ダメージ/ヒールバランスから構築する低予算タンクとヒーラー
概要
タンクが機能するには、グレートモンスターの攻撃によるヒットポイントの減少をヒーラーの回復が押しとどめうることが必要である。このため、タンクとヒーラーの性能を掛け合わせたとき、ヒットポイントを均衡しうるダメージ/ヒールバランス(<1)となることが期待される。
タンクへのダメージソースとしてはノンギミックなダメージのウェイトが大きい。ギミックによるダメージは数字こそ大きいが、時間当たりのダメージ量は小さい(準備動作をともなうので)。すなわち、ダメージ/ヒールバランスが最もシビアであるのはグレートモンスターが継続的にタンクを攻撃しているとき、といえる。こうした状況での、タンクが受ける秒間ダメージは、グレートモンスターの攻撃力とタンクのダメージ軽減率から試算できる。一方、ヒーラーのヒール回復速度のおおよそは、装備とステータスに依存する値として試算できる。
タンクとヒーラーについては、
モンスターハンターに参加する上での最低基準(いわゆる”Budget”、低予算装備)が提示されている。これらについて、ダメージ、ヒールのパフォーマンスと、それらがマッチングした場合のダメージ/ヒールバランスを試算し、それら基準の妥当性を検討した。
秒間被ダメージの試算
ノンギミックダメージ
ガロナスとナイソーリについて、何段階かの軽減率を設定し被ダメージを実測した。これによると、次表中の通常攻撃とスキル攻撃(本稿ではこれらを合わせてノンギミックダメージと呼称する)を使用し、それぞれの使用頻度と軽減前のダメージ値(回帰式で、軽減率をゼロとしたときの値)は表記値である。
これを参照して、グレートモンスターの攻撃によるヒットポイントの減少量の平均値(秒間被ダメージ、数値は毎秒の)を試算する。まず、通常攻撃またはスキル攻撃のダメージ値に、(それに有効な)軽減率(装備や耐性)を適用し、秒間使用回数を乗じる。ついで、これらをすべて加算し、トータルの秒間被ダメージとする。
ダメージ軽減率と試算値
一般的なミンストレルタンクを想定する。ガロナスでのセットアップの一例を次に示した(条件1)。いくつかのヴァリエ―ションがあるが、軽減率のトレードオフであり、秒間被ダメージに大きな差はなかった。
これに加え、アスムプティオ、エコーソングを使用した。タンクロール特性であるフュアリースタックによるダメージ軽減については別途記載し、消耗品ストーンスキンエクストラクトについては原則未使用とした。
秒間被ダメージ平均は5,635と試算された。
フュアリースタックとは、タンクロールスキルクライマティックフュアリーのパッシブ部分である。被弾によるカウントスタックが最大(6)のとき、被ダメージが30%低減される(詳細未検証)。これを適応し、秒間被ダメージは3,944となる。
表中緑色セル内の数値は、軽減項ごとの軽減率である。うち数値が最大のものはDefである。これは、装備Defの重要性とともに、アスムプティオとエコーソングの有用性を示唆する。上述セットアップの装備Defは398(この段階で45%軽減)、これにアスムプティオ(Def+250)、エコーソング(Def*1.58?)が掛かることで、最終的なDefは1,024(65%軽減)となっている。
ナイソーリからの秒間被ダメージは次のセットアップで試算した。
秒間被ダメージ4,858、フュアリースタックによる軽減を適応すると3,401と試算された。
一般にガロナスよりナイソーリの方がノンギミックダメージによるタンクへの負荷は大きいとされるが、それに反する結果となった。これは、ガロナスではギミックシーンが相対的に長いことに起因すると推測した(それはヒットポイントを全快する猶予を与える)。
秒間ヒール回復量の試算
ヒール回復量
アークビショップヒーラー低予算装備として頻繁に引用されるセットアップが次(左側)である。ヒーラーロールアップデート以前のそれであるが、今現在も参照されている。
この低予算装備(”Budget Set”)によるInt補正値とヒール量ボーナスは上表(黄色部分)である。
これを装備補正とし、アコライトヒール回復量をヒール計算式より試算すると次表となる(アンシラを使用し、ターゲットにアスムプティオを使用)。ヒール回復量の平均値は、(モンスターハンター内)外で(7,474)4,484となる。ステータスバフ消耗品によりInt+41したとき、ヒール回復量の平均値は、(5,016)4,464となる。
表の下段(HEAL RECEIVE+15%)は、ミンストレルが装備するドラゴンスケールフードのボーナスを適応した値である。
換算
注意すべきは、上記の値はアコライトヒールの回復量であり、秒間のヒール回復量ではないことである。
ヒールサイクルでの実測によれば、現仕様での秒間ヒール量は、アコライトヒール回復量の89~116%にある。ただしこれは、ヒールに専念した場合の理論値である。一方、ハイネスヒールを混ぜたより効率的なヒール回しや、サンクチュアリによる追加回復など、秒間ヒール量をより高く見積もる材料もある。ここでは仮に89%を換算係数とするが、プレイヤーの操作次第で変動が大きい部分である。
ここでは前段落で算出したアコライトヒール回復量に0.89を乗じた値を、秒間ヒール回復量として使用した。値は、3,991~5,073、となった(上表右端列)。
低予算ミンスタンクの秒間被ダメージと、同ヒーラーアークビショップの秒間ヒール回復量を比較した。数値ダメージとヒール回復速度の比である(ダメージ/ヒール)。値が>1のとき(赤)タンクのヒットポイントは漸減、<1(青)のとき漸増する。
タンクミンストレルがフュアリースタックを最大数保有するとき(+F)、いずれもダメージヒールバランスは<1となった。低予算装備として一般に提示される装備セットアップが要求された機能を、まさに最低限ではあるが、果たしうることが示された。
その一方で、フュアリースタックを欠いたとき、ダメージヒールバランスは>1、すなわちダメージによるタンクのヒットポイント減少量が、ヒールによる回復量を上回ってしまう。グレートモンスターとの遭遇直後や、タンクスキル使用によりフュアリースタックを消費したとき、スタックを回復するまでの一定秒数はシビアなヒットポイント管理を求められるだろう。
小括
低価格セットアップの評価
アスムプティオ、アンシラ、エコーソング、フュアリースタックのダメージ軽減、などが適正に維持される限りは、タンクのヒットポイント減少量を、ヒーラーのヒール回復量が上回りうる。これらのうち何かしらを欠いたとき、タンクのヒットポイント維持は危うい。また、近接ダメージクラスの参加など、タンク以外からのヒール要求量が大きいとき、パーティートータルとしてのヒットポイント回復が間に合わない可能性がある。こうしたケースでは、可能な限りヒットポイントの消耗を避ける、あるいは回復アイテムを積極的に使用するなど、タンクヒーラー外からの配慮が必要となる。
装備改善案
タンクとヒーラーの両側から装備を強化し、ダメージヒールバランスを改善することを検討する。試算として、ミンストレルのドラゴンアーマー、フードまたはブーツに、種族竜または魚耐性を+10%とした。
アークビショップは、ライトオブリカバリーまたはイリュージョンレッグの精錬価を向上とし、ヒール回復量を+10%とした。このときダメージヒールバランスは下表へと改善された。
タンク側のダメージ軽減策として、鎧カードをツインカプトカード(IID:27316、条件1で採用するとダメージ減少は5,635/3,943→5,342/3,739(フュアリースタックなし/あり))に変更、ストンスキンエクストラの使用(ダメージ7%減少(計算式未検証))、ペットマリオネット(被弾時一定確率で無属性耐性+20%(確率要検証))、オートガード(Bio4ランデルカード(IID:4572)、要肩持ち替え、確率14%で物理ダメージ無効化(モンスターハンター内では確率半減))などがある。
最終更新:2020年12月31日 22:21