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千と千尋の神隠し - (2025/02/26 (水) 16:43:58) の1つ前との変更点
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&font(#6495ED){登録日}:2010/01/15 Fri 04:47:46
&font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red)
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&tags()
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#center(){&bold(){&color(#000FFF){「ふん!千尋っていうのかい?贅沢な名前だねぇ…。今からお前の名は千だ!」}}}
『千と千尋の神隠し』とは、2001年7月20日に公開された[[スタジオジブリ]]制作の映画作品。
原作・脚本・監督は宮崎駿。
本項では映画を原作とした舞台作品についても記述する。
**【概要】
『[[もののけ姫]]』での引退宣言を覆して作られた作品。
制作のきっかけは、友人の娘さんたちを見て「この子たちのための映画を作ろう」と考えたため。
そうした経緯もあってか『[[もののけ姫]]』でのバイオレンス路線は封印されているが、同じ子ども向けでも[[となりのトトロ]]に比べるとおどろおどろしいシーンもある。
今作は公開から約20年間邦画興業収入記録第1位((2020年のリバイバル上映分を含めて約316億円))だったが、2020年12月に『[[劇場版「鬼滅の刃」 無限列車編>鬼滅の刃]]』にその座を明け渡した。
海外での評価も高く、第52回ベルリン国際映画祭で金熊賞、第75回アカデミー賞で長編アニメ映画賞を受賞している。
2022年にはジブリ作品初となる舞台版が上演。
同年度の菊田一夫演劇賞・演劇大賞を受賞するなど評価は非常に高く、2023年8月から再演を開始。2024年には演劇の聖地、ロンドン・ウエストランドでの公演も決定した。
**【あらすじ】
新しい町に引っ越すことになった千尋たち一家はその途中、怪しげなトンネルに迷い込む。
その先にはひなびた温泉街があった。
しかしそこで料理を食べた両親は豚になってしまい、一人残った千尋は生きるために神々が疲れを癒やす温泉宿「油屋」で働くことになる……
以下、[[ネタバレ]]多数のため注意
**【主な登場人物】
舞台版のキャストで初演・再演での共通出演者は太字で、異なる場合は初演→再演の順で記述する。
・荻野千尋/千
&bold(){「ここで働かせてください!」}
声:柊瑠美
演:&bold(){橋本環奈}/&bold(){上白石萌音}/川栄李奈/福地桃子
主人公。小学4年生。
今までのジブリヒロインに比べると美少女とは言い難いヘチャムクレな顔が特徴(監督いわくジブリ初の目が死んでるヒロイン)。
迷い込んだ世界で名前を奪われ「千」として働くことになる。
わがままで声はでかいくせに一人では何もできない子供だったが、油屋での生活と騒動で優しく、強く成長していく。
実は湯婆婆の契約書にサインした際に荻の字を間違えて書いているというのは有名な話((意図的に間違えたという考察と単なる作画ミスという考察がある。))。このため自分の名前を完全に忘れてしまわずに済んだ模様。
舞台版で2024年公演から加わる2名(細字)は初演のオーディションで落選しており、初演の両名の多忙からか再演決定に際して出演が決まったという経緯がある。
・ハク
&bold(){「千尋が元気になるようにおまじないを込めて作ったんだ」}
声:[[入野自由]]
演:&bold(){醍醐虎汰朗}/&bold(){三浦宏規}
湯婆婆の下で働く美少年。
事実上ナンバー2に位置しカエルたちや女たちを取り仕切っているが、裏では湯婆婆に黒い仕事もやらされている。
千尋を助けようと尽力する優しい性格だが、仕事中は冷淡な態度を見せることもある。
外見年齢は12歳くらい。
正体は川の神で本名は&s(){ニギリメシコハクヌシ}ニギハヤミコハクヌシ。帰る場所を失くしたため油屋に来たと語る。
以前川で溺れていた千を助けたことがあり、彼女と面識があるかのように振る舞うのはそのため。
千達と同じように湯婆婆に名前を取られ、自分が神だと言うことを忘れていたが終盤で千尋の助けで思いだすことができた。
・&anchor(yuba-ba,option=nolink){湯婆婆}(ゆばーば)
&bold(){「お客様とて許せぬ!」}
声:夏木マリ
演:&bold(){夏木マリ}/&bold(){[[朴璐美>朴ロ美]]}
油屋の女主人。頭身は低いが大柄な魔女。%%湯湯婆(ゆたんぽ)ではない%%
金にがめつき嫌なことは人に押し付ける鬼上司だが、やるべき時は陣頭に立ったり、大きな仕事をこなした部下を褒めるなど頼もしい面もある。
しかし裏では息子を過保護なまでに溺愛するビッグママ。
[[波動拳]]習得済みで絵コンテには「(ドラゴンボール風)」と書きがされていたとのことである。
舞台版では唯一、映画版と同じキャストを起用。&s(){[[吉本新喜劇]]の某女優は残念ながら起用されなかった。}
なおネット上では成功したら盛大に褒めてくれたり、クレームをつけて暴れる客に対し先陣切って啖呵を切るなど、理想の上司らしい一面も多いとの評価がある。
・カオナシ
&bold(){「千はどこだ?!千を出せ!」}
声:中村彰男
演:菅原小春/辻本知彦→森山開司/小尻健太/山野光
黒い影に仮面のような顔を持つ謎の存在。本作の顔でもある。&s(){顔はないけど}
普段は「あ…」や「え…」といった声しか発せず、コミュニケーションがままならない。誰かを食うことで初めてその者の声でまともに話す事ができる(用済みになったら吐き出すことも出来る)。
自分に優しくしてくれた千尋に惚れ込み陰ながら助けるが、行動は醜く歪み次第にエスカレートしていくようになる。
モデルは後に「[[借りぐらしのアリエッティ]]」「思い出のマーニー」の監督を務めた米林宏昌。
基本的に本作は海外版でもキャラ名はそのままだが、カオナシだけは顔がないという特徴が重要な意味を持つため各々の国の同義の言葉に翻訳されている&footnote(例えば英語圏であれば「No Face」という名前が与えられている)。
・釜爺
&bold(){「わからんか?愛だ、愛!」}
声:菅原文太
演:&bold(){田口トモロヲ}/橋本さとし
油屋のボイラーで働く老人。
[[6本ある手>アシュラマン]]を自在に動かし、湯を沸かし、薬湯に入れる薬を調合している。
自分を「風呂釜に扱き使われてるジジイ」と称し、仕事に厳しく一見気難しそうだが、千尋の状況をすぐ理解し助け舟を出してくれる気のいい人物。
・リン
&bold(){「お前トロいからさ、心配してたんだよ」}
声:玉井夕海
演:咲妃みゆ/妃海風→華優希
油屋の従業員。
釜爺やハクに千尋の世話を頼まれると嫌がる態度を見せるも、千尋を気にかけて面倒を見てくれる姉御肌な先輩。
男勝りでさっぱりした性格。
年齢については「14歳くらい」とされているが現代から見れば15歳~16歳に見えないこともない。
設定によれば、正体は白狐らしい。
・銭婆(ぜにーば)
&bold(){「一度あったことは忘れないもんさ。思い出せないだけで」}
声:夏木マリ
演:&bold(){夏木マリ}/&bold(){朴璐美}
湯婆婆の双子の姉。
姿は湯婆婆にそっくりだが、妹とは確執があり疎遠になっている((銭婆いわく「自分たちは2人で一人前だけど、気が合わない」))。
釜爺からはやたら怖い人みたいに言われており、初登場時こそ、妹に奪われた大切な私物を取り戻すために盗んだ相手を容赦なく痛めつけたりと、噂通りの人物のような第一印象を見せたが、
実際は妹と比べて穏やかで物分かり良い性格であり、身の寄せ場のないものを受け入れてやる度量と優しさも持ち合わせている。
普段は沼の底と呼ばれる森の中の小さな一軒家で、極力魔法を使わずに質素で慎ましい生活を送っている。
名前は湯婆婆と合わせて「銭湯」になることから名付けられたか。
・坊
&bold(){「千を泣かしたらばぁば嫌いになっちゃうからね」}
声:[[神木隆之介]]
演:&bold(){武者真由}
湯婆婆の息子。
姿は[[金太郎]]前掛けをかけた赤ん坊だが、その巨体ぶりは母親以上で、歯も生えそろい言葉も流暢にしゃべれる。
過保護に育てられて部屋から出たこともなかったが、銭婆にネズミの姿に変えられてしまい、千尋に付いて&ruby(おんも){外}の世界を見ることになる。ネズミ状態の愛らしさから、グッズにされていることも多い。
身体、知能共に成熟しながら格好や精神年齢は子供のままという文字通り「大きな子供」を揶揄したキャラ。
・頭(かしら)
声:[[戸次重幸]]
湯婆婆に付き従う怪物。常に3匹セットの緑色のおっさんの頭というそれなりに不気味な容姿をしている。
「オイ」という鳴き声しか発さず、無表情だが、坊に怯えたり(普段遊び相手という名目でコテンパンにされているらしい)と感情は持っている。
銭婆によって偽物の坊に変身していた。
・湯バード
湯婆婆の顔を持つ不気味なカラス。元々このような姿なのか、湯婆婆に魔法で姿をかえられたのかは不明。
銭婆によって小さくされ、蝿のような鳥の姿になってしまい、以後は坊[[ネズミ]]とコンビを組むことに。
ハエドリの姿が気に入ったようで、銭婆の魔法が切れてもそのまま元の姿に戻ることはなかった。
通称蚊バード。
・父役
声:上條恒彦
演:吉村直→伊東俊彦
・兄役
声:小野武彦
演:大澄賢哉→堀部圭亮
・番台蛙
声:[[大泉洋]]
油屋の中間管理職的な立場で、湯婆婆と平の従業員との間を取り持つ。蛙の化身。
兄役はカオナシに対して「さあてもこの世にきわまれる お大尽さまのおなりだよ」と太鼓持ち的な行動をしていた。
当初は人間である千尋を露骨に煙たがっていたが、カオナシから助けられて以降は逆に庇うように。
・青蛙
&bold(){「でも、千のおかげで俺達、助かったんです…」}
声:我修院達也
演:&bold(){おばたのお兄さん}
油屋で働く蛙。前述の通り、男性従業員は蛙の化身なのだが、青蛙はシンプルに蛙である。
砂金の取りこぼしを漁りに来たところをカオナシに飲み込まれる。以降カオナシは彼の声で主に喋るように。
金にがめついが、マネーなドーパントではない。火の悪魔でもない。&s(){小栗旬でもない。}
・千尋の父
声:内藤剛志/妃海風→堀部圭亮
演:大澄賢也
・千尋の母
声:沢口靖子
演:咲妃みゆ/華優希
豪胆だが無鉄砲で少しズレている父親(38歳)と、文句を言いながらも夫についていく母親(35歳)。
温泉街の店にあった神々のための料理に手を出したために豚になってしまう。最終的に元の姿に戻ったが、豚になっていた時の記憶は残っていない様子。
名前は劇中では出てこない。設定によれば父は「明夫」、母は「悠子」。
・ススワタリ
釜爺の下で石炭を運ぶ黒い物体で、細い手足がある。まっくろくろすけと恐らく同一の存在。
好物は金平糖。
今回は幼女ではなく石炭に潰される。
・クサレガミ
見た目はデカいヘドロの塊。「おクサレさま」と呼ばれる。
その悪臭は危険らしく、付近の食べ物などが腐れ落ちる(そのわりに千尋は触れても平気だったが)。
その正体は…。
・名のある川の神
&bold(){「…良きかな…」}
声:はやし・こば
おクサレ様の正体。本名は作中で明かされていないため不明。
翁の面が張り付いた白い龍のような外見をしている。
川に捨てられたゴミやヘドロなどをどんどん吸収するうちに変わり果てた姿になっていただけで、世話してくれた千尋に「ニガダンゴ」という薬を授け、%%ゴミと%%砂金を残して去った。
・おしら様
声:[[安田顕]]
頭にお椀ような物を被り、大根のような外見をした神様。歩くとき、「キュッ、キュッ」と音が鳴る。
温厚で優しい性格のようで、千尋がエレベーターに乗った際には彼女を庇うような仕草を見せ、自らの巨大で千尋に負担を掛けないようにさり気なく壁に手をついてあげた紳士。
クサレガミを川の神と見抜いた際にも訪れた他の神様と共に千尋の行いを讃えていた。
元ネタは東北で信仰されている同名の神様。どうやら子供好きな神様のようで、初対面の千尋を助けたのもこれに起因しているのかもしれない。
&s(){・[[オオトリ様]]}
&s(){伝説の神獣。}
**【備考】
-実はオープニングのタイトルバックで流れる曲「いのちの名前」には歌詞がついている。&br()またTBSの「戦後60周年企画・ヒロシマ」で平原綾香によるカバーでも歌われている。
-[[エンディングテーマ]]は木村弓による「いつも何度でも」。&br()なおこの歌は多くの人にカバーされており、その中にはウクライナのバンドゥーラ奏者の方もいる。
-本作の舞台には日本の様々な温泉宿をモデルとしてごちゃ混ぜになっているとか。
-油屋で働いている従業員は、「蛇(→龍=ハク)、蛙、ナメクジ(=ナメクジ女)」と三すくみを意識している。
-謎めいた設定が多く、油屋売春宿説やカオナシの正体論についてはネット上でも論議をかもすこともある。&br()ちなみに油屋が売春宿の暗喩であることはパヤオ自身も認めているらしい。
-トンネル周辺の景色が行きと帰りで異なっていた事から長期滞在していたのではないかと一部視聴者は捉えていたが、千尋が迷い込んだ期間はパヤオのインタビューでは三日程度としている。
-ラストの湯婆婆の試練を突破できた千尋だが、なぜあの問題で正解がわかったのかがファンの間で論議が絶えないとか。
-芸能人を多用する最近のジブリ作品にしては珍しくメインキャラのハクを声優の[[入野自由]]氏が担当しているが、この時の入野氏は声優としてのキャリアがほとんどない子役だった。&br()本人曰く声変わりしたての頃の声なので今ではできないらしい。
-ちなみにこの作品からジブリ映画の作風が大きく変わっている。&br()神話や境界などを大きな裏テーマにしている点はこれまでと変わらないが、これ以降その要素が強くなっており、明快な起承転結を軸とした主体性を帯びたストーリー性から、起承転結的な展開を放棄し曖昧模糊とした観念的なストーリー性が顕著に表れていくようになる。&br()具体的なほのめかしや説明が劇中で一切せず非常に淡々と進んでいくため、予備知識がないと&br()「なぜそうなるのか、」「このシーンや展開・描写の意味は何なのか」「何をしているのか」といったことが全く理解できない。&br()ここは[[賛否両論]]である。
追記・修正は神々をおもてなししながらお願いします
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『千と千尋の神隠し』とは、2001年7月20日に公開された[[スタジオジブリ]]制作の映画作品。
原作・脚本・監督は宮崎駿。
本項では映画を原作とした舞台作品についても記述する。
**【概要】
『[[もののけ姫]]』での引退宣言を覆して作られた作品。
制作のきっかけは、友人の娘さんたちを見て「この子たちのための映画を作ろう」と考えたため。
そうした経緯もあってか『[[もののけ姫]]』でのバイオレンス路線は封印されているが、同じ子ども向けでも[[となりのトトロ]]に比べるとおどろおどろしいシーンもある。
今作は公開から約20年間邦画興業収入記録第1位((2020年のリバイバル上映分を含めて約316億円))だったが、2020年12月に『[[劇場版「鬼滅の刃」 無限列車編>鬼滅の刃]]』にその座を明け渡した。
海外での評価も高く、第52回ベルリン国際映画祭で金熊賞、第75回アカデミー賞で長編アニメ映画賞を受賞している。
2022年にはジブリ作品初となる舞台版が上演。
同年度の菊田一夫演劇賞・演劇大賞を受賞するなど評価は非常に高く、2023年8月から再演を開始。2024年には演劇の聖地、ロンドン・ウエストランドでの公演も決定した。
**【あらすじ】
新しい町に引っ越すことになった千尋たち一家はその途中、怪しげなトンネルに迷い込む。
その先にはひなびた温泉街があった。
しかしそこで料理を食べた両親は豚になってしまい、一人残った千尋は生きるために神々が疲れを癒やす温泉宿「油屋」で働くことになる……
以下、[[ネタバレ]]多数のため注意
**【主な登場人物】
舞台版のキャストで初演・再演での共通出演者は太字で、異なる場合は初演→再演の順で記述する。
・荻野千尋/千
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主人公。小学4年生。
今までのジブリヒロインに比べると美少女とは言い難いヘチャムクレな顔が特徴(監督いわくジブリ初の目が死んでるヒロイン)。
迷い込んだ世界で名前を奪われ「千」として働くことになる。
わがままで声はでかいくせに一人では何もできない子供だったが、油屋での生活と騒動で優しく、強く成長していく。
実は湯婆婆の契約書にサインした際に荻の字を間違えて書いているというのは有名な話((意図的に間違えたという考察と単なる作画ミスという考察がある。))。このため自分の名前を完全に忘れてしまわずに済んだ模様。
舞台版で2024年公演から加わる2名(細字)は初演のオーディションで落選しており、初演の両名の多忙からか再演決定に際して出演が決まったという経緯がある。
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湯婆婆の下で働く美少年。
事実上ナンバー2に位置しカエルたちや女たちを取り仕切っているが、裏では湯婆婆に黒い仕事もやらされている。
千尋を助けようと尽力する優しい性格だが、仕事中は冷淡な態度を見せることもある。
外見年齢は12歳くらい。
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以前川で溺れていた千を助けたことがあり、彼女と面識があるかのように振る舞うのはそのため。
千達と同じように湯婆婆に名前を取られ、自分が神だと言うことを忘れていたが終盤で千尋の助けで思いだすことができた。
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油屋の女主人。頭身は低いが大柄な魔女。%%湯湯婆(ゆたんぽ)ではない%%
金にがめつき嫌なことは人に押し付ける鬼上司だが、やるべき時は陣頭に立ったり、大きな仕事をこなした部下を褒めるなど頼もしい面もある。
しかし裏では息子を過保護なまでに溺愛するビッグママ。
[[波動拳]]習得済みで絵コンテには「(ドラゴンボール風)」と書きがされていたとのことである。
舞台版では唯一、映画版と同じキャストを起用。&s(){[[吉本新喜劇]]の某女優は残念ながら起用されなかった。}
なおネット上では成功したら盛大に褒めてくれたり、クレームをつけて暴れる客に対し先陣切って啖呵を切るなど、理想の上司らしい一面も多いとの評価がある。
・カオナシ
&bold(){「千はどこだ?!千を出せ!」}
声:中村彰男
演:菅原小春/辻本知彦→森山開司/小尻健太/山野光
黒い影に仮面のような顔を持つ謎の存在。本作の顔でもある。&s(){顔はないけど}
普段は「あ…」や「え…」といった声しか発せず、コミュニケーションがままならない。誰かを食うことで初めてその者の声でまともに話す事ができる(用済みになったら吐き出すことも出来る)。
自分に優しくしてくれた千尋に惚れ込み陰ながら助けるが、行動は醜く歪み次第にエスカレートしていくようになる。
モデルは後に「[[借りぐらしのアリエッティ]]」「思い出のマーニー」の監督を務めた米林宏昌。
基本的に本作は海外版でもキャラ名はそのままだが、カオナシだけは顔がないという特徴が重要な意味を持つため各々の国の同義の言葉に翻訳されている&footnote(例えば英語圏であれば「No Face」という名前が与えられている)。
・釜爺
&bold(){「わからんか?愛だ、愛!」}
声:菅原文太
演:&bold(){田口トモロヲ}/橋本さとし
油屋のボイラーで働く老人。
[[6本ある手>アシュラマン]]を自在に動かし、湯を沸かし、薬湯に入れる薬を調合している。
自分を「風呂釜に扱き使われてるジジイ」と称し、仕事に厳しく一見気難しそうだが、千尋の状況をすぐ理解し助け舟を出してくれる気のいい人物。
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声:玉井夕海
演:咲妃みゆ/妃海風→華優希
油屋の従業員。
釜爺やハクに千尋の世話を頼まれると嫌がる態度を見せるも、千尋を気にかけて面倒を見てくれる姉御肌な先輩。
男勝りでさっぱりした性格。
年齢については「14歳くらい」とされているが現代から見れば15歳~16歳に見えないこともない。
設定によれば、正体は白狐らしい。
・銭婆(ぜにーば)
&bold(){「一度あったことは忘れないもんさ。思い出せないだけで」}
声:夏木マリ
演:&bold(){夏木マリ}/&bold(){朴璐美}
湯婆婆の双子の姉。
姿は湯婆婆にそっくりだが、妹とは確執があり疎遠になっている((銭婆いわく「自分たちは2人で一人前だけど、気が合わない」))。
釜爺からはやたら怖い人みたいに言われており、初登場時こそ、妹に奪われた大切な私物を取り戻すために盗んだ相手を容赦なく痛めつけたりと、噂通りの人物のような第一印象を見せたが、
実際は妹と比べて穏やかで物分かり良い性格であり、身の寄せ場のないものを受け入れてやる度量と優しさも持ち合わせている。
普段は沼の底と呼ばれる森の中の小さな一軒家で、極力魔法を使わずに質素で慎ましい生活を送っている。
名前は湯婆婆と合わせて「銭湯」になることから名付けられたか。
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声:[[神木隆之介]]
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湯婆婆の息子。
姿は[[金太郎]]前掛けをかけた赤ん坊だが、その巨体ぶりは母親以上で、歯も生えそろい言葉も流暢にしゃべれる。
過保護に育てられて部屋から出たこともなかったが、銭婆にネズミの姿に変えられてしまい、千尋に付いて&ruby(おんも){外}の世界を見ることになる。ネズミ状態の愛らしさから、グッズにされていることも多い。
身体、知能共に成熟しながら格好や精神年齢は子供のままという文字通り「大きな子供」を揶揄したキャラ。
・頭(かしら)
声:[[戸次重幸]]
湯婆婆に付き従う怪物。常に3匹セットの緑色のおっさんの頭というそれなりに不気味な容姿をしている。
「オイ」という鳴き声しか発さず、無表情だが、坊に怯えたり(普段遊び相手という名目でコテンパンにされているらしい)と感情は持っている。
銭婆によって偽物の坊に変身していた。
・湯バード
湯婆婆の顔を持つ不気味なカラス。元々このような姿なのか、湯婆婆に魔法で姿をかえられたのかは不明。
銭婆によって小さくされ、蝿のような鳥の姿になってしまい、以後は坊[[ネズミ]]とコンビを組むことに。
ハエドリの姿が気に入ったようで、銭婆の魔法が切れてもそのまま元の姿に戻ることはなかった。
通称蚊バード。
・父役
声:上條恒彦
演:吉村直→伊東俊彦
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声:小野武彦
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油屋の中間管理職的な立場で、湯婆婆と平の従業員との間を取り持つ。蛙の化身。
兄役はカオナシに対して「さあてもこの世にきわまれる お大尽さまのおなりだよ」と太鼓持ち的な行動をしていた。
当初は人間である千尋を露骨に煙たがっていたが、カオナシから助けられて以降は逆に庇うように。
・青蛙
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声:我修院達也
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油屋で働く蛙。前述の通り、男性従業員は蛙の化身なのだが、青蛙はシンプルに蛙である。
砂金の取りこぼしを漁りに来たところをカオナシに飲み込まれる。以降カオナシは彼の声で主に喋るように。
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演:大澄賢也
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声:沢口靖子
演:咲妃みゆ/華優希
豪胆だが無鉄砲で少しズレている父親(38歳)と、文句を言いながらも夫についていく母親(35歳)。
温泉街の店にあった神々のための料理に手を出したために豚になってしまう。最終的に元の姿に戻ったが、豚になっていた時の記憶は残っていない様子。
名前は劇中では出てこない。設定によれば父は「明夫」、母は「悠子」。
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釜爺の下で石炭を運ぶ黒い物体で、細い手足がある。まっくろくろすけと恐らく同一の存在。
好物は金平糖。
今回は幼女ではなく石炭に潰される。
・クサレガミ
見た目はデカいヘドロの塊。「おクサレさま」と呼ばれる。
その悪臭は危険らしく、付近の食べ物などが腐れ落ちる(そのわりに千尋は触れても平気だったが)。
その正体は…。
・名のある川の神
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声:はやし・こば
おクサレ様の正体。本名は作中で明かされていないため不明。
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川に捨てられたゴミやヘドロなどをどんどん吸収するうちに変わり果てた姿になっていただけで、世話してくれた千尋に「ニガダンゴ」という薬を授け、%%ゴミと%%砂金を残して去った。
・おしら様
声:[[安田顕]]
頭にお椀ような物を被り、大根のような外見をした神様。歩くとき、「キュッ、キュッ」と音が鳴る。
温厚で優しい性格のようで、千尋がエレベーターに乗った際には彼女を庇うような仕草を見せ、自らの巨大で千尋に負担を掛けないようにさり気なく壁に手をついてあげた紳士。
クサレガミを川の神と見抜いた際にも訪れた他の神様と共に千尋の行いを讃えていた。
元ネタは東北で信仰されている同名の神様。どうやら子供好きな神様のようで、初対面の千尋を助けたのもこれに起因しているのかもしれない。
&s(){・[[オオトリ様]]}
&s(){伝説の神獣。}
**【備考】
-実はオープニングのタイトルバックで流れる曲「いのちの名前」には歌詞がついている。&br()またTBSの「戦後60周年企画・ヒロシマ」で平原綾香によるカバーでも歌われている。
-[[エンディングテーマ]]は木村弓による「いつも何度でも」。&br()なおこの歌は多くの人にカバーされており、その中にはウクライナのバンドゥーラ奏者の方もいる。
-本作の舞台には日本の様々な温泉宿をモデルとしてごちゃ混ぜになっているとか。
-油屋で働いている従業員は、「蛇(→龍=ハク)、蛙、ナメクジ(=ナメクジ女)」と三すくみを意識している。
-謎めいた設定が多く、油屋売春宿説やカオナシの正体論についてはネット上でも論議をかもすこともある。&br()ちなみに油屋が売春宿の暗喩であることはパヤオ自身も認めているらしい。
-トンネル周辺の景色が行きと帰りで異なっていた事から長期滞在していたのではないかと一部視聴者は捉えていたが、千尋が迷い込んだ期間はパヤオのインタビューでは三日程度としている。
-ラストの湯婆婆の試練を突破できた千尋だが、なぜあの問題で正解がわかったのかがファンの間で論議が絶えないとか。
-芸能人を多用する最近のジブリ作品にしては珍しくメインキャラのハクを声優の[[入野自由]]氏が担当しているが、この時の入野氏は声優としてのキャリアがほとんどない子役だった。&br()本人曰く声変わりしたての頃の声なので今ではできないらしい。
-ちなみにこの作品からジブリ映画の作風が大きく変わっている。&br()神話や境界などを大きな裏テーマにしている点はこれまでと変わらないが、これ以降その要素が強くなっており、明快な起承転結を軸とした主体性を帯びたストーリー性から、起承転結的な展開を放棄し曖昧模糊とした観念的なストーリー性が顕著に表れていくようになる。&br()具体的なほのめかしや説明が劇中で一切せず非常に淡々と進んでいくため、予備知識がないと&br()「なぜそうなるのか、」「このシーンや展開・描写の意味は何なのか」「何をしているのか」といったことが全く理解できない。&br()ここは[[賛否両論]]である。
追記・修正は神々をおもてなししながらお願いします
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