【初出】
XVIII巻(名称はXIX巻)
【解説】
“
紅世の王”。
真名は“翻移の面紗”(ほんいのめんさ)。
炎の色は浅緑色。
[
仮装舞踏会]の一員で、兵科は
捜索猟兵。
人型の仮面を付けた巨大な豹の姿で
顕現している。
かぶった仮面を増殖させ、同時に舞い散る火の粉で敵を幻惑する
幻術の
自在法『
サイクル』を使用していた。
現代の
フレイムヘイズ陣営との戦争では、中国中南部で勃発した[仮装舞踏会]と
フレイムヘイズ兵団との戦闘にて、『
星黎殿』直衛軍予備兵力の部隊長の任を受け持った。
しかし、戦線に投入される直前、部隊直上にあった『星黎殿』の墜落という事態が起こり、
デカラビアの加速の自在法などの援護も受けてすぐさま離脱して回避はするも、部隊の損害は大きく、残存兵は当初の三割弱でしかなかった。
その責任を取って、デカラビアに己の処断を願ったが、決定的な戦機に投じようとしていた部隊の指揮官を務めるほどの“王”であるオセを、戦わせもせずに処断するようなことは考えられない状況であり、デカラビアは責任を戦場にて購うよう命じ、オセは指揮官として戦場での挽回を許されたことに歓喜した。
その後、デカラビアから受けた最後の命令として、『犀渠の護り手』
ザムエル・デマンティウスが『星黎殿』に向けて築いた橋梁の先端部で待ち伏せて敵軍の突撃を押しとどめる任務に勇んで参戦した。
御崎市決戦では、
バルマと共に南方の守備を担当した。
神器“
ゾリャー”による突破を仕掛けてきた
シャナ達を『サイクル』で幻惑・包囲するが、シャナの『
審判』によって本体を見抜かれ、『
断罪』で幻術もろとも半身を吹き飛ばされてしまったが生き残った。
その後は、シュドナイに後方で陣を固めて体制を整えなおす様にと命じられ、バルマと共に外周統括の責任者となった。
それを不服として
マモンに創造神の身許での戦いを願うが、本来の命令に身命を賭すよう諭され却下された。
やがて、新世界『
無何有鏡』創造によって任務終了となり、『
真宰社』の神殿に引き揚げた後、バルマらその他の将兵達と共に『
天梯』を通って新世界へ旅立った。
【由来・元ネタ】
ソロモン72柱の悪魔、オセ(Ose)。 序列57番。大きく優美な豹の姿の悪魔。その瞳は緑色に赤のまだらが入っている。人を望む姿に変えたり、幻覚をもたらしたり、発狂させる力を持ち、隠された物事を暴く能力があるという。
凶暴なため、呪文で従属させなければ、召喚者が喰い殺される可能性があるらしい。
「翻」は風に吹かれてひるがえる、高く舞い上がる、ひっくり返す等の意味がある。「移」は場所が変わる、うつすことを意味する。「面」はこの場合、仮面や顔を覆う物であろう。「紗」は薄くて粗い絹織物の一種「うすぎぬ」である。また、「面紗(めんしゃ)」とは、一般的な言葉にすればベールのことである。
真名全体で、「風に翻りところを定めない、顔を覆ううすぎぬ」という意味だと思われる。
風を受けた布のように相手の力を受け流し、カウンターを繰り出すタイプなのかもしれない。
最終更新:2025年04月07日 17:53