“陸軍としては海軍の意見に反対である”
ということで陸軍の戦術史について徒然なるままに書き連ねていく。尚、エリアはヨーロッパである。
古代ギリシア
戦術というものがヨーロッパで見られるようになるのは古代ギリシアの頃からである。「都市国家」という国家単位の小ささ故に繰り出される兵は数百~数千といったところ(註1)である。軍隊の構成要員が選挙権を持つ市民であるため、ビッテンフェルト(註2)のような戦い方では国家機能が停滞する上、アジアの君主制国家という化け物を相手にする上でも戦術の必要性は明らかである。
軍の兵種は重装歩兵(槍兵)、軽装歩兵(散兵・投石兵・弓兵)、軽騎兵、重騎兵である。ギリシア世界以前においては弓兵が主体であったが金属技術の発展により重装歩兵がその座を奪っている。その重装歩兵が密集することで正面からの攻防に特化したのが「ファランクス(φάλαγξ)」である。そのため、ギリシア世界の戦術は「如何にしてファランクス陣形を崩させないまま敵陣にぶつけるか」に焦点を当てているといえよう。ファランクスは正面以外、特に右側面が脆く(註3)、密集隊形のため移動速度が遅い。
註
1:ただし、以下の2国は除く:
①スパルタはプロイセン以上の軍隊国家なので単体で1~2万の兵力を有する
②アテネはギリシア世界最大の都市国家であるため、1万ほど
2:彼の言葉が自身の戦術を如実に表している「こちらは両艦隊あわせて三万隻。敵軍をことごとく葬って、なお一万隻はあまるではないか」
3:重装歩兵は右手に槍、左手に丸盾を持っているため、右半身が晒されている
目下執筆中
古代ローマ
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最終更新:2021年01月31日 14:20