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メレザ・レクネール

メレザ・レクネール
作:@Freeton2
生年月日 宇宙新暦2492年10月15日
年齢 3508歳(通常齢)
35アストラ歳(星年齢)
共立公暦1000年時点.
出生地 セトルラーム共立連邦
軍事工業都市タイパルーナ
(現:タイパルーナ村)
民族 連邦系ツォルマリア人
最終学歴 聖ルドラトリス連邦軍大学
所属組織 文明共立機構最高評議会
主な階級 常任最高議長
主な勲章 三剣義勇勲章
大公等位冠持
異名 深藍縛詠
愛の大令術士
激重センシティブコレクター
恨み節常任最高議長


概要

 メレザ・レクネールは、文明共立機構の常任最高議長を務める魔導科学士である。
研究の場ではフィロム・アーツ学会に籍を置き、同学会が擁する三大魔導師の一角を占める。

自己紹介

 『ようこそおいでくださいました。メレザ・レクネールと申します。共立機構では議長の席を預かっておりますが、今日は職務の外ですから、肩書きのことは忘れて頂いて構いませんよ。……そう言われても難しいですよね。ふふ、皆さん最初はそうなんです。普段は塔の上の書庫で本を読んでいることが多くて、あとは郊外の記念公園をゆっくり歩いて、居合わせた方とお茶をご一緒したり。友人とボードゲームもしますけど、これが全然勝てなくて。長く生きていても一度も勝てない相手がいるのは、ちょっと悔しいですね。……ぱっとしないですか? では、少しだけ術のお話を。これでも講師をしておりまして、水を操って相手を包み込んだり、詠唱を封じたりするのが得意なんです。怖がらせるつもりはないのですよ? 争いが大きくなる前に、静かに収めるための技ですから。……やっぱり、ぱっとしないですね。面白いお話は昔から苦手で。あ、お茶のおかわりはいかがです? お菓子は木の実のものしかありませんけど、それなりに美味しいですよ。それから、もし私が同じお話を二度したら、遠慮なく教えてくださいね。……ええ、本当に。遠慮は要りませんから』

作:トロ猫DX
作: くらん氏

来歴

 メレザが議長の席に押し上げられるまでの道筋は、戦後に積み上げた実績が周囲の期待を呼び寄せ、本人の意思を追い越す形で敷かれていった。新秩序世界大戦のさなか、長い逃避行の末にツォルマリア文明と接触したメレザは、戦後、各宙域に広がるB.N.S.航路の復旧に携わり、寸断された星間の往来を繋ぎ直して戦後秩序の土台を築いた。宇宙新暦5000年の改暦セレモニーで文明共立機構が発足すると、メレザは表舞台から姿を消し、大戦で斃れた人々の弔いに歩く旅を選んでいる。鎮魂の旅の途上で各国の有志と親睦を深め、魔導科学士としての実績を重ねるうちに、戦場跡に眠る過去の遺物の扱いを相談される機会が増えていった。遺物の利用法を取り仕切る管理者の役目は、いつしか本人の手に定着し、国家間の利害が絡む案件にも意見を求められるようになる。権力の座から距離を置き、争いの火種を静かに収めていく姿勢は、戦乱の再来を恐れるハト派の目に、得難い調停者の資質として受け止められた。共立公暦の世で議長の席に空きが生じるたび、ハト派はメレザの名を真っ先に挙げ、渋る本人を説き伏せる役回りを各国の代表が引き受けている。


人物

 戦禍を逃げ延びた記憶は、穏やかな物腰の奥で今もメレザの判断を律しており、私生活の過ごし方にも議長としての決断にも同じ慎重さが通っている。

*1

気質

 普段のメレザは穏やかな笑みを浮かべ、顔を合わせた相手とは必ず挨拶を交わす。笑顔の消えた姿を見かける機会のほうが稀で、かえって心の内を案じる声が周囲から上がるほどである。怒りを表すことの虚しさを、本人は長い歳月の中で悟っており、「過去十分すぎるほど怒りを表してしまいました」と静かに語った。もっとも、一度受けた酷い仕打ちは記憶の底に留まり続け、思い返すたびに一定の憤りが胸に戻ってくるらしい。受けた恩義も同じく心に刻まれたまま残るため、借りを作ることへのためらいが強まり、人を頼る場面で二の足を踏む癖が身に染みている。幼少期に自由を奪われた経験は人権への感度を研ぎ澄ませ、些細なブラックジョークにも眉をひそめて席の空気を冷えさせる。複数の案件を並行して捌く手際には定評がある一方、要領の悪い側近の後始末に追われる日々が続いている。……基本的には優しくて気品もある、物腰穏やかな人物には違いないのだが、度重なる常識外れの事件に頭を痛めて久しく、事案によって塩対応する程度のやさぐれ具合を発揮した。


生活

 日々の暮らしでは健康の維持を最優先に据え、その日の感情を脇に置いて、決めた予定を事務的にこなすことを信条とする。淡々と積み上げた日々のほうが結果として多くの実りを残すことを、メレザは長い経験から知っている。食卓に上るのは、ほぼ植物性の品に限られ、仕事柄、体調の管理にも細やかな注意を払う。朝は茶を淹れて連合帝国国営放送を眺め、古き良き時代の空気が残る番組を懐かしむひとときが、一日の始まりに組み込まれている。正午には安全の確認を済ませて全世界の平和を祈り、祈りを終えてから午後の公務に戻るのが日課である。入浴は昔ながらの湯船にこだわって現代型のクリーナーを敬遠しており、そのせいで、たまに臭いと言われてしまう。書架の陰の長椅子で一人静かに寛ぐ姿は塔の各所で目撃され、周囲の見立てでは、本来は口数の少ない性分らしい。一日の終わりにパルディステルの町並みを眺める時間は、明日の務めに向かう気力の源となっている。

魔導科学

 研究の拠点は、自ら建設に関わったクランナム・ステル(塔)の書庫に置かれ、メレザは普段、書架の間で読書に耽っている。塔内には常時キメラ化した警備AIを放って招かれざる客の接近を阻み、自らを理解する古い友人の一部にだけフリーパスを与えて自由な訪問を許してきた。自身が統括する転移術式によって、B.N.S.バブルレーンに独自のネットワーク領域も構築した。人ならざる存在を通じて様々な異世界の知識に触れる一方、戦時の経験から接触の危うさを熟知しており、観測した個別の事件には傍観者の立場を守ることが殆どである。長い研鑽を経て魔導科学士として規格外の発動能力を会得したメレザは、日々流れ込む記録情報を処理するため、ライフサイクル・システムと接続して心身両面の健康を保っている。召喚の力を得た代償として古い記憶は少しずつ失われており、症状は最新の医療技術を尽くしてもなお進み続ける。メレザ自身も特異存在として登録されることを受け入れ、未来志向の『開拓』に努める決意を新たにした。大切な友人達との思い出を守るため、記録を付けるのが日課になっている。

作 くらん氏 :常任最高議長就任以前

政治姿勢

 議長としてのメレザは、福祉を重んじる平和外交を掲げ、文明共立機構の内外で穏健な調整役の立場を貫いてきた。

平和外交
 直轄領のハト派から支持を受けて当選したメレザは、歴代議長の中でも際立って穏健な人物として知られる。内政不干渉の原則を重んじ、構成国への指導介入を渋る傾向が強い一方、共立世界を代表する議長の席から各国間の情勢に目を配り続けている。戦時下の逃避行を生き延びた経験は筋金入りのハト派としての信念を育て、人道主義を掲げつつ内政不干渉を基軸とする現実路線は、一定の支持を集めてきた。平和維持軍については現有の規模を保つ立場を採り、共立機構による絶対的抑止力の維持に賛成の意を表した。力を行使することの重さを知るメレザは、武力を握る組織の暴走の兆しを早いうちに摘み取る務めも自らに課している。就任当初には右派系メディアのアルバンスティル・パルラからバッシングを受け、イドゥアム帝国の指定評価を見直す譲歩を強いられる局面もあった。事態の拡大を抑えつつ段階的に解決を促す意向を示したうえで、過激派の倒閣運動には譲歩を拒む姿勢を強調している。議長の手腕については、ヴァンス・フリートン大統領から「交渉プロセスに難を抱えており、甘さが抜けきっていない」と指摘された。

主な見解
 共立機構の運営を巡る個別の論点について、メレザが示してきた立場は次のとおりである。

  • 共立三原則の強化に賛成。「共立憲章を改正して指導介入をやりやすくするべきだ」とする意見に慎重な立場を表した。
  • 人権向上への取り組みに賛成。「構成主体における内政問題については、慎重な決断を要します。長期的観点から、現実的な解決手段を模索するべきでしょう」
  • 確率操作(現実改変)を可能とする波動収縮兵器の削減に賛成。「現実問題としてすぐにと言うわけにはいきませんが。慎重に検討いたします」
  • 闘争競技の規制に慎重。「私達の倫理が問われる一方、戦争抑止に寄与している側面もあり総合的に検討しなければなりません」
  • 特異収集局による危険アーティファクトの接収に慎重。「交渉に際しては極力禍根を残さない形で、慎重に臨むべきです」との見解も示した。
  • アルバンスティル・パルラの報道を巡る最高評議会の規制に反対。「原則の正当性を損なうものであり、自制するべきでしょう」

 見解の全体を通して、メレザは共立機構の現状維持派に属し、個々の尊厳に応じた棲み分けが必要との立場を採る。

経済観
 経済の分野では、福祉政策による景気の向上を訴え、「消費と分配の質を高めていくことが重要」と答えている。分配の質を問う視点は、直轄領で基本的人権に立脚した福祉サービスを提供してきた機構の歩みとも重なる。フリートン大統領が「苦役からの解放」を掲げた際には、個人的な意見と前置きしたうえで、「時代に即した雇用を創出しなければなりません」と応じた。フリートン政権が打ち出した「大胆な投資と積極的な財政出動を促す」成長戦略にも、「個人的に大賛成」と述べ、一定の評価を示している。しかし、賛意には注文が添えられており、「手当たり次第にバラまけば良いものではなく、物価を考慮すべき。労働義務の撤廃についても伝統や生き方、需要の問題だと思います。極論の危うさ、問題点を見ていきましょう」との考えも併せて明かした。享楽を巡る線引きも明確で、「社会を堕落させかねない娯楽政策に関しては、絶対に反対です」と表明している。

臨時レクネール体制

 在任期間:共立公暦601年~603年
 前任の常任最高議長が病没し、文明共立機構が次期議長の選出までの過渡期を迎える中、メレザは臨時最高議長として一時的に登板した。前任者が進めた転移者コミュニティと構成国の融和政策を引き継ぎ、後任へ円滑に席を渡すことが、この時期の務めとされた。大きな変革を控えたメレザは現状の維持と調整に力を注ぎ、転移者の代表との会合を重ねて、機構内での権利保護を再確認する声明を発表している。構成国の不満を抑える調整会議も頻繁に開き、次期議長の選出に向けた地盤を固めた。セトルラーム共立連邦の強硬派が転移者政策に難色を示した際には、穏やかな対話で反発を最小限に収めている。目立った新政策を打ち出す場面は少なかったものの、自らの転移術式を用いた辺境セクターへの物資補給を小規模ながら続け、転移者からの信頼をつなぎ止めた。ヴァンス・フリートンとは政策の進め方を巡って意見が対立したが、公の場での衝突を避け、裏での調整に徹している。同603年に選挙を経てオルトリア体制へ移行した後、メレザは当時を振り返り、「前任者の遺志を繋ぐための静かな務めだった」と語った。


第一次レクネール体制

 在任期間:共立公暦630年~660年
 冷戦の只中で登板した第一次体制は、割れた陣営を融和させ、平和維持の枠組みを立て直す仕事に三十年を費やした。

融和路線
 転移者星間戦争から39年が過ぎた頃、世界は二つの同盟が睨み合う冷戦構造の只中にあった。一方のルドラトリス安全保障盟約は通称をHeller/ヘレールとし、対するネルヴェサ―民主同盟はÞANE/サーネを通称に掲げていた。世界混乱の責を問われて辞任に追い込まれた前任の代役として、穏健派のメレザに注目が集まった。メレザは当初、世界情勢の早期収束に難色を示したものの、最終的にはセトルラーム代表の説得に折れ、次期議長の選挙戦に臨んでいる。中道派諸国の信任を勝ち取った後、真っ二つに割れた世界構造の収束へと乗り出した。手始めに、警告指定を課されて久しいオクシレインの指定を引き下げる代わりに、センジュ大統領の融和政策を支援する決定を下した。一部の中小諸国が反対する中で資金援助を実行した結果、民間人及び外交使節に関する非常時保護条約が成立し、Hellerを率いるユミル・イドゥアム連合帝国の軟化を引き出している。

秩序の強化
 同632年、オクシレイン大衆自由国でトローネ皇帝の親善訪問が実現すると、激化の一途を辿っていた冷戦構造に終止符を打つ流れが生まれ、メレザの融和路線は継続が確定した。同645年に 中央総隊 の改編が成ると、議長は従来の多国籍部隊との連携を保たせたまま、紛争の拡大を芽のうちに摘む任務を新たな部隊に託している。世界秩序の牽引に手応えを得たレクネール体制は支持率を伸ばし、同650年には戦略攻撃相当手段の抑制を目的とするラムティス条約の成立に漕ぎ着けた。同655年、新たな内政不干渉の原則としてソルキア解釈が成立し、国際人道主義を基準とする一定の法解釈が認められた。特定勢力に制裁を加える平和維持軍の手続きも、(これまでと比べれば)軽くなっている。もっとも、一連の政策は後に過激派(FT2執行会議・キューズ・アライアンス)の台頭を促し、新たな課題を生んだとの非難にも繋がった。それでも当時のレクネール体制を支持する声は根強く、メレザは同660年の任期満了まで重責を全うしている。

第二次レクネール体制

 在任期間:共立公暦755年~785年
 世界が安定を取り戻してから約1世紀を経た頃、穏健な実績を買われたメレザは再び常任最高議長に就任している。表面上の安定を謳歌した時代にあって、レクネール体制の内実は、設立から年月を経た特異収集局の人事に頭を痛める毎日であった。とある事情から、闇錨白帆の局長就任を是が非でも避けたいメレザは、あらゆる手段を講じて活動の妨害を試みたが、予想以上の抵抗に遭い、断念に追い込まれた経緯がある。最終的には、現象魔法技術に対抗意識を燃やすセトルラーム共立連邦の覇権志向を牽制する狙いから、最も適任とされた白帆の就任推薦状にメレザの署名が書き入れられた。時の代表総議会の説得に根負けした形となるわけだが……このことはメレザ個人にとってトラウマの一つと化しており、任期終了後、暫く自宅に引きこもるほどの落ち込みようを発揮したらしい。()

第三次レクネール体制

 在任期間:共立公暦995年~
 イドゥニア情勢の悪化に危機感を抱くハト派の要請に応え、メレザは三たび常任最高議長に当選する。前回のトラウマを未だ引きずっており、渋々引き受けたらしいが。(
 今期の主な使命は、雲行きが怪しすぎるロフィルナ王国をなだめること。そして、いよいよ武力行使も辞さなくなったセトルラーム共立連邦の爆走を阻止することである。
 ユミル・イドゥアム連合帝国とキルマリーナ共立国の領域問題を仲裁しなければならない重責も背負っており、就任早々に胃が重くなること山の如しでストレスマッハな日常に苛まれているという。
 就任から三年後の同998年、セトルラーム国内で起きた大規模軍事テロ(大統領暗殺未遂事件を含む)を機に、なだめる相手のロフィルナ王国には指定評価に基づく予防準備指定レベル4が適用された。最後通告を受けた側にも報復を構える側にも目を配る議長の仕事は、開戦を食い止める綱渡りの様相を深めている。
 第一次レクネール体制の課題として指摘されるFT2執行会議の過激派とも向き合う形となってしまい……
 ご愁傷さまです。()

人間関係


戦闘能力

 メレザの戦い方は、令咏術で物理現象を呼び起こし、相手を傷つける前に動きを封じる拘束の術技を軸とする。全ての属性に通じるうえ、回復と身体強化を担う秋スクリプトは極みの域に達しており、繊細なシートの組み上げを戦いの最中でも淀みなく続けられる。水流を操って相手を水の檻に包み込み、詠唱の口を塞いで術の発動そのものを断つ手並みは、講師として教える技の中核に据えられている。感情が昂った局面では冷気が意図の外まで漏れ出し、周囲の温度を一気に下げてしまう癖があり、本人も制御の甘さを自覚している。上位存在を呼び寄せる召喚の術も手札に加わり、魔王を眼前に呼び出す一手は、相手の戦意を根元から折る切り札である。呼び出しの代償は記憶の喪失として本人の身に積もるため、メレザは召喚を最後の局面まで温存する。現象魔法の心得もあり、クラックの練度には一歩譲るものの、術理の要所は押さえている。長く術を連ねる局面では、秋スクリプトで自らの消耗を補いながら間合いを保ち、拘束が決まる機を待つ。


語録

「うんと外の解放感を味わって、何も考えず、清浄な風に身を委ねる。暖かな星々の光も堪能できて……ぱっとしない?」
 暇で退屈そうな下僕に。儚い笑顔を向けながら。

「願わくば、これまでの歴史において、犠牲となられた全ての魂に永久の安息がもたらされるよう祈ります」
 先の終戦を記念する平和式典において。発展への誓いを新たにした。

「若い人達に伝えたいこと……ですか。私が警鐘を鳴らさなくても済むように頑張って頂きたいです。ごめんなさいね。偉そうで。でも、こればかりは言葉を選べないから……」
 数少ない歴史の証人として、特に伝えたいことを問われて。

「この時間は、私だけのもの。ふふ……身体的には老いてないはずなのにね」
 あまりにも多くの変化を遂げた世界の行く末に。数千年に及ぶ自分自身の過去を振り返りながら。

「悲しいことに、私は彼のことを忘れてしまいました。これは契約の代償なのでしょう。彼がどんな人だったのか、もう何一つ思い出せないのです。でも、きっと彼は私にとって大切な存在だったのでしょう。それを裏付けるように、多くの物語が記されています。あの大戦の中で、理想の共立世界を描いた群像劇もあります。そして何よりも、私自身が記したであろう航海日誌の数々も。長きにわたる逃避と孤独な航海……先生との出会い……ようやく見つけた安寧の土地。変わりゆく世界の中で、今の私自身も、いずれ消えていくのでしょう……」
 心を許せる友人に。自分自身の宿命を受け入れ、ともに歩んでいく決意を明かした。

「想像力に欠けているのは、必ずしも悪いことばかりではありません。無知が救いになることだってあります。貴方の魂に永久の平穏が訪れますように……」
 過去の大戦の記憶に囚われ、若い世代への憎悪に苛まれる不老の退役軍人に。切ない表情を浮かべながら。
 老兵いわく、『連中は恵まれた時代に生まれ、自分がさも自立しているかのように錯覚し、その甘美な幻想に酔いしれている。俺には、それが許せない。若さゆえの傲慢さ、想像力の欠如した愚か者どもが……。畜生にも劣る言動を見せる奴らが、この世の中でのうのうと生きていることが、俺には耐えられないのだ。俺の心には、過去の大戦の記憶が今も生々しく刻み込まれている。無知というのは、時に救いだと知りながらも、その無知がもたらす傲慢さには、どうしても耐えられない。奴らの無知と傲慢が、俺の魂を蝕んでいるんだ』。

「もう、これ以上、意固地にならないで。お願いです。この戦争で最後にしてください……」
 転移者星間戦争の惨状について。

「あなたは……ッ死んでなんかいない!!あなたは生きてる!一人の人間として!生きてるッ!!」
 戦争犯罪者ディース・ヴィ・ティラストの暴言を受けて。『ああ、そうだ、その通りだ。俺は信仰者などではない、ただの冷酷な人殺しさ……この広大な宇宙のように、救いようのない通り魔だ。家族を、友人を、財産を、全てを奴らの軍隊に奪われ、踏みにじられた。その理由は何だ?命令だから?仕方なく?己の生活のためか?……嗤わせるな!それならまだしも、あの連中ときたら、腐ったゴミを弄ぶかのごとく、無慈悲に笑いながら、俺の全てを踏みにじってくれた。愉しげに笑う奴らを見て、俺も笑うしかなかったよ。だからこそ、俺も同じく返礼を届けたかったんだ。今の俺は屍肉も同然だ……殺すなら殺せ。どうせ、お前たち全員、いずれは忘れるだろう。これからも闘争は繰り返される……せいぜい仲良く、この地獄を味わってくれ』。

「連合帝国の体制については、多くの誤解が生じているように思えます。たしかにあの国は独裁制を取っており、人道上の懸念もございますが……徐々に改善されつつあるでしょう?急激な構造改革は流血と失敗のリスクを伴います。あなた達の正義を徒に振りかざすべきではありません」
 キルマリーナ・メイディルラングによる対ユミル・イドゥアム批判に。

「一人の政治家として、彼の理性的な対応を強く支持します。この条約の制定は、絶対に成し遂げるべきことです」

「私にできることであれば喜んでお教えしますよ。この1000年分の課題も時間をかけて濃密に、うんとっう~んと継承します❤」
 令咏術の教えを請う一番弟子に。お察しください。

「……警備も面の皮も厚いあの男のことですし、多少はね?もちろん、人を傷つけるような行いには反対ですが」
 過激派によるセ連大統領暗殺未遂疑惑について。この後、過ぎた暴言として謝罪プレイした。
 一方の大統領は恥辱に震える最高議長を眺めることができて、ご満悦の様子であったというが、国内外に拡散され普通に炎上したらしい。
 そして、党派を超えた闇組織の結成に繋がった。

「敵か味方か、0か1かに囚われる貴方の考え方には同意できません。ご自身の弱さに甘えず、しっかりと見極めてください」
 陰謀脳を拗らせるヴァンス・フリートン連邦大統領に向けて。

「お願いですから、刺激しないで?また度数を下げたいの?」
 外国の指導者を怒らせた下僕に。意味:『大好きな酒盛りを台無しにしたいの?とびっきりの令咏術でアルコールを抜きますよ』。引きつった笑顔で。

「馬鹿なの?散りたいの?……公女としての責任を再確認しなさいね」
 金欠を拗らせて自身の体(生体データ)を売ろうとした某国の公女に。満面の笑顔で。

「まぁ、これまで幾度となく葛藤を繰り返してきたわけですが。一つだけ、一つだけ度し難いことがありまして……なぜか、あの男のことを忘れられないのです。なぜ?どうしてなの?」
 重厚な契約を交わして久しい時の下僕に。彼の回答→『まぁ、少しくらいは思い出深い記憶を残してやりたくてな。感謝しろ。せめてもの温情だ』。メレザ絶対零度に突入……ッ!キシマレ不可避でございます。ファイッ!()

「放送は、ここまでにしましょう。続きは私の執務室で、記録係を外してから伺います」
 ロフィルナ王国に向けた声明を電波に乗せたFT2執行会議の議長に。翌日の会談は予定の倍の時間に及び、議長室の屑籠には胃薬の空き箱が一つ増えた。

「最上層の突破、おめでとうございます。……ええ、上の階の彼には、後で私から、きちんと苦情を入れておきますね」
 クランナム・ステルの試練を越え、満身創痍で邸に辿り着いた挑戦者に。翌日、最上層の守護者は一日分の酒盛りを取り上げられた。

「抜かずに済む剣ほど、手入れを怠ってはいけないものです」
 平和維持軍の縮小を迫る記者に、会見の席で。翌朝の紙面は見出しに一句を丸ごと掲げ、記者の質問は記事の末尾に回された。

「お嬢様は今月、お客様の前で一度も泣いておられません。先月は一度でしたから、着実な前進です」
 娘の近況を尋ねるウラジスの書簡に、返書の追伸として。翌月に届いた抗議の書簡からは、文面が二行削られていた。

「結論を先へ延ばす癖、私たちだけの特技にしておくのは惜しいですね。理事会の皆さんにも少し分けて差し上げたいくらい」
 学会の催しの後、封緘の申請を巡る議論を次の機会に持ち越したラルサ・キサラムに。解析官は笑いを堪えた肩の震えで、測定記録の束を取り落とした。

「推測で埋めた一行は、百年後の誰かにとっての真実になります。だから、印を付けておきましょうね」
 散逸した記録の欠落を推測で補った修復員の報告書を、塔の記録区画で読み終えて。以後、区画の報告書では推測の箇所に小さな星印が添えられている。

「陛下、その手紙を大統領に送る前に、私にも一部写しを頂けますか。後学のために」
 大統領への嫌がらせの文面を茶会で披露するトローネ皇帝に。翌週、写しは丁寧な礼状とともに議長の書庫に収められた。

「三つ頼んだうち、一つ目が済んでいれば上出来です。残りの二つは、明日の私が引き受けます」
 書類の山を前に青ざめた新任の秘書官に。翌日、議長の退庁は日付が変わってからだった。

「公務と学業の両立は立派です。ですが、睡眠を削った日の書類は、明日の私がもう一度読み直すことになりますからね」
 徹夜明けの顔で決裁の束を差し出した侍従官の公女に。以後、公女の書類は日付が変わる前に届くようになった。

「お酒には、お付き合いします。ただし、あなたの昔話が始まったら、私は帰りますからね」
 酒席に誘うヴァンス・フリートンに。昔話は三杯目で始まり、議長は宣言どおり席を立った。

エピソード

  • 母国セトルラームで反政府運動が広がった折、報道を見つめていたメレザは静かに涙を流した。抑圧された歴史の重みを、画面越しの群衆の声に感じ取ったらしい。
  • アリウス女大公の御前で現職大統領が号泣芸を披露する中継が流れると、議長は呆れた顔でチャンネルを変えた。隣で茶を啜っていた秘書官は、番組表の同じ時間帯に赤線を引いている。
  • 普段は控えめに振る舞うメレザも、一度怒った際には雷の走る激流を大統領にぶつけたことがある。狼狽して逃げ惑う大統領の姿は、居合わせた側近たちの記憶に長く残った。
  • 亡くなった恋人との関係を茶化されることが一番の地雷であり、キレると周辺の温度が氷点下を貫く。会話の再開は、茶化した当人の指先が解けるのを待ってからとなった。()
  • 煽り耐性を高めるため、ルスタリエに自分を茶化すよう強制したことがある。我慢が限界に近づくにつれ、執務室の温度は刻々と下がっていった。
  • ブラック上司と指摘された瞬間、執務室の温度が100度上昇した。我に返ったメレザは自らの行いを反省し、不殺の誓いを立てている。
  • 温厚な姿勢を保つよう心がけるメレザが、素手で暴力を振るった唯一の相手は現職大統領である。本人の胸だけに仕舞われた黒歴史として、今も固く口が閉ざされている。
  • アリウス女大公からお茶会に誘われることが多く、メレザは毎度緊張した面持ちで席に着く。議長の心配事は茶菓子の作法に集中しており、同席を命じられた大統領の身の安全は勘定の外に置かれている。
  • 妻との関係が拗れて泣き言を漏らす現職大統領に、熱い説教を食らわせた夜がある。政局に現を抜かす旧友()を、メレザは本気で更生させたかったらしい。
  • 議長就任以前は私立コルナス高等学校の理事長を務め、荒廃した教育現場の立て直しに尽力した。理事長室の扉は、常に開け放たれ、生徒の相談で埋まる日々が続いたという。
  • 庭園にて寛いでいる時、突如眼前に現れた変態おじさんから「胸は小さいのに背は高いんだね」と煽られ魔王を召喚する。変態を自分の周囲から遠ざけるため厳重な浄化術式を施し、周辺の警備体制も強化した。
  • 主にセトルラーム共立連邦関連で多くの外交問題を背負い込み、個人としても政治家としてもヴァンス・フリートン大統領にお怒りを申し上げ続けた。その結果、「恨み節常任最高議長」の伝説を確定させてしまった。
  • 議長を歴任する重圧から、プライベートのメレザは情緒の振れ幅を大きくして久しい。夜更けの執務室で愚痴を聞かされ続けた下僕は、翌朝、自ら酒盛りの自粛を申し出た。
  • 古い友人が髪を短く切って訪れた日、塔の警備AIは来訪者を不審者と判定し、書庫の前で三時間にわたり足止めした。駆けつけたメレザは友人の登録情報を撮り直し、警備AIの判定基準に『髪型の変化』の項目を自ら書き足した。
  • 旧友とのボードゲームで百戦目の敗北を喫した夜、メレザは対局記録を全て書き起こして敗因を分析した。翌朝できあがった分析書は三百頁に及び、結論の欄には『相手が強い』の一行だけが記されていた。
  • 書庫の整理を任された新人司書が蔵書を著者名順に並べ直したところ、議長は目当ての一冊を三日探し続けた。元の並びが入手した年代順だったと知った司書は、全ての蔵書を一晩で戻し、背表紙に小さな年号の札を貼った。
  • 遠隔システムで代表総議会に臨んだ際、背後の棚に並ぶルスタリエの酒瓶が議場の画面に大写しになった。議長は表情一つ変えずに議事を進め、閉会の宣言と同時に酒瓶の没収を命じている。
  • クランナム・ステル下層の商業区画で茶葉を選んでいたメレザは、店主に議長とそっくりだと言われ、よく言われますと笑って代金を払った。翌週の店頭には『議長も愛飲(似ている人)』の札が掲げられ、売れ行きは倍に伸びている。
  • 闘争競技の観戦中、負傷して倒れた選手を見かね、議長は客席から秋スクリプトの治療を施した。担架の上で意識を取り戻した選手は、次の試合の勝利を客席の議長に捧げると宣言している。
  • 各国の代表を招いた晩餐会の献立を、メレザは全て植物性の食材で揃えた。肉料理と見間違える大豆の煮込みは評判を呼び、翌年から複数の国の代表団が料理人を伴って献立の取材に訪れている。
  • 侍従官のリティーアが初めて淹れた茶を口にしたメレザは、笑顔のまま湯の温度と蒸らし時間を正確に言い当てた。公女は同じ日のうちに温度計と砂時計を買い揃え、以後の茶会では議長が頷くだけで済む日が増えている。
  • 平和式典の予行で、メレザは慰霊碑の前に立つ位置を何度も確かめ、床に印を付けさせた。印の位置は、戦禍で斃れた人々の名を刻む区画が来賓の影から外れるよう計算されていた。
  • ゾレイモス首相との茶会に遅れてきた大統領が言い訳を三つ並べ終えたところで、議長は相手と顔を見合わせて席を立った。取り残された大統領は、冷めた茶を一人で三杯飲み干して帰ったという。

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共立公暦1000年時点
  • 過剰なストレスから生じるメンヘラ精神をもって、たとえ魔法使いであろうとヤバそうな凶器を手に持ち立ち上がるレベル。おつかれさまでございます。


作:@Freeton2

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最終更新:2025年12月07日 23:59

*1 作:ChatGPT