ネルセトール・コルツェイア=ローゼへルナス

ネルセトール・コルツェイア=ローゼへルナス
生年月日 宇宙正暦107年
年齢 2350歳(推定)
宇宙新暦1957年没
出生地 星間文明統一機構
惑星バラノルカ
人種 人工ハーフ
所属組織 ダムラリニ帝国
星間幕僚統治府
最終階級 皇帝
異名 星界機皇
叡帝元帥


概要

 ネルセトール・コルツェイア=ローゼへルナスは、近古代から中近代にかけて猛威を振るった。軍人、狂気の独裁者。ツォルマリア文明統一機構において開祖艦隊(ティラ・ザバーディン)の副官を努めていた。戦後は、キューズトレーターの主任管理者として暗躍。星間機構の成立に大きく影響したとされる。三度の存続戦争を経て同機構が崩壊して以降はダムラリニ帝国における解放の精神的指導者となり、後の時代においては選別を是とする狂気の独裁者として君臨した。当初、暫くの間はツォルマリア本国に対抗する人道の要として多くの難民を受け入れたが、その真意は自らによる新たな世界覇権の確立が目的とされる。解放の名のもと、自身に反旗を翻したキューズトレーターの奪還に執着するものであった。宇宙新暦1300年頃を堺に権力基盤の安定化を遂げると、突如として方針転換を図り、徹底的な断種政策を取り始めた経緯がある。同1428年。新秩序世界大戦が勃発すると、全ての知的存在を電子化する人類解脱計画を提唱。一人の指導者による完全な星間コミュニティの実現に向けて動き始めた。それから約500年以上もの長きにわたり周辺の敵対文明を脅かし続けたが、同1957年、ユミル・イドゥアム連合帝国との戦いで大敗を喫し、非業の死を遂げることとなった。ローゼへルナスは死の直前、戦況の悪さに激昂。惑星毎全てを破壊しようと試みたところで、腹心のゴールバドに背中を刺し貫かれた。その後、四肢を引き裂かれ、この世の全てに呪いの断末魔を上げながら絶命したとされる。

生い立ちと経歴

 時は新ツォルマリア文明が成立して一世紀を経た頃。後に暴君として恐れられることになる、この男は、とある研究施設における遺伝子組み換えの負の産物として生まれた。問題の発覚を恐れた時の研究所長は当初、生まれて間もない赤子を密かに処分しようと試みたが、その計画は全知全能たる開祖(ティラ・ザバーディン)の知るところとなり、すんでのところで救出された経緯がある。世論の反発を恐れる行政評議会の「助言」に失望したザバーディンは自ら問題の赤子を引き取り、古典ツォルマ語で「橋渡し」を意味する名前を付与。必要とされる教育を施し、考えられる限りの知識をもって大切に育てた。造形からして全く異なる養親の、奇抜な愛情を受けて育った少年は既存の価値観に囚われない独自の世界観を説いてまわり、世話係と称する監視役の政府職員を困らせたとされる。宇宙正暦125年。青年となった彼は大学相当の教育機関を主席で卒業。自らの研究成果とするツォルマリア人類初の遅老化手術に望み、その軽率な行動をザバーディンに咎められた。全知全能たる養親(異星人だが)を心の底から尊敬してやまなかった彼は命の恩人よりも先に死を迎えることを良しとせず、行動したのだと涙ながらに弁解したという。ザバーディンは彼の謝罪を受け入れず、勝手にしろと言わんばかりに彼に勘当を言い渡した。

 その後も彼は偉大な養親に認めてもらうための社会貢献に励み、ついにその時は訪れた。同179年。半世紀以上にわたる活動の末、ザバーディンとの和解を果たした彼は軍に入隊し、重要な公務に携わる管理官の職を与えられた。同215年。ソルキア連合艦隊とのファースト・コンタクトにおいて、先方にザバーディンの眷族が乗船していることを知ると、彼は養親の強烈な反対を振り切り、自ら指定されたソルキア艦へと赴いた。厳重な消毒処理を受け、席についた彼に対しソルキア側の指揮官は開口一番に平和の条件を伝えた。拙い古典ツォルマ語で、「忠誠か、絶滅」を意味する単語を。誤訳の可能性を疑った時の行政評議会は軍が軽率な行動に及ばないよう釘を刺したというが、その努力も虚しく、徹底抗戦を主張する過激派の圧力に屈する形で政権交代を迎えてしまった。その間、ティラ・ザバーディンとその息子は和睦に向けての交渉を幾度となく試みたが、同225年、ついに人類艦隊の激発を止めることができず、開戦を迎えたのである。長きにわたる抵抗の歴史の中で彼は人類を、そして愛する養親を守るために全力を尽くした。そして、同428年。ティラ・ザバーディン率いる開祖艦隊の全滅と引き換えに辛うじてソルキア艦隊を退けることに成功したとされる。崩れゆく養親の防護膜に守られる形で、たった一人、生還を果たした彼は壊滅して久しい星間社会の復興に取り組み、そして復讐を誓った。ソルキアの滅亡を、死を。自らによる世界覇権の成就を、脆すぎる肉体からの解脱を。

 三度にわたる存続戦争を経て、イドゥニア方面へと逃れた彼はツォルマリア人を含む多種多様な人類と接触。
新たに台頭しつつあったイドゥニア系列移民の信用を得るためにネルセトールを名乗るようになり、ダムラリニ帝国の成立へと導いた。

二人の男を巡る愛憎のエピソード

『契約を破りし全ての造物主に呪いを与えん。戯れの如き絵図など加護に値せず。我が愛しき世に、己が夢と誠愨なる魂を捧げよ』
 先の凍結事態(詳しくはダムラリニ帝国・テクノロジーの項目を参照)に直面し、反撃の機会を事実上、失ってしまった時のローゼヘルナスの慟哭は後に悪魔の囁きを誘発。宰相ゴールバドの言霊に魅了されたローゼヘルナスの精神状態は時を追うごとに歪んでいき、ついには禁断の相互依存の関係に至ったという。絶望からの孤独に耐えられず、奈落の情事に狂ったローゼヘルナスはゴールバドに促されるまま、ありとあらゆる種類の犯罪的実験を積み重ねた。そして、来るべき1957年。迫りくる連合帝国艦隊を打ち破るべく、その成果を実行しようとした、その時にゴールバドはローゼヘルナスの背中を刺し貫いた。眼前に抉り出された自身の心臓と、引き裂かれていく四肢の苦痛とともにローゼへルナスは呪いの言葉を叫んだ。『それが……ッ貴様の選択なのだなッ!!……いいだろう。この裏切りを、その結果を……!必ず思い知らせてやる!!その畜生の如き魔の根源に至るまで、たとえ、この世界のすべてを共立に至らしめようとも……未来の主ともども……分かち合ってもらうぞ』。対するゴールバド、改めパルディ・ルスタリエは絶命したローゼへルナスの中に己が自身を貫き、強烈な魔力投射とともに憤りの言葉を返したという。『嗚呼……お前は何も分かっちゃいない……俺は、お前のことを本気で愛してるんだ』。そのカオスに彩られた、暗い笑みの矛先は恋人の敵である次の契約対象へと向けられ、以後の更なる地獄を演じたという。ローゼへルナスの研究成果は全てルスタリエが持ち去り、後の文明共立機構成立の取引材料として用いられた。

備考

 共立時代を迎えて久しい頃。メレザ・レクネールは、抉り取られたローゼへルナスの心臓がクランナム・ステルの最上階に保管されていることを突き止めた。
その結果、長らく不明とされてきたゴールバドの正体が明らかとなるわけだが、それ以前の問題として共立機構の足下にこのような物体が存在する事実そのものが国際社会(議会主流派)の危機感を煽り、関係機関による監視のもと、ただちに接収された経緯がある。
ゴールバド、改めパルディ・ルスタリエの目的が如何なるものであったのかに関しては、ついぞ公開されず、安全保障に関わる機密事項として闇の彼方に封じられてしまった。

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最終更新:2024年09月16日 19:59