登録日:2025/10/29 Wed 00:07:55
更新日:2025/10/29 Wed 01:15:54NEW!
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出典:『最後にひとつだけお願いしてもよろしいでしょうか』第1話『悪徳貴族(豚野郎達)を思う存分ボコボコにしてスカッとしてもよろしいでしょうか』より
2025年10月~12月/ライデンフィルム/© 鳳ナナ・アルファポリス/最ひと製作委員会
『最後にひとつだけお願いしてもよろしいでしょうか』は鳳ナナによるライトノベル作品である。
「アルファポリス」より2018年4月から連載されており、書籍版がレジーナブックスから刊行されている。
既刊6巻。(2025年7月現在)
略称は「さいひと」。
【概要】
アルファポリスから刊行されている異世界ファンタジー小説である。
本作の主人公はクールな女性だが、ひとたびスイッチが入ると、
敵を容赦なく殴り倒してしまう。それまで自分を貶めようとした婚約者・悪役令嬢・悪徳貴族たちを、自身の拳で鉄拳制裁を与えていく様が見どころである。
そうした描写は「
小説家になろう」作品にあるような「
ざまぁ」展開に繋がるので一種の爽快感がある。
そんな彼女が拳で困難に立ち向かっていくのが主な流れとなっている。誰が呼んだか「なぐろう系」
なお、タイトルは主人公が悪徳貴族をぶっ飛ばす前のセリフから。
話の進行は基本的に主人公の一人称から描かれることが多い。
メディアミックスとしては、ほおのきソラによるコミカライズ版がアルファポリスにて2019年から連載されている。既刊10巻(2025年10月)
また、テレビアニメが2025年10月より放送されている。
【あらすじ】
舞踏会での婚約破棄。
それはよくある“悪役令嬢”への断罪シーンとなるはずでした ――
舞踏会の最中、婚約をしていた第二王子・カイルから、
いきなり理不尽な婚約破棄を告げられた公爵令嬢・スカーレット。
さらには“新しい婚約者”がいると告げられ、ありもしない罪まで着せられてしまう。
幼少期から続いていたカイルの数々の嫌がらせにも
“婚約者”ということで耐え続けてきたが、ついに我慢の限界を迎えてしまい…
「私の最後のお願いです。
このクソアマをブッ飛ばしてもよろしいですか?」
見目麗しき公爵令嬢スカーレットが“拳”を握り、舞い踊る!!
【キャラクター】
・スカーレット・エル・ヴァンディミオン
CV:
瀬戸麻沙美
本作の主人公。
ヴァンディミオン家の侯爵令嬢。綺麗な銀髪と瞳は母親譲りである。
聡明で学力優秀、美しくも冷たげな雰囲気から「
氷の薔薇」と称されている。
そんな彼女であるが、実は結構根に持つタイプでそうした相手を「ブン殴る」ことで爽快感を得ることが出来るといういささかヤバ気な一面を持つ女性。ちなみにそうした気質は幼い頃からその傾向にあり、父や兄の悩みのタネとなっていた。
とりわけ婚約者でありながらも自身をぞんざいな扱いで接してくるカイルと、優しい雰囲気を出しながらも何か自身を小ばかにしているような態度で接してくるジュリアスという王族2人に対してはストレスを抱えていたようである。
そんな彼女の本性が公にさらされたのがある舞踏会での事である。
カイルと新しい婚約者であるテレネッツァらから一方的に婚約破棄を伝えられただけでなく、自身にあらぬ疑いをかけて悪役令嬢に仕立て上げられたことから、今までの我慢が限界を迎え、まずはテレネッツァを顔面から殴りとばした後、カイル派の貴族やカイル本人を血祭にあげた。本人的には「スカッとした」とのことで万面の笑みを浮かべていた。
それ以降「
狂犬姫」「
鮮血姫」「
撲殺姫」などといった不名誉な二つ名が増えた。
なお、こうした悪徳貴族たちをスカーレットは「
ブタ野郎」呼びしているが、別の意味でブタ野郎と呼ばれる彼氏がいるのは他作品の話である。
・ジュリアス・フォン・パリスタン
CV:加藤渉
パリスタン王国の第一王子でスカーレットのことが気になっている。
とは言え恋愛というよりは彼女の挙動を見るのが「面白い」と思っているようなので、恋愛感情によるものか不明。スカーレットを「珍獣」扱いしている。
このため、容姿端麗・学力優秀で女生徒からも人気が高いが、スカーレットは「腹黒王子」と呼んで嫌っている。
学力試験で毎度1位を獲得していたスカーレットがジュリアスに興味を持たれた直後の学力試験で全科目満点を記録され、唖然となってしまったことがある。
スカーレットに対しては割と距離感が近い(頭を撫でるなど)ため、他の女子生徒からは二人は恋仲ではないかと思われている模様。(これが彼女をより不機嫌にさせている)
・レオナルド・エル・ヴァンディミオン
CV:石毛翔弥
スカーレットの兄。
幼い頃から、相手の顔面を殴るというサイコパスっぷりの振舞をみせていた妹に対して毎度悩んでいた。ちなみにその際は都度、殴られた相手の家庭から抗議を受けていた模様。そしてそれと同じように第三者の者からの弁明もあり、何とか父共々取り繕っていた。
一度は妹を修道院に入れることも検討していたようだが、上述の通り、相手を殴ること以外は問題なく、擁護してくれる存在もいたことから、しかることはあっても、本気で叱ることが出来なかったようである。
ただ、妹が本当は「スカッとしたい」がために人を殴っている本性も見抜いているので、どうしたものかと常に胃薬が離せないレベルにまでは悩んでいるようである。
・ナナカ
CV:
富田美憂
獣民族の少年。
中世的な顔立ちということでヴァンディミオン家のメイドとして潜入していた
その目的はスカーレットの暗殺。王国の宰相であるゴドウィンから承り、舞踏会の乱闘劇で力を使い果たして眠っていたスカーレットを強襲したが返り討ちにあった。
ゴドウィンからは「奴隷紋」を授けられており、命令に従わなければならなかったが、スカーレットの魔法で解放された。
・シグルド・フォーグレイフ
CV:浦和希
騎士団長であるバルムンク卿のご子息。
表向きはスカーレットの婚約者であるカイルの学友兼護衛として行動を共にしていた。
しかし、実際は「王宮秘密調査室」の室員で、第二王子の身辺調査を進めていた。
スカーレットとしては気持ちのいいものではなかったが、別に怒っているわけではないようで、冗談交じりに頬に触れる程度の拳一発で手打ちになった。
・カイル・フォン・パリスタン
CV:坂泰斗
パリスタン王国の第二王子。
本作においてスカーレットに「ざまあ」された人物。
幼い頃からスカーレットとは婚約を結んでいたが、彼女を「奴隷」と見下し、様々な嫌がらせを繰り返していたため、スカーレットは我慢の日々を過ごしていた。こうした横暴さに耐えかねてスカーレットは何度か婚約破棄を父親に進言したが聞き入れてもらえなかった。
そして舞踏会の時に、カイルから婚約破棄を言い渡すのだが、それがスカーレットの逆鱗に触れ、彼女の鉄拳制裁をくらう。
奴隷を所持する貴族に支持されていたこともあり、廃嫡となった。
・テレネッツァ・ホプキンス
CV:
加隈亜衣
カイルの新しい婚約者。
舞踏会ではありもしないことを並べ立て、スカーレットを悪役令嬢に仕立て上げた。
だが、それが彼女の逆鱗に触れたのは言うまでもなく、真っ先に顔面を殴られ、「
ざまぁ」されてしまった。
言うまでもなくその際の顔は美女がやってはいけない顔になっている…
・ローザリア
CV:天城サリー
スカーレットの学院の友人。
人形のように可愛らしい容姿。
・エンヴィ
CV:立花日菜
スカーレットの学院時代の友人。
・ゴドウィン・ベネ・カーマイン
CV:
家中宏
パリスタン王国の宰相。
奴隷オークションの開催やナナカを奴隷紋で操るなど、
カイル絡みの事件の黒幕でもある。
スカーレットが鉄拳制裁したい相手の1人。
【用語】
〇大陸ロマンシア
本作の舞台となる大陸である。数多の創造神が塵芥から作ったと言われている。
この大陸には大きな力と領土を持つ
- 東の帝国ヴァンキッシュ
- 西の神聖皇国エルドランド
- 南の連合王国リンドブルグ
- 北の公国ファルコニア
といった4つの大国が存在している。領土をめぐっては度々戦争がおこっているという。
〇パリスタン王国
本作の舞台の王国。
上記4大国に囲まれた地理にある王国で、スカーレットが生まれ育った国。
ただ、その内部は第一王子派と第二王子派で権力闘争が起こっているとか。
〇氷の薔薇
スカーレットの学院時代の二つ名。
本人曰く、いかにも深窓の令嬢みたいな呼び名で、事実、多くの女子生徒から慕われていたが、スカーレットはあまり興味を持っていなかった様子。
〇王立貴族学院
スカーレットが通学していた学院。
主要三科目は剣術・魔法・教養。この三科目の試験結果に応じてクラス分けがなされる。
なお、スカーレットは成績優秀生ということで特別科に在籍していたが、婚約者のカイルは成績が悪く、一般科へ落とされた。
〇魔法
本作にも魔法の概念は存在しており、スカーレットも魔法を行使することはできる(何なら規格外の魔力を有する)が、「やはり素手で殴らないとスカッとしない」という理由で、戦闘においては魔法をあまり使わない。
〇獣人族
黒い髪と琥珀色の瞳を持ち、狼の姿に変身する能力を有する亜人種。
エルフやドワーフよりも少ない種族であるとされている。
〇奴隷紋
刻まれた者に契約者の絶対服従を強いる呪術式。
〇遡行の力
ありとあらゆる物体を、元ある形に遡らせる時の神クロノワの加護である。
世界で唯一スカーレットだけが所持しており、国が彼女を手放したくないと思っている理由の1つでもある。
【テレビアニメ】
2025年10月よりテレビアニメが放送されている。
少女漫画のような可愛らしいデザインの主人公が拳1つで悪を成敗する場面に痛快さを感じるということで視聴者から好評の声をもらっているという。
(「裏返ったプリキュア」と評する声もあるとか)
それだけスカーレットが悪徳貴族を殴り倒すところに「スカッと」する視聴者もいるということなんだろう。
アニメーション制作はライデンフィルム。
OP:「戦場の華」
ED:「インフェリア」
※EDに関しては、1話で思いきり殴られてしまったテレネッツァをメインに描いていることからネタにされた。
追記・修正は殴ってスカッとしたときにお願いします。
- タイトルの字面からロス市警殺人課とか警視庁特命係が浮かんでくるやつ -- 名無しさん (2025-10-29 01:12:34)
最終更新:2025年10月29日 01:15