元禄大戸島異聞(THEゴジラCOMIC)

「元禄大戸島異聞(THEゴジラCOMIC)」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

元禄大戸島異聞(THEゴジラCOMIC) - (2023/12/13 (水) 22:47:06) の1つ前との変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

&font(#6495ED){登録日}:2017/05/11 Thu 23:45:25 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 4 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- 1990年に宝島コミックスより刊行された、東宝公認の[[コミックアンソロジー]]『&b(){THEゴジラCOMIC}』収録の短編漫画。 著者は『[[空想科学読本]]』の[[特徴的な挿絵>空想科学研究所の書籍における近藤ゆたかの挿絵]]でもお馴染み、近藤豊(現:近藤ゆたか)氏。 本作を掲載したアンソロジーに関する詳細などは『[[Gからの警告>Gからの警告(THEゴジラCOMIC)]]』を参照。 宝島社と袂を別つ以前、同社で活動していた近藤氏が手掛けた作品で、同アンソロジー収録作の例に漏れず 著者がやりたい放題やった結果描かれた「&bold(){ゴジラ題材の時代物}」といった趣の漫画。 『空想科学読本』でも所々顔を出している近藤氏の時代劇フリークぶりが全開フルスロットルの一本となっており、 少なからずツッコみどころはあれど、雰囲気など「らしい」物に仕上がっている、[[隠れた名作]]である。 なお[[ゴジラの同類が忠臣蔵を再現する>怪獣総進撃]]ことや、ゴジラ・山根博士・大戸島の老人などの[[中の人>中の人ネタ]]は[[七人の侍]]でも共演していたことは、意識していてもおかしくはないが明言されていない。 ***登場人物 -芹沢大介、尾形秀一郎 播州浪人・赤穂浪士の2人。怪物に悩まされる大戸島の良民たちのため、徒党を組んで怪物対峙に赴く。 尾形は故郷に「恵美」という名の身重の妻を残している。 -小林、月岡、寺沢、池田、田島 怪物退治に参加した播州浪人たち。全員ゴジラとの戦いの中で戦死してしまった。 -[[ゴジラ]] 大戸島の住民たちを日夜苦しめている怪物。 核実験で変異する以前のため、サイズも小さければ放射熱線も吐かないが、それでも人間相手には十分脅威の存在。 作中では漢字表記で呼称される場面がある((けものへんに「豪」の難読漢字と、「魚」と書いて、「ゴジラ」。))。 ***あらすじ #center(){ &font(b,maroon){元禄十四年(一七〇一年)三月} &font(b,maroon){赤穂城々主浅野内匠頭長矩は江戸城中において吉良義央に斬りつけお家取潰しになった} &font(b,maroon){世に名高い「忠臣蔵」の発端である} &font(b,maroon){翌、元禄十五年 大戸島} } 大戸島の上空に輝くほうき星。島民たちは不吉の前兆だと騒ぎ立てる。事実、ここ最近不漁が続いていた。 島の老人は「アレ」が来ると断言、他の島民は皆食い殺されてしまうのだろうかと恐怖に慄くが、 老人は目を見開き、侍を雇って「アレ」――――怪物を対峙することを提案する。 #center(){ &font(b,maroon){ここに七人の浪人が名乗りをあげた――} } 大戸島に揃った7人の播州浪人たち。血気盛んな彼らは、戦が近づいている事に胸が躍っている様子だ。 そして、その中に&bold(){芹沢大介}、&bold(){尾形秀一郎}という二人の男がいた。 芹沢は、堀部安兵衛より渡された家老・大石内蔵助からの餞別を見て、出陣前の彼是を思い出す。 ―――気づけば夜は更け、島民たちの言った通り、東の岬より怪物が出没する。 #center(){ &font(b,maroon){太平洋に浮かぶこの孤島には数十年に一度巨大な怪物が上陸していた――} &font(b,maroon){その度に島民たちは全滅に近い大打撃をうけてきたのである} &font(b,maroon){だが今回は違う 侍を雇い、――罠をはった} &font(b,maroon){その怪物の名は――――} } 遂に出没した大戸島の怪物、&bold(){ゴジラ}。 芹沢らは島民たちを救うために課せられた自分たちの戦いを&bold(){我らの討ち入り}と称し、その本懐を果たすべく各々の獲物を構える。 進撃するゴジラは、用意されていた深い落とし穴にはまり、敷き詰められた竹槍で全身を串刺しにされる。 芹沢らは更に竹槍を無数に投入、ゴジラを針鼠さながらの姿にするが……その程度でくたばる様な怪物ではない。 振り降ろされた尻尾の一撃で、播州浪人のうち二人、小林と月岡が殺されてしまった。 続いて火責めをするも、ゴジラには通用せず更に寺沢、池田と次々と播州浪人たちは踏みつぶされてしまう。 刀すら通らないゴジラの皮膚だったが、左足のウィークポイントに気付いた芹沢はそこを集中攻撃。 激戦の中で芹沢は&bold(){片目を失いながらも}、笑顔で尾形の無事を、彼の妻である恵美に想った…… いつしか海辺の波は高くなり、一旦引き揚げることを提案した芹沢だったが、尾形はゴジラの首を取ることを決意。 高波の中から出現したのは、田島の死骸を口に銜えたゴジラ。それを見た尾形は、一直線のゴジラの頭頂部に飛びかかった。 尾形は脇差をゴジラの脳天に突き刺し、「&bold(){吉良の首ッ とった!}」と絶叫。 慟哭する芹沢の目の前で、動かなくなったゴジラと共に尾形は荒波に飲まれて姿を消した―――― #center(){ &font(b,maroon){同年十二月十四日} &font(b,maroon){赤穂四十七士、吉良邸に討ち入り、仇討ち本懐を遂げる――――} &font(b,maroon){明けて元禄十六年 二月、四十七士切腹} } 切腹の直前、大石内蔵助はゴジラ対峙に赴き、そのまま連絡の取れなくなった芹沢と尾形の事を思い出す。 その頃、6人の同志たちの墓標を建てた芹沢は、そのまま人知れず姿を消した――― 時は流れ、昭和29年――――場面は『[[ゴジラ>ゴジラ(1954)]]』ラストシーンへと移り変わる。 尾形秀人と山根恵美子の幸福を願い、ゴジラと共に海に没した&bold(){芹沢大助}。 其れはあたかも、先祖が成しえなかったただ一つの願いが、現代の世でようやく叶えられた瞬間だったのかもしれない。 崩壊してゆくゴジラの骨から、一本のボロボロとなった脇差が零れ落ちた事に気付いた者は、誰もいなかった―――― #center(){ &font(b,maroon){昭和二十九年} &font(b,maroon){理学博士芹沢大助の}&ruby(オキシジェン・デストロイヤー){&font(b,maroon){酸素破壊剤}}&font(b,maroon){によりゴジラは葬り去られた} &font(b,maroon){しかし七人の浪人によるゴジラ対峙の記録は一切残っていない―――――} &font(b,maroon){ただ沈みゆく脇差のみがその事実を語っていた} } 追記・修正お願いします。 #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,1) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - 記事作成乙です。ネロンガと村井セイエモンさんの話みたいで好きだな。 -- 名無しさん (2017-05-12 20:56:16) - 次のアンソロジー「ゴジラCOMICの逆襲」にも尾形と恵美子の息子の科学者が娘と一緒にゴジラを追うミレゴジみたいな話があったし、VSデストロイアで否定されるまで2人がその後結婚したって思ってた人多かったんだろうな -- 名無しさん (2017-05-13 08:51:42) - 近藤ゆたかさんの絵は空想科学読本でしか見たことないんだけど、こっちのゴジラも背びれは三角なのかな -- 名無しさん (2017-05-13 12:04:46) - ↑いや、この漫画は原作準拠の背びれになってる。読本と違って公認だからね、一応 -- 名無しさん (2017-05-14 10:15:52) - 水爆怪獣じゃない本物のゴジラ・・・いやまだ水爆じゃないけど。 -- 名無しさん (2019-01-14 18:21:39) - 変異する前だから、大戸島にいたゴジラザウルスじゃないの? -- 名無しさん (2021-07-15 15:15:04) - ↑あ、そうか。この時代、まだ原爆は開発されていないもんな。 -- 名無しさん (2021-07-29 12:54:35) - 映画第一作だと被爆以前のゴジラは「定期的に生贄さえもらえば島民にはおとなしく振る舞っている」というイメージなのだが、それとはどうもかけ離れているような… -- 名無しさん (2022-06-17 02:20:36) #comment #areaedit(end) }
&font(#6495ED){登録日}:2017/05/11 Thu 23:45:25 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 4 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- 1990年に宝島コミックスより刊行された、東宝公認の[[コミックアンソロジー]]『&b(){THEゴジラCOMIC}』収録の短編漫画。 著者は『[[空想科学読本]]』の[[特徴的な挿絵>空想科学研究所の書籍における近藤ゆたかの挿絵]]でもお馴染み、近藤豊(現:近藤ゆたか)氏。 本作を掲載したアンソロジーに関する詳細などは『[[Gからの警告>Gからの警告(THEゴジラCOMIC)]]』を参照。 宝島社と袂を別つ以前、同社で活動していた近藤氏が手掛けた作品で、同アンソロジー収録作の例に漏れず 著者がやりたい放題やった結果描かれた「&bold(){ゴジラ題材の時代物}」といった趣の漫画。 『空想科学読本』でも所々顔を出している近藤氏の時代劇フリークぶりが全開フルスロットルの一本となっており、 少なからずツッコみどころはあれど、雰囲気など「らしい」物に仕上がっている、[[隠れた名作]]である。 なお[[ゴジラの同類が忠臣蔵を再現する>怪獣総進撃]]ことや、ゴジラ・山根博士・大戸島の老人などの[[中の人>中の人ネタ]]は[[七人の侍]]でも共演していたことは、意識していてもおかしくはないが明言されていない。 ***登場人物 -芹沢大介、尾形秀一郎 播州浪人・赤穂浪士の2人。怪物に悩まされる大戸島の良民たちのため、徒党を組んで怪物対峙に赴く。 尾形は故郷に「恵美」という名の身重の妻を残している。 -小林、月岡、寺沢、池田、田島 怪物退治に参加した播州浪人たち。全員ゴジラとの戦いの中で戦死してしまった。 -[[ゴジラ]] 大戸島の住民たちを日夜苦しめている怪物。 核実験で変異する以前のため、サイズも小さければ放射熱線も吐かないが、それでも人間相手には十分脅威の存在。 作中では漢字表記で呼称される場面がある((けものへんに「豪」の難読漢字と、「魚」と書いて、「ゴジラ」。))。 ***あらすじ #center(){ &font(b,maroon){元禄十四年(一七〇一年)三月} &font(b,maroon){赤穂城々主浅野内匠頭長矩は江戸城中において吉良義央に斬りつけお家取潰しになった} &font(b,maroon){世に名高い「忠臣蔵」の発端である} &font(b,maroon){翌、元禄十五年 大戸島} } 大戸島の上空に輝くほうき星。島民たちは不吉の前兆だと騒ぎ立てる。事実、ここ最近不漁が続いていた。 島の老人は「アレ」が来ると断言、他の島民は皆食い殺されてしまうのだろうかと恐怖に慄くが、 老人は目を見開き、侍を雇って「アレ」――――怪物を対峙することを提案する。 #center(){ &font(b,maroon){ここに七人の浪人が名乗りをあげた――} } 大戸島に揃った7人の播州浪人たち。血気盛んな彼らは、戦が近づいている事に胸が躍っている様子だ。 そして、その中に&bold(){芹沢大介}、&bold(){尾形秀一郎}という二人の男がいた。 芹沢は、堀部安兵衛より渡された家老・大石内蔵助からの餞別を見て、出陣前の彼是を思い出す。 ―――気づけば夜は更け、島民たちの言った通り、東の岬より怪物が出没する。 #center(){ &font(b,maroon){太平洋に浮かぶこの孤島には数十年に一度巨大な怪物が上陸していた――} &font(b,maroon){その度に島民たちは全滅に近い大打撃をうけてきたのである} &font(b,maroon){だが今回は違う 侍を雇い、――罠をはった} &font(b,maroon){その怪物の名は――――} } 遂に出没した大戸島の怪物、&bold(){ゴジラ}。 芹沢らは島民たちを救うために課せられた自分たちの戦いを&bold(){我らの討ち入り}と称し、その本懐を果たすべく各々の獲物を構える。 進撃するゴジラは、用意されていた深い[[落とし穴]]にはまり、敷き詰められた竹槍で全身を串刺しにされる。 芹沢らは更に竹槍を無数に投入、ゴジラを針鼠さながらの姿にするが……その程度でくたばる様な怪物ではない。 振り降ろされた尻尾の一撃で、播州浪人のうち二人、小林と月岡が殺されてしまった。 続いて[[火責め]]をするも、ゴジラには通用せず更に寺沢、池田と次々と播州浪人たちは踏みつぶされてしまう。 刀すら通らないゴジラの皮膚だったが、左足のウィークポイントに気付いた芹沢はそこを集中攻撃。 激戦の中で芹沢は&bold(){片目を失いながらも}、笑顔で尾形の無事を、彼の妻である恵美に想った…… いつしか海辺の波は高くなり、一旦引き揚げることを提案した芹沢だったが、尾形はゴジラの首を取ることを決意。 高波の中から出現したのは、田島の死骸を口に銜えたゴジラ。それを見た尾形は、一直線のゴジラの頭頂部に飛びかかった。 尾形は脇差をゴジラの脳天に突き刺し、「&bold(){吉良の首ッ とった!}」と絶叫。 慟哭する芹沢の目の前で、動かなくなったゴジラと共に尾形は荒波に飲まれて姿を消した―――― #center(){ &font(b,maroon){同年十二月十四日} &font(b,maroon){赤穂四十七士、吉良邸に討ち入り、仇討ち本懐を遂げる――――} &font(b,maroon){明けて元禄十六年 二月、四十七士切腹} } 切腹の直前、大石内蔵助はゴジラ対峙に赴き、そのまま連絡の取れなくなった芹沢と尾形の事を思い出す。 その頃、6人の同志たちの墓標を建てた芹沢は、そのまま人知れず姿を消した――― 時は流れ、昭和29年――――場面は『[[ゴジラ>ゴジラ(1954)]]』ラストシーンへと移り変わる。 尾形秀人と山根恵美子の幸福を願い、ゴジラと共に海に没した&bold(){芹沢大助}。 其れはあたかも、先祖が成しえなかったただ一つの願いが、現代の世でようやく叶えられた瞬間だったのかもしれない。 崩壊してゆくゴジラの骨から、一本のボロボロとなった脇差が零れ落ちた事に気付いた者は、誰もいなかった―――― #center(){ &font(b,maroon){昭和二十九年} &font(b,maroon){理学博士芹沢大助の}&ruby(オキシジェン・デストロイヤー){&font(b,maroon){酸素破壊剤}}&font(b,maroon){によりゴジラは葬り去られた} &font(b,maroon){しかし七人の浪人によるゴジラ対峙の記録は一切残っていない―――――} &font(b,maroon){ただ沈みゆく脇差のみがその事実を語っていた} } 追記・修正お願いします。 #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,1) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - 記事作成乙です。ネロンガと村井セイエモンさんの話みたいで好きだな。 -- 名無しさん (2017-05-12 20:56:16) - 次のアンソロジー「ゴジラCOMICの逆襲」にも尾形と恵美子の息子の科学者が娘と一緒にゴジラを追うミレゴジみたいな話があったし、VSデストロイアで否定されるまで2人がその後結婚したって思ってた人多かったんだろうな -- 名無しさん (2017-05-13 08:51:42) - 近藤ゆたかさんの絵は空想科学読本でしか見たことないんだけど、こっちのゴジラも背びれは三角なのかな -- 名無しさん (2017-05-13 12:04:46) - ↑いや、この漫画は原作準拠の背びれになってる。読本と違って公認だからね、一応 -- 名無しさん (2017-05-14 10:15:52) - 水爆怪獣じゃない本物のゴジラ・・・いやまだ水爆じゃないけど。 -- 名無しさん (2019-01-14 18:21:39) - 変異する前だから、大戸島にいたゴジラザウルスじゃないの? -- 名無しさん (2021-07-15 15:15:04) - ↑あ、そうか。この時代、まだ原爆は開発されていないもんな。 -- 名無しさん (2021-07-29 12:54:35) - 映画第一作だと被爆以前のゴジラは「定期的に生贄さえもらえば島民にはおとなしく振る舞っている」というイメージなのだが、それとはどうもかけ離れているような… -- 名無しさん (2022-06-17 02:20:36) #comment #areaedit(end) }

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: