東方血土(デュエル・マスターズ)

登録日:2025/06/15 Sun 23:34:20
更新日:2025/06/24 Tue 19:32:23
所要時間:約 11 分で読めます







バロムですら、血土は支配しきれなかった。




東方血土とは、TCGデュエル・マスターズ」の背景ストーリーに登場する地名。


血土の概要


超獣世界の東に位置する、血のように真っ赤な荒野が広がる大地。
基本セットから転生編にかけて度々仄めかされてきた未開の土地であり、不死鳥編では背景ストーリーの主要舞台にもなった。

和のテイストが盛り込まれた風貌の一部デーモン・コマンドがこの土地に関与しており、闇文明の主要部隊とは別の勢力として展開していた。
旧来の種族がこぞって恐れ、あの《悪魔神バロム》でさえ支配しきれなかった土地とされる。

初出はコロコロコミック付属の超獣世界を描いた地図「5大文明ワールド超激戦区」。
フレーバーテキスト(以下FT)では極稀にしか触れられて来ず、同じ初期の背景ストーリーの地名であるフィオナの森仙界に比べると知名度は低めだった。
ところが、初登場から20年もの歳月が流れた2024年になって突然公式で取り上げられるようになり、注目を集めている。


血土の内情


基本セット転生編

フィオナの森の奥にある土地で、超獣世界の北東に位置し、南には同じ闇文明の拠点である魔霊宮が構えている。
入口にあたる「賢者の門」の向こう側には赤い荒野が描かれるのみであり、この時点ではまだ謎の多い土地だった。

▽賢者の門

東方血土への玄関口で、「東方血土・賢者の門」と表される事が多い。
重火器を積み上げて造られた厳重な門であり、「5大文明ワールド超激戦区」の初版では《冥将ダムド》が、一部クリーチャーが転生編に置き換わった再録版では《古の羅漢バグレン》が描かれており、両者が何らかの形で関与している模様。
他にもフィオナの森が隣接している関係で、門の近くには自然文明のクリーチャーであるビーストフォークの《怒髪の豪腕》、ジャイアントの《神拳の超人》が佇んでおり、後者は血土関連の背景ストーリーにも登場する。

DMRP-17に収録された《悪魔神ドルバロム》のFTによると、この門まではフィオナの森の土地としても扱われる。

▽東方闇帝国

賢者の門を越えた先にあるとされる帝国。
血土関連のクリーチャーのFTでは「東方の冥府」「東国」とも記されている。
ナゾのベールに包まれた国家であり、所属するクリーチャー達の文明や「闇」を冠する国名からして闇文明が絡んでいそうだが、詳細は不明である。

某STGシリーズを連想させる名称だが特に関連性はない

▽血武衆

東方血土に関連する武装集団で、主に闇文明のデーモン・コマンドで構成される。
全方位カードファイルにて言及された集団であり、上述したワールド超激戦区では「東方闇軍」とも記されている。
ダークロードの《冥将ダムド》を中心人物として、強力な戦力の《殺戮の羅刹デス・クルーザー》を抱えている。

不死鳥編

東方血土が物語の舞台となっており、転生編から一万年後の世界において、賢者の門を突破したクリーチャー達が血土に根付いている。
賢者の門の向こう側にあった転生編以前の超獣世界を「旧世界」として、こちらは「新世界」と呼ばれている。
ハイブリッド種族が繁栄する世界であり、主に「ティラノ・ドレイク界」「グランド・デビル界」「グレートメカオー界」「アーク・セラフィム界」「ドリームメイト界」の五つから成る。

ついに神秘のベールを脱いだ東方血土だが、その末路は…

▽クォーター・フォート

賢者の門の傍に連なっている二つの小島。
以前は旧世界の動向を見張るために利用されていたようだが、今では訪れる者もなく、ひっそりとしている。

▽スカイライン・ブリッジ

アーク・セラフィム界とグレートメカオー界の間に存在する大橋。
天空の遺跡へ繋がるとされており、多くのアーク・セラフィムが渡航を試みたにも関わらず、未だかつて成功した者はいない。
橋の根本には「風見の基地」と呼ばれる出発点があり、ここで渡航者の選別を行っているが、多くの者が橋を目前にして旅を断念する。

未知なる土地へ繋がる玄関口という点では、旧世界における賢者の門に相当する施設である。

時系列不明

2025年5月に公開されたデュエチューブの背景ストーリー解説回では、仙界出身の上位存在、即ちあの《覇王ブラックモナーク》と同格の存在が東方血土を事実上支配している事が明らかとなった。
現時点でその上位存在の詳細は明かされていないものの、格で言えば悪魔神をはるかに凌ぐ死神明王すら戯れで生み出せる存在と同等であり、バロムでさえ支配の及ばなかった土地である理由が20年越しに回収される形となった。

しかしそれ程の存在が支配していたにも関わらず、後述する背景ストーリーでの血土の顛末は悲惨なものであり、その間何をしていたのかも含めて謎は多い。


血土の歴史


基本セット闘魂編

突如として現れたサバイバーの侵攻に対し、血武衆を中心とする闇文明が鎮圧の一番乗りに躍り出る。
更には他国の混乱に乗じて、血武衆の中心人物である《冥将ダムド》が《殺戮の羅刹デス・クルーザー》を解放し、サバイバー戦の勢いをかって自然文明へと猛攻を仕掛けた。
最終的にデス・クルーザーは自然文明の《哀哭の超人》と相打ちになった挙句、《神拳の超人》との戦闘で主力部隊の八割も失ってしまい、ダムドはやむなく撤退を宣言した。

聖拳編

背景ストーリーでの出番は特になし。
一応、五体の王隠されし六番目の王による最終決戦が繰り広げられる頃には、東方血土に所縁のあるデーモン・コマンドの《血土の無僧ザハク》が姿を見せている。

転生編

ザハクに引き続き、血土の関係者であるデーモン・コマンドとして《古の羅漢バグレン》が登場した。

そして物語の終盤には、過熱するクロスギアの開発競争の末に最終魔導具の暴走が引き起こされてしまう。
これによって時空の裂け目「ユニバース」が発生し、一部の地域を残して超獣世界を崩壊させ、尚も世界を飲み込もうとした。
生き残った僅かな者達はユニバースの吸収から逃れるべく、それまで禁忌とされてきた東方血土への移住を決断する事に。

不死鳥編

転生編から一万年が経った新世界では、賢者の門を突破した生き残りの旧種族が五つのハイブリッド種族として進化を遂げ、東方血土に根付いていた。
時期は不明だが賢者の門は破壊されており、生き残りのクリーチャー達が行き来の自由になった門から脱していった事が旧世界の破滅を加速させる一因となっている。
危ういバランスの上に辛うじて調和を保っていた五種族だったが、侵食の止まらないユニバースより超生命体フェニックスが飛来し、同盟や対立を繰り広げながらも立ち向かっていく事となる。

なお、これまで語られてきた東方闇帝国や血土関連のデーモン・コマンド達については一切触れられず、転生編後にどうなったのか分からずじまいである。
デーモン・コマンド関連で言えば、この時期には《覇王ブラックモナーク》の再生計画が進められたり、モナーク家の末弟である《悪魔神デスモナーク》が顕現したりしているものの、東方血土との関係性は特に覗えない。
ハイブリッド種族の一角であるグランド・デビルはデーモン・コマンドの末裔という設定であり、彼らの先祖が闇帝国の住民と考えられなくもないが、推測の域は出ない。

極神編

フェニックスが消え去った直後、今度は複合生命体ゴッドが超獣世界に降臨する。
彼らの世界再編により、ハイブリッド種族と共に住処である東方血土までもが粛清の対象としてなんと壊滅させられてしまう
極神編の超獣世界を写した「超パノラマワールドMAP」では崩壊するグレートメカオー界が描かれており、クリーチャー達はゴッドによる選別を覚悟してスカイライン・ブリッジの向こう側への移住を余儀なくされた。

そして、物語の舞台はスカイライン・ブリッジの先にある「新世界」へと移り変わり、世界再編に伴って仙界やフィオナの森といった旧世界に存在していた土地も復活を果たした。
一方で、かつて新世界と呼ばれていた東方血土は逆に「旧世界」として切り捨てられ、以来全く触れられなくなってしまうのだった…。

不敬なり!真邪眼騎士団

極神編からリアルタイムで16年半もの時を経て、背景ストーリーで久々に登場を果たした。
ディスペクターとして復活を果たした《煉獄大帝 キング・ロマノフ》による超獣世界侵攻の一環として狙われ、真邪眼騎士団の一団が差し向けられる事に。
邪眼皇ロマノフI世》に《魔光大帝ネロ・グリフィス・ルドルフ》を魔縛させた《魔縛 ロマノフ=ルドルフI世》率いる邪光騎士団が進軍し、東方血土に再び魔の手が迫ろうとしていた。

キング・ロマノフが《龍魂珠》を取り込んでディスペクターになった経緯を考えるに、時系列的には王来篇以降のはずだが、ゴッドによって壊滅させられた東方血土がどのような状況になっているかは不明である。


血土に関連するカード


血土の無僧ザハク C 闇文明 (4)
クリーチャー:デーモン・コマンド 2000+
このクリーチャーのパワーは、バトルゾーンにある相手のタップされているクリーチャー1体につき+3000される。

DM-13「聖拳編 第4弾 龍炎鳳神誕」に収録されたデーモン・コマンド。
血土の名を冠する唯一のクリーチャーにして、FTで初めて東方血土について明確に触れたカードでもあり、記事冒頭の文章もザハクに書かれたFTである。
イラストでは多腕で複数の武器を携えた和風の悪魔が描かれており、これらの特徴は血土関連のデーモン・コマンド達に共通する。
カードの性能としては、当時として珍しい低めのコストのデーモン・コマンドで、FTで触れているバロムの進化元として運用される事もあった。

悪魔神バロム SR 闇文明 (8)
進化クリーチャー:デーモン・コマンド 12000
進化-自分のデーモン・コマンド1体の上に置く。
W・ブレイカー
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、闇以外のクリーチャーをすべて破壊する。

ご存知、闇文明の大御所。
そんなバロムですら支配しきれなかった土地として東方血土は登場し、ある意味引き立て役のような扱いに甘んじた。

上述のザハクが収録された直後の弾である転生編第1弾では、名誉挽回とばかりにバロムの転生版《悪魔神ドルバロム》が登場し、DMRP-17収録時のFTでは『天界の門からフィオナの森の東方血土・賢者の門まで……ドルバロムの破壊から逃れられる場はない。』と血土を名指しにしていた。
ただ、破壊の範囲について「賢者の門まで」と表記されている事から、ドルバロムでもってしても門の先にある本土までは干渉できないと取れる表現になっている。

詳しくは個別項目を参照。


血土に関連する種族


デーモン・コマンド

東方血土の主要勢力。
と言っても該当クリーチャーは非常に少なく、上述した《血土の無僧ザハク》を初めとして
  • 血武衆の中心人物であるダムドが解放した《殺戮の羅刹デス・クルーザー
  • FTにて「東国の武技」と記載して東方血土を仄めかしている《剣舞の修羅ヴァシュナ》
  • 「5大文明ワールド超激戦区」で賢者の門と共に記載された《古の羅漢バグレン》
の計4体しか確認されていない。
いずれも「無僧」「羅刹」「修羅」「羅漢」と仏教に因んだ用語を肩書きを冠しており、多腕で刀剣を構えた和風テイストの意匠で共通する。*1

ダークロード

血武衆の中心人物である《冥将ダムド》の種族。
闇文明の支配階級にあたる種族であり、実際にデーモン・コマンドのデス・クルーザーを使役する等、支配者としての役割は東方血土でも変わらないようだ。

なお、「5大文明ワールド超激戦区」の初版でダムドが賢者の門と共に記載されているのは先述した通りだが、イラストはダムドでありながらクリーチャー名の欄が何故か《剣舞の修羅ヴァシュナ》表記になってしまっている
十中八九誤植であろうが、ダムドもヴァシュナも同じ弾に収録され、共にFTで東方血土について初めて仄めかしたクリーチャーであり、深い関係性ではある。

ハイブリッド種族

東方血土に移り住んだ旧種族の末裔。
ティラノ・ドレイクグランド・デビルグレートメカオーアーク・セラフィムドリームメイトの五種族が存在する。
闇帝国の詳細が明かされなかったため、血土の住人としては上述したデーモン・コマンド達よりも彼らの方が有名になっている。

超神星フェニックス

時空の裂け目「ユニバース」より東方血土に飛来した超生命体。
ハイブリッド種族と敵対し、血土を舞台に戦いを繰り広げた。

ゴッド

フェニックスに続けて降臨した複合生命体。
神々によって東方血土はハイブリッド種族共々壊滅の憂き目に遭い、長らく歴史の表舞台から消される事となった。

ディスペクター

東方血土を三度襲った侵略者。
邪眼と魔光が合わさった邪光騎士団を《邪光魔縛 ネロマノフ=ルドルフI世》が率い、血土に進軍しようとしている。
また、血土を支配する未知なる上位存在の設定が明かされた事により、「キング・ロマノフは上位存在絡みの土地に侵攻している」という疑惑がほぼ確定的となった。

アビスロイヤル

深淵に封じられし伝説の種族。
全く無縁のようにも思われたが、深淵にいながら東方血土の影響を受けたアビスロイヤルとして後に《カタナ=タッガーナ》と《深淵の禍玉 マガダ=マッガーナ》のコンビが登場した。
タッガーナは多腕の刀剣使いとして、マッガーナは勾玉を複数装着した風貌として、2体とも上述した血土関連のデーモン・コマンドと似た意匠を持つ。



バロムですら、項目は追記・修正しきれなかった。

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最終更新:2025年06月24日 19:32

*1 厳密にはデス・クルーザーだけ全身灰色の無機質な見た目でやや浮いているが、多腕の武器持ちという特徴は合致している