いになってる。 だからといって安全が保障されてるわけではないから、むやみやたらに行こうとするもんじゃないぞ。 あと、これまで語られる機会が全くに近い程ない南部諸島群もこの地域に入るかも知れんが、もしかしたら未踏破かも知れん」
「どころで助手、
【第三回】でも思ったんですが、なんでこういう変な地域や風習にばっかり詳しいんですか?」
「知るか」
Q:東大陸の未踏破地域はどんなところなの?
「東部未踏破、帰還不能大森林《ケンバリ・ヴォイマーツ》は、大森林と付くだけあって動植物の楽園だ。 <向こう側>で言うアマゾンとかを想定すると、情景が分かりやすいかな」
「アマゾン便利ですよね! 先生も好きですよアマゾン」
「そっちのアマゾンじゃねぇよ。 無論石ノ森で生まれたスーパー大切断の方でもないからな。 で、そんな鬱蒼と生い茂る下草と表皮が鋼のように固い樹木で構成された密林の中に」
「中に?」
「生態系デルタ構造の神髄、『弱肉強食』がそっくりそのまま鎮座している。 どんな手段を使ってでも最後に立っていたものが正義であり強者、そんな世界だ」
「それはまた豪快な世界ですねぇ」
「分かる人には、G級最上位クエのジンオウガ亜種・ナルガクルガ亜種・ドボルベルグ亜種といった森林マップの超豪華メンバーが取り巻きと一緒に、マップを移動するたびにお出迎えしてくれる、そんな感じを想像してくれ」
「言葉の意味は良く分かりませんが、とにかく酷い場所だっていうのは良く分かります」
「まぁ中にはデンガクヒドスギルみたいな殻ごと焼いて身をほじって食うと旨いヤツとか、血液がダークエルフすら一撃昏倒なくらい高純度高濃度そして未知の毒素で構成されたハイエナみたいな奴もいるけどな」
「まるで生きて還ってきたみたいに具体的に語りますね助手」
「そんな常に生態系の頂点争いをしている地獄の大密林のど真ん中に、この森の大地主たる創生樹《クレウェボル》が鎮座しているぞ」
「創生樹さんは世界樹さんとは違うんですか?」
「それらの大きな違いは、生命創造に対するコンセプトだな。 世界樹は温厚かつ性的な
エルフや環境変化に強く特化種・特異種も生まれやすい樹人、
エリスタリア行脚の供の代表格である樹獣といった、どちらかといえば温厚でヒトの世界に溶け込める種族を創造することで、ヒトの世の中にあって進化する生物を模索しているんだ」
「・・・まぁ、一部過激な方も居るようですけどね」
「へい肥料ども、かもんべいべー」
「ハラグロン帰れや!」
「突然湧いてきますね、あの子・・・それはともかく、創生樹さんの創造コンセプトは?」
「限界まで絞り上げた生存競争により、闘争と本能に根差した生物としての根源を刺激することによる変異・進化、と言ったところかな。 ただ、生存競争に勝利し続けるだけの種を良しとしない創生樹は、敗れ去った種の長短のバランスを取り合わせた新種を創造し繁殖させることで、勝つだけの種に脅威を与える、なんてこともしてる」
「それはまた・・・でも、そんなところじゃ人っ子一人住めませんし、何より東三国が大ピンチですよ!」
「ところがそうはならないんだ。 林内に無数に住まう深緑獣《モルグロン》だが、大森林の監視者たる樹龍と、その上位存在にあたる守護樹龍《ガルディオ・ナガス》によって林外への出奔を制限・・・というかこっそり抹殺、遺骸の速やかな回収を遂行しているんだ」
「えっと・・・それってつまり、大森林の王者は守護樹龍で決まり、って事じゃないんですか?」
「うんにゃ、守護樹龍は創生樹的には箱庭を維持するためのチート存在だから、王者じゃないんだ。 どっちかっつーと裁定者でありルールブック、饗宴でいう所のミスター審判みたいなもんだな」
「チートって言うことは、黒い服がお好みということですね?」
「黒い服はハイド効果でモンスターやプレイヤーのサーチスキルの効果を減衰できるからソロで戦い続けるにはうってつけって違ぇよ! 樹龍や守護樹龍は創生樹にとっての亜神級存在、言ってしまえばヌダが作ったタイタンみたいなもんで、深緑獣に絶対に勝って大森林という箱庭の秩序を守るための存在だ」
「タイタンと同じ格ということなら、強くて当たり前ですね! えっへん!」
「もしかしたら、究極の守護樹龍をぶちのめすことが出来る深緑獣が完成した時が、創生樹の目標達成の時かも知れん」
「そんなことになったら、世界滅びますよね・・・?」
「ああ、末永く、よしんば永遠に極致に至らずにいて欲しいものだ」
「そういえば・・・そんなチーターな守護樹龍さんを切って倒して屈服させたヒト、いましたよねぇ~?」
「ありゃ接待プレーだっつの。 帝政
クルスベルグ史の文献に残る巨大飛空戦艦を単騎で粉微塵に出来るような相手がガチになったら勝てる訳ないだろ」
「あれは本当に酷い事件でした・・・エルモが凄く荒れたんですよ、あの後」
Q:東大陸の未踏破地域にはどんなヒトが住んでいるの?
「ヒト、住んでらっしゃるんですか? 聞く限りでは、とてもじゃないですが穏やかに日々の生活が出来そうにない環境ですけど」
「地上に主な活動拠点を置いて生活している種族は今のところはいないな。 その代り、地下に掘られた巨大な空洞に村落を形成して住んでるヒトらはいるな」
「地下に、ですか。 でもそんな生活圏が作れるような穴、どこのどなたが掘ってらっしゃるんでしょう?」
「一部は土神竜《クリティーカ》っつークソでっかいモグラみたいな奴が掘ってる。 ちなみに地下に生活圏が築かれてるという話は
【カナンへの道程】で『根住み』という単語が出たことから発展させたネタだぞ」
「創生樹さんを始めとする樹木の根の下に住んでるから根住み、といったところでしょうか。 何だか声が甲高いような気がします。 でも・・・日が差さない地下での生活ってそうとう不便なのではないでしょうか」
「地上での生活しか知らない俺らからすれば不便と思うのかも知れんが、地下暮らししか知らないならそれは日常ってもんだ。 とりあえず俺が知ってる村落では、ルモクスっつーヒカリゴケみたいなもんを日照の代わりにして作物を作ったり、スリーカを始めとする土中生物を狩って肉を確保したりしてたな」
「・・・なんでそんな秘境みたいな村の暮らしを知ってるんですか?」
「喧しいわ。 で、地下だとどうしても空気の循環が悪いので、地上の深緑獣が入れないように工夫をした空気穴をあけて、風精を利用して大気交換してるんだ。 いつでもお仕事してもらえるように、定期的に村人総出で雅楽奉納してたりもするぞ」
「村人みんなで演奏会ですか。 それは賑やかそうですね!」
「まぁな。 御高齢の方々なんかは、地上のプロ演奏家にも勝るとも劣らない腕前だぜ」
「へぇ・・・それは一度聞いてみたいですね」
「機会があれば行ってみるとええ。 生きて辿り着けるかは保証しないけどな」
「で、主な在住種族は鼠人や土竜人、マゼバ流れの螻蛄人などがメインになるかな」
「地下暮らしに適した特性を持ってる種族が中心、という認識で良さそうですね」
「主な資源は観光・・・か? 広義で言えばそうなるのかもしれんが、要は宝探しのホラ話に踏み込んだ救いようのない馬鹿共が大森林の栄養に還元されてるだけなんだが」
「やはり肥料はいいものですね」
「で、出入りはフリーだ。 新天地からでも、
オルニトの地上部分からでも、マゼバからでも、船があれば大陸沿いに回り込んで立ち入ることも出来るぞ」
「行きはよいよい帰りは恐い、ってところですね」
「ちなみに空から行くと樹龍の皆様が全力でお出迎えしてくれるから気を付けてくれ」
Q:東大陸の未踏破地域と外部とのつながりは?
「外部とのつながりは・・・さっきも言ったように『帰還不能大森林には誰も見たこともないような財宝がある』だの『第二の世界樹に辿り着いた者には不死の妙薬が手に入る』だの『世界樹に取り込まれた愛する人を救い出したければ大森林の中央に辿り着け』だのといったデマゴーグに踊らされて立ち入る阿呆どもが後を絶えない、ってくらいか」
「なんでそんな話ばっかりが流布してしまったんでしょう・・・?」
「誰も辿り着いたことのない場所に浪漫を感じてしまうのは、知性が育む好奇心を抱くヒトとしては仕方のない事なのかもしれないな」
「最後は私が良く使う手ですよ。 面白いくらいに嵌ってくれるので、楽しくて仕方ありません」
「ハラグロンてめぇの仕込みかよ!」
「それで、そういって立ち入って来た方はやっぱり・・・」
「九割方は深緑獣の腹の中か土に還るかしてるが、極稀に落盤に巻き込まれて運よく地下の村落にサルベージされたヒトもいたりする。 そういう奴らは村人からは『オルマク』とか呼ばれてるようだな。 総じて『もう地上へ帰りたくない』が口癖らしい」
「まぁ・・・仕方ないですよね」
Q:西大陸の未踏破地域はどんなところなの?
「西部未踏破、『氷壁牢獄《ゲウル・ディ・シエタ》』は『氷壁』の名前からも察することが出来るように、世界樹に匹敵する高度の大雪山脈に囲まれた雪化粧が万年床な盆地で、スカっと快晴でも常に吹雪だぞ」
「またずいぶんと極端な土地ですねぇ」
「ああ、最初に構想した人のイメージが『ランダムエンカウントがベリアルとアトラスとメガンテしかしないパズスとザラキしかしないブリザードなロンダルキア』だからな」
「また分かりにくい例えですねぇ」
「年がら年中吹雪いてるような過酷な土地柄には、当然の如くその環境に特化適応した土着の生物が跋扈してる。 ここにも生態系デルタ構造がそのまま存在してるわけだ」
「やっぱりそういう土地なんですね・・・」
「そんな氷壁牢獄だが、年がら年中吹雪いているのは土着の氷精が主な原因だな」
「水精とは微妙に違うんですね」
「そうだな。 水から変化して氷にするんじゃなくて直接氷を出せるのが、水精と氷精の一番の違いだな。 ただいずれにしても氷は溶ければ水になるってなわけで、この土地に降り注ぐ吹雪は西大陸の水源になってるんだ」
「地下水脈を通って
ラ・ムールの砂漠にも届いてる、ってことですか?」
「まぁそうだな。 ラ・ムールを支える命の源、ルミコープ大河の源泉もここにあるんだ。 大河の遊覧船や運搬船に乗ってると極稀に、氷の浮き輪に乗って激流下りしてる氷精が見れるぞ」
「なんだかとってもメルヘンちっくですねぇ!」
「まぁ『うぁ~あっつぃ~』とか茹ったまま海まで運ばれてるけどな」
「そういえば、助手がいつも肩に乗せてるお友達の毛玉ちゃんも、ここの出身なんですよね」
「ああ、そうだな。 まぁこの毛玉についてはどっちかって言えば精霊の有り方の一環として語るべきだから、老師を招いて精霊について話をする機会があれば、その時にしよう」
「ところで、この土地には創生樹さんみたいなのは居ないんですか?」
「氷壁牢獄には特段生命を創造してるような奴はいないな。 何かのきっかけでこの土地に辿り着いて、生き延びるために適応進化していった結果として生まれた種がごく普通に種としての繁栄のため自然や外敵と戦ってるわけだ」
「それなら強引に生存競争に駆り立てられたりしないでしょうから、大丈夫ですね!」
「・・・結局生命の本能に従った、食うか食われるかの世界であることは変わらないんだけどな」
Q:西大陸の未踏破地域にはどんなヒトが住んでいるの?
「・・・ホントにヒト住んでるんですか?」
「そりゃまぁ<向こう側>に曰く『住めば都』ってなもんで、厳寒の大地にもヒトの息遣いはちゃんとあるんだ」
「なんでまたこんな辺鄙にも程があるところにわざわざ住もうとしたんでしょうかね?」
「そこに至った経緯は分からんが、俺が知ってる限りでは、この土地に住んでいるのは主に
ドワーフや
ホビット、
ノームといった東大陸の種族と、東大陸在住の龍人種《ドラグ》の一部だな」
「ケンタさんや猫ちゃん達は居ないんです?」
「ケンタは体構造の都合もあって勾配がキツい大雪山脈を五体満足に越えるのはほぼ不可能だし、猫は『こたつで丸くなる』もんだからな」
「なるほど」
「で、俺が昔世話になった村では、自称プロトタイタンのルカヴィス爺さんが村長みたいなことをしてたな。 実際第一世代村人と一緒にこの土地への移住と定住に当たっての指揮をしたのもルカ爺らしい。 隠遁生活したくて俗世から離れようとしたら慕って付いてくるヒト達がいた、ってのが起源になったりするんかな? もしかしたら」
「プロトタイタン、ですか・・・
【第一回】でも少し触れたところですね」
「身体の頑丈さと英知にかけては流石のタイタン、厳しい土地での生き方を伝授するにはちょうどいい人選だったな」
「それで、こんな厳しい土地に住んでいるヒト達は、どんな暮らしをしてるんですか?」
「狩猟採集あるのみ、だな。 基本的に男衆は家に代々伝わる『戦装束《ヴァルカ・トラジェ》』を着込んで土着生物を狩ったりこんな土地でも生える植物樹木から果実や薬草を採取してくる。 女たちは男達が獲ってきた土着生物を加工して食肉とそれ以外に分別、薬草作りなども手掛けているな。 基本的に『働かざる者食うべからず』が村のルールだから、相応の年齢になれば村人は全員何らかの仕事を任されることになるんだ」
「寄り合い所帯だからこそ、といったところですね。 今出てきた『戦装束』というと、助手のお出かけルックですよね?」
「まぁそんなようなもんだ。 戦装束ってのは、ドワーフ種の末裔たちが土着生物の食えない部分や樹木に鉱石などを使って作った、防寒・防刃・防打に優れた全身防護服に帽子や荷物鞄なども含めた武装フルセットだ。 余程の事がない限りは一家に一着きり。 補修に補修を重ねて使い続けるんだ」
「一家の誇りと生きた証が詰まったものなんですね」
「随分と又御大層な言い方だが、間違っちゃいないな」
Q:西大陸の未踏破地域と外部とのつながりは?
「外部とのつながりは皆無に等しい。 何せ外から流入してきたことが確認されてるのは今在住してるヒト達の祖先、それを除けば歴史上明確に渡航歴があるのは『武王』カー・ハグレッキくらいのもんだからな」
「武王様は何しにこんなところに来たんでしょうかね?」
「どうせ試練じゃねぇの? あの試練バカのしそうなことだ」
「実体験をもとに語る助手の言には重みがありますね」
「実際行くにしても、試練
ゲート経由でなけりゃ、大雪山脈の登坂という過酷な行程が必要になるからな」
「助手はさらっと言ってますけど、それも十分試練ですからね?」
Q:大延国南の未踏破地域はどんなところなの?
「延国南の未踏破、『南蛮』は・・・一言で言えば『地上の地獄』だな」
「地獄・・・ですか」
「平穏なのは延国武人が常に哨戒してる塞王周辺だけ。 普通に土着植物が食人したり南蛮人が押し寄せてきたり大黒白がどこからともなく飛んでくる程度には平穏だな」
「それって平穏って言いませんよね!?」
「いいんだよ平穏なんだから。 で、塞王周辺の哨戒地域を超えると、そこから先がホントの意味での『南蛮』、南蛮人の住家だ」
「長い事延国を苦しめてきた南蛮人ですから、それはそれは武力は凄いんでしょうね」
「そりゃそうだ。 相応の武力が無けりゃ、破滅獣《フィ・シャウ》の北上阻止と北進策の両立なんて出来る訳もない。 規模は大小様々、連携を取ってる村落もあれば、こんな土地でもやっぱり敵対しあう村落もあったりするんだ」
「争いは人の性ですねぇ・・・」
「そんな南蛮人居住エリアを越えると概ね南蛮地域も1/3を消化。 その先に見えるのは岩石と鉱石、宝石で出来た石岩樹林だ」
「マジか!? マジで!?」
「キャラ変わってんぞ剣子先生。 この石岩樹林に辿り着いた辺りから、いよいよ本格的に破滅獣の住家になってくる。 全身岩石の蛇とか、皮膚が文字通り炎の蜥蜴とか、あとは南蛮の看板役でもある大黒白もこの辺りが主な住家だぞ。 普通にルビーやサファイアの果実とかバリボリ食ってる」
「宝石食べるんですか・・・」
「いや実際見るともう、なんつーか、『絶句』って言葉はこの場所のためにあるんだなって素直に思えるぞ」
「で、そんな石ノ森を踏破すると南蛮の総元締、終焉樹《デュロコダマー》のお出ましだ」
「やっぱり世界樹さんや創生樹さんみたいに、目的意識があってそんな無茶苦茶な生物作ってるんですよね?」
「そうだなぁ・・・多分、純粋に戦闘能力を徹底的に追及、進化とかそんなのどうでもいいから戦闘力に特化した手駒を作りたいんだと思うな」
「それはまた何でですかね?」
「これを紐解くカギになりそうなのが『六合霊王』。 スレネタが昇華された作品
【六合散華】がこの辺りを良くまとめてくれているが、古代延国にあり総ての精霊を支配したとまで言われた皇帝が国土拡大やその他もろもろを得ようとした先に最終的に暴走、南進戦線に遅々として進展が見られない状況に業を煮やした挙句に精霊との合一を図る武仙の秘術である『霊身装具』を強行したが、結果として存在としてのバランスを著しく欠いた存在である『魔獣』に成り果て、南蛮の地を蹂躙したという逸話がある」
「精霊との合一、それはもう神の領域に踏み込む行いではないでしょうか?」
「六合霊王は金羅がヒトとの間に設けた実子のひとりとも言われているが、ただそれだけでも無理だったという程の事をしたわけだな。 そんな暴走した魔獣が終焉樹に迫り、その結果どうなったか」
「ごくり・・・」
「まぁ獣魔霊王は最終的に金炎の中に消え行ったわけだが、終焉樹としてはあんなものがまた来られては敵わん、という話になるわけだ」
「まさか、それが・・・」
「そう、それが破滅獣を創造するに至った契機じゃないかと推察できる。 実際、破滅獣の生態は魔獣に似通った部分は多いんだ。 大黒白は<向こう側>に存在しているジャンボベアキャットのように白黒ツートンカラーだが、白い毛皮には光精、黒い毛皮には闇精の精霊力がふんだんに盛り込まれている。 ウチの夜警部隊総責任者が昼間に着てるパン・ダー・グゥレィトォのハビッツも、大黒白の黒い部分の毛皮で作った特注品だ」
「そりゃまたけったいなものを作らせる物好きな王様も居たものですねぇ」
「うるせぇよ! 大黒白以外の破滅獣も、精霊力と生命力のハイブリッドとか、明らかに生物の体構造を構成するのに適さない物質で生物作ってみたり、真剣に生命としての系譜を考えると頭が痛くなってくること請け合いだぜ」
「何と申しますか・・・太陽神様がお好きな『げぇむ』に出てきそうな感じですよね」
「・・・まさか関与してないだろうな、あの野郎」
Q:大延国南の未踏破地域にはどんな人が住んでるの?
「獅子人、虎人、犀人、象人、甲虫人、鷲人、鯱人、電鰻人といったような、パワフルボディ系や生態特殊機能持ちなんかが多いな」
「破滅獣と戦えない種族は、必然的に淘汰されちゃったんでしょうね・・・」
「コミュニケーションは一応取れないことはないが、『部外者死すべし』が基本スタンスだから、話をする価値があるだけのウケるものを持ってない限りは殺し合いになるだろうな」
「凄まじく荒んでますねぇ」
「南蛮人と延国とのかかわりについては、
【南蛮戦役】【紅唇小話】も併せて読んでみると、理解が深まると思うぞ」
「あと、どうでもいい話だが、クァっつー変人が石ノ森のど真ん中にたった一人で住んでたりもする」
「だ、大丈夫なんでしょうかね・・・?」
「大丈夫なんじゃねぇの? 何せ変人だし」
「無責任ですねぇ」
Q:大延国南の未踏破地域と外部のつながりは?
「一番に挙げられるのは、ここまでで何度も触れてきた、塞王を隔てた大延国との長年に渡る確執ですね」
「そうだな。 地理的には西大陸の内地非大国地域を延々歩いて海峡超えて入ったり、海側から立ち入ることも出来なくはないが、ハザードレベルMAXのレッドアラートゾーンにいきなり突入するようなもんだから、基本生還は無理だな。 それ故に、人々が知る『南蛮」は延国との衝突を以て語られることが必然的に多くなるんだ」
「まぁ・・・行って帰ってきた人がいない以上は、話にしようがないですもんね」
「まぁ、ごくまれ~に生きて還ってきたりするやつがいることもあるんで、延国ではそれを踏まえて南蛮立ち入りの制限と特例措置を設けているんだ」
「特例、ですか」
「特例の詳細については
【塞王にて】にまとめられているので、参考にして欲しい。 平たく言えば、生き残って延帝に認められた人が立ち入りを認めた人なら、証拠見せてくれたら南蛮に入ってもいいよ!ってことだな」
「でもそんな特例が適用されるヒトって・・・ああ、そういえばすっごい身近にいましたね」
Q:なんで猫助助手は未踏破地域に変に詳しいんですか?
「余計なお世話だコンニャロー!」
「というわけで今日の講義はここまで」
「将来この未踏破地域もそれなりに人が交流できるところに・・・なりそうもないですね、現状」
「自然の脅威が好き勝手やってくれてるところだからな。 血沸き肉躍る闘争な話を書きたいなら、いい素材が豊富に転がってると思うぜ?」
「まだ概要も固まりきってないですから、そういう意味ではこれからが楽しみでもありますよね」
「そうだな。 今回取り上げたのも、掲載時点でのスレネタやSSの話から引っ張ってきたものだからな。 新しい話が生まれれば、それだけ灰色の領域の姿が見えてくるってことだ」
「みなさんもぜひ、未踏破地域に思いを馳せてみてくださいね」
「それじゃ、またな!」
「肥料、いいですよね」
御意見等あれば下のコメント欄よりどうぞ
最終更新:2012年10月29日 00:42