『黒猫の正体』
更新日:2020/07/08 Wed 20:42:45
「な、なんだあの人?!」
愛歩は全くと言っていいほど心当たりのない顔に不気味さを覚えた。
他の学校の子だろうか?
と言うか、今時あんな暑そうな格好をするだろうか?
「しゃぁぁぁぁぁ!!!」
黒猫が激しく威嚇する。愛歩は何故かどけ!と言われた気がした。
ゴスロリ少女が窓に手をかざし、笑う。蛇のように長い舌が垣間見えた。
愛歩が不安を感じて窓から離れると、その瞬間窓のクレセント錠があいた。
ゴスロリ少女が開けたのだと感じた。内側なのに。
ゴスロリ少女が入り込んでくる。
「あ、あなたは誰……?」
消え入りそうな声で愛歩は言った。
ゴスロリ少女の腰からぬるぬるした尻尾のような物が這えているのが見える。
「私?私ですか?いひひ。さぁ、私は誰でしょう?」
愛歩はぐるぐると唸る黒猫をチラリと見た。
「私は愛歩さんと仲良くしたいんですよ。握手しましょ、いひひ」
ゴスロリ少女は手を差しだす。
フリフリのレースの下から覗く少女の腕には、魚のような鱗がビッシリ生えていた。
愛歩はその手に触れる……フリをして黒猫を抱き抱え、コテージから逃げ出した。
「いひひ、面白いですね……このですロリ蛇から逃げられるとでも……?」
ですロリ蛇は必死に山道を下る愛歩を嘲笑った。
「…ん?」
ですロリ蛇は目をこらす。
いきなり愛歩の居場所が大きく変わったのだ。
まるで瞬間移動でもしたように……
「ん~ああ時間操作ですか……鐘明家の常套手段ですね」
だが、甘い。
ですロリ蛇は高笑いして舌なめずりする。
「どうせ逃げる場所なんて無いですし……あの猫1人ならいくらでも出し抜けます……」
ですロリ猫は姿勢を低くして……駆け出していた。
愛歩は全くと言っていいほど心当たりのない顔に不気味さを覚えた。
他の学校の子だろうか?
と言うか、今時あんな暑そうな格好をするだろうか?
「しゃぁぁぁぁぁ!!!」
黒猫が激しく威嚇する。愛歩は何故かどけ!と言われた気がした。
ゴスロリ少女が窓に手をかざし、笑う。蛇のように長い舌が垣間見えた。
愛歩が不安を感じて窓から離れると、その瞬間窓のクレセント錠があいた。
ゴスロリ少女が開けたのだと感じた。内側なのに。
ゴスロリ少女が入り込んでくる。
「あ、あなたは誰……?」
消え入りそうな声で愛歩は言った。
ゴスロリ少女の腰からぬるぬるした尻尾のような物が這えているのが見える。
「私?私ですか?いひひ。さぁ、私は誰でしょう?」
愛歩はぐるぐると唸る黒猫をチラリと見た。
「私は愛歩さんと仲良くしたいんですよ。握手しましょ、いひひ」
ゴスロリ少女は手を差しだす。
フリフリのレースの下から覗く少女の腕には、魚のような鱗がビッシリ生えていた。
愛歩はその手に触れる……フリをして黒猫を抱き抱え、コテージから逃げ出した。
「いひひ、面白いですね……このですロリ蛇から逃げられるとでも……?」
ですロリ蛇は必死に山道を下る愛歩を嘲笑った。
「…ん?」
ですロリ蛇は目をこらす。
いきなり愛歩の居場所が大きく変わったのだ。
まるで瞬間移動でもしたように……
「ん~ああ時間操作ですか……鐘明家の常套手段ですね」
だが、甘い。
ですロリ蛇は高笑いして舌なめずりする。
「どうせ逃げる場所なんて無いですし……あの猫1人ならいくらでも出し抜けます……」
ですロリ猫は姿勢を低くして……駆け出していた。
愛歩はポニーテールを振り乱して逃げた。
「な、なんだったんだ今の」
流石に体力の限界がきて、ハアハアと息をきらして立ち止まる。
息を……時間を止めて走るなんて始めてやったのだ。
「いたッ!」
右腕の痛みに、黒猫を離してしまった。
慌てて右腕を見ると、赤い線が二本できていた。猫に引っかかれたのだ。
「なによ、助けてあげたのに」
愛歩は唇を尖らせる。
「あのまま置いてきたら、あなた食べられちゃってたかもしれないのよ?」
「いひひ、それは違いますねぇ。食べられるのは貴方ですよ?」
「?!」
愛歩は降ってきた声にぎょっとし、急いで声の方へ視線をあげた。
声の主は木の上にいる……。木の上からこちらを見下ろしていた。
「本当はキャンプファイアーの時に襲うつもりだったのですがねぇ…兎や狐も動いているとの事なので計画を早めたのですよ」
黒猫が愛歩と少女の間に割ってはいる。
木の上の少女は気分を害したのか舌打ちし、ドスの効いた声で脅した。
「忌々しい猫ですねぇ……このですロリ蛇を嘗めるなよ…」
どうやら彼女はですロリ蛇と言うらしい。殺気めいた彼女の周りに、紫色の煙が集まっていく。少女の周りの木や草がだんだん枯れていく。
「愛歩!走れ!走るのじゃ!」
「ええ?!だ、だれ?!」
愛歩は目を見開いた。いきなり視界に赤いマフラーを巻いた巻き毛の少女が現れたのだ。驚かない筈がない。
「いいから走るのじゃ!」
そうだ、驚いてる暇はなかったと、愛歩は巻き毛の少女の言う通りに走った。
「さて、久し振りの戦いじゃのぉ、腕がなるわい」
腕を交差させて準備運動をし、巻き毛の少女は邪悪に笑った。
「やれやれじゃ、こののじゃロリ猫を舐めるなよ」
「な、なんだったんだ今の」
流石に体力の限界がきて、ハアハアと息をきらして立ち止まる。
息を……時間を止めて走るなんて始めてやったのだ。
「いたッ!」
右腕の痛みに、黒猫を離してしまった。
慌てて右腕を見ると、赤い線が二本できていた。猫に引っかかれたのだ。
「なによ、助けてあげたのに」
愛歩は唇を尖らせる。
「あのまま置いてきたら、あなた食べられちゃってたかもしれないのよ?」
「いひひ、それは違いますねぇ。食べられるのは貴方ですよ?」
「?!」
愛歩は降ってきた声にぎょっとし、急いで声の方へ視線をあげた。
声の主は木の上にいる……。木の上からこちらを見下ろしていた。
「本当はキャンプファイアーの時に襲うつもりだったのですがねぇ…兎や狐も動いているとの事なので計画を早めたのですよ」
黒猫が愛歩と少女の間に割ってはいる。
木の上の少女は気分を害したのか舌打ちし、ドスの効いた声で脅した。
「忌々しい猫ですねぇ……このですロリ蛇を嘗めるなよ…」
どうやら彼女はですロリ蛇と言うらしい。殺気めいた彼女の周りに、紫色の煙が集まっていく。少女の周りの木や草がだんだん枯れていく。
「愛歩!走れ!走るのじゃ!」
「ええ?!だ、だれ?!」
愛歩は目を見開いた。いきなり視界に赤いマフラーを巻いた巻き毛の少女が現れたのだ。驚かない筈がない。
「いいから走るのじゃ!」
そうだ、驚いてる暇はなかったと、愛歩は巻き毛の少女の言う通りに走った。
「さて、久し振りの戦いじゃのぉ、腕がなるわい」
腕を交差させて準備運動をし、巻き毛の少女は邪悪に笑った。
「やれやれじゃ、こののじゃロリ猫を舐めるなよ」

「おらぁ!」
のじゃロリ猫が大木に蹴りをいれる。
が、大木が倒れる前にですロリ蛇は木から飛び降りた。
「ちッ!」
ですロリ蛇は大きくジャンプし、のじゃロリ猫から距離を取った。そのしたり顔に苛立ち、猫の口から舌打ちが漏れ出る。
「いひひ、準備万端です」
ですロリ蛇の周りの紫色の煙が、大きな渦になっていく。渦に飲まれた花が萎れ、虫は朽ち、木々は枯れ果てていく。
「…くそ!」
のじゃロリ猫は咄嗟に倒した大木を持ち上げ、その渦を吹き飛ばした。
「ぬぬぬぬ!」
ですロリ蛇が渦と共に吹き飛ばされまいと、地面に両手足を突き刺して踏みとどまる。
「オラオラオラオラ!」
のじゃロリ猫の手が緩められる事はなかった。
「がぁぁぁぁぁぁぁぁ」
遂にですロリ蛇が吹き飛ばされた。
「オラオラオラ……オラァ!!!」
止めの一撃とばかりに大木をですロリ蛇に投げつける。
「ぐわばああああああ!!!」
見事大木はクリーンヒット。ですロリ蛇に命中し、遥か彼方まで吹っ飛ばしたのだった。
「ふぅ~こんなもんか。さて、愛歩の元に戻るとするかの」
のじゃロリ猫が大木に蹴りをいれる。
が、大木が倒れる前にですロリ蛇は木から飛び降りた。
「ちッ!」
ですロリ蛇は大きくジャンプし、のじゃロリ猫から距離を取った。そのしたり顔に苛立ち、猫の口から舌打ちが漏れ出る。
「いひひ、準備万端です」
ですロリ蛇の周りの紫色の煙が、大きな渦になっていく。渦に飲まれた花が萎れ、虫は朽ち、木々は枯れ果てていく。
「…くそ!」
のじゃロリ猫は咄嗟に倒した大木を持ち上げ、その渦を吹き飛ばした。
「ぬぬぬぬ!」
ですロリ蛇が渦と共に吹き飛ばされまいと、地面に両手足を突き刺して踏みとどまる。
「オラオラオラオラ!」
のじゃロリ猫の手が緩められる事はなかった。
「がぁぁぁぁぁぁぁぁ」
遂にですロリ蛇が吹き飛ばされた。
「オラオラオラ……オラァ!!!」
止めの一撃とばかりに大木をですロリ蛇に投げつける。
「ぐわばああああああ!!!」
見事大木はクリーンヒット。ですロリ蛇に命中し、遥か彼方まで吹っ飛ばしたのだった。
「ふぅ~こんなもんか。さて、愛歩の元に戻るとするかの」
愛歩は皆のいる場所に向かっていた。
「きょ、今日は……何でこんなに…疲れるの」
心臓と三半規管が根をあげ、愛歩は立ち止まってしまった。
ハアハアと荒い息を上げる愛歩に不気味な影が迫っていた。
「きょ、今日は……何でこんなに…疲れるの」
心臓と三半規管が根をあげ、愛歩は立ち止まってしまった。
ハアハアと荒い息を上げる愛歩に不気味な影が迫っていた。
「おらぁ!」
「ぎゃぁぁぁぁぁ!」
「タコスッ!」
草むらから飛び出してきた何者かにビビってひっぱたく愛歩。
ちょっと驚かせてやろうと思ってひっぱたかれたのじゃロリ猫。
「み、見事じゃ。大石愛歩…」
「え?え?ごめん……!って!黒猫さん?!黒猫さんなの?!」
大きなこぶを作ったのじゃロリ猫が、頭を擦りながら答える。
「うんまあ、そうじゃ」
愛歩はぽかーんとしながら黒猫さんだった少女の頭から爪先までを眺めた。
背は愛歩より高く、肌は真っ白。
肌とは対照的に真っ黒でパーマのかかった髪。
頭の上にはちょこんと乗った猫耳、お尻には二股の尻尾が顔を覗かせている。
赤い瞳が不気味に輝いて見える。
猫が人間になるなんて……
「か…」
愛歩は少女の顔を両手で挟み、はしゃいだ。
「格好いい~~~!」
「どうなってるのそれ!名前は何て言うの!好きな食べ物は!どこで暮らしてるの!」
「ちょ、ちょっと待たんかい」
マシンガンのように喋り飛ばす愛歩に、猫耳少女の方がタジタジになったのだった。
「ぎゃぁぁぁぁぁ!」
「タコスッ!」
草むらから飛び出してきた何者かにビビってひっぱたく愛歩。
ちょっと驚かせてやろうと思ってひっぱたかれたのじゃロリ猫。
「み、見事じゃ。大石愛歩…」
「え?え?ごめん……!って!黒猫さん?!黒猫さんなの?!」
大きなこぶを作ったのじゃロリ猫が、頭を擦りながら答える。
「うんまあ、そうじゃ」
愛歩はぽかーんとしながら黒猫さんだった少女の頭から爪先までを眺めた。
背は愛歩より高く、肌は真っ白。
肌とは対照的に真っ黒でパーマのかかった髪。
頭の上にはちょこんと乗った猫耳、お尻には二股の尻尾が顔を覗かせている。
赤い瞳が不気味に輝いて見える。
猫が人間になるなんて……
「か…」
愛歩は少女の顔を両手で挟み、はしゃいだ。
「格好いい~~~!」
「どうなってるのそれ!名前は何て言うの!好きな食べ物は!どこで暮らしてるの!」
「ちょ、ちょっと待たんかい」
マシンガンのように喋り飛ばす愛歩に、猫耳少女の方がタジタジになったのだった。
「そっかぁ、のじゃロリ猫ちゃんって言うんだ」
「そうじゃ、わしはのじゃロリ猫じゃ」
のじゃロリ猫は怖がらせようとするようにニヤリと笑った。
「可愛い名前だね~!」
「そ、そうかの?」
名前を褒められて嬉しいのか、のじゃロリ猫の尻尾が揺れる。
(やれやれじゃ、全く母親と似ておらんの)
のじゃロリ猫は人間の少女を見つめる。
紺色の長い髪を結いあげ、紺色の瞳で世界を見上げる少女。
(いや、似ていない事はない……か)
キラキラした瞳でこちらを見つめる少女。
彼女も最初はこんな顔をしていた気がする。
ここまで積極的では無かったが、希望に満ちた目をしていた気がする。もっとよく覚えておけばよかったかとのじゃロリ猫は思った。
「ん?」
空気が異常な響きを見せた。物凄い勢いで、何かがこちらに近づいてくる……
「わ!」
咄嗟に少女を抱えて避けた。
直後、ドォォォォォンと凄い音が聞こえ、辺りに砂埃が舞う。
「あぁ~!外れたのです」
「なんじゃ、お前か」
砂埃が消えると、血だらけになったですロリ蛇が出てきたのだった。
「やれやれじゃ、彼方まで吹っ飛ばしたつもりだったんじゃがの」
「はッ!耄碌でもしたのですか?」
「言いよるのぉ」
のじゃロリ猫は愛歩を下におろし、耳打ちした。
「え、でもそれって意味ないんじゃ?」
「大丈夫じゃ、わしにはお主の符号はきかん。何故ならのじゃロリ猫じゃからな」
疑わしげな目の愛歩に、のじゃロリ猫はウインクした。
「そうじゃ、わしはのじゃロリ猫じゃ」
のじゃロリ猫は怖がらせようとするようにニヤリと笑った。
「可愛い名前だね~!」
「そ、そうかの?」
名前を褒められて嬉しいのか、のじゃロリ猫の尻尾が揺れる。
(やれやれじゃ、全く母親と似ておらんの)
のじゃロリ猫は人間の少女を見つめる。
紺色の長い髪を結いあげ、紺色の瞳で世界を見上げる少女。
(いや、似ていない事はない……か)
キラキラした瞳でこちらを見つめる少女。
彼女も最初はこんな顔をしていた気がする。
ここまで積極的では無かったが、希望に満ちた目をしていた気がする。もっとよく覚えておけばよかったかとのじゃロリ猫は思った。
「ん?」
空気が異常な響きを見せた。物凄い勢いで、何かがこちらに近づいてくる……
「わ!」
咄嗟に少女を抱えて避けた。
直後、ドォォォォォンと凄い音が聞こえ、辺りに砂埃が舞う。
「あぁ~!外れたのです」
「なんじゃ、お前か」
砂埃が消えると、血だらけになったですロリ蛇が出てきたのだった。
「やれやれじゃ、彼方まで吹っ飛ばしたつもりだったんじゃがの」
「はッ!耄碌でもしたのですか?」
「言いよるのぉ」
のじゃロリ猫は愛歩を下におろし、耳打ちした。
「え、でもそれって意味ないんじゃ?」
「大丈夫じゃ、わしにはお主の符号はきかん。何故ならのじゃロリ猫じゃからな」
疑わしげな目の愛歩に、のじゃロリ猫はウインクした。
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