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創作女児小学生ズ@wiki

廃ラボと言の葉

最終更新:2021年03月08日 00:20

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更新日:2021/03/08 Mon 00:20:00

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ホイップクリームが大量にかけられた麻婆豆腐……。
アルタイルはそれを掻き込んでいた。
食べると身体が回復する。いや、再生速度が速くなる。
息もつかさずに食べ終わると、直ぐにおかわりを要求した。

「ご馳走さまでした、美味しかったわ、星子ちゃん」

「あ、リープさん!紅茶でもどうですか?丁度いい茶葉が手にはいったんですよ」

星子の言葉に、リープは首をふる。

「名残惜しいけど、もう行かなきゃ……まだ二つも残っているし」

「マルチバース管理って大変そうだネ」

デネブの言葉に苦笑しつつ、アルタイルに向けていう。

「あたしはもう行くけど、あんたも気をつけなさいよ」

「ええ、分かってるわ」

麻婆豆腐を口に運ぶ手前で、アルタイルは言った。その脳裏に、白髪の少女と青髪の少女の姿が、一瞬浮かぶ。

「油断しないわ、勝てるわよ。……今度は……」

リープは何か疑問に思ったようだが、特に何も言わずに、手の中のピンク色の宝石を弾き、ピンクのモノリスを作ると、また別の次元に移動していった。

「あたしもそろそろ行かないとね」

アルタイルはスプーンを置くと、そう呟いた。

「あ、イル姉さん。もう行くんですか?」

「ええ、のんびりしてはいられないから」

アルタイルは黄色の宝石を取り出し、弾こうとし、星子に伝えなくては行けないことを思い出して、顔を上げた。

「そうだ星子、あなたの弱点を教えておかないとね」

「弱点?」

アルタイルは星子の腹を指差した。

「リビング・スイーツには『コア』と言う物があるの。どの個体にも、例外無くね。あなたの場合はお腹にある」

実感が湧かないのか、キョトンとしながら、星子は自分の腹を擦る。

「もし、あたしがいない時に敵が来たら……脳や心臓よりコアを優先して守りなさい」

「!」

敵という言葉に、星子は表情を固くする。

「念のためよ」

アルタイルは星子の表情を見て、もう一度言った。
脳裏にむらサメと呼ばれていた少女や、その仲間の顔が思い浮かぶ。
特に青い髪の少女。あの表情、あの言動、嫌な胸騒ぎがするのだ。

「そんなに緊張しないで、もし敵が来たとしても、先ずは喫茶店から襲う筈よ。一番目立つから」

「確かにそうだネ」

デネブがおかしそうに相槌を打つ。

「一番強いマンマがいる場所なのにネ」

「マンマ?」

デネブの言葉に、きょとんとする星子。
アルタイルはふっと笑って、肩を叩いた。

「そういえば、まだ会った事なかったわね。まあ、いつか会えるでしょ。これが終わってからだろうけど」

アルタイルが宝石を弾くと、その宝石が空中でクルクルとゆっくり回り、黄色のモノリスを作り出した。
星子の応援を耳にしながら、次の次元へと移動するのだった。

『次は音翼の町~音翼の町です~自我の消失にご注意を~』



排気ガス、いや、何かの実験に使われたのだろう有毒なガスが充満した部屋に出た。
部屋、そして施設全体に人気はなく、至るところにあるパソコンや研究道具らしき物は埃を被っており、ここが既に無人であることを証明している。

「うヘ、酷い匂いだネ。」

「そうね……」

アルタイルとデネブは顔をしかめる。二人とも人間ではない為、この場所にいても平気だが、あまりいい気分はしなかった。

「看板に何か書いてあるヨ、えっと『P.D.ラボ』だっテ?」

「何か……酷い実験をしていたようね。」

アルタイルは不愉快に思いながら呟く。

「この次元のこの場所に出たって事は、この近くに『マグナ・ゲートの秘宝』があるって事よね?とてもそうは思えないけど。」

「もしかしたラ、何か激しい戦いでもあっテ、ここに転がり込んで来たのかもヨ、一回施設を全部見テ、探してみよウ。」

アルタイルは頷き、『マグナゲートの秘宝』を探しに、薄気味悪いラボを探索しはじめるのだった。



「……これかしら。」

アルタイルの足元に転がる、マゼンダカラーの宝玉。

「形的にはこれだネ。」

デネブがアルタイルの上から飛び降り、宝玉に触れる。

「多分これだヨ、力を感じるノ。他の石には無い凄い力……」

デネブの言葉を聞き、アルタイルは宝石を手に取り、首をかしげる。

「あたしは何も感じないわよ?」

「あたいは感じるノ!なんたってマンマの子供だからネ!そんじょそこらの妖怪よりも強いんだかラ。」

「あ~はいはい。」

得意気に無い胸を反らして自慢する相棒に適当に相槌を打ち、アルタイルは戻りの宝石を取り出そうとした。

「おーーーーーーーーーーーーーい」

何か、何かが呼ぶ声が聞こえる。
懐かしい、誰かの声。誰の声だ?

「おーーーーーーーーーーーーーい」

アルタイルは辺りを見渡した。
何もいない。それは当たり前の事なのに、何故か不安になる。
もう一度、落ち着き無く辺りを見渡し、床にいた相棒を抱え上げ、聞いてみる。

「デネブ、何か聞こえた?」

「エ?なんの事なノ?」

自分にしか聞こえないのか、アルタイルはもう一度耳をすましてみる。

「おーーーーーーい、アルタイルーーーーーーーーーーーー!!!!」

「ぁ…」

アルタイルは思い出した。この人間の声を。人間達の声を。

「ドウしたんでスカ?こっちニ来て下さい。」

「な、な、ナ、ナニカ心配事で、で、デモあるのかい?」

「アルタイルちゃん、コッチニイラッシャイ。」

はらわたを飛び出させた緑髪の男。ひび割れた頭蓋骨から脳味噌を垂れ流している、髪の長い男。優しい顔をした女性。右足と左手が無い。

「ぁぁあ………!!!」

「おいイル!ナンだよ辛気臭い顔しヤガッて!」

「イルさん、早くキテ下さい!ボクたちはアナタヲ待っていたンデすよ。」

左の目玉を垂らした橙色の髪の少女、身体の半分が抉られた猫顔の少年。

「イル、君はオレの最高傑作だよ。きっと君のチチウエとハハウエもそう思ってる。」

心臓があるべき場所にぽっかりと風穴をあけられた、赤毛に眼鏡をかけた痩せぎすな男。

「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

アルタイルはパニックを起こし、絶叫し、炎の柱を上げて宙に逃げた。

「ほわァ、ちョ?!」

デネブが驚きの声を上げるが、構ってはいられない。
アルタイルは古びたラボの天井の一部を焼き払い、外に飛び出し、地面すれすれを飛翔した。
どことも分からぬ場所を、ひたすら飛び続ける。
それ程までに取り乱していた。

「落ち着くのヨ!アルタイル!落ち着きなさいっテ!」

胸の辺りで何か声がしたが、考えられない。
アルタイルは本能が許すまま、滅茶苦茶に飛び回っていた。

「もウ……仕方ないなァ!」

デネブは呟き、呪文を叫ぶ。
どこかの水道管が音を立てて割れ、そこから吹き出した水が、アルタイルの顔にぶつけられた。

「ギッ!」

大嫌いな水をかけられた事によって、アルタイルはようやく我れに帰る。
近くにあった空き地に着陸した。

「ありがとう、デネブ。」

深い溜め息をつきながら謝罪する相棒の姿に、ようやくデネブは安心するのだった。
アルタイルの肩に移動し、相棒の顔を覗き込む。
と、相棒が口を開いた。

「所で、さっきのはなんだったのかしら?本当にあんたは何も見えなかったの?」

「妖気は感じたヨ、そんなに強くなかったけド……アルタイル、何を見たノ?」

アルタイルはうつむきながら答え始める。

「成る程ねェ。それで、怖くなって飛び出しちゃったって訳ダ。」

デネブはふんふんと聞きながら、赤色の半透明の腕を作って、慰めるようにアルタイルの頭を撫でる。
アルタイルはデネブの手を振り払った。

「や、やめて。子供じゃない!」

「そんな事言ってもねぇ……」

デネブは複雑そうな顔をしている。
アルタイルが反論しようとしたその時……。

「おーーーーーーーーーーーーーい!」

「……またか?!」

アルタイルは身構える。さっきの事があった為、今回は十分に警戒していた。
掌を前に突きだし、どこから敵が来ても対処できるようにする。

「うわ……」

現れた"もの"を見て、アルタイルは少しゾッとした。
乱れた髪を振り乱す巨大な頭、焦点がまるで合っていない目、電柱のような長細い身体、黒く不気味な無数の触手。一般人なら直視出来ない程の恐ろしい容姿をした妖怪だった。

「デネブ、見える?スキャン、出来る?」

「見えル、見えるヨ。スキャンするヨ。」

今度はデネブにも見えていたようで、目を輝かせながら宙に浮く。

「オーイ小僧。妖怪の類。幻術を見せ獲物を錯乱。弱った所を捕食。」

「幻術と分かっていれば……」

どうという事も無い、と、アルタイルは言おうとした。
しかしその瞬間、その妖怪がある人物に変化した。

「え……?」

「……久しぶりだな、アルタイル。」

アルタイルと同じような翼を持った、赤い鳥のような怪人。
フェニックス。彼女の父だ。

「何故、お前はいなくなった。」

フェニックスの言葉は、彼女が覚えていたそれと全く同じであり、フェニックスの仕草は、彼女が覚えていた物と同じ仕草だった。

「お前がいなくなったせいで、アクエリアスは悲しんでいる……」

フェニックスは首をふり、アルタイルが"もっとも恐れていた言葉"をその口から吐き捨てた。

「お前は失敗だ。欠陥品だ。二度と俺達の元へ顔を見せるな。」

「ッッ!」

アルタイルの手が震える。攻撃しようとしても、出来ない。
フェニックスの身体が歪み、違う人物になった。

「母上……」

現れた人物を見て、アルタイルは思わず手を下げてしまった。

「どうして私の手から逃げてしまったの。」

アルタイルの母親、アクエリアスは、涙を流しながらそう言った。

「私が望まなければ、貴方は生まれなかった……ごみ袋に入れられ、焼却炉で焼かれていただけの、ただの死体だったくせに……」

「あ、アルタイル?」

デネブが呟く。
アクエリアスが近づいてくる。
アルタイルの脳内でも、分かっていた。動かなければいけない。脳内で鳴り響く、強烈な危険信号。それでもアルタイルは動けなかった。

「ドウシテアタシカラニゲルノヨ?」

母親の剣幕に圧倒され、思わず後退りした瞬間、母の顔が崩れ、焦点の合っていない目をした、電柱のような長細い身体の妖怪が目の前に立っていた。黒く不気味な無数の触手が、アルタイルの首に絡み付き、締め上げる。

「ウッ……ウァ……」

アルタイルは苦悶の声を上げた。
まだ身体は動かない。
父の言葉、母の表情。自分は何のために生まれてきたのか?母を悲しませた自分は、欠陥なのだろうか?

「ッ……!……ッ!」

身体から力が抜けた。目が霞んで来る。目がゆっくりと、ゆっくりと閉じる……。

「化け物よ、いなくなれ!」

力強い声が、どこからか聞こえてきた。
妖怪は一瞬顔を歪ませると、どこかに吹っ飛ばされてしまう。
アルタイルは地面に倒れ込んだ。
精神と肉体の二つの疲労のせいで、シードゥス形態から人間態に戻る。

「ゲホ、ゴホ……」

息を詰まらせ、苦しんでいるアルタイルに、温もりと声がふりかかった。

「大丈夫ですか?」

現れたのは、マイクを持った少女だった。マイクを持っていない方の手で、アルタイルの背中を擦っている。

「私は音羽初です。あの、立てますか?」

白色のメッシュの入った髪の、金色の瞳の少女の手を借り、アルタイルは立ち上がったのだった。



「悪かったわね。助かったわ。」

アルタイルは、何事もなかったかのように振る舞って、現れた少女、初に言う。

「本当に、大丈夫ですか?」

初は納得していないようだ。

「ええ、大丈夫よ。本当に。」

アルタイルは頑として譲らなかった。

「本当かなァ。」

「あんたは黙っててよ。」

「化け猫さん?」

アルタイルの頭の上から飛び出たデネブに、初は反応を示した。

「化け猫?違うヨ!あたいはカタカナロリ細胞!偉大なマンマの娘だよウ!」

「あ、そ、そうなんだ。何だろう、化け猫さんの"アナザー"なのかな。」

「音羽さ……ヒッ!」

その場にまた違う人物がやって来た。
青い髪をポニーテールにした少女。前髪を伸ばしており、目元は見えない。髪の毛はボサボサで痩せ細っており、どこか不安定さを感じる。
どうやら、デネブを見て、怯えているらしい。

「あ、愛歩さん。久しぶり。なにか用?」

「……人外……!」

「!」

アルタイルは身構えた。この少女、あいつだ。あの時、むらサメと一緒にいた女だ。油断ならない。
しかし、この少女は、この前見た少女と何かが違っていた。雰囲気も態度も、明らかに違う。
酷く震え、顔面蒼白。酷いものを見たかのような怯えた表情。
そんな愛歩の様子を見て、初は言った。

「……すみません。そろそろ行きます。気を付けてくださいね。」

「え、ええありがとう……?」

小刻みに震え、必要以上に怯える愛歩に付き添い、音羽初は去っていった。

「ふぅ、わしが出る暇もなかったわ。」

代わりに物陰から現れたのは、一匹の黒い猫ーーーーのような少女、のじゃロリ猫だった。

「マンマー!」

「わっぷ!」

その姿を認めたカタカナロリ細胞が、のじゃロリ猫の顔に張りつく。

「ちょ、やめい!わしはマンマじゃないぞ!」

「えエ?」

顔面にへばりついたデネブ事カタカナロリ細胞を引き剥がし、匂いをかぎ、アルタイルの周りをぐるりと回ったのじゃロリ猫は、合点がいったような顔をし、にやりとした。

「ふむふむ、お主ら、この世界のものでは無いな。成る程成る程『第四の壁』か。」

のじゃロリ猫は突然空を見上げ、腕をふりながら声を張り上げた。

「お~い!そこの!そこの異界の者よ!見ておるんじゃろ?ちょいとそこの下の、『続きを読む』を押してくれんか?」

+ 『続きを読む』


「クク……!引っかかったのう!カッカッカ!」

ゲラゲラとおかしそうに爆笑するのじゃロリ猫を、アルタイルは奇妙なものを見る目付きで見た。
のじゃロリ猫はようやく笑いを収めると、改めてアルタイルに向き直った。

「ふう、面白いものを見させてもらったわ、アルタイルと言ったかのう?感謝するぞ。」

「え、ええ……」

「じゃ、わしももう行くから、お主らも頑張るのじゃぞ。異次元の者よ。」

そう言って、この次元にいるのじゃロリ猫は去っていた。

「何だったのかしら?」

「さア?でもマンマはどの次元でもマンマだったねェ。」

アルタイルとデネブは呆気に取られながら少しだけその場に立ち尽くすのだった。
暫くそうして、ふとやることを思い出し、アルタイルは戻りの宝石を手に取った。

「オウマがトキに戻れ!」

そう叫ぶと、一瞬身体が引っ張られるような感覚を感じた後、辺りの様子が一変した。虹色の雲のような空間。
次元の狭間だ。
誰でもなくて、誰かのような声が聞こえる。

『次は~オウマがトキ、オウマがトキです。魂までお忘れにならないよう、ご注意を』




愛歩は、同級生の音羽初と歩いていた。
身体の震えは止まったものの、まだ心臓がバクバクと鳴っている。

「大丈夫?愛歩さん。」

「え、あ、はい……」

今日は愛歩にとってついていない一日だった。
部屋に引きこもるようになって数ヵ月。
何故か変な気を起こして、外に散歩に出かけたのがそもそも間違っていた。
同級生の音羽を見つけ、何となく懐かしくなって声をかけたのも間違いだ。
音羽と一緒にいたスライム……そして女。
その女の顔を見て、愛歩は途方もない恐怖を感じた。
色々な怪異に襲われた記憶がフラッシュバックする。
怖い。早く、安全な家に帰らなければ……。
愛歩の気持ちを察してくれたのか、音羽初は、家に帰るまでずっと寄り添ってくれた。

「ぁ……ありがとう。」

家の玄関の前で、愛歩は風が吹けば聞こえなくなりそうな程小さな声でお礼を言った。

「別にいいよ」

音羽初は、にこりと微笑んで続けた。

「その……むらサメちゃんやきゅーばんちゃん、隣のクラスの龍香ちゃんも、心配してたから、落ち着いたら学校に来てよ。危ない目になんて、合わせない。皆で守るから。」

愛歩は、その眩しすぎる笑顔に、思わず目を細めた。

「ありがとう、いつか、ね……」

愛歩はそう言って、ドアを閉めた。
玄関の外で、初が去っていく音。
愛歩はドアノブを握りしめて、それを聞いていた。
初は優しい。そして勇敢で、強い。その優しさが、勇敢さが、強さが、ますます愛歩を惨めにさせた。
愛歩には初のような強さは無かった。
愛歩の言葉には、何もなかった。
例えば愛歩が初と同じ事を言っても、言葉の"重さ"は違うだろう。
分かっている。どんなに良い言葉を纏っても、結局は薄っぺらい愛歩のままだ。

「うぅ……」

ドアノブを握りしめながら、愛歩は泣いた。



「あー!イル姉さん!お帰りなさい!」

「……ただいま」

アルタイルは、ついさっき取り乱していた事など微塵も感じさせない態度で、星子に接した。
赤毛をすきながらキッチンを見ると、既にリープは戻ってきていた。
鳳有葉と言う子供から譲り受けたと言うシアン色の宝玉が、机の上に置かれている。
アルタイルは机の上に置いてある『マグナ・ゲートの秘宝』を確認した。 このドリーメアにある宝玉は四つ。
アルタイルが持ってきた白とマゼンタ、リープが回収した黒とシアン。
誰に言うでもなく、そう呟いた。

「あと二つ……か」

アイスの乗ったパンケーキに大量のデスソースをかけた代物を、アルタイルは食べていた。

「所で、その……なんでしたっけ、俺たちが止めようとしている、マグナ……じゃなくてえっと……」

星子の言葉に、リープは飲んでいたコーヒーのカップを置いた。

「それは『ヘブンズ・ゲート』の事ね……」

リープは背筋を正す。

「この宇宙はマルチ・バース……多元宇宙と言う構造をしているの。色々なバース……次元がある」

難しい事柄のようで、リープは考えながら、続きを言った。

「例えば、キッチンがあるとする。冷蔵庫、レンジ、炊飯器、全て違うものだけど、全て料理する為にある、調理器具と言う事は一緒でしょう?このキッチンを、『女児符号』と言う理念が存在する宇宙に置き換えてみる」

リープが机の上にある珠を指差した。

「キッチンは、大時空。バースが集まるエネルギー原の事。太陽系と呼ばれる場所における太陽のような存在。調理器具はそれぞれの時空、バース。例えば、お天気ズと言う存在がいる世界、覚声機と呼ばれるものが存在する世界。ソルブレイリオンと言うものが存在する世界……」

星子は何とか理解しようとしながら聞いた。

「今度はお風呂に例えてみよう。お風呂には何がある?シャワー、石鹸、浴槽……これを大時空と次元に例えると、お風呂が大時空。シャワーや石鹸、浴槽が時空。普段の生活で考えて、浴槽に冷蔵庫を入れる事なんて、そう無いわよね。浴槽の床が壊れるかもしれないし、冷蔵庫なんて絶対壊れるから。それを起こすのが『ヘブンズ・ゲート』よ」

「ええっと……?」

星子は受け入れようと頭を回すが、とっぴすぎてついていけない。
その星子の様子を見て、アルタイルは口を開いた。

「戻りの宝石は設定した次元のポイントに戻ってこれる石」

戻りの宝石を手にとって、言う。
星子が頷くと、今度は違う石を持つ。

「マグナ・ゲートの模造品は、次元と次元に干渉できる石。この石は砕ける。"砕こう"と言う石に呼応して、簡単に割れる」

次に、テーブルに置かれている宝玉を指差した。

「マグナ・ゲートの秘宝は次元だけではなく、大時空にも干渉できる。そして絶対に壊せない。だから特別なの」

リープが続きを言う。

「この時空で一度『ヘブンズ・ゲート』が開いた事がある。開けたのは『アナザーのじゃロリ猫』の一人、ぞよロリ蛸と言う邪悪。その時はのじゃロリ猫を筆頭に、人間達やリビング・スイーツが協力して開いてしまった『ヘブンズ・ゲート』を閉じる事が出来た。……一人の尊い犠牲が出たけれど」

リープは歯軋りし、拳を握り、力を込めた。

「今回は誰も死なせない。『ヘブンズ・ゲート』も開かせない」

「……」

アルタイルは何を考えているかよく分からないような顔でリープを見つめ、星子は二人の説明を理解しようしており、デネブは自分の同族の話が出たからか、罰が悪そうにしていた。



「~♪~♪」

所かわり、オウマがトキではないどこか。
赤毛に青い瞳の、まだ小学生にもなっていないような幼女が、鼻唄を歌いながらボールをついていた。
遠目に見れば手鞠のようだと思うだろう。

「ここにいたの、モノノベ」

ふってきた声にモノノベと呼ばれた赤毛の幼女が顔を上げる。
そこには黒いローブで全身を被った少女らしき者がいる。

「あら、もう行く時間?」

頭にある黒いリボンを触りながら、モノノベが言う。

「そうよ」

モノノベの問いに、ローブの少女は短く答えると、パチパチと光る石を取り出した。
少女がそれを弾くと、石がくるくると周りだし、空中で紫色のモノリスになった。

「今度はどんな面白いものが見れるのかなぁ」

モノノベは呟き、手鞠にしていた物体を乱雑に投げる。
近くにあった鏡に当たり、鏡が割れる。

「死体で遊ぶと、バチが当たるわよ」

ローブの少女が警告する。モノノベが手鞠にしていたものは、人間の頭蓋骨だった。

「罰なんて信じてないくせに」

モノノベはふんと鼻であしらう。

「じゃ、行こうか。鐘明墨亜ちゃん?」

モノノベが手を差し出す。鐘明と呼ばれた少女は、その手を取る。
直後、二人の人物は紫のモノリスに衝突していた。

『次は~龍の眠る星~龍の眠る星です~』

「さあ」

鐘明が呟く。

「最高のショーを始めよう!」

モノノベは邪悪に笑う。

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