トレモロアーム

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&font(#6495ED){登録日}:2011/12/24(土) 03:44:29 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 4 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- トレモロアームとは、特定の[[ギター>エレキギター]]のブリッジ(弦の終端を保持する金属部)に装備された金属棒である。 アームに力を加えることによって、弦のテンション(張力)を変化させ音程を上下させることが可能である。 アームを使用した奏法をアーミングと呼ぶ。 同じ音程を変化させる奏法である[[チョーキング]]と比較すると以下のような利点がある。 ①音程の下降が可能 ②より広い音程の可変幅 ③6本の弦の音程を一度に変化できる ④弦を押さえずに音程を変化できる といっても、[[チョーキング]]ではできる表現が違うので、両者に互換があるわけではない。 ここまでで気付いた人もいるだろうが、&font(#ff0000){アーミングはトレモロではない} (トレモロは同一音程の音を持続させることを指す)。 にもかかわらず、少なくとも日本ではトレモロアームという呼び名が一般的である。 これはフェンダー社が、ビブラートとトレモロを取り違えて「シンクロナイズド・トレモロ・ユニット」を商標登録してしまったため。 最初期の物はビグスビー等のビブラートの為の装置で、可変幅が狭かった。 本格的となったのはフェンダー社の[[ストラトキャスター]]から。 搭載する「シンクロナイズドトレモロ」の、ユニットをフローティング(浮かせ)し、 ボディー裏のバネでテンションをコントロールする方式は、 それまで不可能だった大きなアームアップ(音程の上げる方向のアーミング)や 安定したチューニングを可能にし、[[ジミ・ヘンドリックス]]の爆発的なブームも手伝って、多くの派生を生み出した。 【トレモロユニットの種類】 ■シンクロナイズトトレモロ フェンダー・ストラトキャスターなどに搭載。 以降のトレモロの基礎となり、流通量も恐らく最も多い。 非ロック系トレモロユニットの中ではチューニングの安定度は高いほうだが、[[ジミ・ヘンドリックス]]や[[リッチー・ブラックモア]]等のような激しくダイナミックなアーミングを行うとチューニングは狂い出す。フローティング可能。 ■ダイナミックトレモロ [[あずにゃん>中野梓]]操る[[フェンダー・ムスタング>ムスタング(ギター)]]に搭載。圧倒的可変幅とチューニングの不安定さ、弦の固定力の無さ等偏重した性能。 その可変幅は小指が触れただけでもチューニングが狂うレベル。ムスタングが”暴れ馬”と呼ばれる所以である。スプリングで若干改善できるが。 フローティング不可。 ■フロイドローズ [[ESP>ESP(ギター)]]やIbanez等のメタル系ギターに多いトレモロ。 ブリッジの弦取付部は挟み込み式ナットで固定、ナット(ブリッジとは逆の弦の終端)もロックナットと呼ばれる金具で固定することで、チューニングが狂わないアーミングを実現したユニット。 リセス加工を施したモデルは大幅なアームアップも可能である。 代償として、チューニングを変える際にロックナットを外す必要があるため、弦交換や弦高等の各調整が複雑になり、他のトレモロユニットよりも時間がかかる。非搭載モデルにフロイドローズを載せたい場合はボディ部分への彫り(木材自体を削る)加工が必要であることなど。 さらには弦交換の時には、太鼓付きだとブリッジの挟み込みの邪魔になるため、太鼓をニッパーで切り飛ばす必要があるなど、準備にかかる時間は他のユニットの比では無い。 クサメタルは大体コレ。 弦をヘッド側・ボディ側の両方で完全にロックする構造ゆえに、サステインの向上も同時に期待できる画期的なトレモロユニットだが、ボディ材関係無く「フロイドローズの音(冷たく金属的)になる」と言われる事もあり、これについては諸説ある。 ■ケーラー レスポーラーが良く使用するダイナミックトレモロの一種で、スレイヤー御用達。 特徴としては、アーミングの感触が非常に柔らかく、圧倒的に滑らかな感覚も得られること。またロックナットでもあるため安定したチューニングも得られ、アーミングとしてもアームダウン時は特に大きなアーミングが可能。 トレモロユニット自体をロックすることができるのと、太鼓を切る必要がないので弦交換時にフロイドローズのような煩雑さがない。 欠点としてはサステインの伸びに劣ること(弦のガイドであるベアリングが弦の振動を吸収しやすい)、弦のテンションを強めづらい傾向にあること、フロイドローズよりも特徴的な「独特の音(冷たく金属的)」に変わりやすいことなど。 ■ビグスビー 先述の通り、トレモロの元祖。 グレッチのギター等に装備。 シンクロナイズド以降のユニットとは構造が大きく異なる。 可変幅は狭いしチューニングも安定しないが、 クラシックな見た目に惹かれる愛好者が少なくない。 ボディの加工を必要としないため、後付けが比較的容易であり、 アーチトップ(中空構造の[[エレキギター]])にも搭載可能という都合上、 後付け改造用としての需要が大きい。 中古屋でビグスビー付き[[レスポール]]を見かけるのはよくあることである。 【ギター選びにおいて】 ギターのハードパーツというものは、往々にして操作性や強度などに関わるのに対し トレモロは直接「音」を左右するため、非常に重要な意味を持つ。 ギター選びの際には先ずチェックすべきポイントであろう。 また、ジャンルによってアーミングの使用頻度にはかなり差がある。 場合によっては、トレモロユニットが無いギターの方がいいかもしれない。 【改造による取り付け】 後付け改造を行う際、素体ギターの構造によっては不可能な場合もある。 例として、フルアコにフロイドローズを搭載るのは構造的に無理がある。 また「チューン・Oマチックブリッジのギターにトレモロを付けると音が死ぬ」という話もあり、 構造的な問題がなくとも、相性により音が悪くなることがある。 このように改造にはそれなりのリスクがあり、安くないコストもかかるので よく計画を立てて行うことをお勧めする。 追記、修正はアームを押さえながらお願いします。 #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,1) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - ケーラーは一応アームアップもできるんだけど・・・。ケーラー自体があまり流通していないから、よく知られていないのかな? -- 名無しさん (2015-03-05 09:58:19) - 昔は回して使うものだと思ってた -- 名無しさん (2020-06-14 16:36:07) #comment #areaedit(end) }
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