乃木坂太郎

医龍―Team Medical Dragon 12~13巻



 注意!11巻以前のネタバレを含みます!

 いや~久々に読んだけど、やっぱり面白かったっす。教授選における心理合戦がたまりません。UCLAから来た国立、ミキと朝田の因縁の相手霧島軍司と、そうそうたる教授立候補達。磐石かと思われたバチスタチームが少しずつ揺らぎ始め、加藤はどうするのか。男性二人に比べると、加藤はやはり情が厚く、それを「計算高くあろうとする意思」で押さえ込んでいるのですが、ちらほら見え隠れする弱気な加藤が、可愛すぎてたまりません。ここに女性を持ってきたのはすごいなと改めて思います。
 なんか怪しげな国立の息子、霧島に心酔する木原、まだまだお話はここからですよ!て感じで続きが気になってしゃーないです。

 ここから先はネタバレです。
 霧島は、ミキが去った時すっごい情けない顔をしていたので、プライドだけが高い所謂「アホな」ライバルになるのかと思いきや、凡人として攻めて来ました。根拠の無い自信を振りかざし、朝田や国立にコテンパンにやられるのかな~と考えていたのですが、いやいや立派なライバルです。下の名前を覚えてもらって木原は心酔しちゃうし、伊集院は霧島の中に朝田と違うものを見て、自分の成長のためにチームを離れるし、朝田はUCLAに行くとかやっぱりこいつだけはよく分からないし、ミキもなんか思い切っちゃうし。もうほんと、面白いです。
 あまり動きも無い荒瀬と小児科医藤吉は出番は少なかったけど、いい味出してました。ああほんと荒瀬好き。「ひょうひょうとしているのにやる時はやるよ」キャラが好きだ。あと弱音を吐いた加藤を静かに受け止める藤吉もいいです。大人。
 そしてやっぱり加藤。いいです。いい。「UCLA行けば?」みたいなことをいいながら心の中では「行 か な い で」。きゃああああ!もう私をどうする気ですか!可愛い!可愛いよ!好ーきーだー!それから伊集院の成長振りに目を見張って、ネクタイをあげるとことか!お母さんじゃん!若いのにその先輩ぶるところが好ーきー!
 ちょっと落ち着いて。情に訴えて伊集院や朝田を引き止めない、引き止められない加藤がとても好きなのです。あと野口は、霧島によって今回ちょっと小者っぽくなってましたね。それだけでも加藤と同等かそれ以上って感じがして、心配です。でももっと痛めつけられた加藤も見てみたいような、そうでもないような。
(2007/05/08)

医龍―Team Medical Dragon 1~11巻




 うわー、これめちゃめちゃ面白い。久々にハマりました。乗り遅れ感ありありなんですが、もったいない!もっと早く読んどけばよかった!ドラマ化前に読んどきたかったー!
 ドラマになってちらっとしか見たとき「かっこいいドラマやなー」と思ってたました。シーンひとつひとつが決まっていて。でもねーこれあれですよ、原作通りって感じしますよ。原作に負けないドラマだったんじゃないでしょうか。私、原作至上主義の自覚あるんですけど、これはいい。(ドラマ褒めとんか原作褒めとんか、わからなくなってきました。)
 このお話は俗に言う医療もの。現代医療の膿に警鐘を鳴らすようなお話になっています。舞台は大病院。権力争いに終始し患者不在の医療がまかり通っている、私達からすればありがたくない問題があることは、もはや知られまくっていると思います。それが真実かどうかは置いといて、医療を扱ったお話は大体そういう問題を取り上げているのではないでしょうか。見て無いけど、「白い巨塔」もそんなんちゃうんかな。
 さてその権力争いの真っ只中で生きている、美人助教授加藤。この女性は「現代医療のあり方を変える」という崇高な使命を持ちながら、その為自分のいる場所医局で権力を掴むべく、日々尊敬できない狸親父の野口教授の下で政治活動を行います。彼女は野口に教授選に推薦してもらえなければ、出世できません。加藤が持ちだした武器は、バチスタという心臓の手術を成功させること。彼女はそれが可能な医者、朝田龍太郎を探し出してきます。一見いい加減で自堕落、つかみ所の無い性格ですが手術の腕、そして何より医療にかける情熱は熱い男。加藤は自分の駒としては制御しきれないであろうこの男に、自分の未来をかけます。
 その他にも朝田が連れてきた優秀な看護士ミキ。何の因果か朝田に目をかけられた医局でくすぶっている研修医伊集院、熱い内科医や一癖ある麻酔医や、くえない救急の教授や、なんせキャラが立っていて面白い!物語は加藤や伊集院の目を通して進み、ヒーローであろう朝田は常に第三者です。常識人の目から物語を見ようとしてるんでしょうかね。
 ストーリーが面白い、キャラが面白い、見せ方がかっこいい、あとなんだろう。とにかく「よくできてる」以上の面白さがありました。読みながら「うぉーおーもーしーろーいー」と転がりまくりました。なんかどきどきした。絵は好きではないですが、嫌いでもありません。下手ではないことは保障します、好みじゃないだけで文句は無いです。でも表紙デザインはイマイチ。表紙だけ見てたら多分読まなかったと思います。ただ表紙で引き返すのはめちゃめちゃもったいない!あぶねー。
 まだ続いているみたいですが、一気に10冊近くを読めたこの幸運を喜びたいと思います。あれよあれよという間に、時間が過ぎてしまいました。そんでもう一回読み返した(アホ)。なんかねぇ、熱さがいいんですよ。すごく嫌なやつはわんさか出てくるんですが、なんか医療関係以外の嫌なことがないんです。政治的に脅したりはするけど、私生活ネタじゃなくて医療ネタで脅すとか(医療ネタもたいがい犯罪ですけど)。うーん、あまりいい例ではないけど、加藤はかなり美人ですが彼女の希望と引き換えに、彼女の身体を欲しがったりはしないというか。そういう嫌さがないんです。一応皆さん「医療」という舞台の上での欲望に対して、熱い。そういうとこが好きなのです。
 あと小池徹平が演じてると思うと伊集院がもう可愛くて(結局そこかい)。

 こっから先少しネタばれですが。
 好きなエピソードですが、ダントツで麻酔医荒瀬。「こっから先はお前みたいな真っ白い医者しか歩けないんだ」的な台詞シーン。心臓がドキドキしました。泣いた。彼の過去やチームに入るまでのエピソードは、やろうと思えばもっともっとページを割いても面白いだろうに、かなり省略していて、それがまた私の妄想部分を刺激しました。ちょうどドラマでこの回を見たんですが、荒瀬を阿倍サダヲがやっていて、これがまたもう!適役!すきー!この一癖も二癖もあるやつを、見事に演じきっていまして、読みながらオーバーラップしていました。素敵すぎる。どうせ過去に陰を持つ奴が好きさ。素直じゃない人好きですよ。いいんだ。
 それから加藤。好きなシーンはありすぎてあげられませんが、「チームは生きて、加藤は死んだ」のあたりは、私が挙動不審でした。漫画喫茶では読めんなこりゃ。加藤みたいな女キャラは今まであまり見たことがなくて、それがまた男気好きな私のストライクゾーンど真ん中です。「あんまりいじめないでよ」シーンでは、「この女に惚れた男は苦労するだろうな」とか考えたり。大きなお世話だよ。
 朝田はキーマンですが、不思議キャラなので今ひとつピンときません。ワンピのルフィみたいな感じ?好きだけどわからないです。彼に振り回される周りが好きです。
(2007/01/16)


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最終更新:2008年05月26日 01:22
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