概要

ドルリア砦の戦いとは、アルファ684年、バルディゴス討伐連合軍ルディック帝国軍の間に起きた戦いである。
ここでは、前哨戦となった戦いも併せて表記する。


戦闘に至るまでの背景


▲684年6月における勢力図

連合軍の侵攻をしったバルディゴスは、ルディック帝国の兵力を総動員して迎撃の態勢をとったが、皇帝の地位を簒奪した直後ということもあり、当初の想定程の兵力は集まらなかった。
それでも、テレサケルスティン等優秀な内政官が連合軍の侵攻ルートを想定し、分散していた防衛軍を一点集中させることで、連合軍と互角に戦える兵力を集結させることに成功した。

帝都にあるルディック城への道は天然の山地に阻まれ、数少ない街道にはドルリア砦レッド・ロウ砦という拠点がその道を塞いでいた。
バルディゴスドルリア砦ガリィゾニバリーという歴戦の将を派遣、レッド・ロウ砦にはジョロスカルディスを派遣する。
この時、新参者でありながら重要な指揮を任されたカルディスは、周囲にその才能と存在感と認めさせると同時に、どこか危険な野心の香りを匂わせていた。
そのため、一部の諸将は彼の抜擢に不安を抱くが、バルディゴスカルディスの野心を飼いならす自信があったのか、彼に軍勢を任せた。

対する連合軍は、ドルリア砦ゴルアゾル国)を総大将にライグリューグ国)、キャルスイージル国)、サリーアゾリメック国)、メスローシャリアル国)、ディアルシーザルス国)を派遣、レッド・ロウ砦には盟主ボルゾックバルド国)を総大将に、レイディックロードレア国)、マラゲーリー国)が向かった。



両軍の戦力

攻撃側 守備側


バルディゴス討伐連合軍
軍勢
ルディック帝国軍
総兵力59000 兵力 総兵力32000
ゴル 総指揮 ガリィ
ライグ 軍師 バロム
主要参戦者

アゾル

ゴル

ラディア

リヴァ


ガリィ

ゾニバリー

バロム

ゴルディア

ゴズ

リューグ

ライグ

バロゥド

ファルザ

ゼノス

シャリアル

メスロー

ケリス

ドラグゥーン

ギディス

フォール

イージル

キャルス

レニース

ギラス

ゾリメック

サリーア

グルディア

シーザルス

ディアル

ルーディア

ヴィルガス

オルリア
★は前哨戦となるガズス砦ジース砦の戦いにのみ参戦した将。ゴルディアゴズは前哨戦で戦死、ゼノスドルリア砦ではなく、本国に後退(これはカルディスの命令による)。シーザルス国軍は、ジース砦の戦い終了と同時に、ドルリア方面から、レッド・ロウ砦方面に移動している為、ドルリア砦の戦いそのものには参戦していない。


戦闘経緯

ドルリア砦への道中には、更に二つの小砦が存在していた。
6月18日、前哨戦としてはじまった第一の砦ガズス砦の戦いにおいて両軍は激突、これより長きにわたってはじまる蜉蝣時代の最初の激突となる。
先陣を務めたのはシャリアル国の猛将ギディス、それに対する守備隊の指揮官は、ルディック国のゴルディアであった。
武勇に自信を持つゴルディアは砦から討って出るが、これを待ち構えたギディスは、まずゴルディアの副将ゴズを討ち取るとゴルディアを挑発、彼を誘い出して退路を断ち矢の雨を食らわせて討ち取った。
砦に撤退したルディック軍に対して、ギディスはわざと退路を残した状態で包囲、敵軍の撤退を黙認するという一面も見せた。
ただし、このことが殲滅戦を命じていたメスローの怒りを買い、ギディスがこの数年後に突然病死したことから、両者の対立と暗殺説がささやかれている。

続いて6月23日、ジース砦リューグ国軍、イージル国軍が包囲していたが、ジース砦には後に蜉蝣時代最強の男とも呼ばれることとなるゼノスが立て籠もっていた。
当時はまだ小部隊の無名な指揮官に過ぎなかったゼノスであったが、寡兵ながら鬼神の如き突撃で二国の軍勢を撃退する。
キャルスの救援要請に真っ先に応じたのがシーザルス国軍であり、国主ディアル、軍師ルーディア、猛将ヴィルガスを含めたこの精鋭部隊がジース砦へと向かう。
猛将ヴィルガスゼノスが壮絶な一騎打ちを始めるが、それこそがディアルの策であった。
この砦でもっとも重要な将がゼノスであることを見抜いていたディアルは、偶発的に見せたこの一騎打ちによって、ゼノスを指揮官から一介の猛将へと引きずり出し、指揮官不在のジース砦を自らの指揮で難なく攻め落とす。
ゼノスは囲みを突破して後退していくが、そこにカルディスからの使者がたどり着き、彼は何故かドルリア砦ではなく、本国へと撤退することとなる。
こうして、ドルリア砦攻略戦への道は開けた。

その直後、ジース砦で戦っていた筈のシーザルス国軍が、今度は一転してレッド・ロウ砦の戦いに現れることとなる。
これは、総指揮官であるボルゾックが、いざ戦いが近づくと自分の指揮に不安を覚え始め、少しでも兵力を増強したいと考え出し突然発生した命令である。
ドルリア方面軍は、自分達の戦いが目前に迫っている為、この突然の命令を拒否したが、ディアルは一夜にして合流を果たし、レイディックはその進軍速度に感心した。


シーザルス国軍を移動させたとはいえ、兵力で勝っていた連合軍は、そのままドルリア砦への攻撃を開始した。
イージル国主キャルスが先陣を申し出るが、先の前哨戦での戦いから既に彼の将としての力量に不安を持った諸将は、その申し出を受けながら、彼を補佐する形で後続部隊を布陣させる。
仁君で知られるゴルサリーアが戦いが始まる前から真剣にキャルス救出の策を立てている姿を、この時点ですでに乱世の到来を予期していたメスローは冷笑を浮かべて見守っていた。

7月2日早朝、陽が昇ると同時に始まったドルリア攻略戦、イージル国軍はレニースギラスという二人の武将が突撃を敢行するが、砦を落とせずに戦いは昼を迎える。
攻め疲れたイージル国軍の一瞬の隙をついてドルリア砦からゾニバリーの軍勢が出陣。
この攻撃にひるんだイージル国軍は四散、ギラスゾニバリーに挑むものの討ち取られて戦死する。
この報告を聞いたイージル国軍本陣は撤退が献策されるが、他の国主への体面を考えたキャルスは全軍の再編成と突撃を決定。
しかしその瞬間にアゾル国軍がゾニバリー軍を側面から遮断、そのままドルリア砦へと向かう、更にシャリアル国軍も加わり、砦から打って出たゾニバリーの軍勢は分断されて各個撃破される。急いで砦に戻ろうとするゾニバリーだが、待ち構えたのは後に「風の舞姫」と呼ばれることとなるラディアであった。
彼女の剣技によってゾニバリーは討ち取られ、ガリィバロムは急ぎ撤退していく。

占領したドルリア砦で行われた戦勝の宴において、姫の様な衣装を纏ったラディア(本人は固辞したが、ゴルが用意させた)の登場に、各国の将軍が持て囃すが、シャリアル国主メスローと軍師ケリスだけは、ラディアが後の障壁になると認知していた。


戦いの結末

ドルリア方面軍は、そのまま進軍、レッド・ロウ砦の戦いで友軍が勝利するとの報告を受けると、決戦の地となるルーズの戦いへと赴いた。


最終更新:2024年08月05日 01:47