オペラ座の怪人

2005年2月映画館にて


(注)サイトを作るずっと前の感想なので、ちょこっと文体が違います。

 ミュージカルなのにとても尾を引く映画でした。映画館で見れてよかった。いい映画です。
【良かった点】
 まず音楽。あのパイプオルガンのテーマソングが頭から離れない。歌詞を覚えて歌ってみたい。高すぎて無理かもしれないけど。
 それからファントムがかっこよかった。仮面の左半分から見える顔の端正なこと。立ち姿の格好いいこと。歌い方はちょっと現代っぽいと思ってたら、別に音楽畑の人ではなかった。でも演技という点では主役三人の中ではぴかいちだと思った。せつないよ。
 あと衣装や舞台が豪華なとこ。マスカレードのとこなんか最高。冒頭のオペラ座がカラーになるシーンはのっけからよかったなぁ。お金かけるなら衣装とかあーいうとこにかけて欲しい。
【悪かった点】
 ストーリーというかクリスティーヌ。歌は文句なし。私は専門畑じゃないし、充分すごいと思った。でも心の動きが全くわからなかった。あれじゃただの優柔不断二股女だと思う。ファントムは自分の不幸な生い立ちから異常とも言える愛情をクリスティーヌに注いでいて、やり方は批判されてもなんだか同情を禁じ得ない。
 ファントムはクリスティーヌの音楽の師。幼い頃からの心の支え。
 ラウルは幸せだった頃の幼い恋人。同じ思い出を共有する幸せの象徴みたいな感じ?そして同年代、男前、金持ち。その上自分を大切にしてくれるのですよ。王子様ですな。
 どっちに揺れても誰も批判できまい。設定は完璧、さぁクリスティーヌどっちを選ぶ?ってところで、クリスティーヌの揺れ方が納得できない。ていうか揺れてるのかどうなのかがよくわからない。主体性のないお人形さんみたいで、感情が感じられない。自分を高めてくれる人と、自分を守ってくれる人。二人が戦ってるのに、今イチどうしたいのかわからない。どうしたいのかわからなくて苦しんでるっていうのが感じられない。ストーリーが悪いのか、女優が悪いのか。そこだけ感情移入できなかった。私はやっぱり強い戦う女が好きだ。

 途中クリスティーヌにむかついたものの、最初から最後まで充分楽しめた。ファントムの愛情が偏執狂っぽくなってきて、クリスティーヌ拒めばいいやん!大体ほんまに逃げたかったらオペラ座から出ればいいねん!と突っ込みたくなったけど、その苛々があったせいか最後のファントムが胸を打った。
 私はやっぱりファントムを選んで欲しかったけど、それは同情しているのだろう。クリスティーヌにキスされて衝撃を受けて、泣きながら「行け」って言うところ。その後、オルゴールを見てマスカレードをとぎれとぎれ泣きながら歌うファントムが可哀想でしょうがなかった。
 クリスティーヌが指輪を返したのはなんでか、ようわからんけど。キスしたのはなぜ?返したのは「これでさよならよ」って?ファントムはあれで救われたの?自分の愛情の示し方が間違いだと気付いたのか?気付いて果たして自分の人生に満足したのか?鏡を割って何を思う?
 あとファントムに聞こえるのに、あのラブラブな歌歌いながら帰るのやめれ。
 この話はファントムが可哀想でないと話が成り立たないにしろ、最後まで救いがなかったのは辛い。あのキスが救いだとは到底思えない。色々考えてしまった。ていうかクリスティーヌのどこがいいのだよ、ラウル。ファントムに惹かれてたからか。手に入らないかもって危うい所か。ライバルおらんかったら、あんなに頑張らんか。クリスティーヌの魅力がもっとあれば、リアリティがあったのになぁ。
 あとなんで仮面を剥いだのかよくわからん。ドンファンのシーンでは、どっぷりファントムになびいてたのに、なぜあそこで仮面を剥ぐのだ。
 マダムジリーと娘はとてもよかった。娘の可憐なこと。主役あの子でもよかったんちゃうんか。マダムジリーは味があったなぁ。ファントムが癒されるには、あの人では駄目やったんかな。彼らにも何かあったのかな。
(2005/02/26)

 なんだかまた戸田奈津子さんの誤訳(?)問題でネットが盛り上がっていた。曰く「クリスティーヌが二股女、ファントムが変態、ラウルがへたれ、に思えるのは訳のせいだ」とのこと。全部は賛同しかねるけど(クリスティーヌの表情はどうかと思ったので)やっぱりそうなのかなと思う。
 最後クリスティーヌ→ファントム「あなたに惹かれていたと」という台詞は「You are not alone」なんだそうだ。なんで「あなたに惹かれていた」になるんだ?「あなたは一人じゃない」の方がしっくりきてたと思う。
ちょっと納得した。舞台観たいなー。東京行くか!
(2005/03/01)

2006年6月劇団四季観劇感想

 劇団四季の舞台も見てきました。この映画、かなり舞台に忠実に作られているんですね。映画でストーリーが分かっていたので、聞き取りにくいところも脳内補完できました。でも英語の歌を日本語にすると、何か変…。
 忠実に、といっても映画特有のシーンもあることが分かりました。ファントムの生い立ちとか、ファントムとマダムジリーの関係とか。舞台ではあっさり流されてたので。でも舞台であそこまで奥行きのある演出ができるのはすごいなーと思いました。ファントムの住み処とか、映画と比べても遜色なかったですよ。船だったり上ったり下ったり飛び降りたり。豪華さは映画の方が上ですけどね。エキストラの数が違う!
 映画のファントムはかなーりかっこよかったけど、舞台は今イチ。でもファントムかっこよかったら、そもそもこんな話にならんか。
 ラストシーンでクリスティーヌとラウルを見送るファントムに、泣けて泣けてしょうがありませんでした。だからラブラブな歌を歌いながら去るのやめなさいってば。
(2006/06/02)

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最終更新:2009年06月07日 17:40
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