1オクターブなどの音程を均等な周波数比で分割した音律。
一般には十二平均律のことを指すことが多い。
1オクターブを12等分した音律である。
隣り合う音の周波数比は1:2^(1/12)で、西洋音楽の半音にあたる。
一般的に、2音が単純な周波数比にある時、美しく響く、協和した状態になる。
このような音程を純正音程と呼び、調律法ではこれを利用して音律を定める。
例えば、ドとソの幅にあたる完全5度は、2:3(1.5倍)の周波数比であり、1オクターブは1:2(2倍)となる。
純正音程で通常の西洋音階を作成しようとすると矛盾が起こる。
例えば、完全5度は12回上方に積み重ねると、12種類全ての音を経由して7オクターブ上の音程に到達するが、周波数比の3/2は12乗しても2の7乗にはならない。
ある音程(例えば5度)を全て純正に保とうとすると、他の音程(例えばオクターブ)が純正にならないといった現象が避けられない。
(
ピタゴラスコンマ、
シントニックコンマ参照)。
この矛盾を解決するため、歴史上様々な調律法が試みられており、その1つが十二平均律で、それに先行するのが
純正律や中全音律、ウェル・テンペラメント(英語 Well-Tempered、ドイツ語 wohltemperiert)などの古典調律である。
多用する音程をなるべく多く、純正にしようとする調律法。
一般には、調を決めてその調でよく使う音のみを純正音程から導く。
音程の幅が不均一であり、例えばハ長調の純正音程の場合、ド-ミは純正音程(周波数比4:5)による美しい響きになるが、ファ#-ラ#は周波数比が大きく崩れる。
転調や移調により、別の調を演奏するには調律し直さなければいけない。
調律し直した場合、調の変更は基準ピッチの変更に等しく、全ての調が同じ音律になる。
調によって純正にする音程を変えることで、純正律において特定の和音の響きが著しく悪くなるのを解決した調律法。
一般には、シャープやフラットの少ない調では3度を純正音程に近く、シャープやフラットの多い調では5度を純正音程に近くする。
音程の幅が不均一であり、調によって音律が変わるため、例えば同じ主和音であっても調によって振動数比が変わり、旋律の表情も異なる。
調律し直すことなく転調や移調ができる。
転調(調の変更)による表情の変化を利用できる。
1オクターブを12等分した調律法。
各音の音程の幅が一定であり、どの音の間でも同じ音程なら同じ振動数比になる。
全ての三度と五度の周波数の比が簡単な整数比からずれていてどの音程も一様に響きが悪くなる。
調律し直すことなく転調、移調ができる。
調の変更は基準ピッチの変更に等しく、調の変更による表情の変化は利用できない。
ギターなどのフレット付き弦楽器の製作が容易になる。
純正律では、2つの音を同時に出し、完全に協和するように、またはうなりが消えるように調律できるのに対し、ウェルテンペラメントや十二平均律ではそれができず、機械的な手法か、耳を十分に慣らした上で調律する。
(一定時間内の
うなりの回数を数える手法もある)
最終更新:2009年08月17日 19:59