決定版 スーパーヒーロー ベスト100超百科 巨大ヒーロー編

ジャンル 混載
出版社 講談社
シリーズレーベル テレビマガジンデラックス 超百科シリーズ
通巻No. 177
サイズ A4変形
発売年月 2007年5月
ポイント ページ数が増えて、よりマニアックな視点から各作品を解説
大半の円谷作品は大人の事情から人物スチールなし
なぜかコセイドンや銀河大戦まで巨大ヒーロー扱い
超百科シリーズ


概要

古くは『ゴジラ』、そして新しくは放送終了直後の『ウルトラマンメビウス』まで、50年以上にわたる歴代特撮ヒーローの中から、(巨大メカ作品も含めた)巨大ヒーローにスポットを当て、その中から100のヒーロー・メカ・怪獣を紹介した1冊
ウルトラ・ライダー・戦隊以外の作品も含めて、特撮作品全体を総体的に取り上げる超百科としては、1999年発売の『スーパーヒーロー100超百科』以来、実に8年ぶりとなった。
当時、ウルトラ・ライダー・戦隊の3シリーズを120Pのボリュームで扱った超百科が発売されており、本作はそれらのシリーズに含まれない作品をメインとして、120Pの同ボリュームで扱っている
そのためか、すでに単独の超百科が発売されたウルトラシリーズは、基本的に軽めの紹介となっているが、それでも主要どころのヒーローはしっかり全員*1取り上げられており、アニメ作品の『ザ★ウルトラマン』および『ウルトラマンUSA』ももちろん紹介されている。
かつての『スーパーヒーロー超百科』と同じく、表紙こそ初代ウルトラマンがセンターを飾っているものの、実際のトップを飾っているのはミラーマンである
同シリーズの続刊として、同様の体裁で等身大ヒーローを扱った『アクションヒーロー編』も発売されている。

紹介作品(登場ヒーロー)一覧

本書の構成は、ヒーローの属性ごとに分類されており、以下の構成となっている。
この手の書籍および、雑誌記事によくありがちなパターンとして、主役ヒーローのみが取り上げられ、サブヒーロー・ヒロインはカウントされないパターンが多いが、本書では可能な限りサブヒーロー・ヒロイン・一部の巨大ロボも別枠カウントで取り上げられている。
コーナー名 No. ヒーロー名 作品名 備考
異世界からきた巨大な戦士 1 ミラーマン ミラーマン
2 ミラーマン リフレックス ミラーマン REFLEX
3 ファイヤーマン ファイヤーマン
巨大ロボヒーロー 4 ジャイアント ロボ ジャイアントロボ モノクロスチールで紹介
5 大鉄人ワンセブン 大鉄人17
6 ワンエイト
7 ジャンボーグA ジャンボーグA エメラルド星人も紹介
8 ジャンボーグ9
9 ジェット・ジャガー ゴジラ対メガロ
10 レッドバロン スーパーロボット レッドバロン
11 マッハバロン スーパーロボット マッハバロン
宇宙からきた巨大ヒーロー 12 スペクトルマン スペクトルマン
13 レッドマン レッドマン
14 ゴッドマン 行け!ゴッドマン
15 ヒューマン 突撃!ヒューマン!!
16 ヒューマン2号 モノクロスチールで紹介
17 アンドロメロス アンドロメロス
18 アンドロウルフ
19 アンドロマルス
20 アンドロフロル
21 ゾーンファイター 流星人間ゾーン
22 ゾーンエンジェル
23 ゾーンジュニア
24 サンダーマスク サンダーマスク
怪獣ヒーロー 25 ゴジラ ゴジラシリーズ
巨大メカヒーロー 26 マイティ号 マイティジャック
戦え!マイティジャック
27 ボーンフリー号 恐竜探険隊ボーンフリー
28 アイゼンボーグ号 恐竜大戦争アイゼンボーグ
29 アイゼンボー
30 人間大砲コセイダー 恐竜戦隊コセイドン
31 タイム戦士コセイダー
32 バッカスⅢ世 スターウルフ
33 キャプテン・ウルトラ キャプテン ウルトラ
34 まぼろし 宇宙からのメッセージ 銀河大戦
35 流れ星
ウルトラヒーロー 36 ウルトラマン ウルトラマン
37 ゾフィー
38 ウルトラセブン ウルトラセブン
39 セブン上司
40 ウルトラマンジャック 帰ってきたウルトラマン
41 ウルトラマンエース ウルトラマンA
42 ウルトラの父
43 ウルトラマンタロウ ウルトラマンタロウ
44 ウルトラの母
45 ウルトラマンレオ ウルトラマンレオ
46 アストラ
47 ウルトラマンキング
48 ウルトラマンジョーニアス ザ★ウルトラマン
49 エレク
50 ロト
51 アミア
52 ウルトラマンスコット ウルトラマンUSA
53 ウルトラウーマンベス
54 ウルトラマンチャック
55 ウルトラマン80 ウルトラマン80
56 ユリアン
57 ウルトラマングレート ウルトラマンG
58 ウルトラマンパワード ウルトラマンパワード
59 ウルトラマンネオス ウルトラマンネオス
60 ウルトラセブン21
61 ウルトラマンゼアス ウルトラマンゼアス
62 ウルトラマンティガ ウルトラマンティガ
63 ウルトラマンダイナ ウルトラマンダイナ
64 ウルトラマンガイア ウルトラマンガイア
65 ウルトラマンアグル
66 ウルトラマンナイス ウルトラマンナイス
67 ウルトラマンコスモス ウルトラマンコスモス
68 ウルトラマンジャスティス
69 ウルトラマンレジェンド
70 ウルトラマン・ザ・ネクスト ULTRAMAN
71 ウルトラマンネクサス ウルトラマンネクサス
72 ウルトラマンノア
73 ウルトラマンマックス ウルトラマンマックス
74 ウルトラマンゼノン
75 ウルトラマンメビウス ウルトラマンメビウス
76 ウルトラマンヒカリ
77 ウルトラマンボーイ ウルトラマンボーイのウルころ
超能力の巨大ヒーロー 78 マグマ大使 マグマ大使
79 シルバー仮面 シルバー仮面
80 シルバー仮面ジャイアント シルバー仮面ジャイアント
81 アイアンキング アイアンキング
82 電光超人グリッドマン 電光超人グリッドマン
83 サンダーグリッドマン
84 キンググリッドマン
85 タケル 怪獣王子
86 ミツルギ 魔人ハンター ミツルギ
巨大ロボをあやつる!
パワフルヒーロー
87 ガンバロン 小さなスーパーマン ガンバロン
88 ダイバロン
89 X・ボンバー*2 Xボンバー
90 ビッグ・ダイエックス*3
91 グランセイザー 超星神グランセイザー
92 超星神
93 ダイセイザー
94 インパクター・ロギア
95 ジャスティライザー 幻星神ジャスティライザー デモンナイトはサブキャラ扱い
96 幻星神
97 ジャスティカイザー
98 セイザーX 超星艦隊セイザーX
99 シャークセイザー
100 流星神
  • このうち、ミラーマン、ファイヤーマン、ジャンA、スペクトルマン、メロス、ゾーン、アイゼンボーグ、コセイドン、ティガ、マグマ大使、シルバー仮面、アイアンキング、グリッドマン、ジャスティライザー、セイザーXは3P扱いで紹介されており、ガイアはアグル含めて3P+半ページ*4、コスモス*5、メビウス*6、グランセイザーについては4P扱いでの紹介となっている。
  • それ以外のウルトラシリーズに関しても、実写テレビシリーズ(初代マン~レオ、80、ダイナ、マックス)および、ネオスの各作品については、いずれも2P扱い*7で取り上げられている*8
  • 怪獣王子、セイザーX、ミラーマン REFLEXの各作品に関しては、いずれも本書が超百科シリーズ唯一の紹介である。


問題点

このように、かつての超百科シリーズと比べて、ボリュームが増えたことにより、1作品あたりの記事の紹介量が充実している一方、問題点も多数見受けられる。
  • 円谷作品の人物キャラのスチールがほとんど未掲載
    • 人物キャラのスチールが掲載されているのはグリッドマンおよび、人物がアニメ描写となるボーンフリー&アイゼンボーグのみで、それ以外の作品については、人物キャラのスチールは一切掲載されていない*9
    • そのためか、苦肉の策として、巨大メカ枠であるMJのマイティ号やスターウルフのバッカスⅢ世号がヒーロー扱いされている*10
    • こうなってしまった理由は不明だが、おそらくティガの主演俳優である長野博氏の都合もあると思われる。
  • ゴジラシリーズの扱い
    • ジェット・ジャガーが単独で1P扱いで取り上げられている一方、ゴジラそのものの扱いに関しては「怪獣ヒーロー」とのカテゴリでありながら、実質ゴジラのみのカウントとなっており、ゴジラに次ぐ人気を誇るモスラですらサブ怪獣扱いとなっている。
    • それでも、ゾーン登場時のゴジラについてもしっかり触れている。
  • 違和感を感じる一部作品のカテゴリ分け
    • ヒーローそのものは等身大だが、巨大メカが登場する関係で、コセイドンと銀河大戦は本書に分類されている。
    • 円谷作品であるコセイドンはともかく、巨大ヒーロー要素の薄い銀河大戦は、東映作品ならではのことを考えると、むしろ続刊のアクションヒーロー編で入れるべきではなかっただろうか。
    • 同じ3人以上のチームヒーロー+巨大ロボの構成となる東映の戦隊シリーズが、アクションヒーロー編扱いなのに対し、巨大ヒーローのみでは頭数が足りない関係からか、同じ巨大ロボに乗って戦うグループヒーロー作品の超星神シリーズはこちらのほうでカウントされている。
    • 対戦相手は怪獣だが、ステージショーをテレビ放送するという理由から、作品の性質上は等身大ヒーローのヒューマンも、なぜか巨大ヒーロー扱いでカウントされている。
    • 似たような例は、過去に勁文社から発売された『全怪獣怪人』でも同様であった*11
  • 一部サブキャラの扱い
    • 前述の通り、これまでの超百科シリーズとは異なり、本書ではサブヒーロー・ヒロインもしっかりカウントされているが、その一方で不遇な扱いを受けたキャラもいる。
    • 超星神シリーズにおいて、悪役から改心して味方入りしたライバル戦士のうち、グランセイザーのロギアがしっかりカウントされている一方で、次作のジャスティライザーのデモンナイトはカウントなしのサブキャラ扱いで紹介されている。
  • 一部作品のページ数
    • 上述のように、メジャー・マイナー問わず、3P割かれている作品が多いが、その一方でテレマガ掲載のメジャー作品でありながら、2P扱いの作品も存在する。
      • 特にバロンシリーズ各作品とワンセブンは、それなりの知名度を誇っているため、なおさら大きく扱うべきはずである。
  • 誤表記
    • レッドマンの武器「レッドナイフ」が「レッドジャック」と誤植されており、番組のタイトルロゴも現在の一般的なものとは別物になっている*12
  • ゾフィーの扱い
    • 初登場基準で初代マンの項目で紹介されているゾフィーだが、本書では後年の作品における必殺技の記述が未紹介となっている。

未紹介作品

多数の作品が扱われている本書だが、諸事情から未紹介となってしまった作品もいくつかある。
  • ガメラシリーズ
ゴジラシリーズと肩を並べる特撮怪獣映画の代表格だが、おそらく版権元の大映がKADOKAWAグループ入りしたことを受けての理由だと思われる。
この時期から数年間、テレマガ本誌でもガメラ関連の記述が一切途絶えることになり、混載企画でも取り上げられることはなくなった*13
  • 行け!グリーンマン
前作のゴッドマンはテレマガ掲載作品との理由もあり、普通に紹介されているが、なぜか本作は未紹介である。
  • メガロマン
本作はおそらく作者側の意向によるものであり、2000年代以降、公式のムック本では取り上げられない状況が続いており、講談社関連では近年発売の『ゴジラ&東宝特撮 OFFICIAL MOOK』シリーズや、『ゴジラ全史』でも未紹介である*14
なお、本書の発売直前に発売情報が解禁されたテレマガ07年5月号の予告コーナーには、実際の表紙でライザーグレン*15が載っている部分がメガロマンのスチールになっており、おそらく当初は掲載する予定があったものと思われる。
  • 鉄甲機ミカヅキ
どちらかといえばハイターゲット向けの本作は、本放送時、同じ講談社から発売されたコミックボンボンにコミカライズ版が連載されていたり、その関係でテレマガでもたびたび記事として扱われたりしていたが、2002年以降のテレマガ混載記事では紹介されておらず、本書でも未紹介である。
最終更新:2025年08月17日 16:26

*1 ウルトラヒーローとしてはあまり扱われる機会の少ないセブン上司、エレク、ロト、アミアまでカウントされている。

*2 本書ではこの表記で紹介。

*3 本書ではこの表記で紹介。

*4 アグルの紹介で、余った半分はナイスの紹介

*5 ジャスティス&レジェンドも各1P扱いで紹介

*6 ヒカリは2Pで紹介されており、ボーイも同ページで小さい扱いながら紹介されている。

*7 ネクサスは半ページ扱いのULTRAMANとの抱き合わせで2P。

*8 アニメ作品、海外作品、ゼアスはいずれも1P扱い。

*9 ちなみに続刊のアクションヒーロー編では、円谷作品は『トリプルファイター』、『プロレスの星 アステカイザー』、『怪奇大作戦』、『緊急指令10-4・10-10』、『快獣ブースカ』、『ブースカ!ブースカ!!』の各作品が掲載されているが、いずれも人物スチールはしっかり掲載されている。

*10 円谷作品ではないが、XボンバーのX・ボンバーも同様である。

*11 ただし、こちらでは巨大ロボが登場する『バトルフィーバーJ』以降の戦隊シリーズがカウントされた代わりに、銀河大戦が下巻での紹介となっている。逆に巨大怪獣と戦う関係から、上巻で紹介された『巨獣特捜ジャスピオン』は、本シリーズではメタルヒーローシリーズの他作品同様に、アクションヒーロー編での紹介である

*12 当時の関連グッズでも、本書で使われたものと同じロゴが確認できる。

*13 しかし、2010年代後半以降はたびたび掲載されたことがある。

*14 ただし、テレマガ本誌でも、本書発売後の07年10月号の混載記事『スーパーヒーロー ベストバトル100』には、メガロマンと5大怪獣軍団の対決シーンが掲載されたことがある。

*15 ジャスティライザーの主人公ヒーロー。