神化混成 ボルナティックス

登録日:2025/10/26 Sun 23:18:46
更新日:2025/10/27 Mon 01:08:55NEW!
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神化、混成せり。

もうひとつの珠の下で。




神化混成 ボルナティックス》とは、TCGデュエル・マスターズ」のカード。
DM25-EX2「王道vs邪道 デュエキングWDreaM 2025」に収録されたクリーチャーである。レアリティはスーパーレア。

神化編を司る《ボルシャック・NEX》と《神帝》を合体させた勢力のディスペクター
頂上ディスペクター魔縛ディスペクター等の特殊例を挟み、久々に登場した通常のディスペクターでもある。


解説

神化混成 ボルナティック SR /火文明 (7)
クリーチャー:ディスペクター/アーマード・ドラゴン/ゴッド 11000
EXライフ(このクリーチャーを出す時、自分の山札の上から1枚をシールド化する。このクリーチャーが離れる時、かわりにそのシールドを墓地に置く)
スピードアタッカー
W・ブレイカー
他のクリーチャーが離れた時、このクリーチャーをアンタップする。
このクリーチャーが攻撃する時、相手のクリーチャーを1体選び、持ち主の手札に戻してもよい。

火と水の2色を有する混成ディスペクター。
SAかつ2打点の基礎パワー11000からなるスペックは、コスト7のクリーチャーとしては某デモニオの存在もあってともすれば物足りなくも感じるが、一応及第点には達している。

最大の特徴は、アタックトリガーによる相手クリーチャー1体のバウンスと自身以外のクリーチャーが場を離れた際にアンタップする効果の二つを用いた、相手クリーチャーの数だけ殴りに行ける連続攻撃能力にある。
相手への依存度は高いものの、クリーチャーとシールドの除去を同時にこなせる上に、EXライフでS・トリガーによる除去札を踏んでも一度は耐え凌げる。
加えてSA持ちなので場に出て直ぐにアタックトリガーを起動でき、理論上は相手クリーチャーが3体以上並んでいれば初回の攻撃とアンタップ×3で1ショットキルに持っていけるため、フィニッシャー足り得るポテンシャルを備えている。

また、アンタップ効果に関しては相手のみならず自身のクリーチャーが場を離れても起動するため、革命チェンジを始めとする能力を絡めれば能動的にアンタップさせる事も可能。
同弾収録の《紅き団長 ドギラゴン悪》であれば、革命チェンジは勿論、ターン1効果の強制バトルで相手クリーチャーを除去しつつタップ済みのボルナティックスを起こす事もできる。

他にも「ディスペクター」「アーマード」「ドラゴン」「ゴッド」と得られる種族サポートは非常に豊富。
残念ながら「ボルシャック」の名称カテゴリは失われているが、《竜皇神 ボルシャック・バクテラス》から踏み倒せるアーマードとしての役回りも期待されている。

欠点があるとすれば、有用なフィニッシャー候補が既に溢れ返っていて、強力ではあれど派手さに欠けたこのカードに割ける枠がない事だろうか。また、一部*1を除いた連続攻撃持ちのフィニッシャー全体に言える事だが、GSには無力。強力なカードにおまけ感覚でGSが付く現代においては、いくらEXライフによる除去耐性があるとはいえ、このカード単体でゲームを決め切るのは難しいと言わざるを得ないだろう。
ただ、同時収録された新規ディスペクターにして良くも悪くもざわつかせた《E2連結 俺丸「ライバック」》に比べると、手堅くまとまった性能の1枚ではある。


関連カード

ボルシャック・NEX SR 火文明 (6)
クリーチャー:アーマード・ドラゴン 6000+
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の山札を見る。その中から、名前に《ルピア》とあるカードを1枚、バトルゾーンに出してもよい。その後、山札をシャッフルする。
このクリーチャーは、自分の墓地にあるファイアー・バード1体につき「パワーアタッカー+1000」を得る。
W・ブレイカー

神帝アージュ神帝ムーラ神帝スヴァ神帝ヴィシュ 闇文明 (7/3/5/4)
クリーチャー:ゴッド/オリジン 20000+
W・ブレイカー
このクリーチャーが攻撃またはブロックする時、このクリーチャーをアンタップしてもよい。
このクリーチャーのパワーは、自分の墓地にあるゴッド1体につき+2000される。
このクリーチャーが攻撃する時、バトルゾーンにある相手のクリーチャーを1体選んでもよい。そのターン、そのクリーチャーのパワーは-8000される。(パワーが0以下のクリーチャーは破壊される)
自分の、カード名に《神帝スヴァ》と書かれているカードがバトルゾーンを離れた時、自分はゲームに負ける。

神帝ルナティック ・ゴッド GS P /文明 (21)
クリーチャー:ゴッド/オリジン 21000
G・ストライク(このクリーチャーを自分のシールドゾーンから手札に加える時、相手に見せ、相手のクリーチャーを1体選んでもよい。このターン、そのクリーチャーは攻撃できない)
このクリーチャーを召喚する時、自分のマナゾーンにあるゴッドのマナの数字は、1のかわりに3になる。
W・ブレイカー
このクリーチャーが出た時、相手のクリーチャーを3体まで選び、持ち主の手札に戻す。その後、カードを3枚引いてもよい。

ボルナティックスの元ネタとなったカード。
ネーミングも、NEXの名前の大半を神帝の象徴である「ルナティック」が丸ごと置き換わる形となった。

ボルシャック・NEX》の方は種族と文明がアーマード・ドラゴン及び火文明として満遍なく揃えられている。
反面、効果については《ルピア》の山札サーチもファイアー・バードの数だけ強くなれるパワーアタッカーも一切なく、まるで原型を留めていない。

一方の《神帝》は、効果の方がオリジナル版の個性でもあった無限攻撃能力が連続攻撃として疑似的に再現されている。
が、これはそもそもG・リンク左上の《神帝アージュ》が担当していた効果であり、下半分のムーラ及びヴィシュのみと混成しているボルナティックスが持つ能力としては些かおかしなものとなっている。
文明は水文明を取り込んでいるが、これも本来なら《神帝アナ》《神帝マニ》とG・リンクした闇・水神帝が持っていた力であり、闇単神帝を構成するムーラ及びヴィシュしか混成していないにも関わらず水文明しか受け継がれなかったという杜撰なディスペクトを食らっている。


背景ストーリー

王来大戦にて超獣世界に襲い掛かった異形の存在・ディスペクター
だが、このディスペクターが誕生したのは龍頭星雲を挟んだ超獣世界の向こう側にして鏡写しの世界、デモニオが栄えた鬼の歴史においての出来事である。

超獣世界こと龍の歴史では、ディスペクターの黒幕《龍魂珠》によって《邪帝縫合王 ザ=デッドルナ》と《暗獅連結 グレイテスト・ネルザ》の二体が解体された後、「超獣王来烈伝」に刻まれている二人の王「黒月王」ルナティック・ゴッド「獅子王」ライオネルを改めて縫合、終末を招くディスペクター《終末縫合王 ミカドレオ》が合成された。
結果的に余った《龍覇 ザ=デッドマン》と《暗黒皇グレイテスト・シーザー》も、それぞれにとって因縁の相手である《超戦龍覇 モルト NEXT》《超聖竜シデン・ギャラクシー》と合成して《DS電融 ザ=デッドNEXT》《戦国接続 ギャラクテスト・シデンシーザー》が誕生する、という展開が繰り広げられた。

一方、鬼の歴史では《鬼魂珠(ラウドラ・タン・ゲンド)》が黒幕として暗躍し、超獣王来烈伝の逆側にあたる「邪鬼王来烈伝」に刻まれし「邪悪王」と「暗黒王」の二人に着目していた。
そのため、こちらの歴史ではザ=デッドルナとグレイテスト・ネルザからそれぞれデッドマンとシーザーが引き剥がされた上で縫合され、ミカドレオと対を成す終末のディスペクター《終末縫合王 ザ=キラー・キーナリー》が合成させる事となった。

この際、キーナリーを合成させるにあたって余った神帝を利用し、因縁の相手である《ボルシャック・NEX》と混成したディスペクターこそ《神化混成 ボルナティック》である。
片割れのライオネルも宿敵の《黄金世代 鬼丸「爆」》と連結させられ、《E2連結 俺丸「ライバック」》が誕生している。


イラスト

神帝の下半身を構成するスヴァとヴィシュがNEXの両腕に混成される、というシンプルな合成方法となっている。
この合成方法は同じくボルシャックとオリジン・ゴッドが一つになった《原闘混成 ボルシャックADEVE》と全く同じである。
ボルシャックにとっての拳は戦いを通じて相互理解を深めるための重要な器官だが、龍魂珠しかり鬼魂珠しかり、オーブ達はよほどボルシャックから拳を奪い去りたいようだ…。

ただ、ADEVEでさえ創世神の腕に付け替える形で申し訳程度に備わっていた元の拳がボルナティックスでは完全に剥奪されており、ある意味で最も激しいディスペクトが為されている。


余談




追記・修正は連続攻撃で1ショットキルしてからお願いします。

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最終更新:2025年10月27日 01:08

*1 アンタッチャブル能力持ち等