茅田砂胡2

桐原家の人々 1~4


 他の作品とは違って、日本の家族「桐原家」を描いた作品。普通の(?)人間ばかりが出てきます。三つ子と年齢の離れた長男長女、そして両親と祖母という大家族のドタバタコメディ。ってとこでしょうか。
 高校生の三つ子猛(女)と都(男)と真己(男)。猛と都はそっくりですが、真己は全然似ていません。その三人が織り成す事件と言いたいですが、後半あまり出番がありませんでしたねぇ。長女の真亜子、次男の零がお株を奪っていたように思います。家族全員が主役なのでしょうね。それぞれキャラがたっていて面白いです。ただ真己だけなんだかはっきりしなくて、あまり好きにはなれませんでした。
 昔の作品なのか、大幅な加筆修正したって書いてましたけど、他の作品に比べると見劣りするように思います。ぼやけているというか。
 それにしてもこの人のお話は、本当に甘くなりませんね。時には甘々になってもいいのになぁ。でも零と真亜子それぞれのエピソードには、ちょっとだけにんまりしました。

 ちょっとだけネタバレです。
 最初お話の行方が都と真己のボーイズラブ路線に行ってしまいそうで、その辺でなんだか嫌になってしまいました。結果的にそうはならなかったけど、最後まで匂わせてましたよね。この人のお話でそっちは嫌だなぁと、思ってしまいました。なんとなく「あざとさ」を感じてしまったように思います。男女間のお話で「あざとい」のは平気な癖に、ボーイズラブで「あざとい」のは「あ~ハイハイ」と思ってしまうのです(そんなにボーイズラブは読んでないので、母体数は多くないですが。本当です。本当ですったら。)。なんでだろ?でも、私が絶対に手を出さない系列の少女漫画も「あざとさ」が鼻について嫌いやなぁ。ちょっと自分の好みが分からないです。
 思うに「あざとさ」って人によって違うんですよね。私みたいに「偶然の出会いで、運命の恋に落ちたの。彼も私にラーブラブ(はぁと)」みたいな少女漫画はあざとくて、体中かきむしりたくなりますし。逆に私の好きな「心も身体も強い主人公が、敵をバッタバッタとなぎ倒していく」ような話を、あざといと感じて嫌いな人もいるでしょう。また、同じシチュエーションでも描く人によって好き嫌いが分かれますし、自分の好みを系列化するのは難しいですね。
 この「桐原家~」は都と真己のエピソード以外は割りと好きですが、最初にそのボーイズラブ風味があっただけに、テンションが上がりませんでした。
(2009/02/13)

クラッシュ・ブレイズ シリーズ



 「デルフィニア戦記」「スカーレットウィザード」の登場人物が出ている「暁の天使」シリーズの続編(多分そういう解釈であってると思う)です。「暁の天使」と何が違うの?と聞かれると、「さぁ?」と答えるしかありません。「暁の天使」は「デルフィニア~」「スカーレット~」の登場人物が出揃うまで。んで出揃ってさぁ何をしでかそう!というのが、クラッシュ・ブレイズなのかな?
 勢揃いしました!さぁ何をしよう!と言っても、目的みたいなのがないので結局過去絡みか能力絡みの事件に巻き込まれるしかないんですよね。ある意味マンネリだと思います。
 でも。でも…!それでも面白いと思ってしまうのが悔しい!さくさく読んでしまうのが悔しい!してやられまくりです。もうこのままマンネリの王道を突き進んで欲しいです。既にこの人の作品は、私の中ではハリウッドアクション超大作的な位置づけになってます。(感動したり人生を考えたりはあまりしないけど、見てる間だけは面白い)
 リィはまだ十代と幼いですがただの人間です。ルゥはリィが大人になっておっさんになっておじいさんになったらどうするんでしょう。多分このシリーズはリィの寿命絡みの話題が出るまで続くんだろうと思います。でもいいや、ここまできたら読み続けるよ。
(2009/02/13)

暁の天使たち シリーズ



 本編(?)が全6巻、外伝が2巻で、計8巻。外伝っつっても特に本編とは変わりませんでした。
 デルフィニア戦記の続き、ってことで読んだんですけど。やられた。全く違う話だと思って、この前作「スカーレット・ウィザード」シリーズは読んでなかったんですが、これの続編でもありました。読み終わってから気付きました。くそー。ええ勿論「スカーレット~」買いましたよ。私そういうの悔しいんです。「スカーレット~」後に読みたかった…!
 このシリーズはリィがデルフィニアからシェラを連れて、元いた世界へ戻ってきたところから始まるようです。この元いた世界はルゥがいたところかと思いきや、そうでもない様子。リィが住む世界は、言わば私達が住む世界の超未来、宇宙に人類が散らばっていて、なんだろ、ドラえもんとかいそうな世界。んでルゥは、惑星ボンジュイという人間が見つけられないような星で産まれた、人ではない存在らしいです。そもそもボンジュイでは人間と係わりあうのは禁止されているそうなんですが、人間の世界にリィというちょっと人間の規格から外れた存在が産まれたので、入り浸っていると考えるのがしっくりきます。
 リィは産まれてすぐルゥに連れて行かれ、人間世界でひっそりと存在していた狼人間に育てられたようです。そして8歳の頃、本来の家族の元に帰ってきました。このお話は「科学?何それ」なシェラと、「今更普通の子供みたいに過ごすのも嫌やけど、シェラがこの星に慣れんとあかんからしゃーないか」というリィが、学校へ行くお話。…相変わらず説明下手な私です。
 まぁただの学園物には全くなっておらず、それなりに面白かったです。主要人物は「デルフィニア」と「スカーレット・ウィザード」の登場人物ばかりでした。というか二つのお話を融合するためのシリーズと言った方がいいのか。絵は新しい人でしたけど、綺麗な絵でしたよ。
 多分この人のお話は所謂ライトノベルという枠に入るのだと思います。大人になってそういうのは敬遠していたけど、食わず嫌いでしたね。なんか読んでいて気持ち良いのです、この人のお話。読んで「何かを得た」とか、そういうためになる話ではないけれど、現実逃避には持って来いです。サクサク進みますし、鬱屈としたところがない。あと登場人物にイライラしないところがポイント高いです。子供が読んでも問題なさそうですし、きっと私は対象年齢ではないのでしょうけれど、楽しんでいます。
(2007/05/26)

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最終更新:2009年06月07日 17:49
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