ジープ・ストマック

登録日:2025/06/16 Mon 06:22:35
更新日:2025/07/20 Sun 08:07:35
所要時間約 6 分で読めるんだから…!


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かませ犬 だが男だ まるで成長していない… インフレの被害者 オオカミ グラニュート ゴスロリ ジャルダック家 ジープ・ジャルダック ジープ・ストマック ストマック家 ストマック社 ハティ バキバキスティック ポテトスティック メンタルバキバキスティック ライダー怪人 リゼルのおもちゃ ロストシンメトリー 三男 主人公の兄 仕入れ担当 他責思考 令和ライダー 仮面ライダー 仮面ライダーガヴ 仮面ライダービターガヴ 副社長 双子 反面教師 古賀瑠 問題児 婿入り 婿養子 小物 幹部 幹部怪人 底なしに下がり続ける株 怪人 怪人ライダー 悪役ライダーリンク 戦犯 戦犯←中の人も言及 毒兄 毒家族 無能 男の娘 自業自得 責任転嫁 転落人生 迷走 逆恨み 逆玉の輿 酒井和真 電撃結婚 黒ガヴ


可哀想ねぇ。
ママと同じ人間だったら一緒に死ねたのに!

ジープ・ストマックとは、特撮テレビドラマ『仮面ライダーガヴ』の登場人物である。


【データ(怪人態)】

身長:196.1cm
体重:58.5kg
特色/力:俊敏性/双短剣/連携攻撃
演:古賀(るいと)
スーツアクター(怪人態):酒井和真
キャラクターソング:「ロストシンメトリー」*1


【概要】

本作の異種族であるグラニュートの一体で、敵組織であるストマック家の三兄。
双子の姉であるシータ共々仕入れ統括を担当しており、髪色が向かって左が黒で右が白要はファングジョーカーじゃない方である。
短パンのシータに対してこっちはスカートを履いている。

シータ同様本来の姿はのような見た目で、こちらは鉤爪を模したような薄い青の装甲を纏っている。
戦闘では双短剣を武器に戦う。小柄な体躯に見合わぬパワーとスピードを有し、シータとの連携で獲物を追い込む。
第13話でのショウマとの直接対決では、ポッピングミ(+キッキングミ&パンチングミアシスト)、ザクザクチップス、ふわマロ、チョコダンと、ガヴの既存のフォームをことごとく真っ向から圧倒してみせ、バイト達とは格の違う戦闘能力を見せつけた。
ただこの強さはあくまでシータとの連携ありきで発揮されるものであり、また一度想定外の事態に陥ると混乱したまま追い込まれてしまうなど精神面の脆さが弱点。


【人物像】

粗野な口調で話すオレっ娘なシータとは逆に、一人称は「私」で、女性言葉を使うなど女性的な印象。
また、せっかちな姉に比べて落ち着いていて、現場担当という事もあり目利きの鋭い面も。

しかしながら責任感の乏しさはシータと共通する。
また自分達のこれまでの横暴と怠慢を棚に上げて異母弟のショウマや長兄のランゴを恨むなど、基本的には姉ともども他責思考の塊

ショウマのすぐ上の兄ながら、兄姉たち同様彼には幼少期からキツく当たり、時には暴力まで振るっていた。
これに関して視聴者から見て特に印象的なエピソードは誕生日の回想シーンだろう。いわば妾の子であるショウマにかまけてばかりの父・ブーシュは、シータとジープの誕生日祝いにも来ず、二人は寂しくケーキを分け合っていた。
そこへ純粋に誕生日を祝おうとショウマが花を携えてやって来たが、ジープはあろう事か「あっち行け!」と殴って追い払う始末だったのだ。

……ただこれは「ショウマに父の愛情を奪われた」「自分達と違ってショウマは母に愛されている」という嫉妬と逆恨みが募った結果でもあり、ある意味では彼ら自身もストマック家の被害者と言える。
このエピソード以降視聴者の間でブーシュの株が更に下がったのは言うまでもない。


【来歴】

物語開始前にランゴから仕入れ担当を引き継ぎ、人間界で活動するバイトのグラニュートの管理及び彼らが献上してくるヒトプレスの検品と納品を担っていた。
ある日バイトが次々と連絡を絶っている事を不審に思い、エージェントを使って独自に調査した結果、グラニュートを倒す謎の戦士の存在と、そしれそれが生き延びていたショウマである事を知る。
そして第4話にてショウマと再会。当初こそシータと共にショウマを嘲っていたものの、差し向けたエージェントを倒された事に驚愕する……が、ショウマを甚振る楽しみを取っておくためその生存をランゴ達に秘匿
当然これが大きな間違いのもとで、バイト達を次々に倒されて本格的にヒトプレス納品に支障をきたしてゆくことに。挙句、人間界にせっかく構えた拠点までショウマに破壊されるという大失態を犯し、長姉のグロッタに脅されたり次兄のニエルブに泣き着いたりする始末。

そうこうしているうちにランゴにも一部始終がバレ、彼からの解雇通告を受けて本気で焦りながらショウマに挑むが、どうにも危機意識が足りていないのは否めず失敗。
結局正式にクビにされた挙句、富裕層へ嫁ぐよう命令される事に。あれ?「嫁ぐ」?「婿入り」じゃなくて?*2

そして、自分達の帰る場所を奪ったとしてショウマに(幼少期からの嫉妬も含めた)逆恨みをますます募らせた結果、シータと共に街で破壊活動をしながらショウマを誘き出すという行動に出る。
だが第14話ではショウマとの決戦でシータを目の前で喪い発狂
土砂降りの雨の中、まるで亡き姉とお揃いになろうとするかのように黒髪を切り落としていた……。

その後はロジョーと結託し、ショウマへの復讐を目論むも、ロジョーが拉致してきた絆斗には興味を示さずどこかへ去って行った。

この場面を最後にしばらく行方が判らなくなり、他の登場人物からも言及されなくなってしまった。
ジープの今後については「やさぐれたまま第三勢力と化す」、酸賀か、あるいはニエルブに改造されてビターガヴになるのだろうか……。



追記・修正をお願いします。
















と、思いきや。その後もストーリーが進む中、酸賀が倒された後の第29話の予告にて生存が判明。

しかし、その現状はあまりにも斜め上なものだった……!

ストマック家の皆さん。初めまして♪

私、彼女と結婚したの!

ランゴ・グロッタ・視聴者「!?」

何と、グラニュート界の大統領ボッカ・ジャルダックの娘であるリゼルとの出会いを機に、ジャルダック家の婿養子として再登場を果たしたのだ。
反発した「他家に嫁げ」という命令を意趣返しでしてのけた形である。
これに伴って、第29話以降のキャストクレジットも「ジープ・ジャルダック」に変更された。


【再登場】

ロジョーの一件後はグラニュート界に帰還しており、自殺を考えるほど荒んだ生活を送っていたが、そこでリゼルに興味を持たれた結果、彼女に全てを打ち明ける。
その後リゼルと結婚し、自分達を蔑ろにし続けた兄姉達、そして片割れを奪ったショウマへの復讐を開始。
手始めにストマック社の副社長に就任し、ランゴを社長の座から引き摺り下ろす事に成功した。


【副社長として】

しかし、格下げされてもランゴが着実に仕入れの仕事をこなすのに対して自身は副社長の座に胡坐を掻いており、その事を指摘されると立場を盾に怒鳴り散らす等、お世辞にも自身の役割を全うしているとは言い難い。
何なら、仕入れ担当時代の方がまだ仕事をしていたまである。
おまけに、立場上社長のリゼルには進言できないため、完全にお飾りの副社長である。

しかも頼みの妻は「壊れたもの」を「かわいい」と称する猟奇的感性の持ち主。
ジープと結婚したのもまさにボロボロで壊れかけの姿を気に入ったからに過ぎず、夫婦というよりも「飼い主とペット」、あるいは「子供とおもちゃ」とでも言うべき隷属関係にあり、助けるどころか甘い言葉でさらにジープを「かわいい姿」に追い込んでいる。

遂には第36話にてボッカがランゴの手腕を褒めた事に焦ったのか、ランゴの次なる狩り場をショウマにリークするという利敵行為を行った。これには中の人からも「戦犯」呼ばわりされた。
あくまで、ランゴにショウマを倒させることが目的*3だったが、逆に彼はマスターモードに覚醒したショウマに倒されてしまい計画はご破算。
それどころか、ランゴが担っていた闇菓子1000万個の製造も潰えた上、新たに仕入れ担当となったグロッタからは完全に失望されるなどまさに針の筵状態である。
加えて、形見であるシータのミミックキーでたびたびシータ(人間態)に変身しては鏡に話しかけるようになったり、彼女に仇討ちを催促される悪夢を見たりするほど、精神状態が悪化の一途を辿る。

第37話では自ら出撃してショウマと交戦。
鬼気迫る勢いで猛攻を仕掛けるも既にショウマとの実力差は如何ともし難い程に開き切っており、ブリザードソルベフォームにすら敵わず*4ガヴホイッピアによる無言の腹突きで吹っ飛ばされ、危うくトドメを刺されそうになった所をリゼルに助けられる始末だった。
この時、「シータが死んだのも、ストマック家が滅茶苦茶になったのも、全部お前のせいだ!!」と恨み節をぶつけていたが

  • シータを直接的に倒したのはショウマで間違いないのだが、そもそもランゴの指示通り富裕層に婿入り・嫁入りしていればお互い離れ離れにはなるものの生き残れる道はあった。*5にも拘らず「シータ(ジープ)と離れたくない、でも兄や姉には逆らえない、ならばせめてこんな仕打ちを受けた自分達の恨みつらみを赤ガヴに思い知らせてやる」と言う八つ当たり同然の動機でランゴの指示を蹴り、ショウマに戦いを挑む決断を下したのは当人達なので、その結果でシータが死んだのは完全な自業自得。
  • 「自分とシータを蔑ろにしたランゴに一泡吹かせてやる」と、またしても八つ当たり同然の動機で大統領の娘と結婚し強力な後ろ盾を得て出戻りしたものの、違法ドラッグの密造・密売に公権力が介入すると言う人間界でも一番やっちゃいけない事案の要因を作り、「ストマック家がのし上がる為の手段」であった闇菓子が「大統領の勢力拡大の為の道具」に成り下がって実家の家業を完全に乗っ取られる。結果、ニエルブは保身(?)の為に大統領側に付いて事実上の離反、更に自分の利敵行為でランゴがショウマに敗北、その尻拭いで工場長だったグロッタが仕入担当に降格…とストマック家を滅茶苦茶にした原因は誰がどう見てもジープ自身。そもそもこれらストマック家のお家騒動にショウマ達は全く関わっていないので、これまた完全に自業自得。「イカれた親父がスパイスと子作りしたのが全ての元凶」と言えばそれまでだが。

…と、そのどれもこれもが他責思考丸出しのどうしようもない発言ばかり。
尚、これまでの数多の戦いやランゴとの対決も経て精神的に大きく成長し、そもそも14話の時点で既にシータ共々倒す覚悟を決めていたショウマは、これらの発言に対して特に何の反応も見せず、声を掛けたのはトドメを刺す直前の「これで終わりだ…ジープ!」のみ。
兄の言動に呆れ果てたのか、「自分のせい」なのは事実ではあるので敢えて言い返さなかったのか、前述のガヴホイッピアによる無言の腹突きも「私はシータの仇を討たなくちゃいけないんだ!!」と吠えるジープに対し「黙れ」と言わんばかりのタイミングで放っている。

このように、再登場したのはいいものの、精神面での成長は一切ない……どころか、リゼルの影響で余計に悪化している節すら見受けられる上に、数少ない取り柄だった戦闘能力に関しても離脱期間の長さから完全にパワーインフレに置いて行かれる等、すっかりいいとこなしに落ちぶれてしまった。
ここから更に怒りと焦り、そして狂気に呑まれて歯止めが利かなくなっていくことに……。


【ジープ、覚悟の変身!】

第38話では、ニエルブに手術してパワーアップをしないかと提案されるが、自分があれだけ見下し蔑んできた「赤ガヴ」と同じになってしまうため、一度は躊躇する。
しかし、ニエルブに「そうでもしなきゃ赤ガヴには絶対勝てない」と言われた上、リゼルにも背中を押されたことで手術を受けることを決意。

新たな力・ビターガヴ バキバキスティックフォームでショウマとラキアと対峙し、一時は2人を圧倒するもなお2人とはいえ初期フォームでそこそこ善戦されてたのは秘密、ショウマがマスターモードに変身した瞬間形成逆転され、兄であるランゴのようにマスターモードの速さに対応できるはずもなく最後は後ろ回り込んだ上で脚を捕まれるという殺意マシマシでオーバーモードのオーバースマッシュに押し負け、あえなく爆散……したかに思われたが、ビターガヴの装甲によりダメージが軽減されたのか、大ダメージを負ったものの生きていた。
だが、もはや捨てゼリフすら吐く気力も残されておらず、ヨタヨタと逃げ去っていったのだった。

翌第39話でグラニュート界に帰還。ニエルブの治療を受け完全に回復し、ニエルブに手術までしたのになぜ負けたのかと八つ当たりするが、ニエルブは「新しいガヴが肉体に完全に馴染むまで時間がかかるから」と説明していた。

その後ランゴに引き続きグロッタも敗北し、自分が当初描いていたビジョンとどんどん遠ざかっていくことに苦悩するも、リゼルに励まされて再起を決意。

デモンストレーションでエージェント二人を撃破し、成長した様子を見せている。

【仮面ライダービターガヴ バキバキスティックフォーム】



ジープ…!

今度は負けない…こんな身体になったんだから…!

…!?そのガヴは…まさか…

改造したのか…!?

私は…全部捨てた!お前を倒すために…

スナック!

BITEスナック!BITEスナック!BITEスナック!

ガヴ!あっ…!*6

ガヴ!ガヴ!

変身!

ガッハッハッハッハッ…!

バキ・バキ・スティィック!ヤミー……!

身長:196.6cm
体重:64.2kg
パンチ力:2.7t
キック力:6.6t
ジャンプ力:7.5m(ひと跳び)
走力:6.0秒(100m)
スーツアクター:酒井和真

ビターガヴにバキバキスティックゴチゾウを食べさせて変身した形態。
フライドポテト或いはポテトスティック菓子のような棒状のパーツを歪に組み合わせた感じで構成された鎧を身に纏う。
リゼルが人間界から持ち帰ったポテトスティック菓子をヒントに生み出された。

これまでのビターガヴと異なり変身者の精神力を吸収することでその力を増大させていく特性を持っている。その副作用故かガヴの持ち手を回すと電流が奔るため、使うジープはこれに耐えなければならない。*7
作中に登場するライダーではふわマロフォームを下回り最軽量であり、その俊敏さを活かしビターガヴガブレイドやベイクマグナムで攻め立てる戦法を得意とする。
また、生体組織の一部を棒状の武器に変化させることも可能で、劇中ではこれを使ってガヴの両肩を串刺しにすることで壁に磔にしていた。
更にその生体組織は長辺方向への衝撃には強いが短辺方向への衝撃には弱い性質があり、それらが乱雑に組み合わさった装甲のバキバキスティックスターナムは敢えて砕けることで衝撃を拡散させて本体を守る性質があり、スピードタイプでありながらある程度の防御性能を確保している。
その耐久力はベイキングフルブラストをぶつけて多少威力を減少させていたとはいえ、オーバーガヴのオーバースマッシュの直撃を受けてもボロボロになりながらも生存するレベル。

上述するようにジープは「赤ガヴ」になってしまうことに葛藤していたが、実際にはビターガヴのガヴは黒いものであったため「アハッ!!アハハハハハッ!!これじゃ黒ガヴじゃない……!!」と狂ったように笑っていた。

しかし、その笑いはどこか引き攣った、自分がショウマと同じ改造された存在になってしまったことを無理矢理受け入れるために気丈に振る舞っているだけに見えるものであった。

なお、この形態自体は一月下旬に販売された「DX ビターガヴガブレイド」のパッケージで初めて存在が明かされたが、実際に登場したのは4カ月以上後だった。ここまで登場までに時間がかかったライダーは前代未聞である。*8


【余談】

名前はヒンディー語で舌を意味する「जीभ」から。変な親父師匠を鍛える時に乗り回していたアレではない、念の為。
古賀氏の中性的な容貌に加えて衣装もゴスロリ服だが、上記の通りれっきとした男性である*9本編中で初めて言及されたのは第4話で、ショウマが「ジープ兄さん」と呼んだのに脳を破壊された視聴者多数。

怪人態のモチーフは、北欧神話に登場する魔狼フェンリルの子供であり、スコル(シータのモチーフ)の双子の兄弟「ハティ」。その名は「憎しみ」を意味するという。
なおハティは月を喰らって月食を起こす存在とされており、グラニュート態のジープも月の飾りを胸元に着けている。

ジープを演じる古賀瑠氏とリゼル役の鎌田英怜奈氏は何回か舞台で共演したことがある。
また、ボッカ役の安元洋貴氏ともアニメ『フューチャーカード バディファイト』で共演したことがある。



私は……全部捨てた!!

追記・修正するために!!



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最終更新:2025年07月20日 08:07

*1 シータ、リゼルとの合同キャラソン。

*2 基本的にシータとまとめて扱われるので、いちいち各々の性別に合わせて言い直してもセリフが冗長になってしまうため省略されているものと思われる。その上で両性どちらにも使える「結婚するように」としなかったのは、短いセンテンスの中で「ストマック家から事実上放逐し、外の一族とのパイプを作る道具として扱う」というニュアンスも含める必要があったためだろう。

*3 実際、ショウマはこの直前にランゴに完敗しており、成功の目は低かったわけではない。私怨による独断なのも間違いないが

*4 このシーンはよく「舐めプ」と揶揄されるが、ケーキングで圧倒できていたジープに対し、ゴチポッドを使うまではなくとも次点のブリザードソルベで戦うぐらいには警戒されていた模様。

*5 それ以前にショウマの生存を面白半分で秘匿せずに報告していれば、兄弟達がショウマに対処して被害を食い止められただろうし、クビにされて富裕層へ嫁ぐ命令を出される事も無かった

*6 マンチビーター操作時に感電した際の声

*7 ただし43話で再変身した際には彼が精神的に成長したためか、この描写はなくなっている。

*8 一応、過去にはシルエットかつ名前を伏せられた上で事前に予約ページで使用を明かされ、登場する頃には予約が終了していた仮面ライダーブラッドという前例があるが、それでも2カ月程度だった。

*9 役者も過去に別の2.5次元舞台作品で女装キャラを演じていた経験がある。